クラブ別2022年振り返り:グレミオ (Grêmio)

投稿者: | 2023年1月14日

グレミオ (Grêmio)

正式名称:Grêmio Foot-Ball Porto Alegrense

略称:CRU

創立:1903年

本拠:リオグランジドスル州 ポルトアレグレ

《 主要タイトル 》

タイトル優勝回数優勝年
ブラジル全国選手権21996, 1981
コパ・ド・ブラジル52016, 2001, 1997,
1994, 1989
コパ・リベルタドーレス32017, 1995, 1983
インターコンチネンタルカップ11983

《 直近3年成績(2020年-2022年) 》

大会2022年成績2021年成績2020年成績
ブラジル全国選手権17位6位
ブラジル全国選手権2部2位
コパ・ド・ブラジル1回戦敗退準々決勝敗退準優勝
コパ・リベルタドーレス予備予選敗退準々決勝敗退
コパ・スウアメリカーナベスト16敗退
リオグランジドスル州選手権優勝優勝優勝
各大会の概要は、当ブログ記事「主要大会と年間日程」を参照ください。

《 全国選手権 順位推移(2006年-2022年) 》

現行レギュレーション(20チームによるホーム&アウェア方式2回戦総当たり)で開催された2006年以降の全国選手権順位推移です。

《 2022年 》

<戦績>

大会試合数勝数引分数敗数得点失点得失点差勝点率(%)順位
全国選手権2部381714750262457.02位
コパ・ド・ブラジル100123-10.01回戦敗退
州選手権1593324121266.7優勝
   5426171176413558.6

<全国選手権2部 年間順位推移>

<振り返り>

 2022年の監督は、2021年10月15日に就任したヴァギネル・マンチーニ(Vágner Mancini)氏が引き続き務める。しかし、マンチーニ監督は就任後、指揮を執った14試合で6勝2分6敗勝ち点20の成績を残したものの、降格を回避できなかったことからサポーターは不満を募らせる。

【州選手権】

 1月26日に開幕した州選手権は初めの2試合を若手中心のチームで監督代行が指揮を執るが1勝1分の成績を残す。
 第3節以降は、前年から残留した選手をベースに新加入選手をスタメン、途中交代で起用し、連携を深め3連勝を収める。
 ところが、2月13日の第6節、全国選手権1部のジュヴェントゥージとの対戦で1-1の引き分けに終わると、クラブはヴァギネル・マンチーニ監督を解任。2022年を4試合3勝1分、前年を含めると18試合9勝3分6敗の成績を残しマンチーニ監督はグレミオを去る。
 2月14日、クラブはホージェル・マシャード(Roger Machado, 2004-5年ヴィッセル神戸)氏を監督に迎える。
 チームは3月9日第9節アウェイでのクラシコ、インテルナシオナウ戦に0-1で敗れたものの、インテルを上回る2位でグループラウンドを終える。
 決勝ラウンド1回戦(準決勝)はインテルナシオナウとの再戦。
 1stレグ(3月19日アウェイ)。前半10分、自陣PA手前からのニコラス(Nicolas)のパスをディフェンスラインの裏で受けたエリアス・マノエウ(Elias Manoel)が相手GK/GOLとの一対一を冷静に決め先制点を奪う。前半22分にはビテロ(Bitello)が相手クリアボールが短くなったところを奪いミドルシュート。ゴラッソで追加点。後半27分にはジエゴ・ソウザ(Diego Souza)がPKを決め3-0と完勝。
 2ndレグ(3月23日ホーム)は、0-1で落としたもの、2試合合計3-1のスコアで決勝に進出する。
 決勝戦の相手は、グループラウンドを1位通過した全国選手権3部のイピランガRS。
 3月26日アウェイでの1stレグ、カウンターから何度か相手ゴールに迫るが3度ゴールポストに嫌われるなど得点が生まれない。しかし、後半43分にルーカス・シウヴァ(Lucas Silva)がPKを決め1-0の勝利。
 4月2日ホームでの2ndレグ。前半AT、カンパス(Campaz)が直接狙ったFKはクロスバーに嫌われる。しかし、その跳ね返りをCB/ZAGホドリゲス(Rodrigues)が頭でゴール前にボールを送り、CB/ZAGブルーノ・アウヴェス(Bruno Alves)が頭でゴールネットに突き刺し貴重な先取点を奪う。後半33分、FKからヴィジャサンチ(Villasanti)がダイレクトにあわせるがGK/GOLの好守に阻まれる。しかし、その跳ね返りをホドリゲスが右足で押し込み、2試合合計で3-0とリードを広げる。その後1点を失うが、決勝戦を2連勝で終え、州選手権5連覇を達成する。

