【ブラジル全国選手権2024】第26節(1/2)[09/14-16]

投稿者: | 2024年9月14日

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全国選手権第26節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/09/14 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) x ヴィトーリア(VIT)
・2024/09/14 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x フォルタレーザ(FOR)
・2024/09/14 ボタフォゴ(BOT) x コリンチャンス(COR)
・2024/09/15 パウメイラス(PAL) x クリシウーマ(CRI)
・2024/09/15 RBブラガンチーノ(RBB) x グレミオ(GRE)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第26節(2/2)[09/14-16]
・2024/09/15 ジュヴェントゥージ(JUV) x フルミネンセ(FLU)
・2024/09/15 クルゼイロ(CRU) x サンパウロ(SAO)
・2024/09/15 バイーア(BAH) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
・2024/09/15 フラメンゴ(FLA) x 
ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
・2024/09/16 インテルナシオナウ(INT) x クイアバ(CUI)

全国選手権第26節 試合概要

アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) 0-2 ヴィトーリア(VIT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=Vrdy54I-Z9c
(VIT) : 13' #9 アレハンドロ(Alerrandro, 2000)[#7 グスタヴォ・モスキート(Gustavo Mosquito, 1997)]
(VIT) : 78' #30 マテウジーニョ(Matheuzinho, 1997)[#39 ジャンデルソン(Janderson, 1999)]

今節前の順位

アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)は全国選手権4勝6分15敗勝点18の20位。
ヴィトーリア(VIT)は全国選手権6勝4分15敗勝点22の18位。

得点シーン

(VIT) : 13' #9 アレハンドロ(Alerrandro, 2000)[#7 グスタヴォ・モスキート(Gustavo Mosquito, 1997)]
ハーフライン付近右サイドでFWグスタヴォ・モスキートがMFマテウジーニョとボール保持者を挟み込みボール奪取。そのままドリブルで縦にボールを運ぶ。中央ではFWアレハンドロが左サイドへ流れながら、途中でニアサイドへコースを変える。FWグスタヴォ・モスキートがPAに侵入し、ゴールライン際からマイナスのボールを送ると、FWアレハンドロがゴール前に現れ右足を合わせゴール。アウェイのヴィトーリアが先制。[0-1]
   FWアレハンドロは、2017南米U-17選手権3試合1得点。アトレチコ・ミネイロ育成出身で、2024年はRBブラガンチーノからの期限付き移籍によりヴィトーリアにてプレー。RBブラガンチーノでは年間35試合前後の出場が続き、4年間で単年10得点を記録する年はなかったが、2024年はコンスタントに試合に出場し、今節終了時点で42試合12得点7アシスト。試合数、アシスト数はキャリアハイを更新し、得点数も2019年アトレチコ・ミネイロ在籍時の13得点に迫っている。このゴールは最近の4試合で3点目のゴール。個人記録を伸ばすことでチームの1部残留にも貢献したい。
(VIT) : 78' #30 マテウジーニョ(Matheuzinho, 1997)[#39 ジャンデルソン(Janderson, 1999)]
自陣半ばでボールを奪ったFWジャンデルソンがドリブルで中央やや左のレーンをドリブルでボールを持ち上がり、右サイドを上がるMFマテウジーニョへボールを送る。ボールを受けたMFマテウジーニョはPAに侵入し、中央へ切れ込みDFをかわし左足のシュート。これがゴール左隅に決まりヴィトーリアが貴重な追加点。
   MFマテウジーニョは、公称165cmの小柄なミッドフィルダー。フィゲイレンセ育成出身で、2017年1月サンタカタリーナ州選手権にて19歳のプロデビュー。しかし、フィゲイレンセでは出場機会に恵まれず、2020年に全国選手権4部のカシアスへ移籍し出場機会を増やしていく。2022年にはリオグランデドスル州選手権、全国選手権4部を舞台にチーム全31試合のうち28試合に出場。この活躍を機に、2023年に全国選手権2部ヴィトーリアに加入、同年はキャリアハイの41試合に出場し、チームの全国選手権2部優勝に貢献。2024年は初の全国選手権1部でのプレーとなるが、全国選手権23試合4得点4アシストなど、計43試合5得点8アシストの成績を残している。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:58% 42% ⇒ 前後半:64% 36%
シュート(枠内): 前半:6‐5(4‐3) ⇒ 前後半:13‐7(4‐4)
パス成功率: 前半:89% 83% ⇒ 前後半:88% 80%
ファール: 前半:6‐7 ⇒ 前後半:14‐14
黄カード(赤): 前半:1‐3 ⇒ 前後半:3‐6

   アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)は、2連勝で迎えた前節アウェイでのクルゼイロ戦を1-3の敗戦。降格圏脱出までの勝点差は「9」に拡がり、今節ホームでの残留争いヴィトーリア戦は勝ち星が必須。
   今節の出場停止は、CBルイス・フェリピ(Luiz Felipe, 1993)、VOLゴンサロ・フレイタス(Gonzalo Freitas, 1991)、VOLバラーリャス(Baralhas, 1998)と主力の3選手。一方で右SBブルーノ・トゥバラォンが出場明けで先発に復帰。9月3日に加入が発表されたCBフィリピ・サンパイオがクラブデビュー。MFシャイロンがボランチに下がり、FWデレキがセンターフォワードを務める。
   アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKホナウド(Ronaldo, 1996)
   4 : ※右SBブルーノ・トゥバラォン(Bruno Tubarão, 1995)、CBアドリアーノ・マルチンス(Adriano Martins, 1997)、※CBフィリピ・サンパイオ(Philipe Sampaio, 1994)、左SBギリェルミ・ホマォン
   2 : VOLハウジネイ(Rhaldney, 1998)、MFシャイロン(Shaylon, 1997)
   3 : ※FWアレホ・クルス(Alejo Cruz, 2000)、FWジョエル・キャンベル(Joel Campbell, 1992)、FWルイス・フェルナンド(Luiz Fernando, 1996)
   1 : ※FWデレキ(Derek, Derek)

   ヴィトーリア(VIT)は、4試合勝ち星から遠ざかっており、現在残留圏まで勝点差「5」の18位。連敗中も多くの時間帯でいいサッカーを展開するものの、僅かな隙を突かれた失点により複数失点を招いている。攻守の切り替え時など90分集中力を維持したい。
   今節は、出場停止選手や新たなケガ人はなし。第24節負傷交代のMFマテウジーニョがスタメン復帰。新加入FWグスタヴォ・モスキートが2試合目で先発出場。
   ヴィトーリア(VIT)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKルーカス・アルカンジョ(Lucas Arcanjo, 1998)
   4 : 右SBハウル・カセレス(Raul Cáceres, 1991)、CBネリス(Neris, 1992)、CBヴァギネル・レオナルド(Wagner Leonardo, 1999)、左SBルーカス・エステヴィス(Lucas Esteves, 2000)
   3 : VOLルアン(Luan, 1999)、※MFマテウジーニョ(Matheuzinho, 1997)、VOLマシャード(Machado, 1996)
   3 : FWカルロス・エドゥアルド(Carlos Eduardo, 1996)、FWアレハンドロ(Alerrandro, 2000)、※FWグスタヴォ・モスキート(Gustavo Mosquito, 1997)

