【ブラジル全国選手権2024】第23節(1/2)[08/17-19]

投稿者: | 2024年8月17日

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全国選手権第23節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/08/17 グレミオ(GRE) x バイーア(BAH)
・2024/08/17 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x クイアバ(CUI)
・2024/08/17 RBブラガンチーノ(RBB) x フォルタレーザ(FOR)
・2024/08/17 フルミネンセ(FLU) x コリンチャンス(COR)
・2024/08/18 パウメイラス(PAL) x サンパウロ(SAO)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第23節(2/2)[08/17-19]
・2024/08/18 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) x インテルナシオナウ(INT)
・2024/08/18 クリシウーマ(CRI) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
・2024/08/18 ボタフォゴ(BOT) x フラメンゴ(FLA)
・2024/08/18 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x 
ジュヴェントゥージ(JUV)
・2024/08/19 ヴィトーリア(VIT) x クルゼイロ(CRU)

全国選手権第23節 試合概要

グレミオ(GRE) 0-2 バイーア(BAH)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=o1C7VLfNgtI
(BAH) : 45' #16 タシアーノ(Thaciano, 1995)[#9 エヴェラウド(Everaldo, 1991)]
(BAH) : 76' #16 タシアーノ(Thaciano, 1995)[#14 カルロス・デ・ペナ(Carlos De Pena, 1992)]

今節前の順位

グレミオ(GRE)は全国選手権7勝3分10敗勝点24の14位。(2試合未消化)
バイーア(BAH)は全国選手権10勝5分7敗勝点35の7位。

得点シーン

(BAH) : 45' #16 タシアーノ(Thaciano, 1995)[#9 エヴェラウド(Everaldo, 1991)]
センターサークル内でのボール争奪戦のこぼれ球をVOLジアン・ルーカス(Jean Lucas, 1998)が拾いドリブルで前進。相手陣中央からPA右角のFWエヴェラウドへボールを送ると、フリーの体勢からFWエヴェラウドがゴール前ファーサイドへ折り返しのクロス。逆サイドから絞り込んだFWタシアーノが頭を合わせ、アウェイのバイーアが先制。[0-1]
   FWタシアーノは、2021年にグレミオから3か月間の期限付き移籍でバイーアに加入。4-7月の3か月間で26試合5得点3アシストを記録するが、契約満了と共にトルコへ1年間の期限付き移籍となる。グレミオ復帰後は出場機会に恵まれず、2023年3月末にバイーアへ完全移籍すると、全国選手権を中心に中盤の一角としてスタメンに定着する。同年終盤のホジェリオ・セニ監督就任後は、センターフォワードやウィングといったゴールに近い位置でプレー。守備時は高い位置でのプレスや、プレスバックで精力的に走り、攻撃時は最終ライン裏の抜け出しや、サイドからの絞り込みで相手守備陣を翻弄する。2024年は今節終了時点で45試合14得点4アシスト(全国選手権は22試合6得点1アシスト)。得点数はすでにキャリアハイを更新している。
(BAH) : 76' #16 タシアーノ(Thaciano, 1995)[#14 カルロス・デ・ペナ(Carlos De Pena, 1992)]
右CKのキッカーはMFカルロス・デ・ペナ。左足で上げられたボールは、ニアサイドでDFが頭を合わせることができず、背後に抜けたボールをFWタシアーノがヘディングシュート。ボールはGKのニアサイドを抜けゴールに収まる。
   MFカルロス・デ・ペナは、2013年にナシオナル/URUにてデビューしたウルグアイ国籍選手。2015年9月ミドルズブラ/ENGへ240万ユーロ相当の移籍金にて移籍。ブラジルでのプレーは、2022年4月にディナモ・キエフ/UKRからインテルナシオナウへの加入から。ウィングからプリメイロボランチまで幅広くプレーするユーティリティの高さを武器に、2022年43試合5得点7アシスト、2023年54試合5得点7アシストの成績を収めるが、2023年終盤には出場機会が大きく減少し、2024年4月にバイーアへ完全移籍。バイーアでは主にMFエヴェルトン・ヒベイロ(Éverton Ribeiro 1989)の交代要員として、全国選手権はこれまでチーム全23試合のうち22試合(うち先発3試合)に出場し3アシストを記録している。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:44% 56%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:13-12(5-5)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:84% 92%
Desarmes: 前半:‐ ⇒ 前後半:20-14
Faltas Cometidas: 前半:‐ ⇒ 前後半:9-10

