投稿日:2024/08/18
ガブリエウ・カルヴァーリョ・テイシェイラ
Gabriel Carvalho Teixeira
ポジション:フォワード/アタカンチ、MF/メイオ・カンピスタ
利き足:両足
2007年8月17日生まれ
<幼少期>
ブラジル連邦共和国リオグランデドスル州の州都ポルトアレグレ(Porto Alegre)市、ボン・ジェズス(Bom Jesus)地区に生まれる。
家族の影響で幼い頃からアマチュアサッカークラブでサッカーボールに慣れ親しみ、2015年、9歳の時にインテルナシオナウ下部組織に入団。
<クラブ経歴>
≪育成時代≫
トップ下やセカンドトップといった攻撃的なポジションで、高度な戦術眼と、多様な役割を担うことができるプレースタイルが育成カテゴリーで高く評価され、次第に将来を嘱望されるようになる。
2023年1月にU-17チームに昇格すると、飛び級で1月開催のU-20全国大会カップ戦の登録メンバーに選出、すべて途中交代出場ながら4試合101分プレーする。
4月に開幕したU-17州選手権では、開幕から中盤のゴールに近いポジションでレギュラーとしてチームを牽引。チームは準優勝に終えるが、個人としては12試合6得点を記録する。
7月に開幕したU-17全国選手権では、10チーム一回戦総当たりのグループラウンドの全9試合に出場し4得点。チームはグループAの4位に食い込み決勝ラウンドに進出。準々決勝では、グループB首位のサンパウロU-17を相手に2試合合計2-5で敗退したが、ガブリエウは両試合にフル出場。最終的にチームの全11試合に先発出場、うち10試合にフル出場を果たした。
U-17全国選手権開催中に16歳の誕生日を迎えると、その一週間後の2023年8月25日に、インテルナシオナウと初のプロ契約を締結。契約期間はFIFAの規定上最長となる3年間、6000万ユーロの契約解除金が設定された。
2024年1月1日、通常より一年早くU-20チーム昇格。
前年同様1月開催のU-20全国大会カップ戦に出場すると、前年とは異なりスタメンとして一回戦のグループラウンド3試合と決勝ラウンド一回戦のチーム全4試合に出場、1得点を記録。
2024年3月にU-17全国選手権が開幕すると5試合3得点の成績を残し、4月にU-20全国選手権が開幕するとU-20チームにて2試合に出場する。
≪インテルナシオナウ≫
– 2024 –
2024年4月13日全国選手権開幕節を目前に、エドゥアルド・クーデ(Eduardo Coudet)監督率いるトップチームに招集を受け、開幕節バイーア戦にてベンチ入り。
2024年6月16日全国選手権第9節アウェイでのヴィトーリア戦、後半26分にチリ代表MFチャルレス・アランギス(Charles Aránguiz, 1989)に代わり、セグンドボランチとしてピッチに送り出され、16歳9か月30日でのプロデビュー。
これはFWアレシャンドレ・パト(Alexandre Pato, 1989)の記録を上回る、2001年以降のクラブ最年少デビュー。このデビュー戦では、後半37分に自陣でのパスカットからそのままドリブルで相手陣へボールを運び、FWウェズレイ(Wesley, 1999)へスルーパス、同点ゴールのアシストを記録した。
プロデビュー翌日の2024年6月17日には16歳にして公式にトップチームに昇格。
プロデビュー後は、しばらく出場機会は訪れず、7月13日のコパ・ド・ブラジルにて31分間出場するにとどまっていたが、ホージェル・マシャード(Roger Machado)監督が就任すると、初采配となる7月23日コパ・スウアメリカーナにて9分間の出場機会を得る。
7月27日全国選手権第20節アウェイでのバイーア戦にて、攻撃の司令塔MFアラン・パトリッキ(Alan Patrick, 1991)のケガによる離脱を受け、プロ初スタメンに抜擢。前半は守備に回る時間帯が多かったものの、後半はPA内でペダラーダ(またぎフェイント)を駆使してDFをかわしシュートに持ち込むなど、得意の攻撃的なプレーを披露する。
8月4日全国選手権第21節ホームでのパウメイラス戦にて、2試合連続でスタメンに起用されると、攻守に輝きを放ち、決定的なシーンを演出するなど、後半27分の交代時にはホームサポーターから大きな拍手を浴びベンチに下がる。
8月12日全国選手権第22節ホームでのアトレチコ・パラナエンセ戦では、前半12分、後方から縦に入るボールをライン間で受けると、前を向くや否や、自身のマークに上がるCBが空けたスペースに駆け上がるFWウェズレイ(Wesley, 1999)へ、DFの伸ばす足の上を通すパスを送り、チームの先制ゴールをアシスト。
2024年8月17日現在、7月27日バイーア戦から4試合連続でスタメン出場を果たしている。
2024年8月17日には、2025年1月に開幕が予定されている2025U-20南米ユース選手権に向けた代表合宿への招集23選手の一人として、自身初の世代別代表に招集を受けた。
≪シーズン別クラブ出場記録≫
