【ブラジル全国選手権2024】第24節(1/2)[08/24-26]

投稿者: | 2024年8月24日

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全国選手権第24節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/08/24 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) x ジュヴェントゥージ(JUV)
・2024/08/24 パウメイラス(PAL) x クイアバ(CUI)
・2024/08/24 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x フルミネンセ(FLU)
・2024/08/25 バイーア(BAH) x ボタフォゴ(BOT)
・2024/08/25 フォルタレーザ(FOR) x コリンチャンス(COR)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第24節(2/2)[08/24-26]
・2024/08/25 クリシウーマ(CRI) x グレミオ(GRE)
・2024/08/25 サンパウロ(SAO) x ヴィトーリア(VIT)
・2024/08/25 インテルナシオナウ(INT) x クルゼイロ(CRU)
・2024/08/25 フラメンゴ(FLA) x RBブラガンチーノ(RBB)

・2024/08/26 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)

全国選手権第24節 試合概要

アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) 2-1 ジュヴェントゥージ(JUV)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=MgiiePoY56g
(ACG) : 47' #9 ジャン・ウルタド(ジャン・ウルタド, 2000)[]
(JUV) : 90+1' #13 ジエゴ・ゴンサウヴェス(Diego Gonçalves, 1994)[#20 ジアン・カルロス(Jean Carlos, 1992)]
(ACG) : 90+11' #20 アレホ・クルス(Alejo Cruz, 2000)[2000]

今節前の順位

アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)は全国選手権3勝6分14敗勝点15の20位。
ジュヴェントゥージ(JUV)は全国選手権7勝7分8敗勝点28の11位。(1試合未消化)

得点シーン

(ACG) : 47' #9 ジャン・ウルタド(ジャン・ウルタド, 2000)[]
自陣センターサークル内から送られたボールを相手陣中央やや右サイドで受けたMFジョエル・キャンベルが縦にボールを運びPAに侵入。ゴールライン際までボールを持ち運ぶがDFと接触し転倒。倒れながらもMFジョエル・キャンベルはボールを繋ぎ、FWジャン・ウルタドを経て、FWルイス・フェルナンドがシュート。ボールはGKガブリエウのブロックに遭うが、こぼれ球をFWジャン・ウルタドがシュート。GKのニアサイドを抜けたボールがファーサイドのゴールネットを揺らす。[1-0]
   FWジャン・ウルタドは、7月17日のクラブデビュー以来7試合ゴール関与がなかったが、前節でクラブ初ゴールを決勝ゴールで飾ると、今節も2試合連続の先制ゴール。ボカ・ジュニオルス/ARGから期限付き移籍で加入したが、救世主としてチームの奇跡の残留劇を演出することができるだろうか。
(JUV) : 90+1' #13 ジエゴ・ゴンサウヴェス(Diego Gonçalves, 1994)[#20 ジアン・カルロス(Jean Carlos, 1992)]
右CKのキッカーはMFジアン・カルロス。左足でゴール前に上げたボールに、ニアサイドでFWジエゴ・ゴンサウヴェスが高さのあるヘディングシュート。ボールはニアサイドにポジションを移したGKとは逆方向のファーサイドに流れゴールに吸い込まれる。[1-1]
   FWジエゴ・ゴンサウヴェスは、ブラジル国内でのデビューを待たず、2013年7月オリャネンセ(Olhanense)/PORへ移籍し、2013年8月ポルトガルリーグ開幕節にて18歳のプロデビュー。開幕4試合連続スタメン出場を果たすが、その後出場機会を失い11月に契約が解除される。2016年にインテルナシオナウに加入するが、期限付き移籍要員として、2018年7月‐12月ヴァンフォーレ甲府など複数のクラブを遍歴。2021年5月ミラソウに移籍すると、その後期限付き移籍ながら、ボタフォゴやゴイアスといった全国選手権2部上位、全国選手権1部でプレー。ジュヴェントゥージには2024年7月にミラソウから期限付き移籍加入。7月27日にクラブデビューを果たし、2戦目のコパ・ド・ブラジルにてジュヴェントゥージでの初ゴール。その後もスーパーサブとして連戦に出場。このゴールは全国選手権での初ゴール。
(ACG) : 90+11' #20 アレホ・クルス(Alejo Cruz, 2000)[2000]
ゴール正面30m弱の距離からのFK。FWアレホ・クルスが直接狙ったシュートは壁に当たり、ボールは真上に上がりゴール方向に向かう。このボールを巡るボール争奪戦からの混戦で、ジュヴェントゥージDFがシュートに持ち込もうとする選手の背後から伸し掛かり、このプレーに対し主審が笛、アトレチコ・ゴイアニエンセへPKの判定を下す。FWアレホ・クルスのPKはコースが甘かったものの勢いで勝りゴール。実質的に最後のプレーでアトレチコ・ゴイアニエンセが勝ち越す。[2-1]
   FWアレホ・クルスは、左サイドのスペシャリストとしてサイドバックからウィングまで幅広くプレー。アトレチコ・ゴイアニエンセには2024年1月に一年契約で入団。37試合2得点2アシストの成績を残している

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:44% 56% ⇒ 前後半:39% 61%
シュート(枠内): 前半:8‐4(3-1) ⇒ 前後半:18-13(7-3)
パス成功率: 前半:80% 81% ⇒ 前後半:77% 82%
ファール: 前半:9‐5 ⇒ 前後半:17-10
黄カード(赤(一発)): 前半:2‐3 ⇒ 前後半:3-4(1-2(1))

   アトレチコ・ゴイアニエンセは前節にて16試合ぶりの勝利。今節は全国選手権初の連勝を飾り、1部残留に向け勝ち点を積み重ねたい。
   今節は、出場停止の右SBマギーニョ(Maguinho, 1992)に代わり、ケガから復帰のSBブルーノ・トゥバラォンが7月11日第16節以来の試合。前節前半で負傷退場となったCBペドロ・エンヒキ(Pedro Henrique, 1992)とFWデレキ(Derek, 1997)は戦列を離脱し、CBルイス・フェリピと前節決勝ゴールのFWジャン・ウルタドがスタメンに起用される。
   GK : GKホナウド(Ronaldo, 1996)
   4 : 右SBブルーノ・トゥバラォン(Bruno Tubarão, 1995)、CBアドリアーノ・マルチンス(Adriano Martins, 1997)、CBルイス・フェリピ(Luiz Felipe, 1993)、左SBギリェルミ・ホマォン
   3 : VOLゴンサロ・フレイタス(Gonzalo Freitas, 1991)、MFジョエル・キャンベル(Joel Campbell, 1992)、VOLハウジネイ(Rhaldney, 1998)
   3 : FWジャンデルソン(Janderson, 1999)、FWジャン・ウルタド(Jan Hurtado, 2000)、FWルイス・フェルナンド(Luiz Fernando, 1996)

