【ブラジル全国選手権2024】第25節(1/2)[08/31-09/01]

投稿者: | 2024年8月31日

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全国選手権第25節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/08/31 クイアバ(CUI) x クリシウーマ(CRI) 
・2024/08/31 ボタフォゴ(BOT) x フォルタレーザ(FOR)
・2024/09/01 グレミオ(GRE) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
・2024/09/01 クルゼイロ(CRU) x アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)
・2024/09/01 コリンチャンス(COR) x フラメンゴ(FLA)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第25節(2/2)[08/31-09/01]
・2024/09/01 ヴィトーリア(VIT) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
・2024/09/01 フルミネンセ(FLU) x サンパウロ(SAO)
・2024/09/01 RBブラガンチーノ(RBB) x バイーア(BAH)
・2024/09/01 アトレチコ・パラナエンセ(CAP)x パウメイラス(PAL)

・2024/09/01 ジュヴェントゥージ(JUV) x インテルナシオナウ(INT)

全国選手権第25節 試合概要

クイアバ(CUI) 2-1 クリシウーマ(CRI) 

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=BmdFCCuwstI
(CRI) : 35' #45 アルトゥール・カイーキ(Arthur Caíke, 1992)[#22 マルセロ・エルメス(Marcelo Hermes, 1995)]
(CUI) : 57' #25 クレイソン(Clayson, 1995)[FK]
(CUI) : 67' #18 ルーカス・フェルナンデス(Lucas Fernandes, 1997)[#21 ハイラン(Railan, 2000)]

今節前の順位

クイアバ(CUI)は全国選手権4勝6分12敗勝点18の19位。(2試合未消化)
クリシウーマ(CRI)は全国選手権7勝7分9敗勝点28の12位。(1試合未消化)

得点シーン

(CRI) : 35' #45 アルトゥール・カイーキ(Arthur Caíke, 1992)[#22 マルセロ・エルメス(Marcelo Hermes, 1995)]
左CKのキッカーはSBマルセロ・エルメス。左足からゴール前に上げられたボールに、ニアサイドに選手が集中する中、ややファーサイドの位置でFWアルトゥール・カイーキがDFの上からヘディングシュート。ボールはゴール右隅に納まりアウェイのクリシウーマが先制。[0-1]
   FWアルトゥール・カイーキは、2021‐23年の3年間、鹿島/JPNでプレーし計78試合22得点7アシスト。2024年は3か月間の契約でエスポルチにてプレーした後、4月にクリシウーマに加入。スタメン、途中出場を繰り返しながらもコンスタントに試合に出場し、今節終了時点で22試合4得点。このゴールは6月21日以来のゴールとなった。
(CUI) : 57' #25 クレイソン(Clayson, 1995)[FK]
相手陣ゴール正面約20mの位置からのFK。FWクレイソンがゴールを直接狙ったボールは、壁の上を越え、GKグスタヴォが辛うじて手に当てたものの、クロスバーを叩きゴールに沈むゴラッソ。ホームのクイアバが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   FWクレイソンは、2012年3月ウニオン・サン・ジョアンからサンパウロ州下位リーグにて16歳のプロデビュー。全国選手権4部イトゥアーノ、全国選手権1部ポンチプレッタを経て、2017年5月にコリンチャンスに入団。2019年には62試合7得点10アシストの成績を残し、コリンチャンスでの3シーズンで139試合13得点17アシスト。2021年バイーアからの期限付き移籍でクイアバにてプレー。その後、中東、長崎/JPNでプレーし、2023年7月クイアバに復帰を果たす。スピードやドリブルでサイドを蹂躙、守備面での貢献度も高い。2024年は今節終了時点で41試合7得点。
(CUI) : 67' #18 ルーカス・フェルナンデス(Lucas Fernandes, 1997)[#21 ハイラン(Railan, 2000)]
相手陣中央でのFKを素早くリスタートし、右サイドへボールを展開。中央に戻されたボールにSBハイランがシュートを狙うがシュートミス。しかし、そのボールをMFルーカス・フェルナンデスが足に当てコースを変えゴールネットに流し込む。クイアバが逆転。[2-1]
   MFルーカス・フェルナンデスは、サンパウロ育成出身で、2016年3月州選手権にて18歳のプロデビュー。2018年8月末にポルチモネンセ/PORへ期限付き移籍し同年は30試合1得点2アシストの成績を収め、2025年6月末までの完全移籍に移行する。レギュラーとして活躍を続けるが、2020年11月にケガのため長期離脱。21/22年開幕に復帰するが、終盤にはレギュラーの座を奪われる。2022年4月ボタフォゴへ期限付き移籍加入し2年間プレー。2024年1月にクイアバに期限付き移籍にて加入。前任のプチ監督のもとでは出場機会は僅かなものだった、同監督解任後のこの試合で貴重な勝ち越しゴール。このゴールを機にポジション争いを繰り広げたい。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:56% 44% ⇒ 前後半:45% 55%
シュート(枠内): 前半:13‐3(0‐2) ⇒ 前後半:22‐12(3‐3)
パス成功率: 前半:85% 79% ⇒ 前後半:84% 85%
ファール: 前半:8‐2 ⇒ 前後半:16‐9
黄カード(赤): 前半:0‐0 ⇒ 前後半:4‐0

   クイアバ(CUI)は、前節パウメイラス戦にて0-5の惨敗。引き分けを挟む連敗が「6」となり、クラブは27日にプチ(Petit)監督を解任。プチ監督は24試合の采配を執り、前半12試合は6勝4分2敗、後半12試合は1勝4分7敗、計7勝8分9敗の成績でクラブを去った。
   今節は新たなケガ人や出場停止の選手はいない。
   今節のスタメンは、システムを4バックに変更。出場停止明けのCBアラン・エンペレウールと左SBハモンが先発に復帰。7月以降スタメンでの起用機会が減少していたFWクレイソン、途中交代での起用が続いたFWデリキ・ラセルダが先発に抜擢される。
   クイアバ(CUI)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKヴァウテル(Walter, 1987)
   4 : 右SBハイラン(Railan, 2000)、CBマルロン(Marllon, 1992)、※CBアラン・エンペレウール(Alan Empereur, 1994)、※左SBハモン(Ramon, 2001)
   2 : VOLデニウソン(Denilson, 2001)、VOLルーカス・ミネイロ(Lucas Mineiro,1996)
   3 : ※FWクレイソン(Clayson, 1995)、MFマックス(Max, 2001)、※FWデリキ・ラセルダ(Derik Lacerda, 1999)
   1 : FWイシドロ・ピッタ(Isidro Pitta, 1999)

   クリシウーマ(CRI)は、週中に順延された全国選手権第19節RBブラガンチーノ戦がホームで開催され1-0、4試合ぶりの勝利を収めた。
   今節は、8月加入のVOLパトリッキ・ジ・パウラ(Patrick de Paula, 1999)が出場停止となるのと入れ替わり、出場停止明けのVOLイゴル・メリトンがボランチに入る。FWボラシエ(Bolasie, 1989)がケガのため大事を取ってベンチ入りしておらず、ワントップにはFWアルトゥール・カイーキが入り、直近の試合で交代出場のMFアラーノとMFフェリピ・マテウスが先発を務める。
   クリシウーマ(CRI)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKグスタヴォ(Gustavo, 1993)
   4 : 右SBドゥドゥ(Dudu, 997)、CBトビアス・フィゲイレード(Tobias Figueiredo, 1994)、CBワリソン・マイア(Walisson Maia, 1991)、左SBマルセロ・エルメス(Marcelo Hermes, 1995)
   2 : VOLネウトン(Newton, 2000)、※VOLイゴル・メリトン(Higor Militão, 1994)
   3 : ※MFアラーノ(Allano, 1995)、※MFフェリピ・マテウス(Fellipe Mateus, 1991)、MFホナウジ・ロペス(Ronald Lopes, 1997)
   1 : ※FWアルトゥール・カイーキ(Arthur Caíke, 1992)