   グレミオは、週中に開催されたリベルタドーレスベスト16フルミネンセ戦1stレグをホームで2-1の先勝。全国選手権は現在4連勝中で降格圏を脱出。前節は、クラブデビュー戦のデンマーク代表FWブライトバイテ(Braithwaite, 1991)が3得点に絡む活躍を見せ3-1の快勝。公式戦はコパ・ド・ブラジル、リベルタドーレスを合わせ、最近の8試合で5勝3分とチーム状況は大きく上向いている。
   今節のスタメンは、3日後にリベルタドーレス2ndレグが控えており控え選手が中心。リベルタドーレス2ndレグが出場停止となるCBホドリゴ・エリー(Rodrigo Ely, 1993)を除く10のポジションでスタメン変更。トップチーム9試合目の左SBゼ・ギリェルミ(Zé Guilherme, 2005)、自身全国選手権15試合目にして初スタメンとなる右WGナタン・フェルナンデス(Nathan Fernandes, 2005)といった若手選手、コロンビア国籍MFミゲル・モンサルベ(Miguel Monsalve, 2004)、チリ代表9キャップの右WGアレキサンデル・アラベナ(Alexander Aravena, 2002)の新加入選手に加え、スペイン代表26試合10得点のベテランCFジエゴ・コスタ(Diego Costa, 1988)などが名を連ねる。
   バイーアは週中にカップ戦がなく一週間ぶりの試合。その前節ヴィトーリアとのクラシコを2-0で制し、全国選手権6試合ぶりの白星を飾った。
   今節は、前節と同様、全国選手権開幕からほぼ固定されたメンバーのスターティングイレブン。控えにも開幕以来コンスタントに起用されているメンバーが顔をならべている。

   ホームのバイーアがボールを支配し、相手陣で左右にボールを散らしながら、ゴールへの手がかりを探る。
   しかし、最初に大きなチャンスを迎えたのはアウェイのグレミオ。前半8分、自陣でのボール奪取からカウンターを発動。最後は右サイドからのボールを中央で受けたFWナタン・フェルナンデスがシュートに持ち込むが、ボールはファーサイドのゴールポストの僅かに外へ流れる。
   バイーアは、引き続き相手陣でのパス回しからチャンスをうかがい、相次いでシュートに持ち込むと、前半27分、右サイドを崩しFWエヴェラウドがゴールエリア脇のゴールライン際からシュート。しかし、惜しくもボールはファーサイドのゴールポストを叩き弾き返される。
   なおも、試合を有利に進めるバイーアは、前半45分、中盤でのボール争奪戦からサイドへ素早くボールを送り、中央への折り返されたボールにFWタシアーノが頭を合わせ待望の先制点。
   後半開始時にグレミオは2選手を交代。両ウィングを下げ、4-3-3から4-4-2へと布陣を変更し、中盤での劣勢の巻き返しを図る。
   リードしたバイーアは、攻撃の圧力を弱め守備に重点を置き、カウンターを狙う戦術に転換。それに合わせグレミオのボール支配率は上がり、バイーア陣でボールを展開する時間が増えるが、PA入口近辺のスペースを消すバイーアの守備網を崩すことができない。
   後半21分、グレミオはPA手前でFKを獲得。直接ゴールを狙ったボールは壁に弾かれるが、そのこぼれ球をMFナタン(Nathan, 1996)が強烈なシュート。しかし、この至近距離のシュートをバイーアGKマルコス・フェリピ(Marcos Felipe, 1996)が片手でボールを阻止。
   しばらく均衡状態が続くが、後半31分、バイーアは自陣からのカウンターでCKを獲得すると、FWタシアーノが自身この試合2点目のゴールを頭で決める。
   後半37分、グレミオFWアレソ(Arezo, 2002)が相手陣で最終ラインのパス回しをカットしシュート、しかしボールは枠を捉えない。なおも、グレミオは攻撃の圧力を強めていく中、バイーアも後半44分にカウンターから決定機を迎えるが、グレミオGKカイーキ(Caíque, 1997)が追加点を許さない。
   後半終盤のグレミオの猛攻をいなしたバイーアが、古巣を相手に2ゴールを決めたFWタシアーノの活躍で2-0の勝利。

   バイーアは公式戦3試合連続無失点の3連勝。全国選手権は暫定ながらリベルタドーレス出場圏内の6位に浮上。
   グレミオは公式戦9試合ぶりの敗戦。気持ちを切り替えて中2日で行われるリベルタドーレス準々決勝進出を懸けたフルミネンセ戦に臨む。

アトレチコ・ミネイロ(CAM) 1-1 クイアバ(CUI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=MBJppEz5oo0
(CAM) : 11' #17 イゴル・ゴメス(Igor Gomes, 1999)[PK]
(CUI) : 44' #9 イシドロ・ピッタ(Isidro Pitta, 1999)[PK]

今節前の順位

アトレチコ・ミネイロ(CAM)は全国選手権7勝8分5敗勝点29の9位。(2試合未消化)
クイアバ(CUI)は全国選手権4勝5分11敗勝点17の19位。(2試合未消化)