   ジュヴェントゥージは、前節インテルナシオナウとのクラシコにて2-1の勝利。今季全国選手権でアウェイ試合初白星を収めた。
   今節は、ケガ明けで7月24日第19節以来の試合となるSBジョアン・ルーカスがスタメンに復帰。最近出番が増え攻守に好プレーを見せるVOLルイス・オヤマと加入2試合目で先発出場のチャンスを得たVOLドゥドゥ・ヴィエイラのコンビが2ボランチを組む。攻撃的な4選手は前節を同じ顔ぶれ。
   GK : GKガブリエウ(Gabriel, 1992)
   4 : 右SBジョアン・ルーカス(João Lucas, 1998)、CBダニーロ・ボサ(Danilo Boza, 1998)、CBゼ・マルコス(Zé Marcos, 1998)、左SBアラン・フーシェウ(Alan Ruschel, 1989)
   3 : VOLルイス・オヤマ(Luís Oyama, 1997)、MFネネー(Nenê, 1981)、VOLドゥドゥ・ヴィエイラ(Dudu Vieira, 1994)
   3 : FWマルセリーニョ(Marcelinho, 2002)、FWカリージョ(Carrillo, 1996)、FWエリキ・ファリアス(Erick Farias, 1997)

   2024年に昇格しこれまで対照的な成績を残している両チームによる一戦。
   前半4分、アトレチコ・ゴイアニエンセは、FWジャン・ウルタドが相手陣で相手のパスが流れたところ奪いそのままシュート。ボールはやや勢いがなく、ジュヴェントゥージGKガブリエウが倒れ込みながらしっかりとキャッチ。
   アトレチコ・ゴイアニエンセはジュヴェントゥージにボールを持たせ、ハーフライン付近の厳しいマークでショートカウンターを狙う。
   前半36分、アトレチコ・ゴイアニエンセは相手陣右サイドライン際からSBブルーノ・トゥバラォンがゴールラインと平行にクロス。DFの間に駆け上がったFWジャン・ウルタドが綺麗に頭を合わせるが、GKガブリエウが無難にキャッチ。
   前半40分、アトレチコは再び右サイドから、アタッキングサード入口のSBブルーノ・トゥバラォンがゴール前にクロス。DFと競り合うFWジャン・ウルタドが後方に落としたボールをFWルイス・フェルナンドが右足で叩きつけるが、ジュヴェントゥージGKガブリエウが必死に飛びつきクロスバーの上に弾き出す。前半42分にもFWジャン・ウルタドが相手陣でパスカットからシュートに持ち込むがこれは枠を捉えない。
   一方のジュヴェントゥージは、前半44分、右CKからCBダニーロ・ボサが頭を合わせるがボールはGKの正面を突く。
   後半開始時、アトレチコ・ゴイアニエンセはメンバーを変更せず、ジュヴェントゥージはFWマルセリーニョに代えFWルーカス・バルボーザ(Lucas Barbosa, 2001)を投入する。
   後半2分、アトレチコ・ゴイアニエンセはハーフライン付近から縦に素早くボールを送り、FWジョエル・キャンベルの突破から最後はFWジャン・ウルタドがゴール。副審はオフサイドフラッグを掲げるが、VARの結果、ゴールは認められアトレチコ・ゴイアニエンセが先制。
   同点に追いつきたいジュヴェントゥージは、ボールを繋いで相手陣に攻め込もうとするものの、アトレチコ・ゴイアニエンセの中盤での素早い寄せに有効な打開策を見いだせず、試合は一進一退の攻防を繰り返す。
   後半35分、アトレチコ・ゴイアニエンセは、前半にイエローカードを受けていたSBブルーノ・トゥバラォンが、不当にプレーの再開を遅らせこの試合2枚目のイエローカードを提示され退場処分。これにより試合が動き出す。
   後半39分、ジュヴェントゥージは、VOLルイス・オヤマがセンターサークル内で相手ボールを引っ掛けボールを掻き出すと、そのボールを拾ったFWルーカス・バルボーザが素早く縦にスルーパス。FWエジソン・カリオカ(Edson Carioca, 1997)がCBの間で受け、PAに侵入、シュートに持ち込むが、GKホナウドがストップ。
   後半45+1分、ジュヴェントゥージは右CKからMFジアン・カルロス(Jean Carlos, 1992)が上げたボールにFWジエゴ・ゴンサウヴェス(Diego Gonçalves, 1994)が頭を合わせ、土壇場で同点に追いつく。しかし、FWジエゴ・ゴンサウヴェスはこのプレーで右足を痛め、プレーを続行することができず、ピッチの外に出る。
   後半45+6分、ジュヴェントゥージCBゼ・マルコスが、アトレチコ・ゴイアニエンセMFジョルジーニョ(Jorginho, 1991)のドリブルをファールで潰し、この試合2枚目のイエローカードを受け退場。
   このプレーで得たFKを、アトレチコ・ゴイアニエンセFWアレホ・クルスが直接狙い、壁に当たってPA内に上がったボールを巡る混戦の中、ジュヴェントゥージがファールを犯し、アトレチコ・ゴイアニエンセにPKが与えられる。
   このPKをFWアレホ・クルスがほぼ中央に決めると、試合再開後間もなくタイムアップの笛。
   ホームのアトレチコ・ゴイアニエンセが、後半35分を過ぎてもつれにもつれた試合を、2-1のスコアで制した。

   アトレチコ・ゴイアニエンセは、依然として最下位を抜け出せずにいるが、この勝利で2連勝。試合終了時点で、19位まで勝点差は「ゼロ」、16位まで勝点差は「4」に詰めた。
   次節は、上位争いに絡むクルゼイロとのアウェイでの試合と厳しい試合が見込まれるが、3連勝を目指す。
   一方のジュヴェントゥージは、苦手のアウェイ試合で連勝ならず。
   次戦は、週中にコパ・ド・ブラジル準々決勝1stレグ、ホームにコリンチャンスを迎える。
   全国選手権次節は、得意のホームにインテルナシオナウを迎えたクラシコ。