   序盤から両チームはそれぞれ大きなチャンスを迎える。
   クイアバは、前半10分、右CKからCBマルロンが高さのあるヘディングシュート。地面に叩きつけたボールは勢いが余りクロスバーを越える。
   一方のクリシウーマは、前半12分、MFアラーノがPA手前からゴール隅を狙ったシュート。しかし、クイアバGKヴァウテルが決死のダイブでボールを弾きだすデフェザッサ(Defezaça)。
   その後、試合はホームのクイアバがボールを握り、アウェイのクリシウーマは虎視眈々とカウンターを狙う。クイアバは積極的にシュートに持ち込むがシュート精度に欠く。
   クリシウーマはカウンターからFK、CKと相次いでセットプレーを獲得すると、前半35分、SBマルセロ・エルメスのCKにFWアルトゥール・カイーキがヘディングで先制。[0-1]
   スコアが動いた後も試合の展開は変わらず、クイアバは積極的な試合運びをするが、強引なシュートからはゴールは生まれず前半を終える。
   後半開始時、ボールを支配する時間の長いクイアバは、VOLデニウソンを下げ、MFルーカス・フェルナンデス(Lucas Fernandes, 1997)を投入。攻撃に厚みをつける。
   後半55秒、クイアバは右サイドをFWデリキ・ラセルダがボールを運びゴール前に低いボールを送ると、ニアサイドにFWイシドロ・ピッタが飛び込む。しかし、このシュートも枠を捉えない。
   後半12分、クイアバはFWクレイソンがドリブルで仕掛けるところを倒されPA手前でFKを獲得すると、これをFWクレイソンが直接狙い、壁を越えたボールがGKの手を弾きクロスバーを叩きながらもゴールイン。クイアバがFWクレイソンのゴラッソで試合を振り出しに戻す。[1-1]
   同点に追い付かれたクリシウーマは、後半24分、SBクラウジーニョ(Claudinho, 2000)とMFマテウジーニョ(Matheusinho, 1998)を中盤に入れ、攻撃へと舵を切る。
   しかし、クリシウーマが前がかりになったところをクイアバがカウンター。相手陣でファールを受けるが、早いリスタートからSBハイランのシュート性のボールにMFルーカス・フェルナンデスが足を合わせ逆転。[2-1]
   後半36分、クリシウーマは、FWセルジーニョ(Serginho, 1995)、FWウェリキ・ポポー(Werik Popó, 2001)の新加入選手を起用するが、ゴール前を固め、中盤の選手がボールの出どころに素早く寄せるクイアバのマークを攻略できず、試合はタイムアップ。

   クイアバは、シュート精度の甘さがこの試合でも見られたが、監督解任ブーストもあり9試合ぶりの白星。試合終了時点で、16位までの勝点差を「3」に詰めた。
   次戦は、9月5日に順延された全国選手権第16節ジュヴェントゥージ戦がホームで予定されている。
   クリシウーマは、FWボラシエの不在が響き、ゴール前の怖さがなく、混戦の中位争いで痛い敗戦。
   次戦は、二週間後(9月15日)に全国選手権第26節、アウェイでのパウメイラス戦が控えている。

ボタフォゴ(BOT) 2-0 フォルタレーザ(FOR)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=Ta151tRJatw
(BOT) : 73' #99 イゴル・ジェズス(Igor Jesus, 2001)[#20 アレキサンデル・バルボサ(Alexander Barboza, 1995)]
(BOT) : 45+2' #99 イゴル・ジェズス(Igor Jesus, 2001)[#17 マルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)]

今節前の順位

ボタフォゴ(BOT)は全国選手権14勝5分5敗勝点47の2位。
フォルタレーザ(FOR)は全国選手権14勝6分3敗勝点48の首位。(1試合未消化)

得点シーン

(BOT) : 73' #99 イゴル・ジェズス(Igor Jesus, 2001)[#20 アレキサンデル・バルボサ(Alexander Barboza, 1995)]
ハーフライン手前左からCBアレキサンデル・バルボサがPA入口右へ大きなフィード。FWイゴル・ジェズスが胸トラップで落としたボールにそのまま右足を振り抜くと、DFの足元を抜けたボールがファーサイドのゴールネットを揺らし、ホームのボタフォゴが待望の先制点。[1-0]
   CBアレキサンデル・バルボサは、リーベルプレート育成出身のアルゼンチン国籍選手。移籍後のアトレチコ・ラファエラ(Atlético Rafaela)にて2015年7月アルゼンチン選手権古巣のリーベルプレート戦で20歳のプロデビュー、その試合でプロ初ゴールを決めた。2021年2月‐2023年12月に在籍したリベルタ/PARにて主力として通算110試合9得点6アシスト。ボタフォゴには2024年1月に加入し、左センターバックのレギュラー争いの末、7月以降はスタメンに定着。今節、特に後半は、フォルタレーザのカウンターをほぼ完ぺきに阻止。このアシスト以外に本職の守備面で目覚ましい活躍をみせた。
(BOT) : 45+1' #99 イゴル・ジェズス(Igor Jesus, 2001)[#17 マルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)]
自陣PA手前でVOLチェチェーが相手スローインのボールをカット。そのボールを拾ったVOLマルロン・フレイタスが縦にボールを送ると、FWイゴル・ジェズスがDFをスピードで置き去りにし、GKジョアン・ヒカルドと一対一を迎え、その脇を抜くシュートでボールをゴールに流し込む。FWイゴル・ジェズスのこの試合2点目のゴールで試合を決定づける。[2-0]
   FWイゴル・ジェズスは、コリチバ育成出身で、2019年1月パラナ州選手権にて17歳のプロデビュー。3日後、クラシコのアトレチコ・パラナエンセでスタメンに抜擢されプロ初ゴール。同年は31試合5得点1アシストを記録。2020年はシーズン序盤から先発、途中交代で多くの試合に出場、コロナ感染症の自粛期間を挟み9月までに25試合2得点1アシストの成績を残す。2020年10月200万ユーロにてアル・アハリ・ドバイ/EAUへ移籍、2021年9月の大ケガで約11か月戦列を離脱するが、2020年10月‐2024年6月に91試合46得点16アシストの成績を収める。ボタフォゴには2024年7月10日に加入、7月17日全国選手権第17節にてクラブデビューを果たすと、27日第20節以降は先発に定着。ボタフォゴでの初ゴールは自身6試合目と少し時間を要したが、その試合以降は8試合6得点1アシストとゴールを量産している。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:75% 25% ⇒ 前後半:65% 35%
シュート(枠内): 前半:12‐6(2‐1) ⇒ 前後半:22‐10(7‐1)
パス成功率: 前半:89% 67% ⇒ 前後半:87% 75%
ファール: 前半:8‐5 ⇒ 前後半:13‐8
黄カード(赤): 前半:1‐1 ⇒ 前後半:3‐4

