【ブラジル全国選手権2024】第23節(2/2)[08/17-19]

投稿者: | 2024年8月17日

投稿内の選手名のリンクは、当ブログ選手紹介記事にリンクしています。
投稿内の「動画URL」はブラジルスポーツサイト「ge」YouTube公式チャンネルのダイジェスト動画にリンクしています。

全国選手権第23節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第23節(1/2)[08/17-19]
・2024/08/17 グレミオ(GRE) x バイーア(BAH)
・2024/08/17 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x クイアバ(CUI)
・2024/08/17 RBブラガンチーノ(RBB) x フォルタレーザ(FOR)
・2024/08/17 フルミネンセ(FLU) x コリンチャンス(COR)
・2024/08/18 パウメイラス(PAL) x サンパウロ(SAO)
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/08/18 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) x インテルナシオナウ(INT)
・2024/08/18 クリシウーマ(CRI) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
・2024/08/18 ボタフォゴ(BOT) x フラメンゴ(FLA)
・2024/08/18 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x 
ジュヴェントゥージ(JUV)
・2024/08/19 ヴィトーリア(VIT) x クルゼイロ(CRU)

全国選手権第23節 試合概要

アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) 1-0 インテルナシオナウ(INT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=3NywniqE6CM
(ACG) : 68' #19 ジャン・ウルタド(Jan Hurtado, 2000)[#18 ジョルジーニョ(Jorginho, 1991)]

今節前の順位

アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)は全国選手権2勝6分14敗勝点12の20位。
インテルナシオナウ(INT)は全国選手権6勝7分5敗勝点25の12位。(4試合未消化)

得点シーン

(ACG) : 68' #19 ジャン・ウルタド(Jan Hurtado, 2000)[#18 ジョルジーニョ(Jorginho, 1991)]
アトレチコ・ゴイアニエンセは、相手陣右サイドをゴールライン際まで持ち込んだボールを奪われたものの、インテルナシオナウがPA内で痛恨のパスミス。インターセプトしたMFジョルジーニョからのボールをPA手前でフリーの体勢で受けたFWジャン・ウルタドがゴール左隅にシュートを決める。ホームのアトレチコ・ゴイアニエンセが先制。[1-0]
   FWジャン・ウルタドは、2021コパ・アメリカなどベネズエラ代表として10試合に出場。2020年8月‐2023年6月の期間は、ボカ・ジュニオルス/ARGからの期限付き移籍でRBブラガンチーノにてプレー、通算79試合8得点2アシストの成績を収める。アトレチコ・ゴイアニエンセには2024年7月10日にボカ・ジュニオルスからの期限付き移籍で加入。自身8試合目でのクラブ初ゴールは、チームの連敗を「15」で止める貴重なゴールとなった。
   MFジョルジーニョは、2010年8月全国選手権2部にてヴィラ・ノヴァから19歳のプロデビュー。2013年にアトレチコ・ゴイアニエンセに加入すると、韓国、サウジアラビアへの期限付き移籍期間、2年間のアトレチコ・パラナエンセ在籍期間を除き、2022年までに通算329試合54得点25アシストの成績を積み上げる。2023年はエスポルチにて54試合13得点9アシスト。2024年はCRBにて16試合1アシストと出場機会に恵まれず、2024年7月下旬に12月末までの契約でアトレチコ・ゴイアニエンセに復帰。復帰初戦で貴重な先制ゴールのアシストをマークした。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:45% 55% ⇒ 前後半:42% 58%
シュート(枠内): 前半:7‐7(2-3) ⇒ 前後半:13-19(5-6)
パス成功率: 前半:79% 83% ⇒ 前後半:75% 81%
Faltas Cometidas: 前半:7‐4 ⇒ 前後半:11-6

   アトレチコ・ゴイアニエンセは、公式戦は6月15日以来、2か月、15試合、白星から遠ざかっている。全国選手権は最下位に低迷し、19位までの勝点差は「6」、残留圏までの勝点差は「10」と、1部残留が最大の目標となる。
   今節のスタメンは、前節から4つのポジションで選手を変更。新加入のコスタリカ代表FWジョエル・キャンベル(Joel Campbell, 1992)、同じく新加入のVOLゴンサロ・フレイタス(Gonzalo Freitas, 1991)が共にスタメンに復帰。左WGアレホ・クルス(Alejo Cruz, 2000)が左SBへポジションを変え攻撃的なメンバー構成で試合に入る。
   インテルナシオナウは、週中に開催された第6節順延試合のジュヴェントゥージ戦にて、ホージェル・マシャード監督が就任して以来、6試合目にして初勝利。
   今節のスタメンは、ジュヴェントゥージ戦欠場のVOLブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1989)が復帰した以外に変更点はなし。前日にU-20代表招集を受けたMFガブリエウ・カルヴァーリョ(Gabriel Carvalho, 2007)が5試合連続のスタメン出場。ボランチが本職のブルーノ・ゴメス(Bruno Gomes, 2001)が3試合連続右サイドバックとして出場。ケガ明けのVOLチアゴ・マイア(Thiago Maia, 1997)が2試合連続スタメン、クラブデビュー戦をクラブ初ゴールで飾ったMFブルーノ・タバタ(Bruno Tabata, 1997)も2試合連続スタメン。