パウメイラス(PAL) 5-0 クイアバ(CUI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=PeLY2BY6_D0
(PAL) : 15' #26 ムリーロ(Murilo, 1997)[]
(PAL) : 27' #41 エステヴォン(Estêvão, 2007)[PK]
(PAL) : 32' #41 エステヴォン(Estêvão, 2007)[#27 ヒシャルジ・ヒオス(Richard Rios, 2000)]
(PAL) : 45+2' #18 MFマウリシオ(Maurício, 2001[#42 FWフラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)]
(PAL) : 56' #9 フェリピ・アンデルソン(Felipe Anderson, 2003)[#41 エステヴォン(Estêvão, 2007)

今節前の順位

パウメイラス(PAL)は全国選手権12勝5分6敗勝点41の3位。
クイアバ(CUI)は全国選手権4勝6分11敗勝点18の19位。(2試合未消化)

得点シーン

(PAL) : 15' #26 ムリーロ(Murilo, 1997)[]
左CKのキッカーはFWエステヴォン。左足でゴールラインから離れるボールがゴール前に上げられると、GKヴァウテルが飛び出し、味方DFと接触してパンチング処理を誤る。流れたボールは、CBムリーロに当たり、そのままゴールへ流れ込む。ホームのパウメイラスが運よく先制。[1-0]
   DFムリーロは、クルゼイロ育成出身で、2017年3月に19歳のプロデビュー。同年は全国選手権24試合(うち先発22試合)など31試合に出場し、主力の一人に成長する。2019年1月ロコモティフ・モスクワ/RUSへ移籍し2019年1月-2022年1月に70試合5得点1アシスト。2022年1月にパウメイラスへ移籍すると直後にレギュラーの座を掴み、同年は57試合11得点2アシストと、守備面だけでなくセットプレーでの得点源としても活躍。対人の強さや、予測力に優れたポジショニング、精度の高い長短のパスが特長。2024年3月にはイングランド、スペインとの国際親善試合に向けたブラジル代表に選出された(出場機会なし)。
(PAL) : 27' #41 エステヴォン(Estêvão, 2007)[PK]
自陣からCBナヴェスの縦のパスを右サイドで受けたFWエステヴォンが、ドリブルで中央へ切れ込みPA中央入口へスルーパス。このパスに反応し二列目から抜け出しを図るMFマウリシオが背後からDFに押し倒され、パウメイラスがPKを獲得。このPKをFWエステヴォンが左上に決める。[2-0]
   FWエステヴォンは、2023年全国選手権最終節にて16歳でのプロデビューを果たし、2024年全国選手権開幕後にレギュラーの座に定着。7月17日第17節の試合中に足首にケガを負い、第20節の復帰戦で再び同じ個所を痛め、さらに二週間離脱していた。8月14日の復帰後もしばらくはケガ前の切れ味が見られなかったが、代表への招集が発表された翌日の今節は、記録上は2得点1アシスト、さらにもう1ゴールの起点にもなる大活躍。2025/26年前にチェルシー/ENGへの移籍が内定している。
(PAL) : 32' #41 エステヴォン(Estêvão, 2007)[#27 ヒシャルジ・ヒオス(Richard Rios, 2000)]
FWエステヴォンが、相手陣右サイドライン際でドリブルを仕掛け、その後VOLヒシャルジ・ヒオスとのタベーラでゴールライン際までボールを運ぶ。そこからドリブルでPA中央へ斜めに下がり左足を一閃。グラウンダーのボールはニアサイドに突き刺さる。[3-0]
   VOLヒシャルジ・ヒオスは、フラメンゴ育成出身で、2020年1月リオデジャネイロ州選手権にて19歳のプロデビュー。フラメンゴでは出場機会は少なく、マサトラン(Mazatlán)/MEX、グアラニを経て、2023年3月下旬にパウメイラスが獲得。同年はリベルタドーレス10試合、全国選手権37試合など、主力の一人として活躍。2023年10月にはコロンビア代表として代表デビューを飾る。2024年はこれまで37試合2得点2アシスト。2024コパ・アメリカでは全6試合に出場、1得点の成績を残し、チームの準優勝に貢献。この大会を機に欧州からの視線が集まる。ボックストゥボックスをプレーエリアとするセグンドボランチ。低い弾道の強烈なミドルシュートや、セットプレーで直接ゴールを狙うシュートは彼の魅力の一つ。
(PAL) : 45+2' #18 MFマウリシオ(Maurício, 2001)[#42 FWフラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)]
相手陣PA近辺でテンポのいいパス回しとポジションチェンジで相手守備陣を翻弄。左サイドに流れたFWフラッコ・ロペスがグラウンダーのボールをゴール前に送ると、MFマウリシオは難なく左足でボールをゴールに押し込む。[4-0]
   MFマウリシオは、クルゼイロ育成出身で、2019年7月全国選手権にて18歳のプロデビュー。2020年にレギュラーの座を掴むが、同年10月にインテルナシオナウへ移籍し出場機会は減少する。2021年にセグンドボランチとしてレギュラーの座を獲得すると、2022年終盤によりゴールに近いポジションでのプレー機会が増えると、2023年には55試合9得点5アシストと全項目でキャリアハイの成績を収める。2024年7月1050万ユーロ相当の移籍金でパウメイラスへ移籍。2024パリ五輪南米予選代表。ボランチ出身のためボール奪取力が高く、攻撃面では二列目からゴール前への飛び出しや最終ライン裏へのスルーパスなど、オン/オフザボールに関わらない攻守に存在感を放つプレーヤー。
(PAL) : 56' #9 フェリピ・アンデルソン(Felipe Anderson, 2003)[#41 エステヴォン(Estêvão, 2007)]
FWエステヴォンが右サイドライン際をハーフライン付近まで下がって自陣からのボールを受ける。そこからドリブルでボールを縦に運びサイドからPAに侵入。DF2人に相次いで体を当てられながらも、逆サイドからポジションを移すFWフェリピ・アンデルソンへボールを繋ぐと、FWフェリピ・アンデルソンがファーサイドのゴールネットへボールを流し込む。[5-0]
   FWフェリピ・アンデルソンは、ブラジル代表2試合、2016リオ五輪金メダリスト。サントス育成出身で、2010年10月全国選手権にて17歳のプロデビュー。2013年7月ラツィオ/ITAへ750万ユーロで移籍し、2018年7月ウェストハム/ENGへ3800万ユーロで移籍。2021年7月ラツィオへ復帰すると、通算8年間で325試合58得点45アシストの成績を残し、契約満了後の2024年7月にパウメイラスに加入。リベルタドーレス、コパ・ド・ブラジルを敗退したパウメイラスにおいて、現在模索中の新しい戦術の核となる選手の一人としての活躍が期待されている。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:63% 37% ⇒ 前後半:58% 42%
シュート(枠内): 前半:9‐6(6-2) ⇒ 前後半:14-10(9-3)
パス成功率: 前半:87% 84% ⇒ 前後半:85% 85%
ファール: 前半:7‐5 ⇒ 前後半:16-6
黄カード(赤): 前半:0‐0 ⇒ 前後半:1-1

