【ブラジル全国選手権2024】第28節(1/2)[09/28-29]

投稿者: | 2024年9月28日

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全国選手権第28節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/09/28 パウメイラス(PAL) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
・2024/09/28 ボタフォゴ(BOT) x グレミオ(GRE)
・2024/09/29 ジュヴェントゥージ(JUV) x RBブラガンチーノ(RBB)
・2024/09/29 サンパウロ(SAO) x コリンチャンス(COR)
・2024/09/29 フォルタレーザ(FOR) x クイアバ(CUI)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第28節(2/2)[09/28-29]
・2024/09/29 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) x フルミネンセ(FLU)
・2024/09/29 インテルナシオナウ(INT) x ヴィトーリア(VIT)
・2024/09/29 クルゼイロ(CRU) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
・2024/09/29 
バイーア(BAH) x クリシウーマ(CRI)
・2024/09/29 フラメンゴ(FLA) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)

全国選手権第28節 試合概要

パウメイラス(PAL) 2-1 アトレチコ・ミネイロ(CAM)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=P4YQnlbTyec
(PAL) : 45+2' #23 ハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)[PK]
(CAM) : 68' #7 フッキ(Hulk, 1986)[FK]
(PAL) : 86' #23 ハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)[PK]

今節前の順位

パウメイラス(PAL)は全国選手権16勝5分6敗勝点53の2位。
アトレチコ・ミネイロ(CAM)は全国選手権9勝9分7敗勝点36の9位。(2試合未消化)

得点シーン

(PAL) : 45+2' #23 ハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)[PK]
右CKから中盤までボールを下げると、中央へボールを送り、FWフェリピ・アンデルソンがグラウンダーの鋭いパスをゴールエリア右へ送る。MFマウリシオが抜け出しシュートに持ち込もうとするところを、DFが背後から肩に手をかけMFマウリシオのバランスを崩す。MFマウリシオのシュートはGKエヴェルソンが弾き返すが、主審はその手前のプレーをファールと判断しPKを告げる。このPKをMFハファエウ・ヴェイガがゴール左に決め、ホームのパウメイラスが先制する。[1-0]
   MFハファエウ・ヴェイガは、ブラジル代表として2026W杯南米予選3試合など計6試合に出場。コリチバ育成出身で、2016年3月に18歳のプロデビュー。翌2017年に加入したパウメイラスにて2020年にレギュラーの座を掴み、チームの中核として多くのタイトルを獲得。2024年はチームのリベルタドーレス、コパ・ド・ブラジル敗退後の新システムでレギュラーの座を外れるが、直近の4試合で3得点をマーク。主力として数多くのタイトルを獲得した経験は、チームの全国選手権3連覇に向けて必要不可欠な存在と言える。
(CAM) : 68' #7 フッキ(Hulk, 1986)[FK]
ゴール正面やや右、ゴールまで約25mの地点でのFK。FWフッキが直接狙ったシュートは、壁を越え、ゴール右へと流れながら落ちるボール。GKウェヴェルトンが一歩も動けないボールはサイドネットを揺らすゴラッソ。アトレチコ・ミネイロが試合を振り出しに戻す。
   FWフッキは、2014W杯などブラジル代表として49試合11得点5アシストの成績を残す。ヴィトーリアにてプロサッカー選手のキャリアをスタートさせると、日本、ポルトガル、ロシア、中国にてプレー。2021年7月にアトレチコ・ミネイロに入団すると、チームのコパ・ド・ブラジル制覇に貢献。7月に38歳を迎えた2024年も今節終了時点で39試合17得点8アシストを記録中。
(PAL) : 86' #23 ハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)[PK]
相手陣中央でのボール争奪戦から右サイドPA手前にボールが送られると、FWドゥドゥ(Dudu, 1992)がドリブルを仕掛けPAに侵入、FWドゥドゥがDFのスライディングタックルで脛を蹴られ転倒すると主審はPKの判定。このPKをMFハファエウ・ヴェイガが再びゴール左に決め、パウメイラスが勝ち越す。[2-1]

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:44% 56% ⇒ 前後半:42% 58%
シュート(枠内): 前半:5‐1(5‐1) ⇒ 前後半:15‐6(8‐3)
パス成功率: 前半:80% 79% ⇒ 前後半:79% 82%
ファール: 前半:9‐3 ⇒ 前後半:15‐10
黄カード(赤): 前半:2‐2 ⇒ 前後半:2‐2

   パウメイラス(PAL)は、現在全国選手権は4試合連続無失点で5連勝中。連勝中は複数得点も続いていたが、前節はFWエステヴォンをケガで欠き、攻撃の威圧感が減り、好調FWフラッコ・ロペスの相手のミスをついたゴールの1得点に終えた。
   今節は、VOLヒシャルジ・ヒオス(Richard Rios, 2000)とVOLゼ・ハファエウ(Zé Rafael, 1993)が出場停止のため、VOLファビーニョがVOLアニバル・モレノの相方を務める。FWエステヴォン(Estêvão, 2007)は、太もものケガが癒えず今節もベンチ外。
   パウメイラス(PAL)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKウェヴェルトン(Weverton, 1987)
   4 : 右SBジアイ(Giay, 2004)、CBグスタボ・ゴメス(Gustavo Gómez, 1993)、CBムリーロ(Murilo, 1997)、※左SBカイオ・パウリスタ(Caio Paulista, 1998)
   2 : VOLアニバル・モレノ(Anibal Moreno, 1999)、※VOLファビーニョ(Fabinho, 2002)
   3 : MFマウリシオ(Maurício, 2001)、MFハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)、FWフェリピ・アンデルソン(Felipe Anderson, 2003)
   1 : FWフラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)