   16:00のキックオフ時点の気温が34℃という暑さの中での試合。
   ホームで勝点「3」を落とせないアトレチコ・ゴイアニエンセは、立ち上がりから積極的にボールを支配。一方のヴィトーリアは、ハーフライン前後でのプレスからカウンターを狙う。
   ヴィトーリアは、前半5分に枠を捉えるロングシュート、前半9分に約30mのFKからゴールを狙うなど、積極的にゴールを狙っていく。
   前半10分、MFマテウジーニョからのボールを受けた左SBルーカス・エステヴィスがシュート。ブロックに遭ったボールをPA手前で拾ったMFマテウジーニョがシュートに持ち込むも、ゴール左隅へ放たれたシュートをアトレチコGKホナウドが辛うじてCKに逃れる好守。
   前半13分、ヴィトーリアは、高い位置でのボール奪取から、ボールをゴールライン際に運んだFWグスタヴォ・モスキートのクロスをFWアレハンドロが足を合わせゴール。立ち上がりから積極的な姿勢を見せたヴィトーリアが早くも先制点を奪う。
   リードを許したアトレチコ・ゴイアニエンセだが、その後は簡単なボールロストが減り、右サイドを中心に人数をかけて相手ゴールに迫る。
   前半37分、右サイド深い位置からのクロスはDFのクリアに遭うが、そのクリアボールを拾ったVOLハウジネイがPA手前から強烈なシュート。GKルーカス・アルカンジョがゴール隅に向かうボールを片手で弾き出す。
   さらに前半40分にも右サイド深い位置からのクロスにFWデレキが頭を合わせるが、やや当たりが浅く、GKルーカス・アルカンジョがしっかりとキャッチ。ゴールは奪えないながらも、アトレチコ・ゴイアニエンセが試合の流れを掴み前半を終える。
   後半もまた、アトレチコ・ゴイアニエンセが右サイドを起点にサイドチェンジを有効に使い相手ゴールに迫る展開が続く。
   後半11分にゴールエリア左からのFWアレホ・クルスのシュート、後半15分には左サイドからの柔らかいクロスをFWジョエル・キャンベルがヘディングシュート。続くCKからはニアサイドでフリックされたボールにFWジョエル・キャンベルが足を伸ばすが芯に当たらずゴールラインを割る。
   アトレチコ・ゴイアニエンセは、後半25分にも相手陣PA右で得たFKからFWデレキが頭を合わせるが、ボールは枠を捉えない。
   アトレチコ・ゴイアニエンセの猛攻に耐え続ける時間帯が続くヴィトーリアだが、後半28分にFWジャンデルソン(Janderson, 1999)とVOLウィリアン・オリヴェイラ(Willian Oliveira, 1993)の攻撃的な2選手を投入する。
   すると、その5分後の後半33分、FWジャンデルソンが自陣で相手ボールを奪いカウンターを発動すると、FWジャンデルソンからのボールを受けたMFマテウジーニョが貴重な追加点をマーク。
   失点直後の後半35分にアトレチコ・ゴイアニエンセは3選手を一気に交代するが、その後はヴィトーリアの堅守を前に決定的な場面を作り出すことができず、試合はタイムアップ。

   アトレチコ・ゴイアニエンセは、後半を優位に試合を進めたことが徒となり、選手交代が遅れ、最後までゴールを奪うことができず、残留を争うライバルとのホームでの直接対決にて痛い敗戦。
   次戦は、一週間後に再び残留争いのライバルとの対戦、18位コリンチャンスとのアウェイでの試合が控える。
   ヴィトーリアは、残留に向け落とせない試合で勝点「3」を確保。チーム内得点王のFWアレハンドロが先制ゴールを奪い、ケガ明けの攻撃の要MFマテウジーニョが2得点に絡む活躍。新加入のFWグスタヴォ・モスキートが初スタメンでアシストを記録し、交代出場後5分でFWジャンデルソンが決定的な仕事を遂行。チアゴ・カルピーニ監督の策が見事に功を奏し、依然降格圏ながら17位へと一つ順位を上げた。
   次戦は、一週間後の全国選手権第27節、勝点差「4」で追うジュヴェントゥージをホームに迎える。

アトレチコ・パラナエンセ(CAP) 1-1 フォルタレーザ(FOR)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=E_bm6iJsD6o
(FOR) : 14' #21 モイゼス(Moisés, 1996)[#33 マンクーソ(Mancuso, 1999)]
(CAP) : 28' #14 カノービオ(Canobbio, 1998)[#28 クエージョ(Cuello, 2000)]

今節前の順位

アトレチコ・パラナエンセ(CAP)は全国選手権8勝5分10敗勝点29の12位。(2試合未消化)
フォルタレーザ(FOR)は全国選手権14勝6分5敗勝点48の2位。

得点シーン

(FOR) : 14' #21 モイゼス(Moisés, 1996)[#33 マンクーソ(Mancuso, 1999)]
センターサークル右からの大きなサイドチェンジのボールを受けたFWモイゼスが、左サイドライン際からPA入口へ向かい真横に相手最終ラインの手前をドリブル。右SBマンクーソとのタベーラの戻りのボールを受け縦に進行方向を変えると、間合いを詰めるGKをもかわしゴールネットにボールを流し込むゴラッソ。アウェイのフォルタレーザが先制。[0-1]
   FWモイゼスは、2022年にフォルタレーザに加入し66試合16得点7アシストの活躍。2023年7月にクルス・アスル/MEXへ移籍するが、19試合2得点1アシストの成績に止まり、2024年1月フォルタレーザに復帰する。復帰後はローテーションで選手が起用される中、スタメン、途中交代で多くの試合に出場、2024年はこれまで44試合12得点5アシストを記録している。
   右SBマンクーソはアルゼンチン国籍選手。ボカ・ジュニオルス/ARG育成出身で同クラブからプロデビューするものの、出場機会に恵まれず、2022年エストゥディアンテス/ARGへ移籍し、2023年に素質が開花、レギュラーとして2023年コパ・アルゼンチーナ、2024年はアルゼンチン全国選手権のタイトルを獲得する。2024年8月に4年契約でフォルタレーザへ移籍加入。前節にて試合終了間際にピッチに立ちクラブデビューを果たし、今節はトップ下の位置からFWモイゼスのゴールをアシスト。ポジショニングも含め、今後の活躍に注目したい。
(CAP) : 28' #14 カノービオ(Canobbio, 1998)[#28 クエージョ(Cuello, 2000)]
FWクエージョが前線から下がり、ハーフライン付近で自陣からのパスを受けると、マークをかわし、MFジョアン・クルスとのタベーラで縦にボールを運ぶ。左サイドを上がるFWカノービオへボールを送ると、FWカノービオはそのままPAに侵入しシュート。ボールはファーサイドのボールネットを揺らす。[1-1]
   FWカノービオは、2022W杯代表などウルグアイ代表として12試合1得点1アシスト。アトレチコ・パラナエンセは3年目で133試合18得点14アシストを記録中。切れ味のあるスピードと豊かな持久力で攻撃面でなく守備面での貢献も高く、アトレチコ・パラナエンセでは替えの効かない選手となっている。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:56% 44% ⇒ 前後半:56% 44%
シュート(枠内): 前半:13‐3(6‐1) ⇒ 前後半:28‐10(9‐3)
パス成功率: 前半:86% 85% ⇒ 前後半:80% 78%
ファール: 前半:8‐5 ⇒ 前後半:12‐10
黄カード(赤): 前半:0‐1 ⇒ 前後半:2‐2