得点シーン

(CAM) : 11' #17 イゴル・ゴメス(Igor Gomes, 1999)[PK]
相手陣手前左サイドからPA右角へのロングフィード。FWブライアン・パラシオス(Brahian Palacios, 2002)が受け、ベルナルジ(Bernard, 1992)の上がりを待ち、PA内でのパス交換からゴールライン際への抜け出しを図る。しかし、DFと交錯し転倒。主審はプレーを流すが、VARの介入によるオンフィールドレビューの結果、アトレチコ・ミネイロにPKの判定。このPKをMFイゴル・ゴメスがGKの指先を越す力強いシュートをゴールに突き刺し、ホームのアトレチコ・ミネイロが先制。[1-0]
   MFイゴル・ゴメスは、2019年U-20南米ユース選手権にて8試合1アシスト。サンパウロ育成出身で、2019年11月全国選手権にて19歳のプロデビューを果たす。翌2019年終盤にレギュラーの座を獲得し、続く2020‐22年の3年間で170試合8得点15アシストの成績を残す。2023年にアトレチコ・ミネイロへ移籍すると、スタメン出場と交代出場を繰り返し、53試合5得点3アシストを記録。2024年もポジションに定着しかねている状態だが、これまで33試合1得点3アシストを記録。左サイドの攻撃的なポジションを主戦としている。
(CUI) : 44' #9 イシドロ・ピッタ(Isidro Pitta, 1999)[PK]
相手陣中央、ゴールまで約30m強のFK。MFマックス(Max, 2001)がゴール前に送ったボールはDFのクリアに遭うが、プレーが途切れるとVARが介入。PA内でCBマルロン(Marllon, 1992)がアトレチコ・ミネイロDFに押し倒されており、主審はクイアバのPKを告げる。FWイシドロ・ピッタが蹴るPKは、GKが手のひらに当てるが、ボールの勢いが勝りゴールに吸い込まれ、アウェイのクイアバが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   FWイシドロ・ピッタは、2023年にクイアバに加入。同年はセンターフォワードとしてFWデイヴェルソン(Deyverson, 1991)の2番手ながら、46試合12得点7アシストを記録。2024年はセンターフォワードに定着し、今節終了時点で48試合21得点2アシスト。得点数はすでにキャリアハイを更新。全国選手権での7得点は得点ランク3位タイ。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:56% 44%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:7-4(3-2)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:90% 80%
Desarmes: 前半:‐ ⇒ 前後半:10-8
Faltas Cometidas: 前半:‐ ⇒ 前後半:6-5

   アトレチコ・ミネイロは、週中にリベルタドーレスベスト16サンロレンソ/ARG戦1stレグをアウェイで戦い1-1の引き分け。コパ・アメリカ開催期間の代表選手の離脱に加えケガ人が相次いだ厳しい時期を乗り越え、最近の公式戦10試合を4勝4分2敗の成績にまとめている。しかし、チームの要FWフッキ(Hulk, 1986)が新たにケガで戦列を離脱し、ガブリエル・ミリット(Gabriel Milito)監督は様々な組み合わせや戦術を試す状況から抜け出せずにいる。
   今節終了後中2日でリベルタドーレス2ndレグを控え、今節のスタメンは、サンロレンソ戦1stレグから6つのポジションで選手を変更。新加入のVOLファウスト・ベラ(Fausto Vera, 2000)、MFベルナルジ(Bernard, 1992)、FWデイヴェルソン(Deyverson, 1991)は引き続きスタメンを務める。8月7日に加入したばかりのFWデイヴェルソンは、早くも前所属のクイアバとの対戦を迎える。
   クイアバは一週間ぶりの試合。前節グレミオ戦はホームで1-3の完敗。全国選手権は、開幕5連敗後にプチ(Petit)監督が就任し、第9~19節は1部残留圏を推移したものの、現在は4連敗中で再び降格圏に転落している。最近の試合では、ハイプレスでのボール奪取までは上手く機能するものの、フィニッシュの精度に欠ける場面が多くみられる。
   今節のスタメンは、FWアンドレ・ルイス(André Luís, 1997)に代え、MFデニウソン(Denilson, 2001)を入れ、布陣を2トップからCFイシドロ・ピッタ(Isidro Pitta, 1999)をワントップに置いた5-4-1に変更。

   立ち上がりからボールを支配するアトレチコ・ミネイロが、前半4分に右サイド浅めの位置からのクロスをファーストシュートに持ち込むと、その1分後に、右サイドでのパス交換での仕掛けからPKを獲得。MFイゴル・ゴメスがこのPKを決め、早くもホームのアトレチコ・ミネイロがリード。
   なおも、攻撃の手を緩めないアトレチコ・ミネイロは、前半24分、相手陣深く右サイドからのクロスにMFイゴル・ゴメスがゴール正面で飛び込むが、ボールはクロスバーを直撃しゴールラインを割る。
   なかなか効果的に相手陣へボールを運べないクイアバは、前半27分、相手陣に15mほど入った位置で獲得したFKからゴール前に送られたボールに、CBマルロン(Marllon, 1992)が頭を合わせるが、ボールは惜しくもゴールポストをかすめゴールラインを割る。
   前半39分、クイアバは前半27分と同様の位置で再びFKを獲得。ゴール前に送ったボールは簡単にクリアに遭うが、VARが介入。PA内でCBマルロンが相手DFに押し倒された場面が確認されクイアバがPKを獲得。このPKをFWイシドロ・ピッタが決め、劣勢のクイアバが前半のうちに同点に追いつく。
   後半立ち上がりも、前半同様アトレチコ・ミネイロがボールを支配、クイアバは固い守備からカウンターを狙う展開が続く。
   後半17分、アトレチコ・ミネイロは攻撃的なポジションで3選手を一気に交代。すると、試合はややオープンな展開へと向かう。
   後半19分、クイアバはCKからCBブルーノ・アウヴェス(Bruno Alves, 1991)がフリーの体勢でヘディングシュート、後半21分には自陣での相手のプレスを掻い潜り、前線に送られたボールにFWイシドロ・ピッタが抜け出しシュートに持ち込むが、いずれもシュートに勢いがなくGKエヴェルソン(Éverson, 1990)がしっかりとキャッチ。
   アトレチコ・ミネイロも、後半22分にFWアリソン(Alisson, 2005)、後半24分にFWカドゥ(Cadu, 2004)がそれぞれシュートに持ち込むが、いずれも枠を捉えない。
   後半31分、アトレチコ・ミネイロは、自陣からのロングボールにFWデイヴェルソンが抜け出しゴールネットを揺らすが、残念ながらFWデイヴェルソンの抜け出すプレーがオフサイド。
   以降は両チームに決定機は訪れず、後半はスコアが動かないままタイムアップ。試合は1-1の引き分けに終えた。