   アトレチコ・ミネイロ(CAM)は、週中のリベルタドーレス準々決勝にて、フルミネンセを相手に圧倒的な内容で2-0の勝利。1stレグでの1点のビハインドを跳ね返し、準決勝進出を決めた。
   リベルタドーレスで負傷退場のMFベルナールは膝前十字靭帯損傷と診断され今季絶望。スタメンを務めたCBリヤンコ(Lyanco, 1997)は精神的なコンディション不良のため欠場。FWパウリーニョ(Paulinho, 2000)は疲労が蓄積し遠征に帯同していない。一方でリベルタドーレスにて途中出場から2得点をマークしたFWデイヴェルソンがスタメンに起用される。
   アトレチコ・ミネイロ(CAM)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合(リベルタドーレス)のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKエヴェルソン(Éverson, 1990)
   4 : ※右SBブルーノ・フッキス(Bruno Fuchs, 1999)、CBバターリャ(Battaglia, 1991)、CBジュニオール・アロンソ(Júnior Alonso, 1993)、※左SBフーベンス(Rubens, 2001)
   2 : VOLアラン・フランコ(Alan Franco, 1998)、VOLファウスト・ベラ(Fausto Vera, 2000)
   2 : ※MFイゴル・ゴメス(Igor Gomes, 1999)、MFグスタヴォ・スカルパ(Gustavo Scarpa, 1994)
   2 : FWフッキ(Hulk, 1986)、※FWデイヴェルソン(Deyverson, 1991)

   前半8分、パウメイラスはMFハファエウ・ヴェイガの右CKがファーサイドに流れたところをCBムリーロが頭で押し込みゴールネットを揺らす。しかし、主審は、VOLファビーニョのGKエヴェルソンへのファールを取り、ゴールは認められない。
   相手陣でのプレスを強めるパウメイラスは、前半18分に、相手陣中央でCBムリーロがパスカットしたボールをダイレクトに縦に送ると、FWフラッコ・ロペスがゴール前に抜け出す。GKエヴェルソンが素早く間合いを詰めFWフラッコ・ロペスがシュートブロック。こぼれ球を即座に抑え込みピンチを逃れる。
   パウメイラスは、前半34分、自陣高い位置で左SBカイオ・パウリスタが相手のパスをカット、こぼれ球を拾ったMFマウリシオからのボールを受けたFWフェリピ・アンデルソンがスルーパス。PA手前からFWフラッコ・ロペスが強烈なシュートを放つが、またもやGKエヴェルソンが両手でボールを弾きゴールを割らせない。
   なかなか攻撃の糸口を探りだせないアトレチコ・ミネイロは、前半42分、相手陣半ば左サイドでの細かいパス交換から中央に送られたボールに、VOLファウスト・ベラがゴールまで約30mの弾道の低いロングシュート。GKウェヴェルトンは自身の手前でバウンドする難しいボールを難なく処理する。
   直後の前半43分、パウメイラスは、FWフラッコ・ロペスが約30mのロビングのシュート。ボールは枠を捉えるが、GKエヴェルソンが辛うじてボールをクロスバーの上に掻き出す。続くCK。MFハファエウ・ヴェイガが相手陣中盤までボールを下げ、FWフェリピ・アンデルソンがPA内へ鋭いパス。シュートに持ち込もうとするMFマウリシオが背後から肩を引っ張られ主審はPKの判定。このPKをMFハファエウ・ヴェイガが決め、パウメイラスがリードを奪い前半を終える。[1-0]
   後半もパウメイラスが前半の勢いを保ち、後半5分に相手陣内入口からのCBグスタボ・ゴメスのPA内へのフィードにMFハファエウ・ヴェイガが頭を合わせる。しかし、ボールは枠を捉えない。
   後半15分、アトレチコ・ミネイロは、中盤にSBギリェルミ・アラーナ、前線にFWカドゥ(Cadu, 2004)を投入。中盤に厚みを増したことで試合を均衡状態に持ち込んでいく。
   すると、後半23分、アトレチコ・ミネイロは、ゴール正面やや右、ゴールまで約25mの地点でFKを獲得。FWフッキが、壁を越えるとゴール右へと流れながら落ちるボールをサイドネットに決めるゴラッソ。アトレチコ・ミネイロが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   追いつかれたパウメイラスは、後半27分に速攻から、後半31分にはCKから相次いでアトレチコ・ミネイロゴールを襲うと、アトレチコ・ミネイロも後半38分、VOLファウストベラの弾道の低い強烈なミドルシュート、GKが弾いたボールにFWバルガス(Vargas, 1989)が詰めるが、GKウェヴェルトンがボールを抑え事なきを得る。
   後半40分、パウメイラスは、FWドゥドゥが相手PA内へドリブルを仕掛けたところを脛を蹴られ転倒。主審はPKの判定を下し、このPKを再びMFハファエウ・ヴェイガが決め決勝点。[2-1]
   パウメイラスは残り時間にアトレチコ・ミネイロの反撃を許さず試合を締め、2-1の勝利。この時点でこの後に試合を迎えるボタフォゴを抑え首位に立った。

   パウメイラスは、全国選手権破竹の6連勝。とは言え、前節は相手ミスを突いたゴール、今節は2本のPKによる得点。多くのチャンスを作り出してはいるが、最後の詰めに欠ける印象が残った。FWエステヴォンの復帰が待ち望まれる。
   次戦は、10月5日に全国選手権第29節RBブラガンチーノ戦がアウェイで予定されている。
   アトレチコ・ミネイロは、リベルタドーレスでの激闘から中2日で迎えた試合。今節終了後中3日でコパ・ド・ブラジル準決勝ヴァスコ・ダ・ガマ戦1stレグも控え、一部の主力選手を控えに回したこともあり、相手に試合の主導権を握られ、ゴールはFWフッキのFKを直接決めたゴラッソの1点のみに終えた。
   次戦は、上述の通り、中3日の10月2日にコパ・ド・ブラジル準決勝ヴァスコ・ダ・ガマ戦1stレグをホームにて開催。
   全国選手権第29節は、一週間後の10月5日にヴィトーリアをホームに迎える。

ボタフォゴ(BOT) 0-0 グレミオ(GRE)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=7BFfns1LUMs

今節前の順位

ボタフォゴ(BOT)は全国選手権17勝5分5敗勝点56の首位。
グレミオ(GRE)は全国選手権9勝4分13敗勝点31の14位。(1試合未消化)

得点シーン

N/A

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:57% 43% ⇒ 前後半:63% 37%
シュート(枠内): 前半:7‐6(1‐3) ⇒ 前後半:15‐10(3‐4)
パス成功率: 前半:88% 83% ⇒ 前後半:89% 79%
ファール: 前半:5‐7 ⇒ 前後半:10‐14
黄カード(赤): 前半:1‐0 ⇒ 前後半:2‐3(0‐1)