   アトレチコ・パラナエンセ(CAP)は、週中のコパ・ド・ブラジル準々決勝ヴァスコ・ダ・ガマ戦2ndレグを2-1の勝利。しかし、準決勝進出を懸けたPK戦の末、敗退に追い込まれた。全国選手権は、コパ・ド・ブラジル、コパ・スウアメリカーナとの並行開催の影響もあり3連敗中で5試合に勝ち星なし。降格圏までの勝点差は「4」にまで迫っており、勝点を積み上げたい。
   今節は、出場停止選手や新たなケガ人はなし。スタメンには、ベテランCBチアゴ・エレーノ(Thiago Heleno, 1988)に代わり、パラグアイ代表帰りのCBガラマが入り、9月5日、8日の国際親善試合U-20メキシコ戦で大活躍のMFジョアン・クルスがスタメンを務める。
   アトレチコ・パラナエンセ(CAP)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合(コパ・ド・ブラジル)のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKミカエウ(Mycael, 2004)
   3 : CBカイキ・ホッシャ(Kaique Rocha, 2001)、※CBガマラ(Gamarra, 2000)、CBエスキベル(Esquivel, 2001)
   4 : 右WBエリキ(Erick, 1997)、※MFジョアン・クルス(João Cruz, 2006)、MFサペリ(Zapelli, 2002)、VOLガブリエウ(Gabriel, 1992)
   3 : FWクエージョ(Cuello, 2000)、FWマストリアーニ(Mastriani, 1993)、MFカノービオ(Canobbio, 1998)

   フォルタレーザ(FOR)は、首位対決の8月31日第25節ボタフォゴ戦にて0-2の敗戦。直近の代替開催第16節インテルナシオナウ戦も1-2と痛い連敗。組織的な守備を基調にしたチームが2試合連続複数失点を喫しており、守備面の立て直しが施されているか注目したい。
   今節は、CBエマヌエル・ブリテス(Emanuel Brítez, 1992)、MFエマヌエル・マルティネス(Emmanuel Martínez, 1994)、MFヤゴ・ピカチュー(Yago Pikachu, 1992)が出場停止。新たなケガ人はなし。スタメンは、新加入で2試合目の試合となるSBマンクーソなど、9つのポジションでコパ・ド・ブラジルとの布陣から変えてきた。
   フォルタレーザ(FOR)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合(第16節)のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKジョアン・ヒカルド(João Ricardo, 1988)
   4 : ※右SBマンクーソ(Mancuso, 1999)、※CBクスチェヴィッチ(Kuscevic, 1998)、※CBカルドナ(Cardona, 1995)、左SBフェリピ・ジョナタン(Felipe Jonatan, 1998)
   2 : ※VOLゼ・ウェリソン(Zé Welison, 1995)、※VOLペドロ・アウグスト(Pedro Augusto, 1997)
   3 : ※FWケルビン・アンドラーデ(Kervin Andrade, 2005)、※FWマリーニョ(Marinho, 1990)、※FWモイゼス(Moisés, 1996)
   1 : ※MFWヘナト・カイゼル(Renato Kayzer, 1996)

   ホームのアトレチコ・パラナエンセが積極的にボールを保持し、相手陣でピッチを左右に広くボールを散らしながら攻撃の糸口を探り、フォルタレーザは、堅守からボールを奪うと縦に素早くボールを送り相手ゴールに迫る。
   前半14分、フォルタレーザはハーフライン手前からPA横の左サイドライン際へ大きくボールを送ると、FWモイゼスがドリブルとSBマンクーソとのタベーラでアトレチコ・パラナエンセ守備陣を崩すゴラッソ。アウェイのフォルタレーザがリードを奪う。[0-1]
   アトレチコ・パラナエンセもすぐさま反撃。前半17分、FWカノービオのコースを狙ったシュートはわずかに枠を捉えないものの、前半18分のFWカノービオのシュートはGKジョアン・ヒカルドがブロック。逆サイドに流れたボールをアトレチコFWクエージョが拾い、ゴールライン際を個人技でDFを抜き去りゴール前にクロス。MFサペリが飛び込むが、DFのブロックに遭ったボールはわずかにクロスバーを越え、同点ゴールは生まれない。
   前半28分、ここまでフォルタレーザの堅守に苦しめられてきたアトレチコ・パラナエンセだったが、自陣でのボール回しから、ボールを受けに下がったFWクエージョへのパスをきっかけに攻撃のギアが上げると、縦に素早くボールを送り、今度こそFWカノービオがゴールを揺らし試合を振り出しに戻す。[1-1]
   試合の主導権を握ったアトレチコ・パラナエンセは、前半45+2分、右CKからニアサイドでの空中戦で誰にも合わずに流れたボールにFWカノービオが足を合わせる。しかし、フォルタレーザGKジョアン・ヒカルドが俊敏に反応し片手でクロスバーの上にボールを弾きだす。
   一方のフォルタレーザも、前半45+2分、ハーフライン付近でアトレチコ・パラナエンセのパス回しのボールを奪ったFWマリーニョが前方にボールを送り、GKと一対一となったFWケルビン・アンドラーデが間合いを詰めるGKの頭上を柔らかく越すシュート。しかし、ボールは惜しくもゴールポストの外へと流れていく。
   後半が始まると、アトレチコ・パラナエンセは前後にボールを動かし、相手陣にスペースを作り出すと一気にスピードを加速させる攻撃を展開。後半10分までに4本の惜しいシュートを放つ。
   特に後半3分には、MFジョアン・クルスがペナルティーマーク近くから強烈なシュート。GKの手を弾いたボールはゴールポストを叩きゴールは生まれない。
   一方のフォルタレーザも、後半10分、カウンターから右サイドFWマリーニョがクロス。これが意図せずゴールに向かうがGKミカエウが片手で掻き出すファインセーブ。
   アトレチコ・パラナエンセは、後半19分にMFジョアン・クルスのクロスをFWマストリアーニが頭を合わせるものの、この至近距離のボールをGKジョアン・ヒカルドが胸で防ぎ、後半33分のCBガラマの約25mのミドルシュートをGKジョアン・ヒカルドは落ち着いてクロスバーの上にボールを掻き出す。
   後半45分、アトレチコ・パラナエンセは右CKからゴール前でヘディングシュートに持ち込むが、当たりが弱くGKジョアン・ヒカルドがしっかりとキャッチ。GKジョアン・ヒカルドは素早いリスタートから左サイドへボールを送りフォルタレーザのカウンター、VOLゼ・ウェリソンを経由してボールを受けたFWブレーノ・ロペス(Breno Lopes, 1996)がPA左から中央に切り返しファーサイドを狙ったシュート。しかし、アトレチコ・パラナエンセGKミカエウが体を伸ばし両手でボールに触れCKに逃れる。
   後半は多くのシュートが乱れ飛ぶも、フォルタレーザGKジョアン・ヒカルド、アトレチコ・パラナエンセGKミカエウを中心とした守備陣が体を張ったプレーでゴールを許さず、1-1のままタイムアップ。

   ホームのアトレチコ・パラナエンセは、ホームでの一戦で28本ものシュートを放ったものの、フォルタレーザGKジョアン・ヒカルドの牙城は高く、得点は前半の1点のみ。勝点の積み上げは「1」に止まった。
   次戦は、9月22日に全国選手権第27節アウェイでのクリシウーマ戦が控える。
   アウェイのフォルタレーザは、直後に試合が始まる首位ボタフォゴにプレッシャーをかけることができなかった。2試合連続で2失点を喫していた守備面では、GKジョアン・ヒカルドの好守により辛うじて1失点に抑えたものの、多くのシュートを放たれ、改善の余地はまだまだ多い。
   次戦は、中3日でコパ・スウアメリカーナ準決勝コリンチャンス戦1stレグをホームにて開催。一週間後に全国選手権第27節、ホームにバイーアを迎える。   