RBブラガンチーノ(RBB) 1-2 フォルタレーザ(FOR)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=5Y34lyNmM0A
(FOR) : 26' #7 ポチェチーノ(Pochettino, 1996)[#79 ヘナト・カイゼル(Renato Kayzer, 1996)]
(RBB) : 38' #10 リンコン(Lincoln, 1998)[PK]
(FOR) : 90' #26 ブレーノ・ロペス(Breno Lopes, 1996)[#77 ケルビン・アンドラーデ(Kervin Andrade, 2005)

今節前の順位

RBブラガンチーノ(RBB)は全国選手権7勝6分7敗勝点27の11位。(2試合未消化)
フォルタレーザ(FOR)は全国選手権12勝6分3敗勝点42の2位。(1試合未消化)

得点シーン

(FOR) : 26' #7 ポチェチーノ(Pochettino, 1996)[#79 ヘナト・カイゼル(Renato Kayzer, 1996)]
RBブラガンチーノの最終ラインが自陣で痛恨のパスミス。ゴールに流れるボールをFWヘナト・カイゼルが確保すると、GKとDFを引き付け真横にボールを送り、そこにMFポチェチーノが走り込みシュート。ボールはゴール右上に突き刺さりアウェイのフォルタレーザが先制。[0-1]
   MFポチェチーノは、2015年にボカ・ジュニオルス/ARGからプロデビューを果たしたアルゼンチン国籍選手。2018年にデフェンサ・イ・フスティーシア(Defensa y Justicia)/ARGにて共に働いたボイボダ(Voyvoda)監督の強い要請で、2023年にフォルタレーザが獲得。同年はチームの柱として70試合6得点10アシストの成績を収める。2024年もこれまでに43試合6得点12アシストを記録。フォルタレーザ躍進に貢献する中心選手の一人。
(RBB) : 38' #10 リンコン(Lincoln, 1998)[PK]
右CKからゴール奥へ上げられたボールはクリアに遭うが、そのボールを回収しようとしたFWヴィニシーニョ(Vinicinho, 2004)がDFに押し倒されPKを獲得。このPKをMFリンコンがゴール右隅へ地を這うシュート。GKの指先を抜けたボールはゴールネットに突き刺さり、ホームのRBブラガンチーノが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   FWヴィニシーニョは、デスポルチーヴォ・ブラジルからの期限付き移籍により、2024年序盤はRBブラガンチーノBチームでプレーした後、同年4月にRBブラガンチーノへ完全移籍。7月に途中交代ながら4試合に出場すると、8月に入り出番はさらに増え、今節は初スタメンに抜擢。まだ線の細さを感じさせるが、スピードがあり足元の技術の高さが魅力のウィンガー。
(FOR) : 90' #26 ブレーノ・ロペス(Breno Lopes, 1996)[#77 ケルビン・アンドラーデ(Kervin Andrade, 2005)]
自陣PA右でマイボールを確保すると、右サイドライン際へシンプルにボールを送る。FWマチューカ(Machuca, 2000)がサイドに流れボールを受けると、ドリブルで相手陣に侵入。相手陣PA手前中央へ斜めにボールを送ると、DFを背に抱えたFWケルビン・アンドラーデが胸トラップで落としたボールを斜め前方に流す。そこに抜け出したFWブレーノ・ロペスがシュート。GKの脇を抜けたボールがゴールファーサイドに吸い込まれフォルタレーザが土壇場で勝ち越す。[1-2]
   FWブレーノ・ロペスは、左サイドを主戦とするスピード豊かなサイドアタッカー。2024年4月にパウメイラスからの期限付き移籍にてフォルタレーザに加入。加入直後の全国選手権第4節でスタメンに起用されると、以降はポジションに定着。フォルタレーザにて20試合4得点3アシストを記録中。期限付き移籍に買取オプションは附帯されていない模様だが、シーズン終了後の去就が早くも気になる。
   FWケルビン・アンドラーデは、2024年コパ・アメリカにベネズエラ代表として参戦し1試合1アシストを記録。2023年にフォルタレーザに加入し、2024年はこれまで26試合7得点5アシスト。公称163cmの小柄な体型ながら、体幹は強く、足元の技術も高い。動き出しやポジショニングは非常に高い水準にあり、連係の中で見せる予想を超える即興のプレーは個人のエゴがなく、個人的にお気に入りの選手の一人。コパ・ド・ブラジルではPK戦で最後のキッカーとして起用され、失敗に終わり、チームは敗退したが、この起用は監督や周囲の選手の信頼の証。試合ごとに確実に成長を続けている。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:60% 40% ⇒ 前後半:55% 45%
シュート(枠内): 前半:7‐8(5-6) ⇒ 前後半:13-14(9-7)
パス成功率: 前半:81% 73% ⇒ 前後半:79% 75%
Desarmes: 前半:7‐3 ⇒ 前後半:14-9
Faltas Cometidas: 前半:6‐8 ⇒ 前後半:19-12