   ボタフォゴ(BOT)は、前節バイーア戦(A)を0-0の引き分け。今節の対戦相手フォルタレーザに首位の座を奪われた。
   補強は着々と進められ、今週は、リヨン/FRAからMFエル・アロウチョ(El Arouch, 2004)と、バーンリー/ENGからSBヴィチーニョ(Vitinho, 1999)の入団発表が行われた(両選手とも、週末時点で未登録のため、ベンチ入りはない)。さらに試合開始前にはCBアドリエウソン(Adryelson, 1998)がリヨン/FRAからの期限付き移籍という形で9か月振りのクラブ復帰が決まった。
   今節は、新たなケガ人や出場停止はない。スタメンには、出場停止明けの右SBマテオ・ポンテ、CBアレキサンデル・バルボサ、FWサバリーノ(Savarino, 1996)の3選手に加え、前節ケガのため大事を取って欠場した左SBクイアバーノがスタメンに復帰する。
   ボタフォゴ(BOT)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKジョン・ヴィクトル(John Victor, 1996)
   4 : ※右SBマテオ・ポンテ(Mateo Ponte, 2003)、CBバストス(Bastos, 1991)、※CBアレキサンデル・バルボサ(Alexander Barboza, 1995)、※左SBクイアバーノ(Cuiabano, 2003)
   2 : VOLグレゴーリ(Gregore, 1994)、VOLマルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)
   3 : FWルイス・エンヒキ(Luiz Henrique, 2001)、MFティアゴ・アルマダ(Thiago Almada, 2001)、※FWサバリーノ(Savarino, 1996)
   1 : FWイゴル・ジェズス(Igor Jesus, 2001)

   フォルタレーザ(FOR)は、前節コリンチャンス戦を1-0の勝利。全国選手権は1引分けを挟む9連勝。この期間にはコパ・スウアメリカーナでも準々決勝進出を決め、飛ぶ鳥を落とす勢いでボタフォゴから首位の座を奪った。
   今節は、新たなケガ人や出場停止はなし。僅かに故障者はいるものの、ほぼ万全な態勢で首位決戦に挑む。
   今季は頻繁に選手を入れ替え、様々な組み合わせのスタメンを組んできているが、今節のスタメンは左サイドの2選手を変更。比較的守備的な左SBブルーノ・パシェコと、スピードのあるFWモイゼスをスタメンに起用する。
   フォルタレーザ(FOR)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKジョアン・ヒカルド(João Ricardo, 1988)
   4 : 右SBエマヌエル・ブリテス(Emanuel Brítez, 1992)、CBクスチェヴィッチ(Kuscevic, 1998)、CBカルドナ(Cardona, 1995)、※左SBブルーノ・パシェコ(Bruno Pacheco, 1991)
   2 : VOLルーカス・サーシャ(Lucas Sasha, 1990)、VOLエルクレス(Hércules, 2000)
   3 : FWブレーノ・ロペス(Breno Lopes, 1996)、MFポチェチーノ(Pochettino, 1996)、※FWモイゼス(Moisés, 1996)
   1 : FWルセロ(Lucero, 1991)

   消化試合数が異なるため単純な比較はできないが、リーグ2位の少ない失点数を誇る首位フォルタレーザと、リーグ最多得点を誇るホームのボタフォゴとの一戦は、立ち上がりからその特長が前面に出る。
   ボタフォゴは立ち上がりから攻勢を仕掛ける一方、フォルタレーザは組織的にパスコースを巧みに消す守備網からFWルセロを起点とし、FWモイゼス、FWブレーノ・ロペスのスピードを生かしたカウンターを狙う。
   前半4分、ボタフォゴは左SBクイアバーノが左ハムストリングを痛めプレーを続行することができず、前半6分に左SBマルサウ(Marçal, 1989)と交代。アクシデントに見舞われたボタフォゴだったが、右サイドを中心とした攻撃でフォルタレーザをゴール前に押し込む時間帯が続く。
   一方のフォルタレーザは、押し込まれながらも要所は抑えると、前半21分、ボタフォゴのCKからの流れからFWモイゼスが相手のミスをつきボールを奪うと、ドリブルでカウンターを発動。右サイドを上がるFWブレーノ・ロペスへのパスはDFに引っ掛けられるが、そのボールはPAに向かい流れる。FWブレーノ・ロペスがシュートに持ち込むかと思われたその瞬間、ゴールマウスを飛び出したGKジョン・ヴィクトルがスライディングでボールを蹴り出し、フォルタレーザの好機は潰える。
   ボタフォゴは相手陣深くで、流れの中からやCKからゴール前にボールを送るが、なかなか枠を捉えるシュートを放つことができない。前半27分には、自陣からのボールにFWルイス・エンヒキがPAへ抜け出すが、シュートタイミングを逃しDFにボールを掻き出される。
   ボタフォゴが遅攻や速攻、相手陣ゴールライン際への攻め上がりなど多彩な攻撃を見せるが、フォルタレーザもボタフォゴの攻撃を受け流すとカウンターから好機を見出し、前半は0-0のまま終了。
   前半と同様の展開で後半は開始するが、ボタフォゴは守備面で修正を図り、フォルタレーザのカウンターを早い段階で摘み取り、攻撃面では右サイドFWルイス・エンヒキにボールを集め、個人技で打開を図る。
   後半16分、ボタフォゴは左SBマルサウがゴール前に上げたボールにFWイゴル・ジェズスが頭を合わせゴールネットを揺らすが、左SBマルサウがボールを受けたプレーがオフサイド。ゴールは認められない。
   後半20分、フォルタレーザはFWモイゼス、VOLエルクレスを下げ、MFヤゴ・ピカチュー(Yago Pikachu, 1992)とMFペドロ・アウグスト(Pedro Augusto, 1997)を投入。
   一方のボタフォゴは、後半27分、一気に3選手を交代する。この交代策でFWチキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)がピッチに立つと、センターフォワードとしえFWチキーニョ・ソアレスとFWイゴル・ジェズスが共存、フォルタレーザ守備陣のマークが混乱する。
   交代策から1分後の後半28分、ボールを受けに下がるFWチキーニョ・ソアレスと入れ替わるようにFWイゴル・ジェズスが前に上がると、CBアレキサンデル・バルボサから精度の高いロングフィードがPA内に送られ、FWイゴル・ジェズスが巧みな胸トラップからボールをゴールに突き刺しホームのボタフォゴが先制する。[1-0]
   なおも追加点を狙うボタフォゴは、後半35分に相手陣PA近辺での猛攻からセカンドボールを回収したMFチェチェー(Tchê Tchê, 1992)がミドルシュート、ボールは枠を捉えるがGKジョアン・ヒカルドの好守にゴールを阻まれる。
   後半33分、フォルタレーザは最後の交代カードを切り、FWケルビン・アンドラーデ(Kervin Andrade, 2005)を投入すると、フォルタレーザのボール保持時間が高まり、相手陣でボールを繋ぎボタフォゴゴールに迫る。
   しかし、後半45+1分、ボタフォゴは自陣での相手スローインをMFチェチェーがカット、そのボールをVOLマルロン・フレイタスが縦に送ると、FWイゴル・ジェズスがGKとの一対一を制し、勝利を決定づけるゴール。
   両チームの特長が前面に出た好試合は、ホームのボタフォゴが2-0の勝利を収めた。