   ボタフォゴ(BOT)は、週中のリベルタドーレス準々決勝サンパウロ戦にて1-1。1stレグでの0-0に続き引き分けに終え、PK戦へと持ち込まれたが、GKジョン・ヴィクトルが相手のPKを一本止めるなど5-4と上回り、準決勝へ駒を進めた。
   全国選手権は、リベルタドーレスの4試合を挟みながらも、最近の5試合を4勝1分と勝点を積み上げ、首位に立っている。
   今節は、出場停止選手や新たなケガ人はいないものの、リベルタドーレスの激闘から、代表初招集を受けたFWイゴル・ジェズス(Igor Jesus, 2001)など、スタメン5選手を変更し試合に入る。
   ボタフォゴ(BOT)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合(リベルタドーレス)のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKジョン・ヴィクトル(John Victor, 1996)
   4 : 右SBヴィチーニョ(Vitinho, 1999)、CBバストス(Bastos, 1991)、CBアレキサンデル・バルボサ(Alexander Barboza, 1995)、※左SBマルサウ(Marçal, 1989)
   2 : ※VOLダニーロ・バルボーザ(Danilo Barbosa, 1996)、※VOLチェチェー(Tchê Tchê, 1992)
   3 : FWルイス・エンヒキ(Luiz Henrique, 2001)、MFティアゴ・アルマダ(Thiago Almada, 2001)、※FWマテウス・マルチンス(Matheus Martins, 2003)
   1 : ※FWチキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)

   グレミオ(GRE)は、リベルタドーレス敗退後の5試合を2勝1分2敗。センターバックが出場停止やケガなどの理由により日替わりでメンバーが変更され、守備面でやや不安定な状況に陥っている。
   今節は、最近の2試合にて途中出場ながら1得点1アシストを記録するFWジエゴ・コスタ(Diego Costa, 1988)が出場停止。FWソテウド(Soteldo, 1997)は疲労の蓄積が考慮されベンチ外。前節ゴールを決めたFWエデニウソンと、途中出場が続くFWアラベナがスタメンに抜擢される。
   グレミオ(GRE)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合(第5節)のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKマルチェシン(Marchesín, 1988)
   4 : 右SBジョアン・ペドロ(João Pedro, 1996)、CBグスタヴォ・マルチンス(Gustavo Martins, 2002)、※CBカネマン(Kannemann, 1991)、左SBヘイナウド(Reinaldo, 1989)
   3 : VOLビジャサンチ(Villasanti, 1997)、MFクリスタウド(Cristaldo, 1996)、※VOLペペー(Pepê, 1998)
   3 : ※FWエデニウソン(Edenílson, 1989)、FWブライトバイテ(Braithwaite, 1991)、※FWアラベナ(Aravena, 2002)

   立ち上がりは、アウェイのグレミオが積極的な試合を展開。高い位置でのプレスからリズムを掴むと、相手陣深くへボールを持ちこみ、前半7分、ゴールエリア左ゴールライン際に飛び出したFWエデニウソンが角度のない位置からシュートに持ち込むと、クリアされたボールをMFクリスタウドが回収し、左サイドからゴール前にクロス。FWエデニウソンが今度は頭でシュートに持ち込むが、ボールは僅かにクロスバーを越える。
   前半14分、グレミオは自陣から相手陣へ大きくボールを蹴りだすと、ボールを追うSBジョアン・ペドロに、ボタフォゴCBバストスのスライディングタックル。このプレーに対し主審はイエローカードを提示するが、グレミオ選手は得点機会阻止による退場を要求し、一時混乱する。
   さらに前半18分には、ボールのない所でボタフォゴCBアレキサンデル・バルボサがグレミオFWブライトバイテに大外刈り。FWブライトバイテは背中から倒され一本かと思われたが、しばらくグランドに倒れ込むFWブライトバイテをよそ目に主審もVARもこのプレーに言及せず、グレミオはストレスを強めていく。
   前半20分を過ぎると、ボタフォゴが次第にボールを支配。前半21分に左SBマルサウのゴール前ファーサイドのクロスボールに、右SBヴィチーニョがフリーの体勢でスタンディングのままヘディングシュート。しかし、ファーサイドを狙ったボールは枠を捉えず、決定的な好機を逸する。
   ボールを握られる時間が続いたグレミオは、前半40分、最終ラインからの縦のボールをライン間でサイドに流れながら受けたVOLビジャサンチが前を向き、最終ライン裏へ抜け出しを図るFWブライトバイテへスルーパス。FWブライトバイテはPA入口右からシュートに持ち込むが、ボールはファーサイドのゴールポストの外へと僅かに流れていく。
   後半立ち上がりは、互いに決定機を作り出す。
   後半4分、ボタフォゴはゴール正面PA手前からFWルイス・エンヒキのシュートが僅かにクロスバーを越えると、対するグレミオは相手陣でのボール奪取からゴールライン際にボールを持ち上がった左SBヘイナウドが送ったマイナスのボールに、VOLビジャサンチがフリーの体勢でシュートを放つがボールはゴールポストの外へ流れる。
   後半25分、ボタフォゴ左SBアレックス・テレスがPA角から強烈なシュートを放つと、グレミオは後半26分、MFミゲル・モンサルベのペナルティアークから強烈なシュート、DFが頭を当てたボールはクロスバーを越える。
   ボタフォゴは、後半38分、ゴール正面やや右の位置で獲得したFKに、左SBアレックス・テレスが直接ゴールを狙うが、グレミオGKマルチェシンが辛うじてCKに逃れる。
   さらにボタフォゴは後半41分、右CKがファーサイドに流れたところを、ケガから復帰し2か月ぶりの試合となるFWジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)がDFのマークをかわしシュート性のクロス。ゴール前でCBバストスが右足でボールをゴールに押し込むが、惜しくもオフサイド。
   後半45分、ボタフォゴのスローイン時のポジショニング争いで、ボタフォゴSBヴィチーニョが大げさに倒れる。VARの介入より、グレミオMFミゲル・モンサルベが相手の腕を振り払った際に、腕が軽くSBヴィチーニョの顎に触れた場面が検出され、MFミゲル・モンサルベに一発退場の処分が下される。
   グレミオは、その後、DFを投入し守備固め。2度3度と追加でアディショナルタイムが加算される中、2分ほど早くタイムアップの笛が吹かれ試合は終了。
   立ち上がりからインテンシティが高く、交互に持ち味を見せた一方で、両チーム過熱し過ぎたプレーや、審判団の一貫性に欠く判定などもあり、後味の悪い試合は、両チームが勝点「1」を分け合った。