   この試合最初にチャンスを迎えたのはインテルナシオナウ。前半3分、相手陣でのFKからゴール前に上げたボールはクリアに遭うが、そのボールを縦に送り、最終ラインと入れ替わるように抜け出したFWウェズレイ(Wesley, 1999)がシュート。しかし、アトレチコ・ゴイアニエンセGKホナウド(Ronaldo, 1996)が間合いを詰めブロック。
   一方のアトレチコ・ゴイアニエンセは、前半7分、自陣からのロングカウンターから、左サイドを抜け出したFWルイス・フェルナンド(Luiz Fernando, 1996)がシュートに持ち込むが、ボールは枠を捉えない。
   さらに前半21分、右CKからのクリアボールを拾った左SBアレホ・クルスが思い切りよくミドルシュートを放つが、GKロチェ(Rochet, 1993)が両手で枠の外へ弾き出す。
   アトレチコ・ゴイアニエンセは、前半33分にもFWジョエル・キャンベルがPA入口からフリーの体勢でシュートを放つが枠を捉えず、一方のインテルナシオナウは、前半36分、左サイドからPAに侵入したFWウェズレイがシュートフェイントでDFのマークを外しシュートに持ち込むが、GKホナウドが両手でシュートブロック。
   前半終了間際に、インテルナシオナウはゴールまで約25mの位置でのFKから、MFブルーノ・タバタが直接狙ったシュートは、GKホナウドが横に跳び、辛うじて両手でCKに逃れる。
   両チームGKの好守の前に、両チームとも決定機を決めきれず、0-0のまま前半を終える。
   後半開始時に、アトレチコ・ゴイアニエンセは、前半終了間際にイエローカードを提示された右SBマギーニョ(Maguinho, )に代え、8月14日加入が発表されたばかりの右SBラファエル・ハーレル(Rafael Haller, 2000)を投入。
   後半もまた最初にチャンスを迎えたのはインテルナシオナウ。後半3分、右SBブルーノ・ゴメスがPA右角から強烈なシュート。しかし、ボールは僅かに枠を捉えない。
   アトレチコ・ゴイアニエンセは、右サイドからSBラファエル・ハーレルが攻撃に参加し、後半8分、後半10分と相次いで相手ゴールに迫るが、インテルナシオナウGKロチェがクロスをカット、ショートをしっかりとキャッチし、ゴールを許さない。
   後半19分、インテルナシオナウは左サイドを崩し、ゴールライン際からのマイナスのボールを、MFガブリエウ・カルヴァーリョがシュート。しかし、またもやアトレチコGKホナウドが、横に倒れ込みながら両手でボールを弾きだし、ゴールを守り抜く。
   両チームGKが試合を引き締めていたが、後半23分、インテルナシオナウは自陣PA内で痛恨のパスミス。アトレチコFWジャン・ウルタドがゴール左隅へボールを突き刺す値千金のゴール。
   リードを奪われたインテルナシオナウは、サイドを広く使い、人数をかけて反撃に出るが、アトレチコ・ゴイアニエンセはGKホナウドを中心に最後までゴールを守り抜き、1-0のまま、試合はタイムアップ。

   アトレチコ・ゴイアニエンセは、GKホナウドの好守が光り、公式戦16試合ぶりの白星。ウンベルト・ロウゼル(Umberto Louzer)監督は、就任3試合目にして初勝利。
   インテルナシオナウは、前節とほぼ同じ同じスタメンで試合に入ったものの、前節とは異なる低調な内容で、最下位のアトレチコ・ゴイアニエンセに白星を献上した。

クリシウーマ(CRI) 2-2 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=CnH6mqrTtSo
(CRI) : 6' #11 ボラシエ(Bolasie,  1989)[#2 アラーノ(Allano, 1995)]
(VAS) : 36' #7 デイヴィジ(David, 1995)[#85 マテウス・カルヴァーリョ(Mateus Carvalho, 2002)]
(VAS) : 45+5' #77 ハイアン(Rayan, 2006[#6 ルーカス・ピトン(Luas Piton, 2000)]
(CRI) : 90+4' #11 ボラシエ(Bolasie, 1989)[#17 マテウジーニョ(Matheusinho, 1998)]

今節前の順位

クリシウーマ(CRI)は全国選手権6勝6分8敗勝点24の15位。(2試合未消化)
ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)は全国選手権8勝3分10敗勝点27の10位。(1試合未消化)

得点シーン

(CRI) : 6' #11 ボラシエ(Bolasie,  1989)[#2 アラーノ(Allano, 1995)]
左サイドからのサイドチェンジのボールを受けたFWボラシエが、PA右から後方に下がりながらファーサイドへボールを送る。ゴールライン際からFWアラーノがゴール前正面へマイナスのボールを折り返すと、するするとポジションを移動したFWボラシエがDFの背後から足を伸ばしシュート。ボールはゴール右隅に決まり、ホームのクリシウーマがこの試合最初のチャンスをゴールに結びつけ先制。[1-0]
   FWボラシエは、フランス・リヨン生まれて間もなくイギリスに移住し、イギリスとの二重国籍でコンゴ民主共和国代表選手(52試合9得点3アシスト)。2024年3月11日に年内限りの契約でクリシウーマに加入。全国選手権開幕節でクラブデビューを飾り、今節終了時点で21試合6得点3アシスト。昇格1年目のクリシウーマの健闘を支える中心選手の一人。
(VAS) : 36' #7 デイヴィジ(David, 1995)[#85 マテウス・カルヴァーリョ(Mateus Carvalho, 2002)]
相手陣PA左手前でボールを受けたFWデイヴィジが中央へ切れ込みながら右足を一閃。緩やかなカーブを描いたボールはGKの指先を越えファーサイドのゴールネットを揺らすゴラッソ。ヴァスコ・ダ・ガマが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   FWデイヴィジは、ヴィトーリアの育成出身で、2015年5月に全国選手権2部にて19歳のプロデビュー。クルゼイロ、フォルタレーザ、インテルナシオナウ、サンパウロでのプレーを経て、2024年1月にインテルナシオナウからの期限付き移籍でヴァスコ・ダ・ガマに加入。2024年は今節終了時点で35試合4得点3アシストの成績を残している。
(VAS) : 45+5' #77 ハイアン(Rayan, 2006)[#6 ルーカス・ピトン(Luas Piton, 2000)]
相手陣中央でのFKから真横に送られたボールを左SBルーカス・ピトンがゴール前へクロス。ボールは誰にも合わず、右サイドゴールライン際に流れFWアジソン(Adson, 2000)が確保するのを見ると、SBルーカス・ピトンは縦にゴールエリア左まで上がる。FWアジソンからのボールを受けたSBルーカス・ピトンが斜め後方にボールを下げると、FWハイアンがダイレクトに左足を合わせたボールはゴールポストをかすめゴールネットを揺らす。アウェイのヴァスコ・ダ・ガマが逆転。[1-2]
   FWハイアンは、2023年南米U-17選手権(9試合5得点2アシスト)、2023年U-17W杯(5試合3得点)代表。ヴァスコ・ダ・ガマ育成出身で、トップチームが国外遠征によりU-20所属選手が主体となった2023年1月の州選手権にて16歳のプロデビュー。自身トップチーム3試合目となる同年6月11日全国選手権第10節クラシコ、フルミネンセ戦にてプロ初ゴールを決める。2024年は今節終了時点で19試合2得点。今季全国選手権3試合目の先発起用を、FWベヘッチに代わるセンターフォワードとしてプレーし、期待に応えるゴールをマーク。セカンドトップやウィング、サイドハーフとしてもプレーする、高さと体のしなやかさを有するストライカー。
(CRI) : 90+4' #11 ボラシエ(Bolasie,  1989)[#17 マテウジーニョ(Matheusinho, 1998)]
相手陣右サイドからのスローイン。アタッキングサード入口でのリスタートに、ゴール前を固めるヴァスコ・ダ・ガマの寄せが甘く、フリーの体勢でMFマテウジーニョがゴール前のFWボラシエをターゲットとした低い弾道のクロス。DFの背後から現れたFWボラシエが頭でボールを叩きつけると、ボールは必死に腕を伸ばすGKの指先を抜けファーサイドのゴールネットに沈む。土壇場でクリシウーマが同点に追いつく。[2-2]
   MFマテウジーニョは、2015年U-17W杯(3試合)代表。アメリカ・ミネイロ育成出身で、2016年3月州選手権にて18歳のプロデビュー。2019年には45試合9得点6アシストの成績を収め、2020年9月にイスラエルへ移籍。2022年2月にアメリカ・ミネイロに復帰し、同年はキャリアハイの46試合に出場するが、次第に出場機会を失い、2024年4月にクリシウーマに完全移籍。加入後は16試合5得点2アシストの成績を残している。今節はケガのため7月16日以来の試合となったが、17分間の出場で貴重な同点ゴールをアシスト。出場4試合連続の得点関与となり、クリシウーマとしては心強い選手がケガから復帰した。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:51% 49%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:19-13(8-4)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:81% 81%
Faltas Cometidas: 前半:‐ ⇒ 前後半:15-7