ボタフォゴ(BOT) 2-1 コリンチャンス(COR)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=88CehIfqt4s
(BOT) : 39' #7 ルイス・エンヒキ(Luiz Henrique, 2001)[#10 サバリーノ(Savarino, 1996)]
(COR) : 63' #10 ロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)[PK]
(BOT) : 67' #23 ティアゴ・アルマダ(Thiago Almada, 2001)[]

今節前の順位

ボタフォゴ(BOT)は全国選手権15勝5分5敗勝点50の首位。
コリンチャンス(COR)は全国選手権5勝10分10敗勝点25の17位。

得点シーン

(BOT) : 39' #7 ルイス・エンヒキ(Luiz Henrique, 2001)[#10 サバリーノ(Savarino, 1996)]
バイタルエリアでボールを受けたMFティアゴ・アルマダが前を向きDFをかわし、最終ライン裏へスルーパス。タイミングよく抜け出したFWサバリーノが中央へボールを送り、FWルイス・エンヒキがゴールへ押し込む。これまで苦しめられてきたGKウーゴ・ソウザの牙城を崩しボタフォゴが先制。[1-0]
   FWルイス・エンヒキは、フルミネンセ育成出身で、2020年8月全国選手権にて19歳のプロデビュー。2020年8月‐2022年6月の間に計120試合14得点14アシストの成績を残し、2022年7月レアルベティス/ESPへ800万ユーロにて移籍。移籍初年度に43試合3得点7アシスト、2年目は半年間で21試合1得点3アシストの成績を残し、2024年2月に1600万ユーロにてボタフォゴへ移籍加入。主戦の右サイドで、スピードと力強いドリブルで多くのチャンスを演出。2024年9月6日2026W杯南米予選第7節エクアドル戦にて先発に抜擢され23歳での代表デビュー。2024年は今節終了時点で39試合8得点4アシストの成績を残している。
(COR) : 63' #10 ロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)[PK]
ゴール前に上げられたボールにボタフォゴGKジョン・ヴィクトルが相手選手と接触し転倒するが主審は続行を指示。このチャンスを見逃すまいとコリンチャンスがPA内でシュートとパスを繰り返す中、ボタフォゴDFがVOLハニエリを押し倒す。主審は試合を流すがVARが介入。その結果、コリンチャンスにPKが与えられ、これをMFロドリゴ・ガーロがゴール中央に決めコリンチャンスが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   MFロドリゴ・ガーロは、インスティトゥートACコルドバ/ARG育成出身のアルゼンチン国籍選手。同クラブから2019年3月アルゼンチン2部リーグにて21歳のプロデビュー。タジェーレス/ARGを経て、2024年1月に非公表ながら500万USDを上回ると推定される移籍金にてコリンチャンスに加入。これまで全国選手権ではチーム最多の24試合2000分超に出場しチームの攻撃の司令塔として君臨。2024年は44試合7得点7アシスト(うち全国選手権24試合4得点4アシスト)を記録している。
(BOT) : 67' #23 ティアゴ・アルマダ(Thiago Almada, 2001)[]
右サイドからのクロスボールのクリアボールをMFティアゴ・アルマダがPA左角で回収。マークに寄せるDFを中央への切れ込みでかわし、さらに右足を切りに来る次のDFを縦に向き変えかわして左足のシュート。DFに当たったボールがゴールネットに吸い込まれ、ボタフォゴが突き放す。[2-1]
   MFティアゴ・アルマダは、2022W杯などアルゼンチン代表として4試合1得点。2020東京五輪にて2試合1アシスト、2024パリ五輪にて4試合2得点。ベレス・サルスフィエルド/ARG育成出身で、2018年8月アルゼンチン全国選手権にて17歳のプロデビュー。ベレスにて2018年8月‐2022年2月99試合23得点9アシスト、1450万ユーロ相当の移籍金で加入したアトランタ/USAにて2022年2月‐2024年7月にて83試合26得点26アシストの成績を収める。ボタフォゴにはクラブ史上最高額の移籍金約2500万USDにて5年契約で加入。2024年8月コパ・ド・ブラジルベスト16バイーア戦にてクラブデビューを飾ると、そのままレギュラーの座を獲得。ボタフォゴ加入後は8試合1得点。この試合では1点目のゴールもアルマダのスルーパスが起点。このゴールはボタフォゴでの初ゴール。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:64% 36% ⇒ 前後半:58% 42%
シュート(枠内): 前半:15‐3(8‐1) ⇒ 前後半:21‐12(10‐2)
パス成功率: 前半:89% 85% ⇒ 前後半:86% 83%
ファール: 前半:7‐4 ⇒ 前後半:12‐7
黄カード(赤): 前半:0‐0 ⇒ 前後半:1‐2

   ボタフォゴ(BOT)は、前節の首位決戦フォルタレーザ戦にて2-0の勝利を収め首位奪回。前々節バイーア戦に続く上位対決を2試合連続無失点、攻守にバランスが取れた展開試合が続いている。
   今節は、VOLグレゴーリ(Gregore, 1994)が出場停止、代わってVOLダニーロ・バルボーザがスタメン。8月30日に加入が発表された右SBヴィチーニョが先発でクラブデビュー。左SBクイアバーノ(Cuiabano, 2003)がケガのため欠場し左SBマルサウが先発。9月10日に加入が発表された、ブラジル代表で2022W杯2試合など計12試合の実績を誇る左SBアレックス・テレス(Alex Telles, 1992)はベンチ外。
   ボタフォゴ(BOT)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKジョン・ヴィクトル(John Victor, 1996)
   4 : ※右SBヴィチーニョ(Vitinho, 1999)、CBバストス(Bastos, 1991)、※CBアレキサンデル・バルボサ(Alexsander Barbosa, 1995)、※左SBマルサウ(Marçal, 1989)
   2 : ※VOLダニーロ・バルボーザ(Danilo Barbosa, 1996)、VOLマルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)
   3 : FWルイス・エンヒキ(Luiz Henrique, 2001)、MFティアゴ・アルマダ(Thiago Almada, 2001)、FWサバリーノ(Savarino, 1996)
   1 : FWイゴル・ジェズス(Igor Jesus, 2001)

   コリンチャンス(COR)は、週中のコパ・ド・ブラジル準々決勝ジュヴェントゥージ戦2ndレグを、1stレグの1-2の結果を跳ね返し、3-1の勝利を収め、準決勝進出を決めた。一方で、全国選手権は17位の降格圏に低迷している。
   今節は、CBフェリックス・トーレス(Félix Torres, 1997)、CBカカー(Cacá, 1999)、VOLシャルレス(Charles, 1996)の前節先発の3選手に加え、FWユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)が出場停止。コパ・ド・ブラジルでの4バックから3バックに変更。新加入のオランダ代表FWメンフィス・デバイ(Memphis Depay, 1994)はフィジカルの問題でベンチ外。
   コリンチャンス(COR)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合(コパ・ド・ブラジル)のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKウーゴ・ソウザ(Hugo Souza, 1999)
   3 : CBアンドレ・ハマーリョ(André Ramalho, 1992)、CBグスタヴォ・・エンヒキ(Gustavo Henrique, 1993)、※CBカエタノ(Caetano, 1999)
   5 : ※右WGマテウジーニョ(Matheusinho, 2000)、VOLハニエリ(Raniele, 1996)、MFロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)、※VOLホセ・マルティネス(José Martínez, 1994)、左WGマテウス・ビドゥ(Matheus Bidu, 1999)
   2 : FWタレス・マギノ(Talles Magno, 2002)、FWアンヘル・ホメーロ(Ángel Romero, 1992)