   ボタフォゴは、上位対決を制し、首位陥落翌節に首位を奪還。
   次戦は、二週間後の9月14日に全国選手権第26節コリンチャンス戦(H)。その後、中3日でリベルタドーレス準々決勝サンパウロ戦1stレグが控える。
   フォルタレーザは、組織的な守備陣が一瞬の混乱をつかれゴールを許し、後半は得意のカウンターを抑え込まれ、連勝は「9」でストップ、首位を陥落した。しかし、1試合未消化の状況で首位ボタフォゴとの勝点差は「2」。今節の敗戦を引きずらず次戦以降に臨みたい。
   次戦は、9月11日に順延された全国選手権第19節インテルナシオナウ戦(A)。その後、中3日で全国選手権第26節アトレチコ・パラナエンセ戦(A)。その後も中2-4日の日程が10月4日まで続く。

グレミオ(GRE) 2-3 アトレチコ・ミネイロ(CAM)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=ByQNok9lxnQ
(GRE) : 32' #22 ブライトバイテ(Braithwaite, 1991)[#4 カネマン(Kannemann, 1991)]
(GRE) : 41' #10 クリスタウド(Cristaldo, 1996)[]
(CAM) : 73' #6 グスタヴォ・スカルパ(Gustavo Scarpa, 1994)[PK]
(CAM) : 90+5' #30 ブライアン・パラシオス(Brahian Palacios, 2002)[PK]
(CAM) : 90+6' #11 バルガス(Vargas, 1989)[]

今節前の順位

グレミオ(GRE)は全国選手権8勝3分11敗勝点27の14位。(2試合未消化)
アトレチコ・ミネイロ(CAM)は全国選手権7勝9分6敗勝点30の9位。(2試合未消化)

得点シーン

(GRE) : 32' #22 ブライトバイテ(Braithwaite, 1991)[#4 カネマン(Kannemann, 1991)]
左CKからMFクリスタウドがゴールエリア手前に送ったボールに、CBカネマンが下がりながら頭を合わせると、ファーサイドに流れたボールにFWブライトバイテが詰めボールをゴールに押し込む。数的不利のホームグレミオが先制。[1-0]
   FWブライトバイテは、2度のW杯などデンマーク代表として69試合10得点4アシスト。トゥールーズ/FRAやミドルズブラ/ENGなどを経てバルセロナ/ESPでプレー。バルセロナでは2020/21年に41試合7得点3アシストの成績を残す。2024年7月末に2年契約でグレミオに移籍加入。8月10日全国選手権第22節でクラブデビューを迎え、デビュー戦で2得点をマーク。この試合では前半から多くのチャンスを創出。このゴールは5試合目にして3点目のゴール。
(GRE) : 41' #10 クリスタウド(Cristaldo, 1996)[]
左サイドゴールライン際をFWソテウドがドリブルで相手守備陣を揺さぶると、ゴール前へマイナスのボールを送る。そこに後方からMFクリスタウドが駆け上がりヘディングシュート。ボールはゴールポストを直撃するが、跳ね返りのボールをMFクリスタウドが自ら押し込みグレミオがリードを拡げる。[2-0]
   MFクリスタウドは、グレミオ入団一年目の2023年に54試合11得点12アシストを記録。司令塔として二列目でボールを前後左右に散らし、オフザボールでは前線を追い抜き相手最終ライン裏に抜け出すーなど、多くのゴールに絡む活躍。2024年もチームの攻撃の核として、今節終了時点で44試合11得点4アシスト。得点数では早くも前年の記録に並んだ。
(CAM) : 73' #6 グスタヴォ・スカルパ(Gustavo Scarpa, 1994)[PK]
左CKからMFグスタヴォ・スカルパがグラウンダーのボールをPAへ送ると、走り込んだFWブライアン・パラシオスがDFと接触し転倒。FWブライアン・パラシオスのシミュレーションにも見えたが主審はPKの判定。このPKをMFグスタヴォ・スカルパが正面に蹴り込みアトレチコ・ミネイロが反撃ののろしを上げる。[2-1]
   MFグスタヴォ・スカルパは、フルミネンセ育成出身で2014年にプロデビューを果たすと、2016年、2017年は年間50試合以上に出場。2018年に移籍したパウメイラスでは主軸として複数のタイトルを獲得。2023年にノッティンガム・フォレスト/ENGに移籍するが、適応に苦しみ半年間で10試合の出場に止まる。その後、オリンピアコス/GREを経て、2024年1月にアトレチコ・ミネイロに入団。当初は適応に苦しむが、ミリット(Milito)監督就任後にサイドを中心とした起用に瞬時にフィット。2024年は今節終了時点で44試合9得点を記録中。
(CAM) : 90+5' #30 ブライアン・パラシオス(Brahian Palacios, 2002)[PK]
アタッキングサード入口右サイドからゴール前ファーサイドへ送られたボールをFWアラン・カルデッキ(Alan Kardec, 1989)が頭で叩きつけると、ボールはDFが大きく広げた腕に当たり、主審はPKの判定。このPKをFWブライアン・パラシオスがゴール右に突き刺しアトレチコ・ミネイロが土壇場で同点に追いつく。[2-2]
   FWブライアン・パラシオスは、2023年パンアメリカン競技大会コロンビアU-23代表(4試合1アシスト)。2024年3月に270万ユーロでアトレチコ・ミネイロへ移籍入団。5月22日コパ・ド・ブラジル三回戦にてクラブデビュー。自身5試合目の6月20日全国選手権第20節にてクラブ初ゴールを記録すると直後の2試合に先発起用される。しかし、粗削りな部分も多く、最近では途中出場が中心でベンチを温める試合も少なくはなかった。途中交代出場のこの試合では1点目のPKを獲得するなど2得点に関与。今後も出場機会を増やす中で監督の信頼を勝ち取り、ポジション争いに名乗りを挙げたい。
(CAM) : 90+6' #11 バルガス(Vargas, 1989)[]
対角線のフィードをPA左角で受けたCBジュニオール・アロンソがヒールでゴールラインに向けボールを送ると、縦に上がりPAに侵入したSBギリェルミ・アラーナが強烈なシュート。グレミオGKマルチェシンが両手でボールを弾き返すが、後方から駆け上がったFWバルガスが跳ね返りのボールにダイビングヘッド。ボールはゴールネットを揺らし、アトレチコ・ミネイロが試合をひっくり返す。[2-3]
   FWバルガスは、2024コパ・アメリカにチリ代表としてグループラウンド3試合に出場。2016コパ・アメリカでは6得点を挙げ得点王に輝きチリ代表の優勝にも大きく貢献。コパ・アメリカは2015年大会も6試合4得点1アシストで優勝に貢献している。2014W杯、5度のコパ・アメリカなどチリ代表として112試合42得点6アシストの成績。2020年に加入したアトレチコ・ミネイロでは、準主力としてこの試合を含め156試合29得点13アシスト。2024年はこれまで27試合5得点。全国選手権に限れば、15試合500分弱のプレー時間で5得点を記録している。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:30% 70% ⇒ 前後半:27% 73%
シュート(枠内): 前半:8‐10(5‐3) ⇒ 前後半:11‐27(5‐13)
パス成功率: 前半:82% 90% ⇒ 前後半:76% 89%
ファール: 前半:6‐9 ⇒ 前後半:11‐17
黄カード(赤): 前半:0‐2(1‐0) ⇒ 前後半:1‐3(1‐0)