   クリシウーマは、一週間前の全国選手権第22節にてフォルタレーザに0-1の敗戦。4試合ぶりに黒星がついた。全国選手権は、クラウジオ・テンカチ(Cláudio Tencati)監督のもと、組織的で規律の高いチームが構築され、昇格1年目ながらこれまで降格圏に一度も転落せず推移している。遅れていた補強も、今週になり、FWセルジーニョ(Serginho, 1995)とFWペドロ・ホッシャ(Pedro Rocha, 1994)をそれぞれヴァスコ・ダ・ガマ、フォルタレーザから獲得。当初目標の残留はもとより、コパ・スウアメリカーナ出場圏内も狙える態勢は固まりつつある。
   今節は、出場停止明けのMFフェリピ・マテウス(Fellipe Mateus, 1991)が復帰した以外にスタメンの変更はない。
   ヴァスコ・ダ・ガマは、前節フルミネンセとのクラシコを2-0で制し、全国選手権は4試合ぶりの勝ち星。
   今節のスタメンは、前節でゴールをマークしたFWベヘッチ(Vegetti, 1988)と左SBヴィクトル・ルイス(Victor Luis, 1993)の両雄が揃って出場停止。代わってFWハイアン(Rayan, 2006)と左SBルーカス・ピトン(Luas Piton, 2000)が穴を埋める。また、前節負傷交代のCBマイコン(Maicon, 1988)が大事を取ってベンチスタート、代わってCBジョアン・ヴィクトル(João Victor, 1998)が最終ラインに入る。

   ホームのクリシウーマが、早くも前半6分に、FWボラシエの個人技を起点に先制。ヴァスコ・ダ・ガマはFWボラシエの動き出しに誰も対応しておらず、守備面での問題点が浮き彫りとなる。
   しかし、失点後ヴァスコ・ダ・ガマは守備を修正。FWボラシエのマークを強め、さらには中盤がコンパクトな陣形を保ち、相手の攻撃の芽を摘み取っていくと、次第に試合の流れを掴み、相手陣で試合を展開する。
   一方のクリシウーマは、先制後は相手にボールを持たれる時間が続くが、組織的な守備が機能し、ヴァスコ・ダ・ガマに決定的なシーンを許さない。
   攻めあぐねる時間が続いたヴァスコ・ダ・ガマだったが、前半36分、FWデイヴィジがPA左手前からゴラッソ。手数を掛けない一撃でクリシウーマゴールを陥れる。
   その後、クリシウーマが攻勢に出るが、2度の決定機はシュートが枠を捉えない。
   前半45+5分、ヴァスコ・ダ・ガマは、相手陣中央でのFKから、左右にボールを散らし相手守備陣を揺さぶると、最後はFWハイアンがゴールを陥れ勝ち越し。前半をアウェイのヴァスコ・ダ・ガマが2-1とリードして終える。
   後半4分、ヴァスコ・ダ・ガマが再びセットプレーの流れから決定機。ゴール前へのグラウンダーのクロスにゴールエリア内でヴァスコCBレオ(Léo, 1996)が飛び込むが、ボールは惜しくもゴールバーを越え追加点の好機を逸する。
   後半14分、クリシウーマは相手陣中央からVOLイゴル・メリトン(Higor Meritão, 1994)が思い切りのいいミドルシュート。DFの背中に当たり縦回転となった難しいボールをヴァスコGKレオ・ジャルジンが片手でクロスバーの上にボールを弾きだす。
   その後試合は一進一退の攻防となるが、両チームに好機は訪れず時間が経過する。
   後半45分、クリシウーマは途中出場のFWアルトゥール・カイーキ(Arthur Caíke, 1992)がPA手前中央からシュートを放つが、ヴァスコGKレオ・ジャルジンが再び両手でCKに逃れる好セーブ。
   しかし、後半45+4分、クリシウーマは、アタッキングサード入口右サイドライン際からゴール前に送られた鋭いクロスにFWボラシエが頭で叩きつけると、ボールはGKレオ・ジャルジンが必死に伸ばす指先を越え、サイドネットに沈み、クリシウーマが同点。
   中位争いの2チームによる対戦は、勝点「1」を分け合う痛み分けに終えた。

ボタフォゴ(BOT) 4-1 フラメンゴ(FLA)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=rhgLXl0RPl4
(BOT) : 3' #4 マテオ・ポンテ(Mateo Ponte, 2003)[#17 マルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)]
(FLA) : 24' #27 ブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1990)[#3 レオ・オルティス(Léo Ortiz, 1996)]
(BOT) : 54' #99 イゴル・ジェズス(Igor Jesus, 2001)[]
(BOT) : 84' #37 マテウス・マルティンス(Matheus Martins, 2003)[#10 サバリーノ(Savarino, 1996)]
(BOT) : 90+4' #37 マテウス・マルティンス(Matheus Martins, 2003)[#28 アラン(Allan, 1991)]

今節前の順位

ボタフォゴ(BOT)は全国選手権13勝4分5敗勝点43の首位。
フラメンゴ(FLA)は全国選手権12勝5分4敗勝点41の3位。(1試合未消化)