   RBブラガンチーノは、週中のコパ・スウアメリカーナ(コパスーラ)でのコリンチャンス戦1stレグをホームで1-2の敗戦。公式戦は6試合に勝ち星がなく2分4敗と苦戦を強いられている。
   中2日でコパスーラ2ndレグを控え、今節のスタメンは、7つのポジションで選手を変更。3トップは中央にFWチアゴ・ボルバス(Thiago Borbas, 2002)、右サイドにFWヴィニシーニョ(Vinicinho, 2004)、左サイドにFWグスタヴィーニョ(Gustavinho, 2004)。途中交代出場が続く選手にチャンスが訪れている。
   フォルタレーザは、週中のコパスーラにてロサリオ・セントラル(Rosario Central)/ARGとのアウェイでの1stレグを1-1の引き分け。RBブラガンチーノとは対照的に、9試合黒星がなく7勝2分の成績。そのうち全国選手権は7勝1分で1試合未消化ながら、前節終了時点で首位ボタフォゴまで勝点差「1」の2位にまで順位を上げてきている。
   中3日でコパスーラ2ndレグを控え、今節のスタメンは、7つのポジションで選手を変更。FWルセロ(Lucero, 1991)の体調不良、ケガの穴を埋め、最近6試合で3得点の好調FWヘナト・カイゼル(Renato Kayzer, 1996)は引き続きスタメン出場。シーズン序盤からローテーションや対戦相手に応じて多くの選手が試合に起用されており、多くのメンバー変更でも大きな戦力ダウンは感じられない。

   キックオフから開始10秒でフォルタレーザがファーストシュート。前半5分には、フォルタレーザは自陣PA横からのFKをGKジョアン・ヒカルド(João Ricardo, 1988)がロングフィード。相手陣PA入口まで飛んだボールにRBブラガンチーノGKファブリシオ(Fabrício, 2000)がファンブル。このこぼれ球からのパスを受けたFWモイゼス(Moisés)が無人のゴールに流し込むが、オフサイドの判定によりゴールは認められない。
   一方のRBブラガンチーノは、前半15分、相手陣でのボール奪取から、MFジョン・ジョン(Jhon Jhon, 2002)が最終ライン裏へスルーパス。そこに抜け出したFWチアゴ・ボルバスがGKとの一対一を迎えるが、シュートはGKに阻まれ、絶好の先制機を逃す。
   フォルタレーザは、相手の高い位置でのマークを掻い潜っては相手陣深くまでボールを展開し相次いでRBブラガンチーノゴールに迫る。前半18分のMFポチェチーノ、前半19分の左SBフェリピ・ジョナタン(Felipe Jonatan, 1998)のシュートは、いずれもGKファブリシオがしっかりとキャッチ。前半20分の右CKからの好機も、混戦からの至近距離のシュート、跳ね返りのボールに直接合わせたヘディングシュートを連続してGKファブリシオがストップし得点を許さない。
   RBブラガンチーノは、再三のピンチをGKファブリシオが絶っていくが、前半26分に自陣で最終ラインが痛恨のパスミス。これにはGKファブリシオも対応できず、フォルタレーザが先制する。
   フォルタレーザが試合のテンポを落とし守備的な戦術に変更すると、前半34分、RBブラガンチーノはMFリンコンが約25mのミドルシュート。GKがCKに逃れると、CKからの一連のプレーでフォルタレーザDFが主審の目の前で相手選手と押し倒し、RBブラガンチーノがPKを獲得する。このPKをMFリンコンが決め、ホームのRBブラガンチーノが試合を振り出しに戻す。
   前半40分にはRBブラガンチーノVOLハウーウ(Raul, 1996)がPA手前から強烈なシュート。GKジョアン・ヒカルドの好セーブに得点は生まれなかったものの、RBブラガンチーノが試合の流れを掴み前半を終える。
   前半の勢いのまま後半が始まると、RBブラガンチーノは中盤での優位に立ち、交代出場のFWヴィチーニョ(Vitinho, 1999)が後半13分に思い切りのいいシュート。後半17分には、相手陣中央でボールを受けたFWヴィチーニョが右サイドに大きく展開。右SBアンドレス・ウルタド(Andrés Hurtado, 2001)のゴールライン際からのグラウンダーのクロスにFWヴィチーニョが足を合わせるが、GKジョアン・ヒカルドがシュートブロック。
   一方のフォルタレーザも、途中交代出場のFWマチューカ(Machuca, 2000)が起点となり、試合展開をイーブンな状態に持ち込む。
   後半40分、RBブラガンチーノは交代出場でプロデビューを飾ったVOLシュンビーニョ(Chumbinho, 2003)がセンターサークルからドリブルでボールを持ち上がり、PA手前からシュート。フォルタレーザGKジョアン・ヒカルドが反応良く倒れ込みパンチングのクリア。
   後半45分、フォルタレーザは自陣深くから、シンプルに縦にボールを送り、FWマチューカが大きくボールを展開。PA手前でボールを受けたFWケルビン・アンドラーデのスルーパスに反応したFWブレーノ・ロペスが勝ち越しゴール。