   グレミオ(GRE)は、前節クリシウーマ戦に1-0の勝利を収め、リベルタドーレス敗退の嫌な流れを払拭した。
   今節は、FWパボン(Pavón, 1996)をケガで欠くものの、前節決勝ゴールのFWミゲル・モンサルベが前節に続きスタメンを務める。また、4バックのセンターバックは、CBグスタヴォ・マルチンスとCBカネマンがコンビを組む。
   グレミオ(GRE)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKマルチェシン(Marchesín, 1988)
   4 : 右SBジョアン・ペドロ(João Pedro, 1996)、※CBグスタヴォ・マルチンス(Gustavo Martins, 2002)、※CBカネマン(Kannemann, 1991)、左SBヘイナウド(Reinaldo, 1989)
   2 : VOLビジャサンチ(Villasanti, 1997)、VOLドッジ(Dodi, 1996)
   3 : FWミゲル・モンサルベ(Miguel Monsalve, 2004)、MFクリスタウド(Cristaldo, 1996)、FWソテウド(Soteldo, 1997)
   1 : FWブライトバイテ(Braithwaite, 1991)

   アトレチコ・ミネイロ(CAM)は、週中のコパ・ド・ブラジル準々決勝サンパウロ戦1stレグ(A)にて、劣勢の中、後半アディショナルタイムのCBバターリャのゴールで1-0の勝利を収めた。全国選手権は、リベルタドーレスとコパ・ド・ブラジルの谷間の試合となった前節フルミネンセ戦を0-2の敗戦。
   今節は、FWパウリーニョ(Paulinho, 2000)とCBブルーノ・フッキス(Bruno Fuchs, 1999)が出場停止。FWフッキ(Hulk, 1986)はカップ戦に向け遠征に帯同していない。
   アトレチコ・ミネイロ(CAM)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKエヴェルソン(Éverson, 1990)
   4 : 右SBサラビア(Saravia, 1993)、CBバターリャ(Battaglia, 1991)、CBジュニオール・アロンソ(Júnior Alonso, 1993)、左SBギリェルミ・アラーナ(Guilherme Arana, 1997)
   3 : VOLオターヴィオ(Otávio, 1994)、MFベルナール(Bernard, 1992)、※VOLファウスト・ベラ(Fausto Vera, 2000)、VOLアラン・フランコ(Alan Franco, 1998)
   2 : MFグスタヴォ・スカルパ(Gustavo Scarpa, 1994)、MFベルナール(Bernard, 1992)
   1 : ※FWデイヴェルソン(Deyverson, 1991)

   立ち上がりからホームのグレミオが優勢に試合を進めると、前半4分、FWブライトバイテが右サイドライン際からドリブルで斜めにゴールに向かいシュート。前半8分にはPA手前での細かい繋ぎからMFミゲル・モンサルベがFWブライトバイテとのタベーラから抜け出しシュートに持ち込む。しかし、いずれもGKエヴェルソンが的確なセーブでゴールを守り抜く。
   一方のアトレチコ・ミネイロは、前半15分、右サイドライン際からMFグスタヴォ・スカルパがファーサイドへのクロス。MFベルナールが足を合わせたボールはゴールポストを直撃、大きく跳ね返される。
   前半20分、自陣に入った位置でボール処理を誤ったCBグスタヴォ・マルチンスがFWデイヴェルソンにボールを奪われ、後方から腕を掴み倒すと、主審は一発レッドの判定。グレミオは前半半ばにして数的不利に陥る。
   しかし、グレミオは、アトレチコ・ミネイロの圧力に耐えボールを獲得すると、シンプルに前線にボールを送り、FWソテウド、FWブライトバイテの個人技にMFクリスタウドが絡む速攻で対抗する。
   前半32分、FWソテウドの仕掛けからCKを獲得すると、CBカネマンがファーサイドへ流したボールをFWブライトバイテが押し込み先制。[1-0]
   前半41分には、ゴールライン際で再びFWソテウドが仕掛け、ゴール前に上がるMFクリスタウドへ柔らかいクロスを送り追加点。[2-0]
   数的不利のグレミオが、2-0とリードして前半を終える。
   後半開始時にアトレチコ・ミネイロは、両ボランチを下げ、FWバルガス(Vargas, 1989)とFWブライアン・パラシオス(Brahian Palacios, 2002)を投入。
   しかし、後半6分、グレミオはまたもやFWソテウドが起点となり好機を演出するがMFミゲル・モンサルベのシュートは枠を越え、後半8分、左CKからのFWブライトバイテのヘディングシュートはゴールポストを叩き、追加点は生まれない。
   一方のアトレチコ・ミネイロは、左SBギリェルミ・アラーナが積極的な攻撃参加を見せ始め、後半9分にPA内最終ライン裏へスルーパスを送り、後半18分にはCKのクリアボールを回収し強烈なシュート。ボールを握りながらも攻めあぐねる展開が続く中、SBギリェルミ・アラーナがゴールに迫るプレーで状況を打開する働きを見せる。
   後半14分、グレミオはFWブライトバイテとMFミゲル・モンサルベをベンチに下げ、CBナタン(Natã, 2001)とVOLエデニウソン(Edenílson, 1989)を投入しゴール前のスペースを埋める。
   流れの中からはなかなかゴール枠にシュートを放つことができないアトレチコ・ミネイロだが、後半28分、CKからの流れでPKを獲得すると、MFグスタヴォ・スカルパがこれを決め1点を返す。[2-1]
   その後もアトレチコ・ミネイロは猛攻を仕掛けるが、グレミオは後半45分にCBペドロ・ジェロメウ(Pedro Geromel, 1985)、VOLホナウジ(Ronald, 2003)を投入し逃げ切りを図る。
   しかし、この交代によりボールの出どころへのマークが甘くなり、相次いでゴール前にクロスボールを送られると、GKマルチェシンの2度に渡る好守で辛うじてゴールを守る状況に陥る。
   すると、後半45+3分、グレミオはゴール前ファーサイドに上げられたボールからハンドのファールを犯しPKを許すと、後半45+5分にPKを決められ同点に追い付かれる。[2-2]
   さらに直後の後半45+6分、対角線に送られたボールをCBジュニオール・アロンソがヒールで流し左SBギリェルミ・アラーナの強烈なシュート。グレミオGKマルチェシンが辛うじて弾き返したボールを、FWバルガスがダイレクトにダイビングヘッド決め決勝ゴール。[2-3]
   アディショナルタイムの逆転劇により、アトレチコ・ミネイロが貴重な勝点「3」を勝ち取った。

   グレミオは、数的不利の状況で2点をリードしたものの、このリードを守り切れず、2-3の逆転負け。残留争いから抜け出すことは出来なかった。
   次戦は、二週間後に全国選手権第26節、アウェイでのRBブラガンチーノ戦。すでにリベルタドーレス、コパ・ド・ブラジルは敗退しており、来季を見据えながらも全国選手権に集中し、少しでも上位へ進出したい。
   アトレチコ・ミネイロは、全国選手権はすでに上位を争うには厳しい状況に陥っているが、小休止を前に劇的な逆転勝ちで連戦を締めた。
   次戦は、中11日でコパ・ド・ブラジル準々決勝サンパウロ戦2ndレグ。その後は、リベルタドーレス、コパ・ド・ブラジルと、再び週2試合の厳しい日程が続くが、十分に休養を取り、カップ戦のいずれかでタイトル獲得を狙いたい。

クルゼイロ(CRU) 3-1 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=NtZWO2bZqJc
(CRU) : 9' #12 ウィリアン・フルタド(William Furtado, 1995)[PK]
(CRU) : 25' #97 マテウス・エンヒキ(Matheus Henrique, 1997)[#9 カイオ・ジョルジ(Kaio Jorge, 2002)
(ACG) : 33' #9 ジョエル・キャンベル(Joel Campbell, 1992)[#16 アレホ・クルス(Alejo Cruz, 2000)]
(CRU) : 56' #9 カイオ・ジョルジ(Kaio Jorge, 2002)[#10 マテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)]