得点シーン

(BOT) : 3' #4 マテオ・ポンテ(Mateo Ponte, 2003)[#17 マルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)]
ハーフライン付近右サイドをフラメンゴの執拗なマークをワンタッチのパスで掻い潜り、中央を経てボールを左サイドへ運ぶ。SBクイアバーノが中央後方へボールを折り返すと、VOLマルロン・フレイタスが、PA内相手最終ラインの右裏のスペースへクロス。そこに後方から走り込んだ右SBマテオ・ポンテが頭を合わせゴールネットを揺らす。ホームのボタフォゴが先制。[1-0]
   SBマテオ・ポンテは、2023年U-20W杯(5試合)の優勝メンバー。他にも2023年U-20南米ユース選手権(8試合1アシスト)、2024パリ五輪南米予選(4試合)にウルグアイ代表として出場。ボタフォゴには2023年8月180万ユーロ相当の移籍金で加入。2024年にポジションを争い、最近の試合ではコンスタントにスタメン出場。2024年はこれまで28試合3得点2アシスト。攻撃力の高い大型サイドバック。
(FLA) : 24' #27 ブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1990)[#3 レオ・オルティス(Léo Ortiz, 1996)]
自陣でのパス交換からVOLレオ・オルティスがドリブルで前に上がり縦に鋭いパス。前線でFWブルーノ・エンヒキがオフサイドぎりぎりで最終ライン裏に抜け出すと、間合いを詰めるボタフォゴGKジョン・ヴィクトル(John Victor, 1996)の肩の上を越す柔らかいシュートでゴールネットを揺らす。フラメンゴはこの試合の初シュートをゴールに繋げ、試合を振り出しに戻す。[1-1]
   FWブルーノ・エンヒキは、ウォルフスブルク/GERからブラジル復帰後の2017年サントスでの活躍で注目を浴びると、2019年フラメンゴ移籍一年目で62試合35得点15アシストといずれの項目もキャリアハイとなる成績を収め、チームのリベルタドーレス、全国選手権の二冠に貢献、個人としても全国選手権最優秀選手賞やベストイレブンを受賞。同年には代表として国際親善試合2試合に出場する。2022年~23年にかけては膝前十字靭帯断裂のケガで10か月戦列を離脱するが、復帰後もスピードは衰えず、ゴール前での動き出しやライン裏への抜け出し、その後のプレー選択の幅広さは健在。多くの監督のもとでプレーし控えに回る時期もあるが、最終的にはレギュラーに定着する独特な存在。
(BOT) : 54' #99 イゴル・ジェズス(Igor Jesus, 2001)[]
センターマーク付近からのボールを左サイドライン際で受けたMFアルマダ(Almada, 2001)が、ドリブルでPAに侵入し中央に切り返して右足のシュート。DFのブロックに遭うが、その跳ね返りのボールをFWイゴル・ジェズスがゴールに押し込み、ホームのボタフォゴが勝ち越す。[2-1]
   FWイゴル・ジェズスは、コリチバ育成出身で、2019年1月パラナ州選手権にて17歳のプロデビュー。コリチバで56試合7得点2アシストの成績を残し、2020年10月に加入したアル・アハリ・ドバイ/UAEでは、膝前十字靭帯断裂のため約一年間戦列を離脱するが、通算91試合46得点16アシストの成績を収める。2024年7月ボタフォゴに加入すると、加入一週間後の全国選手権第17節にてクラブデビューを果たしスタメンに定着。ゴールの嗅覚が鋭く、加入直後から多くのチャンスを作り出し、最近の5試合では周囲との連係も深まり3得点1アシスト。ボタフォゴの新たな攻撃の柱として今後の活躍が期待されている。
(BOT) : 84' #37 マテウス・マルティンス(Matheus Martins, 2003)[#10 サバリーノ(Savarino, 1996)]
相手陣右サイドでの細かいパス交換から縦に送られたボールに抜け出したFWサバリーノがPA右からゴール前にクロス。逆サイドから絞り込んだFWマテウス・マルティンスが足を合わせゴールネットを揺らす。[3-1]
   FWマテウス・マルティンスは、2023年U-20W杯(5試合2得点2アシスト)代表。フルミネンセ育成出身で、2021年3月リオデジャネイロ州選手権にて17歳のプロデビュー。2022年にはフェルナンド・ジニース監督のもと、主力の一人へと成長し、41試合6得点5アシストの成績を残す。2023年1月ウディネーゼ/ITAへ600万ユーロで移籍し、期限付き移籍先のワトフォード/ENGにてプレー。2023/24年は43試合6得点2アシストの成績を収める。ボタフォゴには2024年7月30日に1000万ユーロの移籍金にて完全移籍加入。今節は自身4試合目の試合だったが、16分間のプレーで2ゴールを記録した。
(BOT) : 90+4' #37 マテウス・マルティンス(Matheus Martins, 2003)[#28 アラン(Allan, 1991)]
相手GKのロングフィードを最終ラインが頭で落とし、VOLアランが相手陣左サイドへボールを送る。ボールを受けたFWマテウス・マルティンスは、ドリブルでPAに侵入し、DFのマークを外し左足を一閃。ボールはGKのニアサイドを抜けゴールネットに突き刺さり、ボタフォゴが試合を決定づける4点目を奪う。[4-1]
   VOLアランは、ブラジル代表として2019コパ・アメリカなど10試合の経歴を有する。2009年9月ヴァスコ・ダ・ガマから全国選手権2部にて18歳のプロデビュー。2012年7月にグラナダ/ESPからの期限付き移籍でウディネーゼ/に加入し、2014年7月300万ユーロにて完全移籍へ移行。ウディネーゼでは2012年7月‐2015年7月に116試合2得点。1150万ユーロで移籍したナポリ/ITAでは2015年7月‐2020年9月に212試合11得点22アシスト、2460万ユーロ相当で移籍したエヴァートン/ENGでは2020年9月‐2022年9月に57得点3アシストの成績を収める。ボタフォゴには2024年7月10日にアル・ワフダ・アブダビ/UAEを経て完全移籍加入。ボタフォゴではクローザーのような役割を担った試合出場が続いている。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:56% 44% ⇒ 前後半:55% 45%
シュート(枠内): 前半:5‐5(2-1) ⇒ 前後半:19-10(9-4)
パス成功率: 前半:90% 83% ⇒ 前後半:89% 84%
Faltas Cometidas: 前半:9‐2 ⇒ 前後半:17-7