   ボタフォゴは、試合開始時点でパウメイラスに得失点差で上回られていたものの、勝点「1」を加算して首位をキープ。
   次戦は、全国選手権第29節が一週間後の10月5日、アウェイでのアトレチコ・パラナエンセ戦。
   グレミオは、主審の判定にナーバスになりながらも、アウェイでの首位ボタフォゴとの対戦で勝点「1」を獲得。降格圏までの勝点差を「4」に拡げ、一息つく状況に。最近不安定だった守備面も、高い位置でのプレスが機能するなど、大幅に立て直された。
   次戦は、10月4日に全国選手権第29節、ホームにフォルタレーザを迎える。

ジュヴェントゥージ(JUV) 1-1 RBブラガンチーノ(RBB)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=q0lWGFKgbQs
(JUV) : 48' #44 マンダカ(Mandaca, 2001)[#2 ジョアン・ルーカス(João Lucas, 1998)]
(RBB) : 85' #3 エドゥアルド・サントス(Eduardo Santos, 1997)[#31 ギリェルミ(Guilherme, 2002)]

今節前の順位

ジュヴェントゥージ(JUV)は全国選手権8勝8分11敗勝点32の12位。
RBブラガンチーノ(RBB)は全国選手権8勝8分11敗勝点32の11位。

得点シーン

(JUV) : 48' #44 マンダカ(Mandaca, 2001)[#2 ジョアン・ルーカス(João Lucas, 1998)]
自陣センターサークル手前からVOLジャジソンが相手陣右サイドへ大きくボールを送る。フリーのSBジョアン・ルーカスがゴール前に上げた精度の高いボールに、ゴール正面でDFを背中に抱えながらMFマンダカが右足を合わせると、ボールはゴールに吸い込まれ、ホームのジュヴェントゥージが先制する。[1-0]
   MFマンダカは、2019年1月CSPからパライバ州選手権にて17歳のプロデビュー。2020年9月にコリンチャンスU-20への期限付き移籍後、2021年3月に完全移籍へ移行。2021年5月サンパウロ州選手権にてコリンチャンスでのクラブデビューを果たし、デビュー戦でプロ初ゴールを記録するが、3試合に出場後はU-20チームへ主戦場が移り、その後はトップチームでの出場機会はなく、2022年4月ロンドリーナへ期限付き移籍となる。2023年1月ジュヴェントゥージへ期限付き移籍先が移ると、全国選手権2部にて序盤はスタメンに定着するなど、チームの1部昇格に少なからず貢献。2024年年初に完全移籍へ移行し、今季は交代出場が中心ながら、今節終了時点で36試合5得点1アシストを記録中。中盤のゲームメーカーとしての起用が多い。
(RBB) : 85' #3 エドゥアルド・サントス(Eduardo Santos, 1997)[#31 ギリェルミ(Guilherme, 2002)]
左CKからゴール前に送られたボールはDFのクリアに遭うものの、左サイドでボールを拾ったFWエドゥアルド・サーシャが後方にボールを戻し、SBギリェルミがゴール前にボールを送る。頭一つ抜けた打点の高いエドゥアルド・サントスのヘディングシュートがゴール左隅に決まり、土壇場でアウェイのRBブラガンチーノが同点に追いつく。
   CBエドゥアルド・サントスは、フルミネンセ育成出身の身長195cmでスピードのあるセンターバック。ブラジル国内でのデビューを待たず、期限付き移籍先のヘアウSC/PORから2018年2月にポルトガル2部にて20歳のプロデビュー。その後、複数の期限付き移籍を経て、2020年2月チェコのMFKカルヴィナ(MFK Karviná)へ完全移籍。2021/22年は期限付き移籍先のヴィクトリア・プルゼニ(Viktoria Plzeň)/CZEにてプレーオフでは連続してスタメン出場を果たしリーグ優勝に貢献する。RBブラガンチーノには2023年4月に期限付き移籍加入。相手陣での試合を標榜するチーム戦術のもと、広大に広がる自陣のスペースをカバーするスピードを買われレギュラーの座を掴むが、7月の試合中に前十字靭帯断裂の大ケガを負い残りのシーズンを棒に振る。しかし、RBブラガンチーノは買取オプションを行使し、2024年初に契約期間4年半の完全移籍へ移行。2024年4月に戦列復帰を果たすと、ローテーションで試合に起用され、今節終了時点で2024年は23試合に出場。このゴールは、今季初、2023年6月以来1年3か月ぶり、RBブラガンチーノでの2点目のゴールとなった。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:52% 48%
シュート(枠内): 前半:‐(‐) ⇒ 前後半:12‐15(6‐6)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:83% 78%
ファール: 前半:‐ ⇒ 前後半:9‐19
黄カード(赤): 前半:‐ ⇒ 前後半:1‐6

   ジュヴェントゥージ(JUV)の前節は、降格圏に低迷するヴィトーリアとの対戦で0-1の敗戦。最近の10試合を4勝1分5敗、最近の5試合は1勝1分3敗。最近の10試合は9試合に失点を喫しており、不安定な成績となっている。
   今節は、MFルーカス・バルボーザ(Lucas Barbosa, 2001)とCBゼ・マルコス(Zé Marcos, 1998)が出場停止。代わって、VOLルイス・オヤマとCBルーカス・フレイタスが先発に抜擢される。
   ジュヴェントゥージ(JUV)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKガブリエウ(Gabriel, 1992)
   4 : 右SBジョアン・ルーカス(João Lucas, 1998)、※CBヤン・ソウト(Yan Souto, 2001)、※CBルーカス・フレイタス(Lucas Freitas, 2001)、左SBアラン・フーシェウ(Alan Ruschel, 1989)
   4 : VOLホナウド(Ronaldo, 1996)、VOLジャジソン(Jádson, 1993)、MFネネー(Nenê, 1981)、※VOLルイス・オヤマ(Luís Oyama, 1997)
   2 : FWエジソン・カリオカ(Edson Carioca, 1997)、FWジウベルト(Gilberto, 1989)