今節前の順位

クルゼイロ(CRU)は全国選手権11勝5分8敗勝点38の7位。
アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)は全国選手権4勝6分14敗勝点18の20位。

得点シーン

(CRU) : 9' #12 ウィリアン・フルタド(William Furtado, 1995)[PK]
左サイドライン際からSBマルロンがPAに侵入するFWアルバロ・バレアルへグラウンダーのボール。FWアルバロ・バレアルのトラップは大きくなるが、そのボールがPA内で脇を離れたDFの腕に当たり、主審はPKの判定。これをSBウィリアン・フルタドがゴール左に決めホームのクルゼイロが先制。[1-0]
   右SBウィリアン・フルタドは、リオ五輪金メダリスト。インテルナシオナウ育成出身。ウォルフスブルク/GERにて3年間主力としてプレーするが、膝に大ケガを負い、一年半のブランクを経て、2023年にクルゼイロに加入。膝の状態が心配されたが、完全復活を果たし、2026W杯南米予選第7、8節に向けた代表に追加招集を受けるまでに至った。2024年は今節終了時点で43試合5得点9アシスト。得点数とアシスト数は既にキャリアハイを更新。
(CRU) : 25' #97 マテウス・エンヒキ(Matheus Henrique, 1997)[#9 カイオ・ジョルジ(Kaio Jorge, 2002)]
自陣からのロングフィードに相手陣中盤でFWカイオ・ジョルジが頭で後方にボールを下げ、ゴールに向かい駆け上がると、戻りのボールを右サイドゴールライン際まで持ち上がりゴール前にクロス。ゴール前で3選手が、中央を縦、左から右、右から左へとそれぞれランニングコースを取る中、ファーサイドへ流れたVOLマテウス・エンヒキがフリーの体勢で頭を合わせゴールネットを揺らす。[2-0]
   VOLマテウス・エンヒキは、2019年10月に21歳にて代表デビュー、2020東京五輪金メダリスト(2試合)。2015年3月サンパウロ州選手権下位リーグにて17歳のプロデビューを果たすと、その後グレミオ育成へ移籍し、2019年46試合、2020年53試合とチームの主力選手に成長。2021年8月サスオーロ/ITAへ期限付きで移籍すると、2022年7月700万ユーロにて完全移籍へ移行し、3年間で89試合6得点5アシストの成績を収める。クルゼイロには2024年7月に850万ユーロにて移籍加入。クルゼイロ加入後12試合3得点。足元の技術が高く、シュート技術も高いセグンドボランチ。
(ACG) : 33' #9 ジョエル・キャンベル(Joel Campbell, 1992)[#16 アレホ・クルス(Alejo Cruz, 2000)]
センターサークルから右サイドライン際へボールを展開、SBマギーニョが縦にボールを運び、PA横からグラウンダーのクロス。ファーサイドまで流れたボールをFWアレホ・クルスが中央へ折り返し、FWジョエル・キャンベルがコースを狙いゴールへ流し込む。FWジョエル・キャンベルの冷静なシュートでアトレチコ・ゴイアニエンセが前半のうちに1点を返す。[2-1]
   FWジョエル・キャンベルは、3度のW杯や2024年など3度のコパ・アメリカなどコスタリカ代表として143試合27得点18アシストを誇る。アーセナル/ENG、レアルベティス/ESP、クラブ・レオン/MEXなどでプレー。アトレチコ・ゴイアニエンセには、母国クラブのアラフエレンセ(Alajuelense)からの期限付き移籍で加入。8月3日全国選手権第21節でのクラブデビュー、クラブ初ゴール以来、5試合目で2点目のゴール。
(CRU) : 56' #9 カイオ・ジョルジ(Kaio Jorge, 2002)[#10 マテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)]
自陣から相手陣に蹴り返されたボールをFWカイオ・ジョルジが前線から下がりMFマテウス・ペレイラへ預ける。FWカイオ・ジョルジがそのままゴールラインへ向かい駆け上がるのを見逃さずMFマテウス・ペレイラがボールを送ると、FWカイオ・ジョルジは角度のない位置から間合いを詰めるGKの足元を抜くシュート。ボールはゴールに吸い込まれ、クルゼイロがリードを拡げる。[3-1]
   FWカイオ・ジョルジは、サントス育成出身で、2018年9月全国選手権にて16歳のプロデビュー。2019年U-17W杯にて7試合5得点の成績を残しチームの戴冠に貢献。2020年にはサントスにてレギュラーの座を掴み48試合9得点1アシストの成績を収める。2021年8月700万ユーロにてユベントス/ITAに移籍するが、相次ぐケガに苦しみ、ほとんど試合に出場することなく、2023/24年はフロジノーネで期限付き移籍にてプレー。クルゼイロには2024年7月720万ユーロ、3年半の契約で完全移籍加入。このゴールはクルゼイロ11試合目にしての初ゴール。今後ゴールを量産し、チームの上位進出、来年以降の飛躍に貢献したい。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:56% 44% ⇒ 前後半:49% 51%
シュート(枠内): 前半:3‐7(3‐1) ⇒ 前後半:11‐17(6‐4)
パス成功率: 前半:87% 83% ⇒ 前後半:84% 87%
ファール: 前半:6‐5 ⇒ 前後半:13‐7
黄カード(赤): 前半:0‐1 ⇒ 前後半:2‐5

   クルゼイロ(CRU)は、週中に順延された全国選手権第5節インテルナシオナウ戦(H)を0-0の引き分け。前半32分に数的優位に立ったものの、専守防衛のインテルナシオナウからゴールを奪えず、全国選手権は5試合白星から遠ざかっている。
   今節は、出場停止明けの右SBウィリアン・フルタドに加え、VOLルーカス・ロメロとFWアルバロ・バレアルがスタメンに復帰し、布陣は4バックに戻る。
   前節負傷交代のFWディネーノ(Dinenno, 1994)が故障者リスト入り。
   クルゼイロ(CRU)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKカシオ(Cássio, 1987)
   4 : ※右SBウィリアン・フルタド(William Furtado, 1995)、CBゼ・イヴァウド(Zé Ivaldo, 1997)、CBジョアン・マルセロ(João Marcelo, 2000)、左SBマルロン(Marlon, 1997)
   3 : VOLワラシ・ソウザ(Walace Souza, 1995)、MFマテウス・エンヒキ(Matheus Henrique, 1997)、※VOLルーカス・ロメロ(Lucas Romero, 1994)
   3 : FWマテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)、※FWカイオ・ジョルジ(Kaio Jorge, 2002)、※FWアルバロ・バレアル(Álvaro Barreal, 2000)

   アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)は、一週間前のジュヴェントゥージ戦(H)に2-1の勝利。前々節インテルナシオナウ(H)に続き連勝をホームで飾った。依然最下位とは言え16位までの勝点差を「6」に縮めており、アウェイでの試合ではあるがこのまま連勝を続けたい。
   今節は、右SBブルーノ・トゥバラォン(Bruno Tubarão, 1995)とFWジャンデルソン(Janderson, 1999)が出場停止。代わって右SBマギーニョとMFシャイロンの経験豊かな両選手がスタメンを務める。
   アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKホナウド(Ronaldo, 1996)
   4 : ※右SBマギーニョ(Maguinho, 1992)、CBアドリアーノ・マルチンス(Adriano Martins, 1997)、CBルイス・フェリピ(Luiz Felipe, 1993)、左SBギリェルミ・ホマォン
   3 : VOLゴンサロ・フレイタス(Gonzalo Freitas, 1991)、VOLハウジネイ(Rhaldney, 1998)、※VOLバラーリャス(Baralhas, 1998)
   1 : ※MFシャイロン(Shaylon, 1997)
   2 : FWジョエル・キャンベル(Joel Campbell, 1992)、FWルイス・フェルナンド(Luiz Fernando, 1996)