【コパ・ド・ブラジル】

 3月1日、1回戦の相手は全国選手権3部のミラソウ。CBFランキング上位のグレミオは引き分けでも2回戦進出となる一戦。
 前半5分、強烈な相手ミドルシュートをGK/GOLブレーノが両手で弾き返すがそのボールを頭で合わされ早くも失点。前半19分にCKからジエゴ・ソウザ、前半22分にFKからブルーノ・アウヴェスがゴールをマークし、2-1と試合を逆転する。しかし、前半29分、右サイドからのクロスで失点。後半8分には相手センターフォワードの個人技にやられ2-3と逆転を許す。後半14分に相手に退場者が出るが得点を奪うことができず、コパ・ド・ブラジルを1回戦で後にする。

【全国選手権2部】

 1年での1部復帰をミッションとするホージェル監督は、守備では4-4の2ラインをコンパクトに保ち、相手陣でボールを失った際は、中央を固め、ボールをサイドへ押し出すようにプレスをかけ、ボールを奪うと素早く前にボールを運ぶ守備的な戦術を採用する。
 4月9日開幕節、4月15日第2節をCFジエゴ・ソウザをケガで欠き2試合連続の無得点に終わる。
 第3節にケガから復帰したジエゴ・ソウザの3得点の活躍でシーズン初白星をあげると、そこから3連勝を記録し首位に立つ。
 翌第6節に敗れ首位を陥落したものの、守備的で手堅い戦術が功を奏し第7節以降折り返し点となる第19節まで不敗を記録、1部昇格圏の4位で前半戦を折り返す。しかし、前半の19試合で無得点試合が8試合、9引き分けを数えるなど、ホージェル監督の守備的でゴールの少ない戦術にサポーターは不満を抱える。
 後半戦に入っても不敗記録は続き、第23節には16位のオペラーリオを相手に5-1と大勝し、連続不敗試合数を17に伸ばす。
 しかし、この試合を機にチームのバランスが崩れ、1引き分けを挟み3連敗、この4試合のうち3試合を無得点で終えると、サポーターの声に後押しされるようにクラブはホージェル監督を解任。2017・2018年のコパ・ド・ブラジルを連覇、2017年リベルタドーレスを制したヘナト・ガウーショ(Renato Gaúcho)氏を監督に招聘する。
 ヘナト監督は第29節から指揮を執り、10試合を5勝3分2敗の成績を残し、全国選手権2部で2位を確保し、グレミオの1年での1部復帰を実現した。
   選手権前半 :   8勝 9分 2敗、得点19失点 6
   選手権後半 :   9勝 5分 5敗、得点31失点20
   選手権合計 :  17勝14分 7敗、得点50失点26

<チーム内個人成績・記録>

* 参照元:サッカーサイト「Ogol」

記録選手公式戦計全国選手権ブラジル杯州選手権
最多試合出場ブルーノ・アウヴェス
(Bruno Alves)
– CB/ZAG
4834113
(2位)ビテロ
(Bitello)
– MF/MEI
4836111
(3位)ジェロメウ
(Geromel)
– CB/ZAG
4634111
最多出場時間ブルーノ・アウヴェス
(Bruno Alves)
– CB/ZAG
41492934901125
(2位)ジェロメウ
(Geromel)
– CB/ZAG
4041296190990
(3位)ヴィジャサンチ
(Villasanti)
– VOL
355827420816
最多得点ジエゴ・ソウザ
(Diego Souza)
– FW/ATA
191414
(2位)ビテロ
(Bitello)
– MF/MEI
10802
(3位)エリアス・マノエウ
(Elias Manoel)
– FW/ATA
9205
最多アシストニコラス
(Nicolas)
– 左SB/LTE
10523
(2位)ビエウ
(Biel)
– FW/ATA
6600
(3位)ジエゴ・ソウザ
(Diego Souza)
– FW/ATA
5500
最多デュエル勝利ヴィジャサンチ
(Villasanti)
– VOL
117
(2位タイ)ジエゴ・ソウザ
(Diego Souza)
– FW/ATA
108
(2位タイ)ビエウ
(Biel)
– FW/ATA
108
最多キーパスビテロ
(Bitello)
– MF/MEI
36
(2位)ビエウ
(Biel)
– FW/ATA
32
(3位タイ)ジエゴ・ソウザ
(Diego Souza)
– FW/ATA
29
(3位タイ)ニコラス
(Nicolas)
– 左SB/LTE
29
最多CBIジェロメウ
(Geromel)
– CB/ZAG
153
(2位)ブルーノ・アウヴェス
(Bruno Alves)
– CB/ZAG
94
(3位)ヴィジャサンチ
(Villasanti)
– VOL
70
※
デュエル勝利 : 一対一でのイーブンボールの奪い合いでボールを獲得すること
キーパス : パスの受け手がシュートを打てた時にカウントされる指標
CBI : クリア、ブロック、インターセプト

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