   RBブラガンチーノ(RBB)は、前節インテルナシオナウ戦を2-2の引き分けに終えたものの、最近の全国選手権での10試合は1勝4分5敗、15試合連続失点中と厳しい状況が続いている。
   今節は、新たにCBルアン・カンジド(Luan Cândido, 2001)がケガのため欠場。CBエドゥアルド・サントスが代わってセンターバックに、左サイドバックには左SBギリェルミが入る。センターバックを本職とするドウグラス・メンデスが右サイドバックに入り、実質的には3バックの構成と思われる。
   RBブラガンチーノ(RBB)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合(第16節)のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKクレイトン(Cleiton, 1997)
   4 : 右SBドウグラス・メンデス(Douglas Mendes, 2004)、CBペドロ・エンヒキ(Pedro Henrique, 1995)、※CBエドゥアルド・サントス(Eduardo Santos, 1997)、※左SBギリェルミ(Guilherme, 2002)
   2 : VOLジャジソン(Jadsom, 2001)、VOLマテウス・フェルナンデス(Matheus Fernandes, 1998)、VOLルーカス・エヴァンジェリスタ(Lucas Evangelista, 1995)
   3 : FWヴィチーニョ(Vitinho, 1999)、FWエドゥアルド・サーシャ(Eduardo Sasha, 1992)、MFジョン・ジョン(Jhon Jhon, 2002)

   試合は、アウェイのRBブラガンチーノがボールを支配。相手陣でボールを展開する時間が多くなるが、ジュヴェントゥージのコンパクトな守備網に苦戦し、なかなか好機を見出すことができない。しかし、ボールロスト後には素早いプレスバックや前に出る寄せで、相手の攻撃の芽を摘み取り、試合の主導権を握っていく。
   前半26分に、ジュヴェントゥージが自陣からのフィードにFWエジソン・カリオカが抜け出し、ワンタッチで間合いを詰めるGKの頭上を越えるシュートを放つが、ボールは枠を捉えない。前半45分にRBブラガンチーノはゴールエリア手前まで運んだボールを後方に下げ、スペースのできたバイタルエリアからVOLルーカス・エヴァンジェリスタがゴールを狙うも、GKガブリエウの指先に触れたボールはクロスバーを越えていく。
   両チームともに守備が機能し、攻撃面では相手ゴールに迫ることができないまま前半を終える。
   後半開始時に、ジュヴェントゥージはMFネネーとVOLルイス・オヤマをベンチに下げ、MFマンダカ(Mandaca, 2001)とFWマルセリーニョ(Marcelinho, 2002)を投入。一方のRBブラガンチーノは、VOLジャジソンに代えFWモスケラ(Mosquera, 2001)をピッチに送り出し、攻撃面に手を加える。
   すると、後半3分、ピッチに立ったばかりのジュヴェントゥージMFマンダカが、右サイドからのクロスボールにゴール前で足を合わせるゴール。ホームのジュヴェントゥージが先制。[1-0]
   ジュヴェントゥージはさらに後半10分にもFWマルセリーニョがPA手前からシュートに持ち込み、後半15分には相手陣PA近辺でボール回しから最後は右SBジョアン・ルーカスが強烈なシュートを放つなど、ジュヴェントゥージの交代策が先に効果を現していく。
   一方のRBブラガンチーノも、後半18分、相手陣右サイドでボールを受けたFWモスケラがドリブルで斜めに中央へボールを運び、前線へボールを送ると、FWエドゥアルド・サーシャがシュート。このシュートはGKガブリエウの好守にゴールは阻まれたものの、RBブラガンチーノの交代策も効果を現してくる。
   リードを許すRBブラガンチーノは、クラブデビューとなるポルトガル代表2試合の経歴を持つFWカヴァレイロ(Cavaleiro, 1993)や、加入後4試合連続出場となるFWアルトゥール・ソウザ(Arthur Sousa, 2003)など、攻撃的な新戦力を相次いで投入。
   一方のジュヴェントゥージは、前線の選手を入れ替え、ボランチの2選手を投入して、コンパクトで強固な2ラインをゴール前に敷き、RBブラガンチーノの反撃に対抗。
   ジュヴェントゥージは相手にボールを持たせながらも、カウンターを挟み、試合をコントロールするが、後半40分、RBブラガンチーノはセットプレーで前線に残ったCBエドゥアルド・サントスが、左サイドからのクロスボールに打点の高いヘディングシュートを決め、遂にRBブラガンチーノが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   後半43分にジュヴェントゥージは相手陣でボールを奪うと、右サイドからクロスにMFマンダカがゴール正面で足を合わせるが、ボールに勢いがなくGKクレイトンがキャッチ。
   後半45+3分、RBブラガンチーノはMFリンコン(Lincoln, 1998)がゴールライン際からのマイナスのボールにFWモスケラがゴールを狙うが、ボールは芯に当たらず、GKガブリエウが難なくキャッチ。
   試合は1-1のままタイムアップを迎えた。

   ジュヴェントゥージは、得意のホームゲームで1点のリードを守り抜くことができず、同勝点のRBブラガンチーノを追い抜くことができず、12位をキープ。
   次戦は、10月5日に全国選手権第29節、アウェイでのヴァスコ・ダ・ガマ戦。
   RBブラガンチーノは、アウェイでの試合で終盤に同点に追いつき勝点「1」を獲得したものの、これで4試合勝ち星から遠ざかる結果に終えた。攻撃面ではFWエドゥアルド・サーシャが奮闘しているものの、移籍退団のFWエリーニョ(Helinho, 2000)の穴は大きく、今節交代出場のFWカヴァレイロ、FWアルトゥール・ソウザといった新戦力の早期の戦力化、初ゴールが期待される。
   次戦は、10月5日に全国選手権第29節、ホームにパウメイラスを迎える。

サンパウロ(SAO) 3-1 コリンチャンス(COR)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=t5kapR9cov4
(SAO) : 45+8' #7 ルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)[PK]
(SAO) : 75' #5 アルボレーダ(Arboleda, 1991)[#27 ウェリントン・ハット(Wellington Rato, 1992)]
(COR) : 83' #9 ユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)[#19 カリージョ(Carrillo, 1991)]
(SAO) : 90+8' #17 アンドレ・シウヴァ(André Silva, 1997)[#32 CBフェラレシ(Ferraresi, 1998)]