   早くも前半5分、クルゼイロの左サイドを起点とした攻撃から、PA入口でアトレチコ・ゴイアニエンセがハンドのファール。VARでの検証を経て、前半9分、代表初選出が発表されたばかりの右SBウィリアン・フルタドがゴール左に決めホームのクルゼイロが先制。[1-0]
   前半25分には、クルゼイロは自陣からの速い攻撃で、右サイドからのFWカイオ・ジョルジのクロスにファーサイドでVOLマテウス・エンヒキが頭を合わせ追加点。ゴール前に駆け上がった3選手が守備陣を混乱に陥れる動きを見せたゴラッソ。[2-0]
   2点のビハインドを追うアトレチコ・ゴイアニエンセは、前半33分、右サイドライン際の右SBマギーニョがドリブルでボールを持ち上がり、PA内を左右にボールを動かし、最後はFWジョエル・キャンベルがゴールを陥れ、反撃ののろしを上げる。[2-1]
   アトレチコ・ゴイアニエンセは、さらに前半40分、PAに侵入するSBマギーニョのクロスがDFに当たりコースを変えたところをMFシャイロンがシュートに持ち込むが、惜しくもこれはクロスバーを越えていく。
   後半6分、アトレチコ・ゴイアニエンセは、SBマギーニョが右サイドライン際からPAに侵入しシュート。クルゼイロGKカシオが辛うじてブロックしたボールをMFシャイロンが回収し、DFをかわしクロスを送るが、クルゼイロ守備陣がシュートに持ち込ませない。
   押し込まれる時間が続くクルゼイロだったが、後半11分、自陣から大きく蹴り返されたボールをFWカイオ・ジョルジが前線から下りて受け、MFマテウス・ペレイラへ預けると、FWカイオ・ジョルジはそのままゴールラインへ向かい駆け上がり、戻りのボールを受け角度のない位置から間合いを詰めるGKの足元を抜くシュート。クルゼイロがリードを拡げる。[3-1]
   アトレチコ・ゴイアニエンセは、後半17分にPA手前を左サイドライン際から細かく繋ぎボールを右サイドへ送ると、SBマギーニョがゴール前にクロス。VOLバラーリャスが頭を合わせるが、GKカシオが倒れ込みながらしっかりとキャッチ。
   さらに後半37分、右CKからFWアレホ・クルスがゴール前に上げたボールにCBアドリアーノ・マルチンスが頭を合わせるが、ボールは残念ながらクロスバーを越える。
   クルゼイロは、後半41分に、CBビジャウバ(Villalba, 1994)を投入する手堅い采配を執り、その後はアトレチコ・ゴイアニエンセに反撃を抑え込み、試合はタイムアップ。

   クルゼイロは、最近は不安定な内容の試合が続いたが、今節は先制、中押し、ダメ押しと理想的な試合展開。上位争いに追随する貴重な勝点「3」を勝ち取った。
   次戦は、二週間後に全国選手権第26節、ホームにサンパウロを迎える。
   アトレチコ・ゴイアニエンセは、3連勝ならず、最下位脱出も叶わなかった。
   次戦は、二週間後に全国選手権第26節、ホームに残留争いのライバル、ヴィトーリアを迎える。以降は第31節グレミオ戦まで下位チームとの対戦が続き、この6試合が今季の行方を左右するだろう。

コリンチャンス(COR) 2-1 フラメンゴ(FLA)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=0OLuPL3ul3A
(COR) : 26' #43 タレス・マギノ(Talles Magno, 2002)[#9 ユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)
(FLA) : 37' #9 ペドロ(Pedro, 1997)[PK]
(COR) : 60' #11 アンヘル・ホメーロ(Ángel Romero, 1992)[]

今節前の順位

コリンチャンス(COR)は全国選手権4勝10分10敗勝点22の18位。
フラメンゴ(FLA)は全国選手権13勝5分5敗勝点44の4位。(1試合未消化)

得点シーン

(COR) : 26' #43 タレス・マギノ(Talles Magno, 2002)[#9 ユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)]
最終ラインが確保したボールを受けに下がったFWタレス・マギノが相手陣へ右サイドライン際を縦にボールを送ると、フラメンゴDFがボール処理を誤りボールはフラメンゴ陣に流れる。そのボールをFWユーリ・アウベルトが拾い、スピードのあるドリブルでPA右までボールを持ち上がり中央へ柔らかくボールを上げると、一連の攻撃の起点となったFWタレス・マギノが後方から駆け上がりヘディングシュート。ボールはゴールネットを揺らす。[1-0]
   FWタレス・マギノは、2019年U-17W杯代表(4試合2得点。チームは優勝)。ヴァスコ・ダ・ガマ育成出身で、2019年6月全国選手権にて16歳のプロデビュー。2020年に49試合3得点4アシストの成績を収め、2021年5月1500万USドルにてニューヨークシティ/USAへ移籍。加入後間もなくレギュラーの座を掴み、チームの複数のタイトル獲得に貢献。2024年8月コリンチャンスへ一年間の期限付き移籍加入。8月10日クラブデビュー戦にて後半アディショナルの同点ゴール。コリンチャンス加入後は5試合227分3得点。
(FLA) : 37' #9 ペドロ(Pedro, 1997)[PK]
ハーフライン付近から右サイドライン際をFWルイス・アラウージョがドリブルで持ち上がる。PA手前を右サイドに流れるFWペドロがボールを引き出し、外にはたき、右SBバレラがゴール前にクロスを試みるが、コリンチャンスDFがブロック。しかし、VARが介入し、ボールが当たった時点のDFの腕の位置、ファール時点のゴールの位置(PAの内か外か)の判定がオンフィールドレビューに委ねられる。その結果、PA内のハンドの判定が下され、フラメンゴにPKが与えられる。このPKをFWペドロが正面に蹴り込み、フラメンゴが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   FWペドロは、2022W杯代表。8月23日に発表された2026W杯南米予選代表へ招集を受けた。今節はケガのため8月15日以来の試合となったが、このPK以外にもスペースを作りボールを引き出すオフザボールの動きで複数のチャンスを作り出した。2024年は今節終了時点で43試合30得点8アシスト。全国選手権は11得点で得点王ランキング単独首位を走っている。
(COR) : 60' #11 アンヘル・ホメーロ(Ángel Romero, 1992)[]
右サイドライン際でSBファギネルとパス交換をしていたFWユーリ・アウベルトがゴールに向かうと、SBファギネルからのボールを受けたMFロドリゴ・ガーロが最終ライン裏を狙うFWユーリ・アウベルトへスルーパスを送る。DFをかすめたボールは微妙にコースを変えるが、中央からDF陣の背後から現れたFWアンヘル・ホメーロがこのボールをゴールへ流し込む。ピッチに立ったばかりのFWアンヘル・ホメーロのファーストタッチによるゴールでコリンチャンスが勝ち越す。[2-1]
   FWアンヘル・ホメーロは、2024コパ・アメリカなどパラグアイ代表として44試合8得点1アシスト。2014年6月‐2019年8月、2023年1月‐現在の期間コリンチャンスでプレーし292試合53得点23アシストを記録。コリンチャンスでは外国籍選手としての最多試合出場、最多得点、最多タイトル獲得数を更新している。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:45% 55% ⇒ 前後半:42% 58%
シュート(枠内): 前半:8‐4(3‐3) ⇒ 前後半:13‐10(4‐3)
パス成功率: 前半:80% 83% ⇒ 前後半:80% 85%
ファール: 前半:9‐7 ⇒ 前後半:18‐18
黄カード(赤): 前半:2‐2 ⇒ 前後半:5‐4(2‐1)