シーズン | 所属 | 大会 | 試合 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2024年(17歳) | インテルナシオナウ | コパ・スウアメリカーナ | 1 | 9 | 0 | 0 |
全国選手権 | 5 | 342 | 0 | 2 | ||
コパ・ド・ブラジル | 1 | 31 | 0 | 0 | ||
合計 | 7 | 382 | 0 | 2 |
イタリック斜体は、2024年8月17日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。
<代表(世代別含む)経歴>
2024年8月17日ブラジルサッカー連盟により発表されたU-20代表合宿への招集23選手の一人として、自身初の世代別代表に招集。
この合宿は、2025年1月にペルーにて開幕が予定されている2025U-20南米ユース選手権に向けた2度目の合宿。期間は2024年9月2日~10日。合宿期間中にはメキシコU-20代表との2試合の国際親善試合が予定されている。
関連記事 : [2024.08.17発表]<ブラジルU-20代表招集>
<プレースタイル、エピソード、雑感 etc.>
利き足は両足。
身長168㎝、体重67kg。(サッカーサイト「oGol)」2024年8月17日参照)
主なポジションは、トップ下、セカンドトップといった中盤のゴールに近い中央寄りのポジション。右サイドのウィングやサイドハーフ、セグンドボランチでの起用機会もある。
当記事を投稿する時点で、トップチームでの出場試合数は7試合に過ぎないが、ボールタッチ数は多くあり、その印象では、ボールタッチは柔らかく、特にスピードがあるわけではないがサイドライン際で3人のDFに囲まれながらも縦に抜け出し、ディフェンダーとの対峙ではペダラーダ(またぎフェイント)で相手のバランスを崩しシュートやクロスに持ち込むプレーを見せた。
また、高い位置でサイドへ流れ数的有利を生み出し、PA角でボールを受けた際には、ゴールライン際へのパスや積極的なシュートなど状況に応じた選択肢を選択。カウンター時にはDFの死角を駆け上がりフリーの状態でゴール前にポジションを取るなど、オン/オフ・ザ・ボールに関わらず常にゴールを意識したプレーを見せている。
守備面でも、ボール保持者へのパスコースを切る寄せ、執拗なマーク、ボールの受け手の前に出るパスカット、一対一でのボール奪取など、先を読んだプレーでたびたび攻撃の芽を摘んでいる。
プロデビュー戦では、自陣でのパスブロックからそのままボールを相手陣に持ち上がり、DFを切り返しでかわした直後に相手最終ライン裏へ抜け出しを図るFWウェズレイ(Wesley, 1999)へスルーパスを通しアシストを記録。
2度目のアシストは、後方から縦に入るボールをライン間で受け、前を向くや、自身のマークに上がるCBが空けたスペースに駆け上がるFWウェズレイへ、DFの伸ばす足の上を通すパスを通した。
いずれのアシストもFWウェズレイへのもので、FWウェズレイのプレースタイルを熟知しての瞬間的な判断でゴールをお膳立てした。
16歳9か月30日でのプロデビューは、2001年以降のクラブ最年少デビュー。そのデビュー戦では、いきなりプロ初アシストをマークし、与えられた短い時間でしっかりと結果を残した。
監督交代後には、主力選手の離脱でスタメン起用のチャンスを掴むと、16歳とは思えぬ落ち着きと洞察力のあるベテラン顔負けのプレーで、攻守に渡ってボールに多く絡み、たちまちサポーターの心を鷲掴み。
この試合を機に連戦でスタメンに抜擢されると、試合を経るごとに監督・コーチ陣や周囲の選手からの信頼が厚みを帯びていく。
自身7試合目の試合では、チームが獲得したPKのキッカーを直訴するような気持ちの強さも兼ね備えている。
インテルナシオナウは、エクアドル代表FWエネル・バレンシア(Enner Valencia, 1989)やコロンビア代表FWボレー(Borré, 1995)を擁しながらも、国際カップ戦と国内カップ戦は早期に敗退、全国選手権も下位に低迷しているが、ガブリエウ・カルヴァーリョが先発を務めた(2024年8月17日現在)直近の4試合は1勝3分の成績を収め、チームの調子は上向きにある。
今後は強力なフォワード陣との連係も深まり、互いのプレースタイルを熟知することで、これまで以上にゴールに関与するプレーが増えるに違いない。また、その後には、ケガから復帰するMFアラン・パトリッキとのポジション争いや、共存がどのように行われるのか、今から楽しみは大きい。
真偽のほどは定かでないが、ブラジル国内では、ベンフィカ/POR、アーセナル/ENG、マンチェスターシティ/ENGが関心を示している、との報道を見かける。
FIFAの規定により、国境をまたぐ移籍は18歳の誕生日を迎えるまでは禁じられている。ガブリエウ・カルヴァーリョの18歳の誕生日はちょうど一年後の2025年8月17日。欧州ビッグクラブへの移籍が実現することを祈りながら、この一年間はインテルナシオナウでのプレーをしっかりと目に焼き付けようと思う。