今節前の順位

サンパウロ(SAO)は全国選手権13勝5分9敗勝点44の5位。
コリンチャンス(COR)は全国選手権6勝10分11敗勝点28の17位。

得点シーン

(SAO) : 45+8' #7 ルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)[PK]
相手陣中央のFWルシアーノから左サイドでボールを受けたFWカレリが相次ぐDFのボディチェックを弾き返しドリブルでPAに侵入。ゴール前正面にクロスボールを送るがボールはDFのクリアに遭う。しかし、ここでVARが介入。FWカレリがクロスを上げる際に、コリンチャンスSBファギネルがFWカレリの足首を踏みつける場面が検出され、SBファギネルにこの試合2枚目のイエローカードが提示され退場処分が下るとともに、サンパウロはPKを獲得する。このPKをFWルーカス・モウラがしっかりとゴール右に決め、サンパウロが先制する。[1-0]
   FWルーカス・モウラは、2024年9月6日の2026W杯南米予選第7節にて6年ぶりの代表復帰を果たし、2度のコパ・アメリカなど代表37試合4得点5アシストを記録。サンパウロ育成出身で、2013年1月にパリSG/FRAへ移籍し5年半で229試合46得点46アシスト。トッテナム/ENG移籍後5年半で219試合39得点26アシスト。2023年8月11年ぶりにサンパウロに復帰すると、クラブ史上初のコパ・ド・ブラジル制覇に貢献。2024年はケガによる6週間の離脱期間があったものの、今節終了時点で38試合10得点8アシスト。豊富な運動量と卓越した戦術眼、足元の技術でチームを牽引している。
(SAO) : 75' #5 アルボレーダ(Arboleda, 1991)[#27 ウェリントン・ハット(Wellington Rato, 1992)]
左CKのキッカーはFWウェリントン・ハット。ゴール前にボールを送ると、中央ややファーサイドで頭を合わしたCBアルボレーダのヘディングシュートが柔らかな弧を描いてファーサイドに吸い込まれ、サンパウロに待望の追加点。[2-0]
   CBアルボレーダは、2022W杯や3度のコパ・アメリカなど、エクアドル代表として39試合2得点3アシスト。2012年にグレシア(Grecia)/EQUからエクアドルリーグ1部にてプロデビューを果たすと、国内2クラブを経て、2017年7月にサンパウロに入団。センターバックの主力の一角として、今節終了時点でサンパウロにて通算299試合20試合5アシストの記録を残す。2024年は今節終了時点で47試合2得点。2023年は、PSG/FRAに移籍したCBルーカス・ベラウド(Lucas Beraldo, 2003)とのコンビで、クラブ史上初のコパ・ド・ブラジル制覇に大きく貢献した。
(COR) : 83' #9 ユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)[#19 カリージョ(Carrillo, 1991)]
ゴール正面約30mのFK。MFイゴル・コロナド(Igor Coronado, 1992)が直接ゴールを狙ったボールは壁に弾き返されるが、コリンチャンスがボールを回収し、PA内を左サイドから右サイドへとボールを繋ぎ、最後はFWユーリ・アウベルトがボールを叩きつけるシュートでゴールネットを揺らす。[2-1]
   FWユーリ・アウベルトは、サントス育成出身で、2017年11月全国選手権にて16歳のプロデビュー。2021年インテルナシオナウにて55試合19得点4アシストの成績を残す。2022年1月31日付でゼニト/RUSへ2500万ユーロにて移籍するが、2月のウクライナ侵攻を受け、2022年7月にコリンチャンスへ期限付き移籍加入。同年は半年間で28試合11得点2アシストの成績を収め、2023年1月に完全移籍へ移行。2023年3月25日国際親善試合モロッコ戦にて5分間の出場を果たし、21歳での代表デビューを果たす。しかし、2023年、2024年は下位に低迷するコリンチャンスの守備的な戦術の影響もあり、ゴール関与数がサポーターの期待値に届かず、しばしば批判の対象となっていた。しかし、最近の試合では、得点機を演出する機会が増え、直近の6試合で2得点3アシスト。彼の活躍が、チームの残留、カップ戦の戴冠に結びつくに違いない。
(SAO) : 90+8' #17 アンドレ・シウヴァ(André Silva, 1997)[#32 CBフェラレシ(Ferraresi, 1998)]
サンパウロのカウンター。コリンチャンスが前がかりとなるところを、サンパウロが自陣入口でボール奪取。相手陣へボールを蹴りだし、右サイドから左サイドへとボールを送り、FWアンドレ・シウヴァがGKとの一対一を迎える。FWアンドレ・シウヴァが左足で放ったボールは、GKの脇を抜きゴールネットを揺らし、サンパウロが試合を決定づける。[3-1]
   FWアンドレ・シウヴァは、ブラジル国内でのデビューを待たず、2019年1月ポルトガル1部にて21歳のプロデビューを果たし、2024年3月ヴィトリアSC/PORから2027年末までの契約でサンパウロに加入。初のブラジルでのシーズンは、センターFWカレリのバックアップながら、今節終了時点で35試合6得点3アシスト。スベルディア監督の信頼を勝ち取りつつある。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:51% 49% ⇒ 前後半:54% 46%
シュート(枠内): 前半:7‐4(2‐0) ⇒ 前後半:19‐11(8‐3)
パス成功率: 前半:80% 83% ⇒ 前後半:84% 81%
ファール: 前半:7‐10 ⇒ 前後半:18‐17
黄カード(赤): 前半:1‐1(0‐1) ⇒ 前後半:6‐4(0‐2)

   サンパウロ(SAO)は、週中のリベルタドーレス準々決勝ボタフォゴ戦2ndレグをホームにて1-1の引き分け。2試合合計が1-1となり、準決勝進出の行方はPK戦に持ち込まれたが、惜しくも4-5のスコアで敗退する結果に終えた。全国選手権は、序盤から相次ぐケガ人や、リベルタドーレス、コパ・ド・ブラジルが並行開催される過密日程の中、現在のところ5位と健闘。両カップ戦はいずれも準々決勝での敗退となり、今後は全国選手権に集中し、リベルタドーレス本戦出場圏の4位以内を目指すこととなる。
   リベルタドーレス敗退後の仕切り直しの試合となる今節は、ボタフォゴ戦の後半開始時のメンバーで試合に入る。
   サンパウロ(SAO)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合(リベルタドーレス)のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKハファエウ(Rafael, 1989)
   4 : 右SBハフィーニャ(Rafinha, 1985)、CBアルボレーダ(Arboleda, 1991)、CBアラン・フランコ(Alan Franco, 1996)、左SBウェリントン(Welington, 2001)
   2 : VOLルイス・グスタヴォ(Luiz Gustavo, 1987)、VOLボバディージャ(Bobadilla, 2001)
   3 : FWウェリントン・ハット(Wellington Rato, 1992)、※FWルシアーノ(Luciano, 1993)、FWルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)
   1 : FWカレリ(Calleri, 1993)