   パウメイラスは、週中のリベルタドーレスはボタフォゴを相手に2-2の引き分け。2試合合計3-4で同大会を敗退、コパ・ド・ブラジルに続いてベスト16で姿を消した。
   今節は、VOLゼ・ハファエウ(Zé Rafael, 1993)、CBグスタボ・ゴメス(Gustavo Gómez, 1993)が出場停止。代わってVOLアニバル・モレノとCBナヴェスが入る。スタメンが続いていたCBヴィトル・ヘイス(Vitor Reis, 2006)がベンチ外となっており、CBムリーロが入る。また、司令塔役はMFマウリシオが抜擢される。
   パウメイラスのスタメンは以下の通り。
   GK : GKウェヴェルトン(Weverton, 1987)
   4 : 右SBマイキ(Mayke, 1992)、CBナヴェス(Naves, 2002)、CBムリーロ(Murilo, 1997)、左SBカイオ・パウリスタ(Caio Paulista, 1998)
   3 : VOLヒシャルジ・ヒオス(Richard Rios, 2000)、MFマウリシオ(Maurício, 2001)、VOLアニバル・モレノ(Anibal Moreno, 1999)
   3 : FWエステヴォン(Estêvão, 2007)、FWフラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)、FWフェリピ・アンデルソン(Felipe Anderson, 2003)

   クイアバは、前節を1-1の引き分けに終え、連敗を「5」でストップしたものの、公式戦は7試合勝ち星がない。
   今節は、CBアラン・エンペレウール(Alan Empereur, 1994)が出場停止。
   年初加入の20歳CBガブリエウが5月5日以来の試合で先発に抜擢、全国選手権開幕前に加入した左WBジュアン・タヴァレスが2試合連続のスタメン起用。前節に続き3バックを採用。
   クイアバのスタメンは以下の通り。
   GK : GKヴァウテル(Walter, 1987)
   5 : 右WBハイラン(Railan, 2000)、CBマルロン(Marllon, 1992)、CBブルーノ・アウヴェス(Bruno Alves, 1991)、CBガブリエウ(Gabriel, 2003)、左WBジュアン・タヴァレス(Juan Tavares, 2002)
   4 : VOLデニウソン(Denilson, 2001)、VOLルーカス・ミネイロ(Lucas Mineiro, 1996)、VOLマックス(Max, 2001)、MFルーカス・フェルナンデス(Lucas Fernandes, 1997)
   1 : FWイシドロ・ピッタ(Isidro Pitta, 1999)
   2024年9月に開催される2026W杯南米予選第7節、第8節に向け、パイメイラスFWエステヴォンがブラジル代表に、クイアバFWイシドロ・ピッタがパラグアイ代表に、それぞれ代表初選出。なお、両チームは9月10日第8節にパラグアイの首都アスンシオンにて対戦する。

   立ち上がりからボールを支配し、スピードのあるパス回しでパウメイラスが優位に試合を進める。
   前半15分、パウメイラスが左CKを獲得すると、ゴール前でクイアバGKヴァウテルがミス。運よくパウメイラスが先制する。
   ところが、パウメイラスは、前半17分、右SBマイキがプレーと関連なく右膝を痛め、交代を余儀なくされるアクシデントが発生。前半21分に右SBマルコス・ホッシャ(Marcos Rocha, 1988)が代わって入る。
   しかし、パウメイラスは、初のフル代表に選出されたFWエステヴォンが躍動。前半25分、自らのパスから獲得したPKを決めると、前半32分には個人技でPAに侵入し鋭い振りのシュート。一気にパウメイラスが3-0とリードを拡げる。
   前半38分に早くもクイアバは戦術的な選手交代。CBガブリエウとMFルーカス・フェルナンデスに代え、スピードのあるFWジョナタン・カフー(Jonathan Cafú, 1991)と高さのあるFWデリキ・ラセルダ(Derik Lacerda, 1999)のフォワード2選手を投入。
   しかし、パウメイラスの勢いは止まらず、前半アディショナルタイムにMFマウリシオが4点目のゴールを奪う。
   後半5分、クイアバは、PA右手前からのクロスにFWイシドロ・ピッタがニアサイドで頭を合わせるが、パウメイラスGKウェヴェルトンが倒れ込みながらしっかりとキャッチ。後半8分には、相手陣PA左角で得たFKからゴール前での混戦に、後方に下げられたボールをFWイシドロ・ピッタがシュートに持ち込むがボールは枠を捉えない。
   すると、後半11分、パウメイラスは、右サイドをFWエステヴォンがドリブルでボールを持ち上がりFWフェリピ・アンデルソンのゴールをアシスト。5-0とリードを拡げる。
   その5分後にFWエステヴォンはお役御免とばかりにベンチに退き、パウメイラスは相次いで選手交代を実施。相手にボールを持たせながらも、鋭いカウンターを起点に相手陣深くにボールを運ぶなど、試合をコントロール。
   最後までクイアバに反撃を許さず、パウメイラスが5-0の完勝を収めた。

   パウメイラスが、FWエステヴォンが右サイドを制圧し、新加入のFWフェリピ・アンデルソンとMFマウリシオが得点に絡む活躍。コパ・ド・ブラジル、リベルタドーレスを敗退した今、最後に残る全国選手権の3連覇に向け、仕切り直しとなる試合で完勝をを収めた。
   次戦は、一週間後にアウェイでアトレチコ・パラナエンセ戦。週中にコパ・ド・ブラジルを挟むアトレチコ・パラナエンセに対し日程的な優位があり、勝点「3」を積み上げたい。
   一方のクイアバは、守備的な布陣が徒となり、個人技で最終ラインが崩され、前半の早い時間帯に連続失点。前半のうちに2選手の交代するが、劣勢を跳ね返すに至らず、0-5の完敗。全国選手権は引き分けを挟み5連敗。残留争いは混とんとしているだけに、何とか白星を手に入れ嫌な雰囲気を払拭したい。
   次戦は、一週間後にホームにクリシウーマを迎える。

アトレチコ・ミネイロ(CAM) 0-2 フルミネンセ(FLU)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=6-OWl7gq6fQ
(FLU) : 23' #90 セルナ(Serna, 1997)[#19 カウワン・エリアス(Kauã Elias, 2006)
(FLU) : 59' #21 ジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)[]