   ボタフォゴは、全国選手権で首位に立っているものの、最近はコパ・ド・ブラジルを敗退、全国選手権前節を2-3で敗れ、公式戦2連敗を喫していた。しかし、週中のリベルタドーレスベスト16パウメイラス戦1stレグは2-1で勝利を収め、公式戦の連敗を止めた。
   中2日でリベルタドーレス2ndレグを控えるが、今節のスタメンは、パウメイラス戦1stレグと同じ顔ぶれのメンバー。アルトゥール・ジョルジ監督は全国選手権とリベルタドーレスの両睨みの選手起用を採用したようだ。
   フラメンゴは、週中のリベルタドーレスベスト16ボリバル戦1stレグをホームで2-0の勝利。しかし、FWペドロ(Pedro, 1997)が左ハムストリングを故障、VOLエリキ・プルガール(Erick Pulgar, 1994)も負傷交代となり、ケガ人が跡を絶たない。全国選手権は1消化未消化ながら首位ボタフォゴとの勝点差「2」の3位につけている。しかし、コパ・ド・ブラジル、リベルタドーレスとの並行開催による厳しい日程に、ケガ人が重なり、今後はリベルタドーレスに重点を置いた選手起用になるものと思われる。
   中3日で標高3600m超の高地で開催されるリベルタドーレス2ndレグを控え、今節のスタメンはボリバル戦1stレグから7つのポジションで変更。その試合で負傷交代の2選手はベンチ外となっている。

   試合は早くも前半3分にボタフォゴが先制。中盤でのフラメンゴの執拗なマークをワンタッチのパスではがし、VOLマルロン・フレイタスが斜めに最終ライン裏に上げたボールに、SBマテオ・ポンテが走り込み頭を合わせゴールネットを揺らす。
   前半8分、フラメンゴは、攻撃の要MFデ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)が太ももを痛めるアクシデント。交代を余儀なくされるアクシデントが発生。
   MFデ・アラスカエッタを欠き攻め手を見出せないフラメンゴに対し、ボタフォゴは、リズムのいいパス交換にドリブルでの持ち上がりを組合せ、フラメンゴのマークを外し、相次いで相手ゴールに迫る。
   前半24分、これまで攻撃の糸口を見いだせなかったフラメンゴは、自陣でビルドアップを図るVOLレオ・オルティスの鋭い縦パスに反応したFWブルーノ・エンヒキが最終ライン裏に抜け出し、間合いを詰めるボタフォゴGKジョン・ヴィクトル(John Victor, 1996)の肩の上を越す柔らかいシュートを決め試合を振り出しに戻す。
   フラメンゴは、縦にスピードのあるボタフォゴの攻撃に対し、高い位置でのマークから自陣で守備ブロックの構築へと守備戦術を変更し、最終ライン裏のスペースを消す。しかし、ボタフォゴも、左右にボールを散らし守備陣を揺さぶり、精度の高いクロスボールをゴール前に供給する。
   前半39分、ボタフォゴは、アタッキングサード入口右サイドライン際からゴール前ファーサイドへの大きなクロス。その折り返しに、VOLマルロン・フレイタスが頭に合わせゴールネットを揺らすが、ボールを折り返したFWイゴル・ジェズス(Igor Jesus, 2001)のポジションが僅かにオフサイド。
   対するフラメンゴも、前半40分に左SBアイルトン・ルーカス(Ayrton Lucas, 1997)がPA手前左から強烈なシュート。1分後にはスルーパスにPA内右を抜け出したFWカルリーニョス(Carlinhos, 1997)がシュートに持ち込むが、いずれもGKジョン・ヴィクトルが好守でゴールを守り抜く。
   後半もボタフォゴの攻勢で始まると、後半9分、MFアルマダのシュートのこぼれ球をFWイゴル・ジェズスが押し込み、ボタフォゴが再びリード。
   リードを奪った後もボタフォゴは攻撃的な姿勢を継続。一方のフラメンゴも、攻撃的な姿勢を前面に押し出し、両チームは交互に相手ゴールに迫り、惜しいシーンを繰り返す。
   後半22分、ボタフォゴは、FWルイス・エンヒキ(Luiz Henrique, 2001)がPA内でファールを受けPKを獲得。このPKをMFアルマダが蹴るが、フラメンゴGKロッシ(Rossi, 1995)がシュートストップ。
   その後もボタフォゴは攻撃的な選手を次々と投入し攻撃に厚みをつけ、相次いでフラメンゴゴールを襲うが、フラメンゴはGKロッシを中心に最後の局面でボタフォゴの攻撃をしのいでいく。
   辛抱強く守り続けたフラメンゴだったが、後半39分、途中交代出場のボタフォゴFWマテウス・マルティンス(Matheus Martins, 2003)にゴールを許すと、後半45+4分にも再びFWマテウス・マルティンスにゴールを奪われ万事休す。
   試合は4-1のスコアでホームのボタフォゴが快勝を収めた。

   首位のボタフォゴが3位フラメンゴとの上位対決を制し全国選手権首位をキープ
   一方のフラメンゴは、最近の2試合に続き、この試合でも主力選手(MFデ・アラスカエッタ)が試合中のケガで負傷交代。ケガによる離脱が相次ぎ、全国選手権のみならず、リベルタドーレスやコパ・ド・ブラジルに向けても、厳しい状況に追い込まれた。

アトレチコ・パラナエンセ(CAP) 1-2 ジュヴェントゥージ(JUV)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=_y0_vxH9CGI
(JUV) : 30' #10 ネネー(Nenê, 1984)[#7 エリキ・ファリアス(Erick Farias, 1997)]
(CAP) : 39' #11 ニカォン(Nikão, 1992)[#57 ジョアン・クルス(João Cruz, 2006)]
(JUV) : 67' #70 ヤン・ソウト(Yan Souto, 2001)[#11 マルセリーニョ(Marcelinho, 2002)]

今節前の順位

アトレチコ・パラナエンセ(CAP)は全国選手権8勝5分7敗勝点29の8位。(2試合未消化)
ジュヴェントゥージ(JUV)は全国選手権6勝7分8敗勝点25の13位。(1試合未消化)