   2-1の勝利を収めたフォルタレーザが、引き分けを挟む連勝を「8」に伸ばし、試合終了時点で遂に首位に浮上。
   一方のRBブラガンチーノは、2引き分けを挟み公式戦5連敗。試合は互角の内容だったものの、勢いの差が結果となって表れた

フルミネンセ(FLU) 0-0 コリンチャンス(COR)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=-G7XIhIdRUA

今節前の順位

フルミネンセ(FLU)は全国選手権5勝5分11敗勝点20の18位。(1試合未消化)
コリンチャンス(COR)は全国選手権4勝9分9敗勝点21の17位。

得点シーン

N/A

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:55% 45% ⇒ 前後半:53% 47%
シュート(枠内): 前半:4‐3(2-2) ⇒ 前後半:12-8(4-2)
パス成功率: 前半:89% 87% ⇒ 前後半:87% 85%
Desarmes: 前半:7‐15 ⇒ 前後半:15-21
Faltas Cometidas: 前半:5‐8 ⇒ 前後半:9-17

   フルミネンセは、週中にリベルタドーレスでのベスト16グレミオ戦1stレグを敵地で1-2の敗戦。全国選手権は、長らく最下位に低迷していたが、移籍ウィンドウが解禁し、CBチアゴ・シウヴァ(Thiago Silva, 1984)が2008年以来のクラブ再デビューを果たすと、1-0のスコアで4連勝。前節はCBチアゴ・シウヴァを温存し、0-2でヴァスコ・ダ・ガマとのクラシコを落とした。
   今節のスタメンは、中2日でグレミオとの2ndレグを控え、4つのポジションを変更。残留争いのライバルとの直接対戦ということもあり、必勝を期してCBチアゴ・シウヴァをスタメン起用。新加入のCBイグナシオ(Ignácio, 1996)とVOLファクンド・ベルナル(Facundo Bernal, 2003)、2023年のデビュー以降全国選手権では12試合目にして初スタメンとなるFWイザッキ(Isaac, 2004)が先発のチャンスを得る。
   コリンチャンスは、週中のコパスーラでのベスト16、RBブラガンチーノ戦1stレグをアウェイの地で2-1の先勝。全国選手権は4試合勝ち星から遠ざかり、降格圏の17位に低迷している。
   中2日でRBブラガンチーノ戦2ndレグを控えるが、残留争いの直接のライバルであるフルミネンセとの一戦ということもあり、先発の変更は3つのポジションに止まる。ケガのVOLハニエリ(Raniele, 1996)に代わりVOLヒアン(Ryan, 2003)、CBアンドレ・ハマーリョ(André Ramalho, 1992)が3バックの中央として先発に復帰。FWジオヴァーニ(Giovane, 2003)に代わりMFロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)が入り、3-4-1-2の布陣で試合に臨む。

   立ち上がりは、アウェイのコリンチャンスがハイプレスでボール奪取を繰り返し、相手陣で試合を展開。前半4分、コリンチャンスは自陣の高い位置でボールを奪うと、FWタレス・マギノ(Talles Magno, 2002)が最終ライン裏を抜け出したFWペドロ・ハウーウ(Pedro Raul, 1996)へスルーパス。FWペドロ・ハウーウはPA手前で腕を引っ張られると、プレーを止め、相手のファールを主張するが、主審はプレーを続行。コリンチャンスは開始間際の大きなチャンスをふいにする。
   前半10分頃までコリンチャンスが優位に試合を進めるが、フラメンゴはMFアレキサンデル(Alexsander, 2003)がやや下がり、VOLアンドレ(André, 2001)がコリンチャンスの司令塔MFロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)のマークに付くことで守備が安定すると、試合は均衡状態に陥る。
   両チームともシュートまで持ち込む機会を生み出せないまま時間は過ぎる。しかし、前半33分、フルミネンセは相手陣でのボール回しから、右SBサムエウ・シャヴィエル(Samuel Xavier, 1989)が中央へ斜めにポジションを移し、ライン間でボールを受けシュート。これはコリンチャンスGKウーゴ・ソウザ(Hugo Souza, 1999)が横に倒れながら阻止。
   返すコリンチャンスもその直後の前半34分、PA手前中央でボールを受けたFWタレス・マギノが右サイドへボールをはたき、右SBマテウジーニョ(Matheusinho, 2000)がゴール前にクロス。FWペドロ・ハウーウの背後のスペースでフリーの体勢のFWタレス・マギノが頭を合わせるが、ボールはGKの正面に飛び、GKファビオ(Fábio, 1980)が難なくキャッチ。
   試合が動き始めると、フルミネンセは、前半38分にMFアレキサンデルがPA左角からゴール前にクロス。FWカウワン・エリアスが相手DFの前に現れ頭を合わすが、GKウーゴ・ソウザが片手で辛うじてCKに逃れる。
   後半開始時に、フルミネンセは前半にミスが続いた左SBエスケルジーニャ(Esquerdinha, 2006)に代えFWケーノ(Keno, 1989)を投入。MFアレキサンデルが左SBに入る。すると、フルミネンセが次々と相手ゴールに迫りだす。
   前半17分、フルミネンセが左CKを獲得。ゴール前に送られたボールはDFがクリア、フルミネンセがセカンドボールを回収するが、その瞬間にコリンチャンスVOLヒアンがボールを掻き出し、コリンチャンスがロングカウンター。3対1の形となり、最後はMFシャルレス(Charles, 1996)がゴールネットを揺らす。しかし、VARの検証により、ボールを掻き出したプレーでのファールが認められ、ゴールは取り消される。
   その後、両チームは選手交代により攻撃的な選手を次々と投入しゴールを目指すが、いずれのチームにも大きなチャンスは訪れず、試合はタイムアップを迎えスコアレスドロー。全国選手権で下位に低迷する両雄によるカップ戦の合間の試合は、勝点「1」を痛み分ける結果に終えた。