今節前の順位

アトレチコ・ミネイロ(CAM)は全国選手権7勝9分5敗勝点30の8位。(2試合未消化)
フルミネンセ(FLU)は全国選手権5勝6分11敗勝点21の18位。(1試合未消化)

得点シーン

(FLU) : 23' #90 セルナ(Serna, 1997)[#19 カウワン・エリアス(Kauã Elias, 2006)]
ハーフライン付近からの相手最終ラインの縦パスをVOLマルチネリがカット。そのこぼれ球を巡るデュエルにカウワン・エリアスが競り勝つと、素早く左サイドのMFセルナへボールを送る。MFセルナはボールを受けドリブルでPAに侵入。マークを外して右足から放たれたシュートはゴールライン上に戻ったDFのクリアも間に合わずゴールイン。押し込まれる時間帯が続くアウェイのフルミネンセが先制する。[0-1]
   MFセルナは、2024年7月22日にアリアンサ・リマ/PERからフルミネンセに165万ユーロ相当の移籍金で加入。7月24日全国選手権第19節パウメイラス戦にて後半開始時にピッチに送り出されると、後半42分にMFジョン・アリアスの決勝ゴールをお膳立て。その後は主に先発として連戦に出場し、チームのリベルタドーレス準々決勝進出、全国選手権での復調に攻守に大きく貢献。このゴールは記念すべきフルミネンセでの初ゴール。
(FLU) : 59' #21 ジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)[]
相手陣に入った地点左サイドでのスローインから、縦に送られたボールにMFジョン・アリアスが反応し、ボールを受けPAに侵入。マークに戻った選手を切り返しでかわすと右足を一閃。ボールはファーサイドのゴールネットを揺らす貴重な追加点。[2-0]
   FWジョン・アリアスは、コロンビア代表として21試合3得点3アシスト。フルミネンセ加入後の2022年6月に代表デビュー。フルミネンセには2021年8月にサンタフェ/COLから60万ユーロ相当の移籍金で加入。加入年は途中交代出場が続いたが、2022年には先発出場も増え、フェルナンド・ジニース監督就任後は欠くべからざる選手の一人として、2023年クラブ史上初のリベルタドーレス制覇に大いに貢献。2024年もコパ・アメリカ期間中の離脱があったものの、今節終了時点で35試合9得点7アシストを記録している。フルミネンセ加入後は通算179試合38得点41アシスト。スピードと打開力のあるドリブルでチャンスを演出し、決定力の高さで自らも多くのゴールを奪う。2024コパ・アメリカでは全6試合に先発出場を果たし、チームの準優勝に貢献。欧州クラブからの注目も高まっている。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:53% 47% ⇒ 前後半:61% 39%
シュート(枠内): 前半:4‐4(0-4) ⇒ 前後半:19-8(0-6)
パス成功率: 前半:86% 83% ⇒ 前後半:84% 78%
ファール: 前半:10‐4 ⇒ 前後半:19-7
黄カード(赤): 前半:2‐1 ⇒ 前後半:5-2

   アトレチコ・ミネイロは、週中のリベルタドーレス、サンロレンソ/ARG戦2ndレグにて1-0の勝利を収め、準々決勝に駒を進めた。
   今節は、MFアラン・フランコ(Alan Franco, 1998)が出場停止。MFサラーチョ(Zaracho, 1998)がケガにより戦列離脱。
   リベルタドーレスから、6つのポジションで選手が変更されている。
   アトレチコ・ミネイロのスタメンは以下の通り。
   GK : GKエヴェルソン(Éverson, 1990)
   3 : CBブルーノ・フッキス(Bruno Fuchs, 1999)、CBバターリャ(Battaglia, 1991)、CBリヤンコ(Lyanco, 1997)
   5 : 右WBサラビア(Saravia, 1993)、VOLオターヴィオ(Otávio, 1994)、MFベルナール(Bernard, 1992)、VOLファウスト・ベラ(Fausto Vera, 2000)、左WBギリェルミ・アラーナ(Guilherme Arana, 1997)
   2 : FWバルガス(Vargas, 1989)、FWカドゥ(Cadu, 2004)

   フルミネンセは、週中のリベルタドーレス、グレミオ戦2ndレグをホームで2-1の勝利。2試合合計3-3に持ち込み、PK戦の末、準々決勝進出を決めた。
   今節は、右SBサムエウ・シャヴィエル(Samuel Xavier, 1990)が出場停止。代わってSBグーガが左サイドから移り、右サイドバックにはセンターバックが主戦のCBチアゴ・サントス(Thiago Santos, 1989)が入る。
   フルミネンセのスタメンは以下の通り。
   GK : GKファビオ(Fábio, 1980)
   4 : 右SBグーガ(Guga, 1998)、CBチアゴ・シウヴァ(Thiago Silva, 1984)、CBフェリピ・メロ(Felipe Melo, 1983)、CBチアゴ・サントス(Thiago Santos, 1989)
   2 : VOLアンドレ(André, 2001)、VOLマルチネリ(Martinelli, 2001)
   3 : MFジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)、MFガンソ(PH Ganso, 1989)、MFセルナ(Serna, 1997)
   1 : FWカウワン・エリアス(Kauã Elias, 2006)
   なお、この両チームから、アトレチコ・ミネイロ左SBギリェルミ・アラーナ、フルミネンセVOLアンドレが、2026W杯南米予選第7節エクアドル戦、第8節パラグアイ戦に向けたブラジル代表へ招集されている。