得点シーン

(JUV) : 30' #10 ネネー(Nenê, 1984)[#7 エリキ・ファリアス(Erick Farias, 1997)]
アトレチコ・パラナエンセの右サイドからPA内へ送られたクロスボールをクリアすると、そのまま縦に素早くボールを運びロングカウンターを発動。相手陣に入り、右サイドライン際からFWカリージョ(Carrillo, 1996)が斜めにDFの間を通すパスをゴールエリア左へ送ると、FWエリキ・ファリアスが内へ折り返し、MFネネーが右足を合わせゴールネットを揺らす。アウェイのジュヴェントゥージが先制。MFネネーは前節で達成した全国選手権最年長ゴール記録を更新。[0-1]
   MFネネーは、7月に43歳を迎えた大ベテラン。全国選手権は開幕から6月26日第12節までスタメンでの起用が続くが、その後は4試合の途中交代出場に止まっていた。8月11日第22節首位ボタフォゴ戦で先発に復帰すると、その復帰戦でアシストをマークしチームの勝利に貢献。今節は前節に続く2試合連続ゴール。ピッチ上では体力的な衰えを見せず、プレー面と精神面の両面で、昇格1年目のチームの躍進を支えている。
   FWカリージョは、2024年7月にポルティモネンセ/PORから加入したばかりのコロンビア国籍選手。8月1日コパ・ド・ブラジルで初スタメンに抜擢されると、以降は先発出場が続き、8月11日第22節にてクラブ初ゴールをマーク。組織的なチーム戦術にフィットし、これまで出場した6試合でチームは3勝2分1敗の成績。この試合では絶妙なパスを通しチームの先制点の起点となった。
(CAP) : 39' #11 ニカォン(Nikão, 1992)[#57 ジョアン・クルス(João Cruz, 2006)]
相手陣PAの手前を細かくパスを繋ぎ左から右へボールを展開。右SBレオ・ゴドイ(Léo Godoy, 1995)のオーバーラップに引っ張られ、バイタルエリアのボール保持者MFニカォンへのマークが甘くなると、MFニカォンは内へ切れ込み左足を一閃。ボールはゴール左隅に突き刺さり、アトレチコ・パラナエンセが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   MFニカォンは、2010年にアトレチコ・ミネイロからプロデビュー。2015年に移籍したアトレチコ・パラナエンセで出場機会が一気に増え、2015‐2021年の7年間で通算307試合47得点43アシスト。2021年は51試合11得点12アシストの全項目キャリアハイの成績を残し、翌2022年に新天地サンパウロへ移籍する。しかし、サンパウロではチームにフィットしきれず、32試合4得点4アシストの成績に終え、2023年はクルゼイロへ期限付き移籍。2024年は全国選手権開幕後の4月19日に期限付き移籍でアトレチコ・パラナエンセに復帰を果たし、交代出場が中心ながらこれまで17試合に出場、このゴールがクラブ復帰後2点目のゴールとなった。
(JUV) : 67' #70 ヤン・ソウト(Yan Souto, 2001)[#11 マルセリーニョ(Marcelinho, 2002)]
アタッキングサード入口右サイドライン際で獲得したFK。FWマルセリーニョがゴール前に上げたボールに右SBヤン・ソウトが高さのあるヘディングシュートを叩きつけると、アトレチコ・パラナエンセGKが足を滑らせ、ボールはGKの脇を抜けゴールイン。幸運な形でジュヴェントゥージが勝ち越す。[1-2]
   SBヤン・ソウトは、2021年3月マットグロッソ・ド・スル州選手権にてウニオン-MS(União-MS )から19歳のプロデビュー。複数のクラブを経て、2022年3月全国選手権1部のゴイアスに移籍するが、多くの出場機会には恵まれず、2023年3月‐12月はヴィトーリアへ期限付き移籍。2024年7月ジュヴェントゥージに完全移籍にて加入すると、今節は自身加入後3試合目での初先発出場、クラブ初ゴールを、チームにとって貴重な勝ち越しゴールで自らを祝った。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:58% 42% ⇒ 前後半:60% 40%
シュート(枠内): 前半:9‐2(3-2) ⇒ 前後半:23-8(7-5)
パス成功率: 前半:88% 72% ⇒ 前後半:84% 70%
Faltas Cometidas: 前半:11‐5 ⇒ 前後半:17-10

   アトレチコ・パラナエンセは、週中のコパスーラベスト16ベルグラーノ戦1stレグを2-1の逆転勝利。直前の全国選手権で今季4度目となる後半アディショナルタイムに同点ゴールを被弾するという屈辱を払拭した。全国選手権は一度は上位争いに絡んだが、4度の試合終了間際の同点ゴールにより勝点「8」を失い、現在は中位争いに甘んじている。
   今節のスタメンは、アウェイでのコパスーラ2ndレグを控え、8つのポジションで変更。現在売り出し中のMFジョアン・クルス(João Cruz, 2006)は公式戦3試合連続のスタメン出場。
   ジュヴェントゥージは、週中に順延された第6節インテルナシオナウが開催され1-2の逆転負け。これまで全国選手権では、アウェイ試合で勝ち星がなく3分7敗の成績。今節はアウェイ3連戦の2試合目だが、嫌なジンクスを払拭したい。
   今節のスタメンは、直近のインテルナシオナウ戦から3つのポジションで変更。これまで出場機会の少ない右SBヤン・ソウト(Yan Souto, 2001)、MFチアギーニョ(Thiaguinho, 1997)がスタメンに抜擢される。

   この試合の初シュートはジュヴェントゥージ。FWマルセリーニョが右サイドライン際からPA手前を中央へ切れ込みシュートを放つが、GKレオ・リンキが難なくキャッチ。
   その後は、ホームのアトレチコ・パラナエンセが試合を支配。相手陣でピッチを左右に広く使いながら相手を揺さぶり、左サイドを中心にゴール前にボールを送り、相手ゴールに迫る。
   前半11分、左サイドPA横ゴールライン手前からのクロスにMFニカォンがダイレクトボレーのシュートを放つがボールはクロスバーを越え。前半24分には左サイドからのクロスに再びMFニカォンがゴール前に現れ頭を合わせるが、惜しくもボールはゴールポストの外へ。前半27分のPA手前左からのMFジョアン・クルスのシュートも僅かにゴール枠を捉えない。
   アトレチコ・パラナエンセが相手ゴールに畳み掛けながらもゴールを生み出せずにいると、前半30分、ジュヴェントゥージは自陣からのロングカウンターを発動し、最後はベテランMFネネーがゴール。この試合2本目のシュートで効率よくジュヴェントゥージが先制する。
   前半36分、アトレチコ・パラナエンセは、右サイドから真横に送られたボールに、MFジョアン・クルスがPA手前ゴール正面から強烈なシュート。しかし、ジュヴェントゥージGKガブリエウ(Gabriel, 1992)が倒れ込みながら両手でCKに逃れる。
   前半39分、試合を優勢に進めていたアトレチコ・パラナエンセは、SBレオ・ゴドイのオーバーラップにマークが甘くなった好機を逃さず、MFニカォンがPA手前から左足の強烈なシュートでボールをゴールネットに突き刺し、試合を振り出しに戻す。
   後半2分、アトレチコ・パラナエンセは、相手陣でのボール奪取から、MFサペリ(Zapelli, 2002)がPA手前から強烈なシュート。だが、またもやGKガブリエウが立ちはだかり、ゴールは生まれない。
   一方のジュヴェントゥージも、後半開始時にピッチに送り出されたFWエジソン・カリオカ(Edson Carioca, 1997)が、後半3分に左サイドの角度のない位置からシュートに持ち込むがGKレオ・リンキに阻まれ、後半6分には右サイドからのクロスに足を合わせるが、当たりが悪く、勢いのないボールはゴールラインを割る。
   その後、アトレチコ・パラナエンセが優位に試合を進めるものの、攻めあぐねると、後半22分、ジュヴェントゥージは右サイドライン際で得たFKから、ゴール前でSBヤン・ソウトが頭を合わせ、GKが足を滑らせた運も重なり、勝ち越しゴールを奪う。
   リードを奪ったジュヴェントゥージは残りの2枚の交代カードで中盤に守備的な選手を投入。中盤を厚くしてアトレチコ・パラナエンセの左右の揺さぶりを事前に潰しにいく。
   アトレチコ・パラナエンセがボールを持ちながらも攻め手に欠ける状況が続き、時間は刻々と経過。後半45+6分に、右CKからのゴール前での混戦から、CBカイキ・ホッシャ(Kaique Rocha, 2001)が押し込みを図るが、GKガブリエウはゴールライン上でボールをキャッチ。
   なおもアトレチコ・パラナエンセの猛攻は続くが、ジュヴェントゥージはGKガブリエウを中心にゴールを守り抜き、試合はタイムアップ。