   立ち上がりからホームのボタフォゴが試合を支配。前半3分に相手陣でのボール奪取からFWサバリーノが強烈なシュート、前半7分にVOLダニーロ・バルボーザのミドルシュート、前半8分のショートコーナーからのシュート性のクロスなど、ボタフォゴが相次いで相手ゴールを襲うが、コリンチャンスGKウーゴ・ソウザが落ち着きのある俊敏な対応でゴールを守り抜く。
   一方のコリンチャンスも、前半15分に左サイドを縦に素早くボールを運び、ゴール前にクロスを送るが、FWホメーロのヘディングシュートは枠を捉えない。
   ボタフォゴの中盤の素早いマークとその後の縦に速い展開に、コリンチャンスは後方に重心が下がり、攻撃時には前線に枚数が足らず厚みが生まれない。
   前半23分、ボタフォゴは相手陣でのボール奪取からショートカウンター。MFルイス・エンヒキのゴール正面PA手前からのシュートは、またもやGKウーゴ・ソウザが両手でストップ。そのこぼれ球を拾ったボタフォゴは攻撃を組み立てなおし、アタッキングサード入口右サイドライン際からFWサバリーノがクロス。ゴール前でFWイゴル・ジェズスがダイビングヘッドを敢行するが、GKウーゴ・ソウザがこの至近距離の足元を襲うシュートを弾き返しゴールを割らせない。
   前半39分、ボタフォゴは、バイタルエリアでボールを受けたMFティアゴ・アルマダがDFをかわし最終ライン裏へスルーパス。タイミングよく抜け出したFWサバリーノが中央へボールを送り、FWルイス・エンヒキがゴールへ押し込む。これまで苦しめられてきたGKウーゴ・ソウザの牙城を崩しボタフォゴが先制。[1-0]
   前半44分、コリンチャンスは相手陣にボールを素早く運ぶと、左サイドのFWホメーロから右SBマテウジーニョへ大きくサイドを変えるパス。ボールを受けた右SBマテウジーニョがPAに侵入すると、後方からスライディングに来たDFに倒されPKを獲得。しかし、このPKはGKジョン・ヴィクトルがブロック、こぼれたボールを自身がピッチ外へ蹴りだし難を逃れる。コリンチャンスは同点の絶好機を逸する。
   なお、GKジョン・ヴィクトルは、公式戦88試合、PK戦を含め、19度目のPKにして初セーブ。2023年に8か月間所属したインテルナシオナウでは、PK戦にもつれ込んだコパ・ド・ブラジルベスト16にて一本も止めることができずチームは敗退。サポーターから批判や誹謗中傷を受ける事態を招いていた。
   後半開始時にコリンチャンスは2選手を交代。CBカエタノとFWタレス・マギノを下げ、MFブレーノ・ビドン(Breno Bidon, 2005)とFWエクトル・エルナンデス(Héctor Hernández, 1995)を投入し、3バックから4バックへ変更。
   コリンチャンスは、フォーメーション変更に加え、ハーフタイムで守備を修正すると、高い位置でボタフォゴの攻撃を寸断し、次第に相手陣でボールを展開。
   すると、後半11分、コリンチャンスは相手陣PA近辺での猛攻からPKを獲得、これをMFロドリゴ・ガーロがゴール中央に決めコリンチャンスが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   しかし、それも束の間、ボタフォゴは相手陣右サイドからのクロスボールのクリアボールを拾ったMFティアゴ・アルマダが、個人技でマークをかわしゴール。すぐさまボタフォゴが突き放す。[2-1]
   リードを奪ったボタフォゴは、やや引き気味に守備ブロックを構築、コリンチャンスにボールを持たれながらも、カウンターから相手を上回るチャンスを創出し、試合はタイムアップ。

   ホームの首位ボタフォゴは、全国選手権での引き分けを挟む連勝を「3」に伸ばし、2位フォルタレーザとの勝点差を「4」に拡げた。
   次戦は、中3日でリベルタドーレス準決勝1stレグ、ホームにサンパウロを迎える。全国選手権は9月21日第27節アウェイでのフルミネンセとのクラシコ。
   コリンチャンスは、コパ・ド・ブラジルでの勢いを継続できず、全国選手権は1つ順位を下げ18位に後退。
   次戦は、中3日でコパ・スウアメリカーナ準決勝1stレグ、アウェイでのフォルタレーザ戦。全国選手権は9月21日第27節、ホームにアトレチコ・ゴイアニエンセを迎える。

パウメイラス(PAL) 5-0 クリシウーマ(CRI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=eA2Yfgpzw48
(PAL) : 1' #42 フラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)[#16 カイオ・パウリスタ(Caio Paulista, 1998)]
(PAL) : 15' #9 フェリピ・アンデルソン(Felipe Anderson, 2003)[#2 マルコス・ホッシャ(Marcos Rocha, 1988)]
(PAL) : 18' #xx オウンゴール(Gol Contra)[]
(PAL) : 52' #41 エステヴォン(Estêvão, 2007)[フェリピ・アンデルソン(Felipe Anderson, 2003)]
(PAL) : 77' #23 ハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)[FK]

今節前の順位

パウメイラス(PAL)は全国選手権14勝5分6敗勝点47の3位。
クリシウーマ(CRI)は全国選手権7勝7分10敗勝点28の14位。(1試合未消化)