   立ち上がりは中盤での攻防が激しくなるが、次第にホームのアトレチコ・ミネイロが相手陣にフルミネンセを押し込んでいく。
   アトレチコ・ミネイロは相手陣内に最終ラインが入り、縦に楔のボールを入れ、サイドライン際へボールを散らすが、フルミネンセは、最終ラインの前で両ボランチがフィルター役として機能、攻撃的な選手もボールの出どころへの寄せを怠らず、組織的な守備網で中にボールを入れさせない。
   すると、前半23分、VOLマルチネリのパスカットから、FWカウワン・エリアスがこぼれ球を巡る争奪戦に勝りFWセルナにボールを送ると、FWセルナがDFのマークを外し先制ゴールを奪う。
   フルミネンセの先制後も試合展開は変わらず、押し込むアトレチコ・ミネイロは効果的に相手ゴールに迫ることができず、フルミネンセはカウンターから相手ゴールに迫る。
   前半38分、フルミネンセはハーフライン付近でFWカウワン・エリアスがボール奪取。ゴール正面PA手前にボールを送ると、FWジョン・アリアスがDFと並走しながらも強烈なシュート。しかし、これはアトレチコ・ミネイロGKエヴェルソンが冷静にCKに逃れる。
   前半39分、アトレチコ・ミネイロは左サイドを執拗にボールを繋ぎ、サイドライン際からSBギリェルミ・アラーナがゴール前にクロス。FWバルガスが頭を合わせゴールネットを揺らすが、オフサイド。アトレチコ・ミネイロがこの試合初めて決定的なシーンを迎えゴールネットを揺らしたが、ゴールは認められない。
   後半開始時に、アトレチコ・ミネイロは、CBブルーノ・フッキスとFWカドゥをベンチに下げ、FWアリソン(Alisson, 2005)とFWパウリーニョ(Paulinho, 2000)をピッチに送り出す。すると、FWアリソンがドリブルを仕掛け、FWパウリーニョがDFの背後をつくポジション取りで攻撃の形は改善する。
   ところが、アトレチコ・ミネイロのカウンターへの対応や最終ラインの守備が甘く、後半9分に、FWセルナがハーフライン付近右サイドからPA手前左に大きく展開されたボールを受けると、簡単にDFのマークを外しシュート。後半14分には、縦に入れられたスローインのボールをFWジョン・アリアスがDFのタックルを跳ね返しドリブルに持ち込むと、PAに侵入、カバーに戻ったDFとの距離があるとみるや右足を一閃し追加点を奪う。
   フルミネンセは、後半18分、FWセルナに代え左SBエスケルジーニャ(Esquerdinha, 2006)を投入し5バックに変更。その後も中盤や前線の選手を相次いで入れ替え、ボールの出どころへの寄せの強度を保つ。
   アトレチコ・ミネイロは、自陣に引くフルミネンセに対し、個人技での打開や、左右にボールを散らしクロスをゴール前に送るなど、相手ゴールに迫る場面が増えるが、シュート精度は低く枠を捉えない。
   ホームのアトレチコ・ミネイロは、最後までフルミネンセゴールを割ることができず、0-2の敗戦。

   アトレチコ・ミネイロの次戦は、中3日でコパ・ド・ブラジル準々決勝サンパウロ戦アウェイでの1stレグ。
   全国選手権は、一週間後に第25節アウェイでのグレミオ戦が予定されている。
   フルミネンセは、CBチアゴ・シウヴァの加入以来、全国選手権は5勝1分1敗、うち6試合に無失点試合を記録。守備の構築に定評のあるマノ・メネゼス監督の手腕も重なり、フルミネンセの守備を基調にした試合運びは安定感を増してきている。
   次戦は、一週間後に全国選手権第25節、ホームにサンパウロを迎える。

バイーア(BAH) 0-0 ボタフォゴ(BOT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=l-fvuX2Nfds

今節前の順位

バイーア(BAH)は全国選手権11勝5分7敗勝点38の5位。
ボタフォゴ(BOT)は全国選手権14勝4分5敗勝点46の首位。

得点シーン

N/A

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:56% 44% ⇒ 前後半:54% 46%
シュート(枠内): 前半:5‐5(1-0) ⇒ 前後半:17-14(7-5)
パス成功率: 前半:85% 81% ⇒ 前後半:85% 83%
ファール: 前半:13‐9 ⇒ 前後半:19-21
黄カード(赤): 前半:3‐2 ⇒ 前後半:4-4

   バイーアは、前節グレミオ戦を2-0の勝利。公式戦は現在3試合連続無失点試合を継続、全国選手権は現在2連勝中で再び上位争いに加わってきた。
   今節は、出場停止や新たなケガ人の離脱もなく、いつもの鉄板のスターティングイレブン。
   バイーアのスタメンは以下の通り。
   GK : GKマルコス・フェリピ(Marcos Felipe, 1996)
   4 : 右SBサンティアゴ・アリアス(Santiago Arias, 1992)、CBガブリエウ・シャヴィエル(Gabriel Xavier, 2001)、CBカヌー(Kanu, 1997)、左SBルシアーノ・ジュバ(Luciano Juba, 1999)
   4 : VOLカイオ・アレシャンドレ(Caio Alexandre, 1999)、MFエヴェルトン・ヒベイロ(Éverton Ribeiro, 1989)、MFカウリー(Cauly, 1995)、VOLジアン・ルーカス(Jean Lucas, 1998)
   2 : FWタシアーノ(Thaciano, 1995)、FWエヴェラウド(Everaldo, 1991)

   ボタフォゴは、週中のリベルタドーレスにてパウメイラスの終盤の猛追をしのぎ、2試合合計4-3の結果、準々決勝へ駒を進めた。
   全国選手権前節はフラメンゴとのクラシコを4-1の快勝。首位をキープした。
   今節は、右SBマテオ・ポンテ(Mateo Ponte, 2003)、CBアレキサンデル・バルボサ(Alexander Barboza, 1995)、FWサバリーノ(Savarino, 1996)が出場停止。右サイドバックには、ボランチが本職のVOLチェチェーが入る。CBバストスの相方はCBルーカス・アウテルが務め、リベルタドーレスで足を負傷した左SBクイアバーノはベンチ外。同じく足を負傷したFWルイス・エンヒキは大事に至らず、ブラジル代表招集発表後の初試合を迎える。
   ボタフォゴのスタメンは以下の通り。
   GK : GKジョン・ヴィクトル(John Victor, 1996)
   4 : 右SBチェチェー(Tchê Tchê, 1992)、CBバストス(Bastos, 1991)、CBルーカス・アウテル(Lucas Halter, 2001)、左SBマルサウ(Marçal, 1989)
   2 : VOLグレゴーリ(Gregore, 1994)、VOLマルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)
   3 : FWルイス・エンヒキ(Luiz Henrique, 2001)、MFティアゴ・アルマダ(Thiago Almada, 2001)、FWマテウス・マルティンス(Matheus Martins, 2003)
   1 : FWイゴル・ジェズス(Igor Jesus, 2001)