パウメイラス(PAL) 2-1 サンパウロ(SAO)

動画URL: 
(PAL) : 53' #42 フラッコ・ロペス(Flaco Lopez, 2000)[#41 エステヴォン(Estêvão, 2007)
(SAO) : 72' #10 ルシアーノ(Luciano, 1993)[#17 アンドレ・シウヴァ(André Silva, 1997)]
(PAL) : 90+12' #42 フラッコ・ロペス(Flaco Lopez, 2000)[#10 ホニ(Rony, 1995)]

今節前の順位

パウメイラス(PAL)は全国選手権11勝5分6敗勝点38の4位。
サンパウロ(SAO)は全国選手権11勝5分6敗勝点38の5位。

得点シーン

(PAL) : 53' #42 フラッコ・ロペス(Flaco Lopez, 2000)[#41 エステヴォン(Estêvão, 2007)]
相手陣PA内右をVOLヒシャルジ・ヒオス(Richard Rios, 2000)がドリブルで仕掛け、ゴールライン際でDFをかわし中央へボールを送る。CBグスタボ・ゴメス(Gustavo Gómez, 1993)のシュートはブロックに遭うが、その跳ね返りのボールをPA入口からVOLゼ・ハファエウ(Zé Rafael, 1993)が縦に送り、FWエステヴォンの体に当たったボールをFWフラッコ・ロペスがゴールに押し込む。線審はオフサイドフラッグを掲げるが、VARの検証でファーサイドにDFが残っており、FWフラッコ・ロペスの位置はオンサイド。ホームのパウメイラスが先制する。[1-0]
   FWフラッコ・ロペスは、2021年1月ラヌース/ARGから20歳でプロデビューしたアルゼンチン国籍選手。2022年7月パウメイラスに移籍加入。2022年14試合2得点、2023年40試合8得点、2024年はこれまで45試合18得点5アシストと着実に成績を伸ばしている。
(SAO) : 72' #10 ルシアーノ(Luciano, 1993)[#17 アンドレ・シウヴァ(André Silva, 1997)]
自陣から相手陣右サイド深くへロングフィード。SBフェラレシ(Ferraresi, 1998)がゴールライン際から中央へボールを送ると、FWアンドレ・シウヴァがボールを受けるがDF3選手に囲まれ、ボールを一旦下げる。ペナルティサークル内でボールを受けたFWルシアーノが思い切りよく左足を振り抜くと、グラウンダーのシュートがゴールニアサイドに決まり、サンパウロが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   FWルシアーノは、2020年8月のサンパウロ加入以来、多くの監督のもとでレギュラーとして活躍し、これまで通算244試合81試合22アシストを記録。2023年はFWルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)加入のため、クラブ初制覇のコパ・ド・ブラジルでは先発の座を譲ったものの、2024年はFWルーカス・モウラと共存し、これまで43試合14試合1アシストを記録中。セカンドトップとして高い位置で攻撃の組み立てもできるストライカー。
(PAL) : 53' #42 フラッコ・ロペス(Flaco Lopez, 2000)[#10 ホニ(Rony, 1995)]
右CKからゴール前に上げられたボールは、サンパウロGKハファエウ(Rafael, 1989)が大きくパンチングでクリア。FWフェリピ・アンデルソンがボールを回収し左サイドへ展開しFWホニがゴール前にボールを送ると、FWフラッコ・ロペスが高さのあるヘディングシュート。これがゴールネットを揺らし、実質的に最後のプレーでパウメイラスがリードを奪う。[2-1]

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:59% 41% ⇒ 前後半:54% 46%
シュート(枠内): 前半:14‐4(5-3) ⇒ 前後半:24-8(8-4)
パス成功率: 前半:86% 81% ⇒ 前後半:84% 82%
Faltas Cometidas: 前半:7‐8 ⇒ 前後半:16-12