得点シーン

(PAL) : 1' #42 フラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)[]
SBカイオ・パウリスタがアタッキングサード入口左サイドライン際からPA入口に送ったボールをDFがカット。頭上に上がったボールが落ちてくるところをFWフラッコ・ロペスがダイレクトに左足を振り抜くと、GKの指先を弾いたボールがゴールネットに突き刺さる。ホームのパウメイラスが開始49秒で早くも先制。[1-0]
   FWフラッコ・ロペスは、今季は今節終了時点で20得点を記録するチーム内得点王。特に最近の公式戦5試合は4得点2アシストと絶好調で全国選手権の得点ランキングも3位タイまで浮上。今季はすでに49試合20得点7アシストで3項目いずれもキャリアハイを更新している。
(PAL) : 15' #9 フェリピ・アンデルソン(Felipe Anderson, 2003)[#2 マルコス・ホッシャ(Marcos Rocha, 1988)]
ハーフライン付近左サイドから中央を経て斜め前方に右サイドライン際へボールを繋ぎ、ボールを受けたFWエステヴォンがためを作りゴールライン際へ縦にボールを送る。FWエステヴォンを追い抜いた右SBマルコス・ホッシャがゴールライン手前からマイナスのボールを戻すと、逆サイドから中央に絞ったFWフェリピ・アンデルソンが右足を合わせゴールネットを揺らす。[2-0]
   FWフェリピ・アンデルソンは、ラツィオ/ITAとの契約満了に合わせ事前契約を結び、2024年7月にパウメイラスに加入。若手選手が多いアタッカー陣をサポートしながらも、最近の公式戦は3試合で2得点1アシスト。パウメイラス加入後は13試合2得点1アシスト。欧州での豊かな経験を若手選手に伝えている。
(PAL) : 18' #xx オウンゴール(Gol Contra)[]
自陣左サイド相手ボールスローインをMFマウリシオがスライディングで掻き出し、そのこぼれ球を拾った中央のVOLヒシャルジ・ヒオスが右サイド前方へボールを送る。ボールを受けたFWエステヴォンがドリブルで縦に仕掛け、ゴールライン手前から中央へクロス。これがクリシウーマDFの膝に当たりボールはファーサイドのゴールネットに吸い込まれるオウンゴール。[3-0]
(PAL) : 52' #41 エステヴォン(Estêvão, 2007)[フェリピ・アンデルソン(Felipe Anderson, 2003)]
自陣からのロングカウンター。CBグスタボ・ゴメスがカットしたボールを拾ったFWエステヴォンがドリブルで相手陣に侵入、斜めにFWフラッコ・ロペス、FWフェリピ・アンデルソンと左サイドへボールを展開し、FWフェリピ・アンデルソンがPAに侵入、ペナルティーマークに向けマイナスのボールを送る。そこに走り込んだFWエステヴォンが左足をダイレクトに振り抜きゴールネットを揺らす。[4-0]
   FWエステヴォンは、2024年9月6日2026W杯南米予選第7節エクアドル戦にて17歳135日での代表デビュー。代表戦では固さも見えたが、勝手知ったるホームのアリアンツ・パルキ・スタジアムではいつものプレーを披露。今節は記録上は1ゴールのみだが、3ゴールに関与。全国選手権得点ランキングでは、今季絶望となったフラメンゴ所属FWペドロ(Pedro, 1997)に2ゴール差に迫る単独2位の9点目のゴール。17歳での全国選手権得点王も夢ではなくなりつつある。
(PAL) : 77' #23 ハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)[FK]
ゴール正面約23mの距離でFKを獲得。右足のVOLヒシャルジ・ヒオスと左足のMFハファエウ・ヴェイガがボールの後方で構えると、最終的にMFハファエウ・ヴェイガがシュート。壁の横を通り抜けたボールにGKは一歩も動けず、ボールはサイドネットに突き刺さるゴラッソ。[5-0]
   MFハファエウ・ヴェイガは、2026W杯南米予選3試合などブラジル代表として6試合の実績。現在はリベルタドーレス、コパ・ド・ブラジル敗退後の新たなシステムでスタメンの座から外れたものの、その悔しさを糧に、このゴールは出場試合13試合ぶりのゴール。2024年はこれまで46試合12得点7アシスト。今季はパウメイラス在籍6年目で通算311試合93得点42アシスト、主力として数多くのタイトルを獲得した経験は、チームの全国選手権3連覇に向けて必要不可欠だ。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:67% 33% ⇒ 前後半:54% 46%
シュート(枠内): 前半:9‐6(5‐2) ⇒ 前後半:14‐14(8‐5)
パス成功率: 前半:87% 76% ⇒ 前後半:84% 83%
ファール: 前半:6‐4 ⇒ 前後半:12‐11
黄カード(赤): 前半:0‐0 ⇒ 前後半:0‐2(1‐0)

   パウメイラス(PAL)は、リベルタドーレス、コパ・ド・ブラジルをすでに敗退。3連覇に向け全国選手権に集中する。
   今節のスタメンは、2-0の完勝に終えた前節アトレチコ・パラナエンセ戦と同じ顔ぶれ。
   パウメイラス(PAL)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKウェヴェルトン(Weverton, 1987)
   4 : 右SBマルコス・ホッシャ(Marcos Rocha, 1988)、CBグスタボ・ゴメス(Gustavo Gómez, 1993)、CBムリーロ(Murilo, 1997)、左SBカイオ・パウリスタ(Caio Paulista, 1998)
   3 : VOLヒシャルジ・ヒオス(Richard Rios, 2000)、MFマウリシオ(Maurício, 2001)、VOLアニバル・モレノ(Anibal Moreno, 1999)
   3 : FWエステヴォン(Estêvão, 2007)、FWフラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)、FWフェリピ・アンデルソン(Felipe Anderson, 2003)

   クリシウーマ(CRI)の前節は、降格圏に低迷するクイアバを相手に1-2の敗戦。降格圏までの勝点差が「3」と縮まり、一つでも勝点を積み上げたい。
   今節は、VOLパトリッキ・ジ・パウラが出場停止明けで先発に復帰。ケガ明けのVOLバヘットが7月31日第20節以来の試合を先発で迎える。前節大事を取って欠場したFWボラシエのケガは大事に至らずスタメンに復帰。攻撃の要MFマテウジーニョも2試合ぶりの先発復帰。
   クリシウーマ(CRI)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKグスタヴォ(Gustavo, 1993)
   4 : ※右SBクラウジーニョ(Claudinho, 2000)、CBトビアス・フィゲイレード(Tobias Figueredo, 1994)、CBワリソン・マイア(Walisson Maia, 1991)、左SBマルセロ・エルメス(Marcelo Hermes, 1995)
   3 : VOLネウトン(Newton, 2000)、※VOLパトリッキ・ジ・パウラ(Patrick de Paula, 1999)、※VOLバヘット(Barreto, 1995)
   1 : ※MFマテウジーニョ(Matheusinho, 1998)
   2 : FWアルトゥール・カイーキ(Arthur Caíke, 1992)、※FWボラシエ(Bolasie, 1989)

   開始49秒で早くもホームのパウメイラスがFWフラッコ・ロペスのゴラッソで先制。これは今季全国選手権での最短記録。これまでの記録は6月27日第12節にてサンパウロが記録した開始59秒。この時もクリシウーマが失点を喫している。[1-0]
   なおも攻撃の手綱を緩めないパウメイラスは、前半5分にVOLヒシャルジ・ヒオスがミドルシュート、これはGKの手を掠めたボールがクロスバーを直撃。さらに前半6分にFWエステヴォンが強烈なミドルシュート、これは僅かにゴールポストを外れる。
   一方のクリシウーマは、前半8分、相手陣PA前後でのボール争奪戦から後方にこぼれたボールをVOLパトリッキ・ジ・パウラが低い弾道の強烈なミドルシュート。ボールはゴール左隅に向かうが、パウメイラスGKウェヴェルトンが必死に飛びつき辛うじてCKに逃れる。
   さらに前半10分、相手陣中央やや右からのFKをゴール前ファーサイドでボールを折り返しゴール正面でCBトビアス・フィゲイレードが押し込みを図る。しかし、GKウェヴェルトンがしっかりとキャッチ。
   GKウェヴェルトンの好守でゴールを守り切ったパウメイラスが再び攻勢に出ると、前半15分にFWアンデルソンがSBマルコス・ホッシャのマイナスのボールをゴールに蹴り込み、前半18分にはFWエステヴォンのクロスがオウンゴールを誘発し、パウメイラスが一気に3-0とリードを拡げる。[2-0][3-0]
   前半42分、クリシウーマはゴール正面約25mの位置でFKを獲得。VOLパトリッキ・ジ・パウラが左足で直接狙ったシュートをGKウェヴェルトンが倒れ込みながら両手でブロック。跳ね返りのボールにMFマテウジーニョが詰めるが、シュートは惜しくもクロスバーを越える。
   後半開始時にクリシウーマは2選手を交代。
   するとその効果は早くも現れ、後半2分、相手陣中央右サイドからPA入口左へのサイドチェンジのボールをSBマルセロ・エルメスが頭で折り返し、DFのクリアミスのボールを拾ったMFマテウジーニョがゴール右からシュート。しかしこれもまた、GKウェヴェルトンがストップ。さらにクリシウーマは、後半6分にも自陣からボールを繋ぎ最後はFWボラシエがシュートに持ち込むが、これはGK正面。
   後半7分、前がかりとなるクリシウーマを逆手に取りパウメイラスが自陣からカウンター。その起点となったFWエステヴォンのゴールでパウメイラスがさらにリードを拡げる。[4-0]
   後半20分、クリシウーマはCBトビアス・フィゲイレードが自陣で縦に入る相手ボールをクリア。そのボールを受けたVOLパトリッキ・ジ・パウラが前を向き、相手最終ライン裏を狙ったスルーパス。これに反応したFWアラーノ(Allano, 1995)が抜け出そうとするところを、パウメイラスSBカイオ・パウリスタがユニフォームを引っ張り阻止。VARの介入によりこのプレーが得点機会阻止に該当するとしてSBカイオ・パウリスタにレッドカードが提示される。
   パウメイラスは、数的不利に陥ったことで堅守速攻にスタイルを固めると、クリシウーマは、ボールを握りながらも効果的にボールをゴール前に運ぶことができない。
   後半32分、パウメイラスは、ゴール正面で獲得したFKを、交代出場のMFハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)が直接決めるゴラッソ。[5-0]
   試合はこのままタイムアップ。パウメイラスがホームで5-0の勝利を収めた。