   この2チームは、コパ・ド・ブラジルベスト16にて対戦。1stレグ(7月30日):1-1、2ndレグ(8月7日):1-0の結果、バイーアが準々決勝に駒を進めた。
   立ち上がりはボタフォゴがボールを保持するが、バイーアの寄せは速く、中盤での攻防となる。
   しかし、バイーアは前半20分、カウンターから左サイドを相手陣深くまでボールを運び、PA手前に戻したボールをMFカウリーが強烈なミドルシュート。ボールは惜しくもゴールポストの外へ流れるが、次第にバイーアが縦に深くボールを運び相手守備陣を下げ、相手陣で試合を優位に進めていく。
   前半33分、バイーアは相手陣PA左の位置で獲得したFKから、SBルシアーノ・ジュバが左足でゴール前に上げたボールに、FWエヴェラウドがファーサイドで高さのあるヘディングシュートを放つが、ボタフォゴGKジョン・ヴィクトルが素早く反応しボールを弾き返す。
   一方のボタフォゴは、前半40分、カウンターから相手陣にFWイゴル・ジェズスが抜け出すと、PAを飛び出したバイーアGKマルコス・フェリピがスライディングタックルを敢行。これがFWイゴル・ジェズスの足を蹴る形となりFWイゴル・ジェズスは転倒。ボタフォゴ選手は一斉にレッドカードを要求するが、主審はイエローカードを提示する。
   ハーフタイムにボタフォゴは攻撃面を修正。後半5分に右CKからこの試合初めて枠内にシュートを飛ばすと、後半7分、相手陣でのパスカットのボールを拾ったMFルイス・エンヒキがスルーパス。FWイゴル・ジェズスがPA内でボールを運び角度のない位置からシュート。間合いを詰めたGKマルコス・フェリピが足にボールをあて窮地を逃れる。
   なおも、後半12分、ボタフォゴVOLマルロン・フレイタスがバイタルエリアから強烈なミドルシュート。クロスバーを直撃した跳ね返りのボールにFWイゴル・ジェズスが詰めるがボールを押し込むことはできない。
   その後、試合は中盤での潰し合いとなり均衡状態に陥るが、後半29分、ボタフォゴは相手陣右サイド浅い位置で獲得したFKからゴール前に上げられたボールにCBバストスが頭を合わせる。しかし、GKマルコス・フェリピが自身の手前でワンバウンドする難しいボールを両手でブロック。後半31分には左CKからファーサイドでのFWイゴル・ジェズスの叩きつけるヘディングシュートを再びGKマルコス・フェリピが両手でクロスバーの上にボールを弾きだす。
   後半29分に、MFカウリーとFWエヴェラウドに代え、MFハファエウ・ハトン(Rafael Ratão, 1995)とFWルシアーノ・ロドリゲス(Luciano Rodríguez, 2003)を投入していたバイーアは、相次ぐセットプレーのピンチを逃れると、後半36分、右サイドライン際からのSBサンティアゴ・アリアスのクロスを、ゴール前でDFの間に入りフリーの体勢となっていたFWタシアーノがシュート。しかし、この至近距離のシュートをボタフォゴGKジョン・ヴィクトルが片腕でストップ。
   バイーアは、さらに後半40分、再び右サイドライン際SBサンティアゴ・アリアスが斜めにグラウンダーのパスをPA手前に送ると、後方から上がったFWハファエウ・ハトンがワンタッチで左サイドへボールを流す。フリーのVOLジアン・ルーカスがボールを受ける大きなチャンスを迎えたが、シュートに持ち込むまでに時間を要し、GKジョン・ヴィクトルに間合いを詰められシュートをブロックされる。
   バイーアは、後半45+1分、自陣からのカウンターから相手陣PA前後で細かくボールを繋ぎ、左サイドから右サイドへボールを送ると、外から絞り込んだSBサンティアゴ・アリアスが強烈なシュート。しかし、またもやGKジョン・ヴィクトルが片手でシュートを阻止。
   続く左CKでは、ファーサイドに流れたボールをバイーアFWルシアーノ・ロドリゲスが強引なシュート。DFの死角から放たれたシュートにやや反応が遅れたものの、GKジョン・ヴィクトルが倒れ込みながら胸元でボールを弾き返す。
   両チームとも試合の流れを掴んだ時間帯に多くのチャンスを作り出したものの、バイーアGKマルコス・フェリピ、ボタフォゴGKジョン・ヴィクトルの両GKが素晴らしいプレーを連発し、最後までゴールマウスを守り抜き、試合は0-0のままタイムアップ。

   バイーアは、公式戦4試合連続無失点を達成したが、ゴールを奪うことができず、他試合の結果、1つ順位を落とし全国選手権は6位。
   次戦は、中2日でコパ・ド・ブラジル準々決勝フラメンゴ戦1stレグをホームにて開催。
   全国選手権第25節はアウェイでRBブラガンチーノとの対戦が予定されている。
   ボタフォゴは、コパ・ド・ブラジルでの雪辱ならず、前節終了時点で勝点差「1」に迫る2位フォルタレーザを突き放すことができなかった。
   次戦は、全国選手権第25節、ホームでフォルタレーザとの直接対決。

フォルタレーザ(FOR) 1-0 コリンチャンス(COR)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=sxeCd9o4XWc
(FOR) : 77' #22 ヤゴ・ピカチュー(Yago Picachu, 1992)[#9 ルセロ(Lucero, 1991)]

今節前の順位

フォルタレーザ(FOR)は全国選手権13勝6分3敗勝点45の2位。(1試合未消化)
コリンチャンス(COR)は全国選手権4勝10分9敗勝点22の17位。

得点シーン

(FOR) : 77' #22 ヤゴ・ピカチュー(Yago Picachu, 1992)[#9 ルセロ(Lucero, 1991)]
相手陣中央でボールを受けたFWモイゼス(Moisés, 1996)が、ドリブルでDFの間を縫いPAに向かい、PA侵入後にゴールライン際へボールを送る。FWルセロがゴールエリア左ゴールライン際から辛うじて中央へややマイナスのボールを送ると、MFヤゴ・ピカチューがゴール前で足を合わせゴールネットを揺らす。
   MFヤゴ・ピカチューは、プロデビューを果たした2012年から、大きなけがもなく、毎年40~60試合に出場。2023年はフォルタレーザにて74試合に出場。2024年も今節終了時点で51試合13得点6アシスト。右サイドバックから中盤、ウィングまでこなすユーティリティ性の高さで多くの試合に出場し、試合を俯瞰的に眺めることのできるポジショニングは決定的な仕事を可能にしている。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:51% 49% ⇒ 前後半:44% 56%
シュート(枠内): 前半:3‐1(2-0) ⇒ 前後半:8-12(5-4)
パス成功率: 前半:87% 79% ⇒ 前後半:84% 81%
ファール: 前半:8‐11 ⇒ 前後半:14-16
黄カード(赤): 前半:1‐1 ⇒ 前後半:3-3