   パウメイラスは、週中のリベルタドーレスベスト16ボタフォゴ戦1stレグを1-2で落とし、中2日で迎えるホーム2ndレグで巻き返しが必須。しかし、全国選手権も4試合に勝ち星がなく、優勝争いに喰い止まるためにも勝点「3」が欲しい状況。
   今節は、CBムリーロ(Murillo, 1997)が出場停止のため、3バックから4バックに変更。ケガ明けのFWエステヴォン(Estêvão, 2007)がスタメンに復帰し、中盤から前線にかけては全国選手権前半の好調時の顔ぶれで試合に入る。
   サンパウロは、週中のリベルタドーレスベスト16、アウェイでの1stレグはシュート2本に抑え込まれる苦しい展開となったが、0-0の引き分けに持ち込み、今節終了後、中3日でホームで2ndレグを迎える。公式戦は最近5試合で負けがなく、全国選手権は2連勝中、順位はパウメイラスと同勝点の5位。優勝争いに止まるためにも勝点「3」を積み上げたい。
   今節のスタメンは、リベルタドーレスから6つのポジションで変更。ケガ人が相次ぎ、選手起用に試行錯誤が続くセグンドボランチにはMFホドリゴ・ネストール(Rodrigo Nestor, 2000)が起用される。

   両チームの対戦は今季6度目。過去の5試合は2勝1分2敗の五分の成績。
   試合はパウメイラスがボールを支配して始まる。センターバックの間にVOLヒシャルジ・ヒオスが下がり、縦、両サイドにボールを散らし攻撃の糸口を探る。一方のサンパウロは、マイボール時は自陣でのパス回しに終始し、効果的に相手陣にボールを運ぶことができない。
   前半6分、サンパウロは左WGフェヘイラ(Ferreira, 1997)が攻め上がった際に転倒、ピッチ外で治療を受けるがプレーを継続できず、前半11分にSBパトリッキ(Patryck, 2003)と代わる。この交代でサンパウロは5バックへと布陣を変更。
   パウメイラスは、右サイドをFWエステヴォン(Estêvão, 2007)、左サイドをFWラザロ(Lázaro, 2003)が中心となりサイド攻撃を試みるが、5バックに移行したサンパウロ守備陣のマークに精度の高いクロスを供給できない。
   前半26分、ここまで劣勢のサンパウロは、中央を自陣から縦に素早くボールを繋ぎFWウェリントン・ハット(Wellington Rato, 1992)が抜け出すが、パウメイラスGKウェヴェルトン(Weverton, 1987)が間合いを詰めシュートに持ち込ませない。FWウェリントン・ハットは一旦ボールを下げると、PA手前で細かくパスを繋ぎ、最後はアンドレ・シウヴァ(André Silva, 1997)がシュートに持ち込むが、GKウェヴェルトンが片手でCKに逃れる。
   前半36分、パウメイラスは左サイドからのクロスのこぼれ球をVOLヒシャルジ・ヒオスがPA手前右寄りの位置からミドルシュート。サンパウロGKハファエウ(Rafael, 1988)が横に跳び両手で弾き返す。このシュートを皮切りに、前半40分のPA入口からのMFハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)の強烈なシュートなど、相次いでパウメイラスがシュートに持ち込むが、サンパウロはGKハファエウ(Rafael, 1988)を中心に体を張ったプレーでゴールを守り抜く。
   後半もパウメイラスが前半終盤の勢いを保ち、後半3分、FWエステヴォンの個人技からのスルーパスに、後方から走り込んだGKハファエウ(Rafael, 1988)のシュートに持ち込むが、ボールはGK正面をつきゴールは生まれない。
   しかし、後半8分、パウメイラスはセットプレーからPA内で混戦になると、最後はFWフラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)がゴールを奪い、遂に試合の均衡を破る。
   リードを許したサンパウロは、後半15分にFWルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)とFWルシアーノ(Luciano, 1993)を投入。
   すると、後半23分、ハーフライン上でボールを受けたFWルーカス・モウラがDF3人をかわしドリブルでボールを持ち上がりFWウェリントン・ハットのシュートをお膳立て。このシュートで試合の流れを掴む。
   後半27分、右サイド深くからの攻撃が手詰まりとなり、後方に下げられたボールにFWルシアーノが左足を一閃。ボールはGKのニアサイドを抜けゴールネットを揺らし、サンパウロが試合を振り出しに戻す。しかし、このゴール後のパフォーマンスでFWルシアーノはイエローカードを提示される。
   後半31分、パウメイラスは、投入されたばかりのFWフェリピ・アンデルソン(Felipe Anderson, 1993)が右サイドをドリブルでボールを持ち上がり、中央へ送ったグラウンダーのボールにファーサイドでFWラザロがシュート。ボールはゴールネットに突き刺さるが、オンフィールドレビューの結果、ボールの軌道上にいたFWフラッコ・ロペスがプレーに関与したとの判断でオフサイド。決勝ゴールは幻と消える。
   ホームで勝点「3」が欲しいパウメイラスが猛攻を仕掛け、アウェイで勝点「1」を積み上げたいサンパウロは守備を固めゴールを守る展開へ。
   後半45+11分、FWフェリピ・アンデルソンの仕掛けを潰したサンパウロFWルシアーノがこの試合2枚目のイエローカードを提示され退場処分となると、パウメイラスの攻撃はさらに圧力を増す。
   後半45+12分、パウメイラスは、右CKからのクリアボールを回収し、左サイドからFWホニがゴール前にクロス。これをFWフラッコ・ロペスが高さのあるヘディングシュートでゴールネットを揺らす決勝ゴール。
   試合再開後にタイムアップを笛が吹かれ、試合はホームのパウメイラスが2-1の勝利を収めた。

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