   控え選手主体のアトレチコ・パラナエンセは、前半の数々の決定機を逃し1-2の敗戦。全国選手権でのリベルタドーレス出場権を懸けた上位争いは遠のき、今後はコパ・スウアメリカーナ、コパ・ド・ブラジルでの巻き返しを図る。
   ジュヴェントゥージは、全国選手権でのアウェイ試合に初勝利。今節対戦相手の10位アトレチコ・パラナエンセに勝点差「1」に迫り、コパ・スウアメリカーナ出場圏内の11位に浮上。今節は、ケガ明けのFWエジソン・カリオカや、新加入のFWカリージョ、控えが続く中、先発に抜擢されたSBヤン・ソウトが活躍。シーズン序盤から積極的に起用されているFWマルセリーニョに代表される複数の若手選手が成長の跡を残しており、今後に向けた見通しは明るい。

ヴィトーリア(VIT) 2-2 クルゼイロ(CRU)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=6jn24ekoLvs
(VIT) : 25' #11 オズヴァウド(Osvaldo, 1987)[PK]
(VIT) : 29' #9 アレハンドロ(Alerrandro, 2000)[]
(CRU) : 78' #19 ディネーノ(Dinenno, 1994)[#29 ルーカス・ロメロ(Lucas Romero, 1994)]
(CRU) : 84' #19 ディネーノ(Dinenno, 1994)[#43 ジョアン・マルセロ(João Marcelo, 2000)]

今節前の順位

ヴィトーリア(VIT)は全国選手権6勝3分13敗勝点21の16位。
クルゼイロ(CRU)は全国選手権11勝3分7敗勝点36の6位。(1試合未消化)

得点シーン

(VIT) : 25' #11 オズヴァウド(Osvaldo, 1987)[PK]
左CKからのゴール前の混戦で、VOLルアン(Luan, 1999)が放ったシュートがDFの腕に当たりゴール前に流れる。アレハンドロ(Alerrandro, 2000)がDFと競り合いながらもゴールへボールを流し込むが、シュート体勢に入った時点で主審がPKを宣言。このPKをベテランFWオズヴァウドが冷静に決め、試合を優勢に進めていたホームのヴィトーリアが先制する。[1-0]
   FWオズヴァウドは、2006年11月にフォルタレーザから全国選手権にて19歳のプロデビュー。2011年期限付き移籍先のセアラーにて59試合8得点5アシストの成績を収め、2012年サンパウロに移籍加入。3年間のプレーで通算161試合20得点30アシスト、2013年4月にはブラジル代表として国際親善試合2試合に出場し1アシストをマーク。2015年の中東移籍後は、翌2016年にブラジルに復帰するものの、サンパウロ時代のような成績を残せず、2018年6月にはタイでプレー。2019年にフォルタレーザに復帰すると、再び輝きを取り戻し、3年間で143試合16得点16アシストの成績を収める。ヴィトーリアには2023年1月に全国選手権2部CSAから加入。同年は50試合8得点10アシストでヴィトーリアの全国選手権2部優勝に貢献。2024年もこれまで37試合8得点1アシストの記録を残している。
(VIT) : 29' #9 アレハンドロ(Alerrandro, 2000)[]
中盤でのボールの争奪戦から右SBウィレアン・レポ(Willean Lepo, 1997)が右サイドライン際を抜け出すと浅めの位置からクロス。DFが辛うじて足を当てたボールは真上に上がり、PA入口でFWアレハンドロ(Alerrandro, 2000)が豪快で華麗なビシクレッタ。クルゼイロGKカシオは一歩も動くことができず、ボールはゴール左隅に吸い込まれる。ゴラッソ。ヴィトーリアが勢いのままリードを拡げる。[2-0]
   FWアレハンドロは、2017年南米U-17選手権代表(3試合1得点)。アトレチコ・ミネイロ育成出身で、2018年1月ミナスジェライス州選手権にて18歳のプロデビュー。2019年には州選手権を中心に29試合13得点1アシストを記録するが、年終盤には出場機会を失い、2020年にRBブラガンチーノへ移籍する。RBブラガンチーノでは2023年まで年間25~35試合に出場するが、2024年は一年間の期限付き移籍にてヴィトーリアでプレー。すでに39試合10得点7アシストを記録し、出場試合数とアシスト数はすでにキャリアハイを更新。得点数もキャリアハイの年間13得点まで僅か3得点まで迫っている。
(CRU) : 78' #19 ディネーノ(Dinneno, 1994)[#29 ルーカス・ロメロ(Lucas Romero, 1994)]
相手陣中央でFWマテウス・ペレイラがボールをキープ。執拗なマークをかわし、VOLルーカス・ロメロにボールを預けると、VOLルーカス・ロメロがゴール前にボールを送る。ゴール正面やや左でDFとの空中戦に競り勝ったFWディネーノのヘディングシュートは、ファーサイドのゴールポストに当たりゴールイン。クルゼイロが反撃ののろしを上げる。[2-1]
   FWディネーノは、2014年ラシン・クラブ/ARGでプロデビューを飾ったアルゼンチン国籍選手。エクアドル、コロンビア、メキシコでのプレーを経て、2024年1月にクルゼイロに加入。1月開幕の州選手権ではレギュラーとして12試合5得点の成績を収め、チームの準優勝に貢献するが、大会後のケガで3か月間戦列を離脱する。今節は、7月24日の復帰後5試合目の出場となったが、得意の空中戦から2得点をマーク。今後も高さを武器に、7月の補強で層を増したフォワード陣でレギュラーの座を確保したい。
(CRU) : 84' #19 ディネーノ(Dinenno, 1994)[#43 ジョアン・マルセロ(João Marcelo, 2000)]
ゴール前のクリアボールをPA手前でVOLマテウス・エンヒキが拾うと、PA左のFWマテウス・ペレイラへボールを送る。FWマテウス・ペレイラのクロスはDFをかすめ、高く上がり、ゴール前ファーサイドへ流れるが、CBジョアン・マルセロがそのボールを中央へ折り返すと、再びFWディネーノが合わせる同点弾。遂にクルゼイロが試合を振り出しに戻す。[2-2]
   CBジョアン・マルセロは、2019年6月ボアヴィスタ-RJから全国選手権4部にて18歳のプロデビュー。その後、グレミオU-20、トンベンセを経て、2020年7月に期限付き移籍にてポルト/PORのBチームに加入し、2022年7月に50万ユーロにて完全移籍に移行。2023年8月に期限付き移籍にてクルゼイロに加入すると、2024年4月の全国選手権開幕を前にレギュラーの座を掴み、8月に150万ユーロにて完全移籍。2024年はこれまで36試合3アシスト。フットサルで培った足元の技術は高く、ボランチとしてもプレーし、ビルドアップを担う場面も多い。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:39% 61% ⇒ 前後半:30% 70%
シュート(枠内): 前半:13‐5(5-2) ⇒ 前後半:14-25(5-12)
パス成功率: 前半:72% 79% ⇒ 前後半:68% 85%
Faltas Cometidas: 前半:6‐9 ⇒ 前後半:10-13