   フォルタレーザは、週中のコパ・スウアメリカーナ(コパスーラ)ロサリオ・セントラル/ARG戦2ndレグを3-1の勝利。準々決勝進出を決めた。また、全国選手権は引き分けを挟み8連勝中。1試合未消化ながら、首位ボタフォゴまで勝点差「1」の2位にまで順位を上げている。
   今節は、CBチチ(Titi, 1988)が出場停止。
   フォルタレーザのスタメンは以下の通り。
   GK : GKジョアン・ヒカルド(João Ricardo, 1988)
   4 : 右SBエマヌエル・ブリテス(Emanuel Brítez, 1992)、CBクスチェヴィッチ(Kuscevic, 1998)、CBカルドナ(Cardona, 1995)、左SBフェリピ・ジョナタン(Felipe Jonatan, 1998)
   2 : VOLルーカス・サーシャ(Lucas Sasha, 1990)、VOLエルクレス(Hércules, 2000)
   3 : MFヤゴ・ピカチュー(Yago Picachu, 1992)、MFポチェチーノ(Pochettino, 1996)、FWブレーノ・ロペス(Breno Lopes, 1996)
   1 : FWルセロ(Lucero, 1991)

   コリンチャンスは、週中のコパスーラでのRBブラガンチーノ戦2ndレグを1-2で落としたものの、PK戦でGKウーゴ・ソウザが4本ものシュートストップの大活躍。準々決勝進出を決めた。
   一方で、全国選手権は現在5試合に勝ち星から遠ざかり、降格圏の17位に低迷している。
   今節は、直近のRBブラガンチーノ戦からスタメンを4つのポジションで変更。全国選手権前節、0-0の引き分けに終えたフルミネンセと同じ顔ぶれのスターティングイレブンで試合に入る。
   コリンチャンスのスタメンは以下の通り。
   GK : GKウーゴ・ソウザ(Hugo Souza, 1999)
   3 : CBカカー(Cacá, 1999)、CBアンドレ・ハマーリョ(André Ramalho, 1992)、CBフェリックス・トーレス(Félix Torres, 1997)
   4 : 右WGマテウジーニョ(Matheusinho, 2000)、VOLシャルレス(Charles, 1996)、VOLヒアン(Ryan, 2003)、左WGマテウス・ビドゥ(Matheus Bidu, 1999)
   2 : MFロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)、MFタレス・マギノ(Talles Magno, 2002)
   1 : FWペドロ・ハウーウ(Pedro Raul, 1996)

   両チームともに守備に重点を置いた展開で試合が始まると、攻撃はスピード感を欠き、互いに淡白に自らのターンを終えていく。
   前半9分、コリンチャンスはMFタレス・マギノがこの試合2度目の接触により転倒。肩を強打しプレー続行が難しく交代を余儀なくされる。代わってスピードのあるMFタレス・マギノとタイプの異なるMFイゴル・コロナド(Igor Coronado, 1992)が投入される。
   最初に大きなチャンスを迎えたのはコリンチャンス。前半23分、左サイドライン際を左WGマテウス・ビドゥが一気に縦に上がると、中央から送られたボールを受け、最終ラインとGKの間のスペースをゴール前にクロス。ファーサイドでFWペドロ・ハウーウが飛び込むが、ボールを芯でとらえることができず、先制の絶好機を逃す。
   前半終了が近づくと、フォルタレーザもシュートに持ち込むようになるが、前半41分のマイナスのパスを受けたMFヤゴ・ピカチューのシュートは枠を捉えず、前半45+2分のSBフェリピ・ジョナタンのミドルシュートはGKの正面を突く。
   後半開始時に、コリンチャンスは一気に3選手を交代。CBフェリックス・トーレス、VOLヒアン、FWペドロ・ハウーウをベンチに下げ、VOLハニエリ(Raniele, 1996)、FWアンヘル・ホメーロ(Ángel Romero, 1992)、FWユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)を送り出す。あわせて3バックから4バックへ布陣を変更。
   すると、後半4分、自陣からのロングボールに抜け出したFWユーリ・アウベルトがGKとの一対一を迎えるが、シュートタイミングを逃しDFにボールを掻き出され、後半7分、FWアンヘル・ホメーロがPA内でシュートに持ち込むが、ボールはGKの正面をつく。
   得点は生まれないものの、コリンチャンスが相次いでフォルタレーザゴールに迫り、試合の流れを掴む。
   後半11分、フォルタレーザは、SBエマヌエル・ブリテス、VOLエルクレスに代え、CBチンガ(Tinga, 1993)、MFエマヌエル・マルチネス(Emmanuel Martínez, 1994)を投入。しかし、コリンチャンスに向いた試合の流れを取り戻すことは出来ない。
   後半28分、コリンチャンスは相手陣でボールを回しながら攻撃の糸口を探ると、サイドから中央に流れたMFロドリゴ・ガーロが最終ラインから縦に入るボールをワンタッチでさらに縦に流し、FWユーリ・アウベルトが間合いを詰めるGKの脇を抜くシュート。GKに当たったボールは勢いを失いながらもゴールに吸い込まれるかと思われたが、フォルタレーザCBカルドナが戻り、ゴールライン上で辛うじてクリア。フォルタレーザがゴールを守り抜く。
   後半32分、フォルタレーザは、途中出場のFWモイゼス(Moisés, 1996)のドリブルを起点に、ゴールエリア左ゴールライン際からのFWルセロがマイナスのボール、これをMFヤゴ・ピカチューがゴールに押し込みフォルタレーザが先制する。
   直後にコリンチャンスは最後の交代カードを切りFWジオヴァーニ(Giovane, 2003)を投入。一方のフォルタレーザもその3分後に、MFポチェチーノとFWルセロを下げ、VOLペドロ・アウグスト(Pedro Augusto, 1997)とFWヘナト・カイゼル(Renato Kayzer, 1996)をピッチに送る。
   相手をゴール前に押し込むコリンチャンスに対し、フォルタレーザもFWヘナト・カイゼルをターゲットにしたカウンターから相手ゴールを脅かす。
   アディショナルタイムに入り、コリンチャンスはセットプレーから2度に渡りGKウーゴ・ソウザが前線に上がるが、フォルタレーザゴールをこじ開けることができず、試合はタイムアップ・

   フォルタレーザは、全国選手権を引き分けを挟む9連勝。他会場で引き分けに終えたボタフォゴを抜き、遂に首位に立った。
   次戦は、一週間後に全国選手権第25節、アウェイでボタフォゴとの直接対決が控える。
   コリンチャンスは、FWペドロ・ハウーウが前半の好機を逸し、後半はFWペドロ・ハウーウに代わったFWユーリ・アウベルトが何度も好機を演出したものの、何度もゴールを決め切ることができず、6試合勝ち星から遠ざかる結果に終えた。
   次戦は、一週間後に全国選手権第25節、ホームにフラメンゴを迎える。

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