   コリンチャンス(COR)は、週中のコパ・スウアメリカーナ準々決勝フォルタレーザ戦2ndレグをホームで3-0の完勝。2試合合計5-0のスコアで準決勝進出を決めた。コパ・ド・ブラジルも準決勝進出を果たしており、今節終了後中2日で準決勝フラメンゴ戦1stレグを迎える厳しい日程だが、十分な補強が施され戦力面での心配は少ない。一方で、全国選手権は、現在降格圏の17位。カップ戦のタイトルを目指す中、全国選手権での降格は避けなければならない。
   今節のスタメンは、フォルタレーザ戦から5つのポジションを変更。布陣は4バックを継続する。
   コリンチャンス(COR)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合(コパ・スウアメリカーナ)のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKウーゴ・ソウザ(Hugo Souza, 1999)
   4 : ※右SBファギネル(Fagner, 1989)、※CBカカー(Cacá, 1999)、CBアンドレ・ハマーリョ(André Ramalho, 1992)、※左SBマテウス・ビドゥ(Matheus Bidu, 1999)
   4 : VOLホセ・マルティネス(José Martínez, 1994)、※MFロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)、※VOLシャルレス(Charles, 1996)、VOLブレーノ・ビドン(Breno Bidon, 2005)
   2 : FWアンヘル・ホメーロ(Ángel Romero, 1992)、FWユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)

   首都ブラジリアのマネ・ガヒンシャ(Mané Garrincha)競技場で開催された試合の前半は、均衡した内容。サンパウロがボールを握るが、コリンチャンスが中盤で厳しく寄せ、サンパウロに攻撃の糸口を掴ませない。
   前半7分にコリンチャンスは、相手CKのこぼれ球をVOLホセ・マルティネスがドリブルで相手陣へ運び、ゴール正面へボールを送ると、MFロドリゴ・ガーロが後方から上がりシュートに持ち込もうとするが、間一髪のところでサンパウロ右SBハフィーニャがシュートブロック。
   サンパウロは、前半21分、FWカレリがポストプレーから踵でPA内へ送ったボールにFWルシアーノがシュートに持ち込むが、ボールはGKの正面。前半35分には、相手陣中央から右サイドへ送られてボールをFWウェリントン・ハットがゴール前ファーサイドへクロス。空中戦に競り勝ったFWルーカス・モウラが頭を合わせるがボールは枠を捉えない。
   コリンチャンスの厳しい寄せに苦しみ効果的にゴールに迫ることができないサンパウロだったが、前半45+8分、相手陣左サイドでボールを受けたFWカレリが相次ぐDFのボディチェックを弾き返しドリブルでPAに侵入。クロスボールを送った際に、SBファギネルに足首を踏まれ転倒する。ここでVARが介入しサンパウロはPKを獲得。さらには、SBファギネルに2枚目のイエローカードが提示され退場処分となる。このPKをFWルーカス・モウラがしっかりとゴール右に決めサンパウロが先制する。[1-0]
   後半開始時に、コリンチャンスは一気に3選手を交代。ボランチ2選手と左サイドバックをベンチに下げ、CBフェリックス・トーレス(Félix Torres, 1997)、MFイゴル・コロナド(Igor Coronado, 1992)、FWカリージョ(Carrillo, 1991)を投入する。
   この交代はすぐに効果が現れ、数的不利のコリンチャンスが相次いでチャンスを迎える。
   後半9分、PA手前からのFKをMFロドリゴ・ガーロが直接ゴールを狙うが、僅かにボールは枠を捉えない。後半10分には、FWカリージョが相手陣中央をスピード豊かなドリブルでボールを持ち上がり、右サイドへ流したボールにFWアンヘル・ホメーロがシュートに持ち込むがGKハファエウがキャッチ。
   コリンチャンスが、試合の流れを掴んだように思われたが、後半16分、主審のファールの笛の後にプレーを続行しようとしていたサンパウロの選手に体を当てたコリンチャンスCBアンドレ・ハマーリョの肘が顎に入り、CBアンドレ・ハマーリョにレッドカードが提示される。
   サンパウロは、後半26分、布陣を変えず最終ライン、中盤、前線の選手を各1名交代。2人少ない相手に対し、運動量でも上回るようになると、後半30分、左CKからのFWウェリントン・ハットのボールに、CBアルボレーダが頭を合わせ、サンパウロがリードを拡げる。[2-0]
   コリンチャンスは、押し込まれながらも、ボール奪取後にはパススピードの速い縦の展開でゴールを奪いに行くと、後半38分、FWユーリ・アウベルトのゴールで1点差に追い上げる。[2-1]
   1点差に詰め寄られたサンパウロは、攻撃の圧力を強め3点目を狙いに行く。しかし、コリンチャンスゴールをこじ開けることは出来ない。
   一方のコリンチャンスは、アディショナルタイムに入り、右サイドからのクロスのクリアボールをファーサイドで拾ったFWアンヘル・ホメーロがシュートに持ち込むがGKハファエウの正面。
   タイムアップ寸前の後半45+8分、サンパウロは自陣に入った位置で相手ボールを奪うと素早く前線にボールを送り、FWアンドレ・シウヴァが試合を決定づける3点目のゴール。[3-1]
   その後間もなくタイムアップの笛が吹かれ、サンパウロが、ブラジリアで勝点「3」を勝ち取った。

   サンパウロは、退場者を相次いで出したコリンチャンスを相手に苦しめられたものの、最終的には3-1とスコアの面では快勝。この時点でフラメンゴを上回り、リベルタドーレス本戦出場圏の4位に浮上した。
   次戦は、10月5日に全国選手権第29節、アウェイでクイアバとの対戦が控えている。
   コリンチャンスは、2人少ない状況を巻き返すことができず、また一つ黒星を積み重ね、降格圏内の17位をキープ。先述の通り、コパ・スウアメリカーナ、コパ・ド・ブラジルの両カップ戦に準決勝まで勝ち残っているものの、全国選手権での降格は避けなければならない。
   次戦は、中2日の10月2日にコパ・ド・ブラジル準決勝フラメンゴ戦1stレグがアウェイで開催。
   全国選手権第29節は、10月5日にホームに好調インテルナシオナウを迎える。