   コリンチャンス(COR)は、週中にコパ・ド・ブラジル準々決勝ジュヴェントゥージ戦1stレグにてアウェイで1-2の敗戦。公式戦は3連敗中、全国選手権は6試合勝ち星から遠ざかっている。
   今節は、出場停止や新たなケガ人はないものの、コパ・ド・ブラジルから8選手を変更。新加入のVOLホセ・マルティネスとFWエクトル・エルナンデスをいずれも2試合目でスタメンに抜擢。前節試合中に肩を痛め途中交代のFWタレス・マギノは大事に至らずスタメンに復帰。
   コリンチャンス(COR)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKウーゴ・ソウザ(Hugo Souza, 1999)
   3 : ※CBアンドレ・ハマーリョ(André Ramalho, 1992)、CBフェリックス・トーレス(Félix Torres, 1997)、※CBカカー(Cacá, 1999)
   5 : ※右WGファギネル(Fagner, 1989)、※VOLシャルレス(Charles, 1996)、※MFロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)、VOLホセ・マルティネス(José Martínez, 1994)、※左WGマテウス・ビドゥ(Matheus Bidu, 1999)
   2 : ※FWタレス・マギノ(Talles Magno, 2002)、※FWエクトル・エルナンデス(Héctor Hernández, 1995)

   フラメンゴ(FLA)は、週中のコパ・ド・ブラジル準々決勝バイーア戦1stレグ(A)にて1-0の勝利。リベルタドーレス、コパ・ド・ブラジルを勝ち残る中、全国選手権は前節4試合ぶりの勝利を収めタイトルを狙える4位につけている。しかし、厳しい日程の中、毎試合のようにケガ人が続き、苦しい選手起用が強いられている。
   今節は、CBファブリシオ・ブルーノが出場停止明け、FWペドロはケガ明けで8月15日以来の試合ででスタメン復帰。。一方でCBレオ・ペレイラ(Léo Pereira, 1996)がトレーニング中のケガにより欠場。直近のコパ・ド・ブラジルにてMFデ・ラ・クルス(De La Cruz, 1997)、FWミシャエウ(Michael, 1996)が負傷し共に今節はベンチ外。
   フラメンゴ(FLA)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKロッシ(Rossi, 1995)
   4 : 右SBバレラ(Varela, 1993)、CBファブリシオ・ブルーノ(Fabrício Bruno, 1996)、※CBダヴィ・ルイス(Davi Luiz, 1987)、左SBアイルトン・ルーカス(Ayrton Lucas, )
   3 : VOLエリキ・プルガール(Ericl Pulgar, 1994)、MFジェルソン(Gerson, 1997)、VOLレオ・オルティス(Léo Ortiz, 1996)
   3 : FWルイス・アラウージョ(Luiz Araújo, 1996)、※FWペドロ(Pedro, 1997)、FWブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1990)

   前半4分、コリンチャンスは、初スタメンのFWエクトル・エルナンデスが右太ももを痛め、FWユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)に代わるアクシデントに見舞われる。
   前半8分、コリンチャンスは相手陣右サイドからのFKを獲得すると、ゴール前に上げられたボールにFWタレス・マギノが頭を合わせ、ゴールネットを揺らすが、僅かにオフサイドの判定。
   前半16分、センターサークル手前からCBダヴィ・ルイスが相手陣左サイドライン際へ大きくボールを展開。ワントラップでDFのマークを剥がし中央に切れ込んだFWブルーノ・エンヒキが右足でコースを狙ったシュートを放つが、ややコースは甘く、コリンチャンスGKウーゴ・ソウザが倒れ込みながらボールを弾きだす。この時間帯は、フラメンゴはFWブルーノ・エンヒキにボールを集め、そこにVOLジェルソンが絡む攻撃を展開する場面が増える。
   前半26分、コリンチャンスは、自陣に下がったFWタレス・マギノが前方にボールを送り、FWユーリ・アウベルトがPA横までボールを運びゴール前にクロス。FWタレス・マギノがこのクロスに頭を合わせ先制。[1-0]
   リードを許したフラメンゴは反撃を開始。前半33分、右サイドライン際のFWルイス・アラウージョがドリブルでボールを持ち上がりチャンスを作ると、右SBバレラのクロスが相手DFのハンドを誘発しPKの判定。前半36分、このPKをFWペドロがゴール中央に決めフラメンゴが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   追いつかれたコリンチャンスはボールを握り相手陣で試合を進めるが、引き気味にブロックを築くフラメンゴの守備網を効果的に崩すことができず前半を1-1のスコアで終える。
   後半開始時にフラメンゴは、VOLエリキ・プルガールに代え、加入したばかりのMEカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz, 2002)をピッチに送り出す。
   後半6分、フラメンゴはボールを受けに下がったFWペドロが前を向き、ドリブルで前進しコースを狙ったシュート。しかし、ボールは僅かに枠を捉えない。
   一方のコリンチャンスは、後半7分、右サイドライン際からSBファギネルのクロスにファーサイドでDFの判断ミスでフリーとなっていたSBマテウス・ビドゥが頭でボールを叩きつけるが、ワンバウンドしたボールはクロスバーを越える。
   後半14分、コリンチャンスはFWタレス・マギノに代えFWアンヘル・ホメーロを投入。
   すると、その1分後の後半15分、右サイドでのパス交換からPA内に送られたボールを、FWアンヘル・ホメーロが斜めに流れながらゴールに流し込む。[2-1]
   リードを奪ったコリンチャンスは、ボールを握りながら試合をコントロール。後半30分を過ぎ、VOLハニエリ(Raniele, 1996)、VOLヒアン(Ryan, 2003)を入れ、中盤も厚くし、フラメンゴの反撃を許さない。
   後半アディショナルタイムに、コリンチャンスFWユーリ・アウベルトの危険なタックルを巡り両チーム選手が入り乱れ、コリンチャンスCBカカー、フラメンゴVOLカルロス・アルカラスに一発退場が命じられる混乱が生じたが、2-1のスコアに動きはなく試合はタイムアップ。

   コリンチャンスは、上位を争うフラメンゴから貴重な勝点「3」を勝ち取り、試合終了時点で降格圏を脱出。
   次戦は、中9日でコパ・ド・ブラジル準々決勝ジュヴェントゥージ戦2ndレグ(H)。その後、中2日で全国選手権第26節は首位ボタフォゴ戦。さらに中2日でコパ・スウアメリカーナ準々決勝フォルタレーザ戦1stレグが予定されている。
   フラメンゴは、2失点のいずれも守備陣のミスが絡む痛い敗戦。1試合未消化ながら首位ボタフォゴとの勝点差が「6」に広がり優勝争いから一歩後退した。
   次戦は、9月12日にコパ・ド・ブラジル準々決勝バイーアとの2ndレグ(H)。その後中2日で全国選手権第26節ヴァスコ・ダ・ガマとのクラシコ(H)。さらに中3日でリベルタドーレス準々決勝ペニャロル/URU戦1stレグがホームで予定されている。

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