   パウメイラスは、早い時間帯で3-0のセーフティリードを奪い、その後も着実に加点し5-0の完勝。前日の試合で引き分けに終えたフォルタレーザを抜き、順位は2位に浮上した。
   次戦は、一週間後の9月22日に全国選手権第27節、アウェイでヴァスコ・ダ・ガマとの対戦が予定されている。
   クリシウーマは、立ち上がりの失点でゲームプランが崩れ、0-5の完敗。しかし、攻撃面でVOLパトリッキ・ジ・パウラが複数のチャンスの起点となり、MFマテウジーニョが巧みなポジショニングで複数のシュートに持ち込むなど、明るい材料も見られた。
   次戦は、一週間後の9月22日に全国選手権第27節、ホームにアトレチコ・パラナエンセを迎える。アトレチコ・パラナエンセは高い攻撃力を誇るが一方で守備面での脆さも併せ持つチーム。立ち上がりの15分は特に集中し、試合の流れを掴み、ホームサポーターの前で勝点「3」を勝ち取りたい。

RBブラガンチーノ(RBB) 2-2 グレミオ(GRE)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=LI1eqhUJP48
(GRE) : 28' #11 ミゲル・モンサルベ(Miguel Monsalve, 2004)[#22 ブライトバイテ(Braithwaite, 1991)]
(RBB) : 44' #19 エドゥアルド・サーシャ(Eduardo Sasha, 1992)[PK]
(GRE) : 53' #28 ジェメルソン(Jemerson, 1992)[#10 クリスタウド(Cristaldo, 1996)]
(RBB) : 63' #54 ヴィニシーニョ(Vinicinho, 2004)[]

今節前の順位

RBブラガンチーノ(RBB)は全国選手権8勝6分10敗勝点30の11位。(1試合未消化)
グレミオ(GRE)は全国選手権8勝3分12敗勝点27の15位。(2試合未消化)

得点シーン

(GRE) : 28' #11 ミゲル・モンサルベ(Miguel Monsalve, 2004)[#22 ブライトバイテ(Braithwaite, 1991)]
アタッキングサード入口左サイドライン際からのボールを一列内側のレーンで受けたMFミゲル・モンサルベがMFクリスタウドへボールを預け横から縦へとランニング。MFクリスタウドからPA手前を真横に送られたボールをFWブライトバイテが斜め前方に折り返すと、そこに駆け上がったMFミゲウ・モンサルベが間合いを詰めるGKの頭上を越すカヴァジーニャ。ボールは無人のゴールに吸い込まれグレミオが先制。[0-1]
   FWミゲル・モンサルベは、2023U-20南米ユース選手権(9試合2アシスト)、2023U-20W杯(4試合1アシスト)でのコロンビア代表選手。2024年7月にグレミオに加入すると、8月4日のクラブデビュー以来、8試合で3得点2アシストの活躍。現在はスタメンに定着した。
(RBB) : 44' #19 エドゥアルド・サーシャ(Eduardo Sasha, 1992)[PK]
左サイドを相手陣に入った位置からSBギリェルミが縦にボールを送る。MFジョン・ジョンが反応しPA内左をボールを持ち運ぼうとするがゴールライン際で転倒。このプレーにVARが介入、マークについたDFにMFジョン・ジョンが襟元を引っ張られ転倒したシーンが検出されRBブラガンチーノにPKが与えられる。これをFWエドゥアルド・サーシャがゴール中央へ蹴り込み、RBブラガンチーノが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   FWエドゥアルド・サーシャは、インテルナシオナウ育成出身で、2010年9月全国選手権にて18歳のプロデビュー。2013年期限付き移籍先のゴイアスにて45試合10得点1アシストを記録。以降は、インテルナシオナウ、サントス、アトレチコ・ミネイロと名門クラブを遍歴し、数多くの監督のもとコンスタントに試合に出場。RBブラガンチーノには2023年3月末に加入し、同年は41試合に出場し16得点のキャリアハイ。今季は約3週間の離脱期間があったものの、今節終了時点で39試合10得点3アシストを記録している。
(GRE) : 53' #28 ジェメルソン(Jemerson, 1992)[#10 クリスタウド(Cristaldo, 1996)]
相手陣PA内右でFWソテウドが一度仕掛け、PA入口のSBジョアン・ペドロへボールを戻すと、SBジョアン・ペドロは縦にゴールラインに向けボールを送る。これに反応したMFクリスタウドがゴールライン際からゴール前中央へ柔らかいクロス。CBジェメルソンが逆サイドから絞り気味にポジションを変え頭を合わせゴールネットを揺らす。[1-2]
   CBジェメルソンは、アトレチコ・ミネイロ育成出身で、2013年7月の全国選手権にて20歳のプロデビュー。2015年にはレギュラーとして59試合6得点を記録、2016年1月末にモナコ/FRAへ1100万ユーロにて移籍する。モナコでは2016年2月‐2020年10月に153試合に出場し、2016/17年は54試合2得点の成績でチームのリーグ・アン制覇に貢献。モナコでの最終年以降成績は低迷するが、2022年に加入したアトレチコ・ミネイロでは2023年に54試合に出場。グレミオには2024年7月に完全移籍で加入、これまで8試合に出場。このゴールはグレミオでの嬉しい初ゴール。
(RBB) : 63' #54 ヴィニシーニョ(Vinicinho, 2004)[]
相手陣PA右の位置で相手DFの処理ミスを見逃さずFWヴィニシーニョがボールを掻き出し、サイドライン際まで流れたボールを確保。ここからドリブルでPAに侵入し左足を一閃。ボールはファーサイドのゴールポストの内側へ一直線のコースをたどるゴラッソ。RBブラガンチーノが再び試合を振り出しに戻す。[2-2]
   FWヴィニシーニョは、デスポルチーヴォ・ブラジルからの期限付き移籍により、2024年序盤はRBブラガンチーノBチームでプレーした後、同年4月にRBブラガンチーノへ完全移籍。7月に途中交代ながら4試合に出場すると、8月に入り出番はさらに増え、このゴールは14試合目にしてプロ初ゴール。2024年は今節終了時点で14試合1得点。まだ線の細さを感じさせるが、高い足元の技術とスピードが魅力のウィンガー。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:48% 52% ⇒ 前後半:46% 54%
シュート(枠内): 前半:12‐3(2‐1) ⇒ 前後半:23‐8(6‐4)
パス成功率: 前半:80% 82% ⇒ 前後半:78% 80%
ファール: 前半:7‐3 ⇒ 前後半:12‐7
黄カード(赤): 前半:2‐0 ⇒ 前後半:5‐1