   ヴィトーリアは、前節クラシコのバイーア戦をアウェイで0-2の敗戦。連勝が「2」で止まるとともに、再び降格圏に転落した。
   今節のスタメンは、出場停止明けの司令塔MFマテウジーニョ(Matheusinho, 1997)がスタメンに復帰する変更のみ。7月にクルゼイロから移籍加入したCBネリス(Neris, 1992)とVOLマシャード(Machado, 1996)が早くも古巣との対戦を迎える。
   クルゼイロは、週中にコパスーラでのボカ・ジュニオルス/ARGにアウェイで0-1の惜敗。公式戦は第20節に首位ボタフォゴを3-0で下した後は、1分2敗と3試合勝ち星から遠ざかっている。
   中2日でボカ・ジュニオルス戦2ndレグを控え、今節のスタメンは、ボカ戦1stレグから6つのポジションで変更。右SBウィリアンフルタド(William Furtado, 1995)は遠征に帯同せず、FWマテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)はベンチスタート。新加入でボカ戦にて途中交代出場のVOLマテウス・エンヒキ(Matheus Henrique, 1997)とFWカイオ・ジョルジ(Kio Jorge, 2002)がスタメン出場。

   立ち上がりはクルゼイロがヴィトーリアの高い位置のマークに苦しみ、自陣でのボール回しに終始し、相手陣にボールを運べない。
   この試合最初のシュートは前半2分のヴィトーリア。相手陣でのボール奪取から右サイドへ展開、マイナス気味のクロスはPA左へ流れるが、SBルーカス・エステヴィス(Lucas Esteves, 1999)が強烈なシュート。しかし、ボールはGKの正面を突き、クルゼイロGKカシオ(Cássio, 1987)がしっかりとキャッチ。
   その後もヴィトーリアのハイプレスは続き、ヴィトーリアがショートカウンターから相次いで相手ゴールに迫る。一方のクルゼイロは前半15分過ぎにロングボールで相手陣PAに近づいた以外は相手陣深くへボールを運べない。
   前半18分過ぎからヴィトーリアは相次いで相手陣でセットプレーを獲得。前半24分、左CKからのゴール前の混戦で、ヴィトーリアVOLルアン(Luan, 1999)が放ったシュートがDFの腕に当たりヴィトーリアがPKを獲得。このPKをベテランFWオズヴァウド(Osvaldo, 1987)が右隅へ決めホームのヴィトーリアが先制。
   クルゼイロは、失点直後に自陣から相手陣へ鋭いボールを送り、右サイドからVOLアルバロ・バレアル(Álvaro Barreal, 2002)がゴール前にクロス。ファーサイドでFWアルトゥール・ゴメス(Arthur Gomes, 1998)が頭を合わせたシュートは、クルゼイロのこの試合初シュートとなるが、ボールは大きく枠を越えていく。
   前半29分、ヴィトーリアは中盤でのボール争奪戦から右SBウィレアン・レポ(Willean Lepo, 1997)が右サイドライン際を抜け出すと、浅めの位置からクロス。DFが辛うじて足を当てたボールは真上に上がり、PA入口からFWアレハンドロ(Alerrandro, 2000)が豪快で華麗なビシクレッタ。クルゼイロGKカシオは一歩も動くことができず、ボールはゴール左隅に吸い込まれる。ゴラッソ。
   前半38分、ヴィトーリアCBネリスが最終ラインでのパス回しでボール処理を誤り、FWカイオ・ジョルジにボールを奪われると、後方からFWカイオ・ジョルジを倒し一発退場。2点をリードするヴィトーリアが数的不利に陥り前半を終える。
   後半開始時にクルゼイロはFWマテウス・ペレイラを投入。FWマテウス・ペレイラは二列目左サイドでライン間にポジションを取り、相次いで攻撃の起点となる。
   相手をゴール前に押し込み、守備ブロックの周りをボールを回し、ミドルシュートやゴールライン際からクロスを上げ、執拗に攻め込むクルゼイロに対し、ヴィトーリアは2ラインでゴール前に強固な守備ブロックを構築し辛抱強く耐え、僅かなカウンターのチャンスで相手陣にボールを送り、ゴール前のプレッシャーを和らげる。
   クルゼイロは、後半20分の高さのあるFWディネーノ(Dinneno, 1994)を投入するなど、バランスを重視しながら選手交代を進めていく。
   後半33分、これまでの猛攻が実を結び、途中交代のFWディネーノが、高さを生かしたヘディングシュートで1点差に詰め寄ると、その6分後の後半39分には、再びFWディネーノがCBジョアン・マルセロによるクロスの折り返しのボールを頭でゴールに押し込み、瞬く間に試合を振り出しに戻す。
   しかし、この2点目のゴールについては、テレビ中継でのリプレー映像で、一連のプレーの中でクルゼイロの選手の腕にボールが当たるシーンが鮮明に流されたにも関わらず、VARによる介入はなく、ゴールが認められた疑惑のゴール。
   その後も、逆転を目論むクルゼイロが相手陣深くにヴィトーリア守備陣を押し込むが、ヴィトーリア守備陣もゴールを許さず、試合はタイムアップ。
   一人の退場劇を境に様相が180度ひっくり返った試合は、2-2の痛み分けに終えた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です