   RBブラガンチーノ(RBB)は、前節バイーア戦にて7試合ぶりの勝利。ケガ人が相次ぎ苦しい戦いが強いられる中、中断期間中に今季絶好調のFWエリーニョ(Helinho, 2000)をトルーカ/MEXへ1500万USD(約21億円)にて売却。カップ戦はコパ・スウアメリカーナもコパ・ド・ブラジルもすでに敗退しており、来季以降に向けた選手発掘等の取り組みがクラブの優先事項になっているようだ。
   今節は、MFリンコン(Lincoln,1998)が出場停止。ケガ人が相次ぐ両サイドバックは右にVOLが本職のジャジソン、左に2試合ぶりにSBギリェルミを起用する。
   RBブラガンチーノ(RBB)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKクレイトン(Cleiton, 1997)
   4 : 右SBジャジソン(Jadsom, 2001)、CBドウグラス・メンデス(Douglas Mendes, 2004)、CBジャジソン(Jadsom, 2001)、CBルーカス・クーニャ(Lucas Cunha, 1997)、※左SBギリェルミ(Guilherme, 2002)
   3 : VOLハウーウ(Raul, 1996)、VOLルーカス・エヴァンジェリスタ(Lucas Evangelista, 1995)、MFジョン・ジョン(Jhon Jhon, 2002)
   3 : ※FWモスケラ(Mosquera, 2001)、FWエドゥアルド・サーシャ(Eduardo Sasha, 1992)、FWヴィチーニョ(Vitinho, 1999)

   グレミオ(GRE)は、前節アトレチコ・ミネイロ戦を2-3の敗戦。前半の2点のリードを後半アディショナル+5分、+6分の連続失点で逆転負けを喫した。
   今節は、CBグスタヴォ・マルチンス(Gustavo Martins, 2002)、CBカネマン(Kannemann, 1991)の両CBが出場停止。さらにはCBホドリゴ・エリー(Rodrigo Ely, 1993)がウォームアップ中のケガ。代わって、CBホドリゴ・カイオとCBジェメルソンがコンビを組む。
   グレミオ(GRE)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKマルチェシン(Marchesín, 1988)
   4 : 右SBジョアン・ペドロ(João Pedro, 1996)、※CBホドリゴ・カイオ(Rodrigo Caio, 1993)、※CBジェメルソン(Jemerson, 1992)、左SBヘイナウド(Reinaldo, 1989)
   2 : VOLビジャサンチ(Villasanti, 1997)、VOLドッジ(Dodi, 1996)
   3 : FWミゲル・モンサルベ(Miguel Monsalve, 2004)、MFクリスタウド(Cristaldo, 1996)、FWソテウド(Soteldo, 1997)
   1 : FWブライトバイテ(Braithwaite, 1991)

   ホームのRBブラガンチーノが立ち上がりから相手陣深くまで攻め込む。前半3分、左サイド深い位置からの低いクロスボールは、クリアを試みるDFの腕にボールが当たり、RBブラガンチーノの選手はハンド、PKを主張するが、オンフィールドレビューの結果、主審はノーファールの判定を下す。
   ホームのRBブラガンチーノは、高い位置での精力的なプレスでボールの出どころにプレッシャーをかけ、グレミオのビルドアップを断ち切る場面が散見される。
   前半15分、RBブラガンチーノは相手陣PA手前でFWエドゥアルド・サーシャがボールを掻き出すと、そのこぼれ球を拾ったFWモスケラがシュートに持ち込むが、当たりが弱く、GKマルチェシンがしっかりとキャッチ。
   前半20分を過ぎ、RBブラガンチーノのプレスがやや弱まると、グレミオが相手陣でボールを回すようになり、前半22分、左サイドライン際を起点にPA手前中央に送られたボールを右SBジョアン・ペドロが思い切りよくミドルシュート。
   さらに前半27分には、左サイドライン際でのワンタッチのパス交換からDFラインを崩し、PA内ゴールライン際からゴール前にクロスボールを送るが、ボールは誰にも合わず流れていく。
   前半28分、グレミオはまたもや左サイドを起点にしたテンポのいいパス回しから、最後はMFミゲル・モンサルベがGKの頭上を越すカヴァジーニャで待望の先制点。[0-1]
   リードを奪われたRBブラガンチーノは、すぐさま主導権を取り戻し、左右にボールを散らしながら、鋭い縦パスを挟み、相手ゴールに相次いで迫る。すると、前半38分、左SBギリェルミのスルーパスに反応したMFジョン・ジョンがPA内で倒され、VARの介入後にPKを獲得。前半44分、FWエドゥアルド・サーシャがこのPKを決めRBブラガンチーノが前半のうちに試合を振り出しに戻す。[1-1]
   後半8分、グレミオはPA内右サイドでのFWソテウドの個人技を起点にSBジョアン・ペドロとMFクリスタウドとの連係で守備陣を崩すと、ゴール前に上げられたMFクリスタウドの柔らかいボールをCBジェメルソンが高さのあるヘディングシュートでゴールネットを揺らし、再びグレミオがリードする。[1-2]
   リードを許したRBブラガンチーノは、後半10分にFWチアゴ・ボルバス(Thiago Borbas)、後半15分にFWヴィニシーニョ(Vinicinho, 2004)とフォワード陣投入。
   後半18分、ピッチに立ったばかりのFWヴィニシーニョが相手DFの処理ミスを見逃さずボール奪取。そのままドリブルでPAに侵入し、プロ初ゴールの同点弾でRBブラガンチーノが同点に追いつく。
   後半29分、グレミオMFクリスタウドのDFに当たりコースが変わる難しいシュートをRBブラガンチーノGKクレイトンがストップ。
   後半34分、RBブラガンチーノFWヴィニシーニョのスルーパスに抜け出したFWエドゥアルド・サーシャのシュートをグレミオGKマルチェシンがストップ。
   両チーム選手交代により攻撃的な選手を次々とピッチに送り出し、試合はややオープンな展開に向かうが、いずれも決勝ゴールを奪うには至らず、2-2のまま試合はタイムアップ。
   降格圏のやや上の順位に停滞する両チームの一戦は、勝点「1」を痛み分ける結果に終えた。

   RBブラガンチーノは、最近の相手にボールを支配される"らしくない"試合展開を脱却し、久しぶりに高い位置でのプレスから相手陣で試合を運ぶ積極的な"らしい"試合を展開。守備面の甘さから2失点を喫し引き分けに終えたものの、今節のような試合を継続し、精度を上げていってもらいたい。
   次戦は、一週間後の9月22日に全国選手権第27節アウェイでのアトレチコ・ミネイロ戦。日程面での優位を生かしたい。
   グレミオは、年初、年央の補強により獲得したFWソテウドやFWブライトバイテ、MFミゲル・モンサルベに、昨年から司令塔として君臨するMFクリスタウドが有機的に連係する攻撃力の高さを随所に見せたものの、ビルドアップに苦しみ、最終ラインのミスに起因する2失点で、2度のリードを守り切れず引き分けに終えた。リベルタドーレス、コパ・ド・ブラジルを敗退し、全国選手権は下位に低迷する現在、残り14試合をどのようなコンセプトで戦うのだろうか。
   次戦は、一週間後の9月22日に全国選手権第27節、ホームにフラメンゴを迎える。
   

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