フォルタレーザ(FOR) 1-0 クイアバ(CUI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=rVwBI4_nW6A
(FOR) : 45+5' #35 エルクレス(Hércules, 2000)[]

今節前の順位

フォルタレーザ(FOR)は全国選手権15勝7分5敗勝点52の3位。
クイアバ(CUI)は全国選手権5勝8分13敗勝点23の19位。(1試合未消化)

得点シーン

(FOR) : 45+5' #35 エルクレス(Hércules, 2000)[]
相手陣中央でボールを受けたVOLエルクレスが左サイドライン際のFWブレーノ・ロペスへボールを送り前線に駆け上がる。FWブレーノ・ロペスからゴール前に上げられたボールはDFのクリアに遭うが、真上に上がったボールにVOLエルクレスがダイレクトに右足を振り抜くと、ボールはゴールネットに突き刺さり、ホームのフォルタレーザが均衡を破る。
   VOLエルクレスは、セアラー州下位リーグの複数のクラブを経て、2021年にフォルタレーザU-23に加入。2022年に完全移籍でトップチームに昇格すると、ボイボダ監督のもと出場機会に恵まれ、同年は48試合7得点1アシストを記録する。2023年にはレギュラーの座を掴むが、7月9日全国選手権第14節アトレチコ・パラナエンセ戦にて左膝前十字靭帯断裂の重傷を負い戦列を離脱する。2024年3月27日コパ・ド・ノルデスチで復帰すると、セグンドボランチとしてチームの全国選手権やコパ・スウアメリカーナの躍進に貢献。豊富な運動量で、厳しいマークや積極的な攻撃参加でチームに推進力を与える。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:56% 44% ⇒ 前後半:85% 79%
シュート(枠内): 前半:7‐0(3‐0) ⇒ 前後半:15‐2(6‐1)
パス成功率: 前半:85% 77% ⇒ 前後半:85% 79%
ファール: 前半:7‐4 ⇒ 前後半:18‐9
黄カード(赤): 前半:0‐2 ⇒ 前後半:2‐4

   フォルタレーザ(FOR)は、週中のコパ・スウアメリカーナ準々決勝コリンチャンス戦2ndレグをアウェイで0-3の完敗。2大会連続の決勝進出を目指したが、準々決勝で大会を後にすることとなった。全国選手権は、首位に立った以降の3試合で1分2敗。前節は球際の激しいサッカーで4-1の勝利を嫌な流れを断ったものの、コパ・スウアメリカーナにその流れを持ち込むことは出来なかった。今後は全国選手権に集中し、前日に試合を終え勝点「3」を積み上げた上位2チームを追随したい。
   今節のスタメンは、コリンチャンス戦から5選手を変更。シーズン当初からローテーションで選手が起用されており、戦力の低下は感じられない。
   フォルタレーザ(FOR)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合(コパ・スウアメリカーナ)のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKジョアン・ヒカルド(João Ricardo, 1988)
   4 : 右SBエマヌエル・ブリテス(Emanuel Brítez, 1992)、※CBクスチェヴィッチ(Kuscevic, 1998)、CBカルドナ(Cardona, 1995)、※左SBマンクーソ(Mancuso, 1999)
   2 : ※VOLマテウス・ホセット(Matheus Rossetto, 1996)、※VOLエルクレス(Hércules, 2000)
   3 : FWマリーニョ(Marinho, 1990)、※FWケルビン・アンドラーデ(Kervin Andrade, 2005)、※FWブレーノ・ロペス(Breno Lopes, 1996)
   1 : FWヘナト・カイゼル(Renato Kayzer, 1996)

   クイアバ(CUI)は、前節クルゼイロ戦を0-0の引き分け、3試合連続無得点で3試合勝ち星から遠ざかっている。全国選手権は現在19位、残留圏までの勝点差は「5」となっており、これ以上離されたくない。
   今節は、出場停止明けのFWイシドロ・ピッタがスタメン復帰
   クイアバ(CUI)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKヴァウテル(Walter, 1987)
   4 : 右SBマテウス・アレシャンドレ(Matheus Alexandre, 1999)、CBブルーノ・アウヴェス(Bruno Alves, 1991)、CBアラン・エンペレウール(Alan Empereur, 1994)、左SBハモン(Ramon, 2001)
   4 : VOLルーカス・ミネイロ(Lucas Mineiro,1996)、MFルーカス・フェルナンデス(Lucas Fernandes, 1997)、MFグスタヴォ・サウエル(Gustavo Sauer, 1993)、VOLフェルナンド・ソブラウ(Fernando Sobral, 1994)
   2 : FWクレイソン(Clayson, 1995)、※FWイシドロ・ピッタ(Isidro Pitta, 1999)

   ホームのフォルタレーザが立ち上がりからボールを支配し相手陣でボールを展開。アウェイのクイアバは、得意の高い位置でのプレスが嵌らず自陣に押し込まれるものの、ゴール前を固めた守備ブロックでフォルタレーザに対抗する。
   フォルタレーザは、守備ブロックの外からゴール前にボールを上げチャンスをうかがうが、クイアバはGKヴァウテルを中心に中に入れられるボールを跳ね返し続ける。
   一方のクイアバは、前半15分に自陣を起点としたカウンターから、FWクレイソンからのボールを受けたFWイシドロ・ピッタがシュートに持ち込もうとするが、間一髪のところでDFがボールを掻き出しCKに逃れる。続くCKでは、ゴール前に上げられたボールをGKにパンチングでクリアされ、クイアバはチャンスを掴めない。
   フォルタレーザは、次第にゴール前への放り込みから、前後にボールを動かし、守備網にスペースを作り出そうとするが、大きなチャンスを迎えることなく時間が経過する。
   前半45+5分、フォルタレーザは、相手陣中央でボールを受けたVOLエルクレスが左サイドライン際のFWブレーノ・ロペスへボールを送り前線に駆け上がる。FWブレーノ・ロペスからゴール前に上げられたボールはDFのクリアに遭うが、真上に上がったボールにVOLエルクレスがダイレクトに右足を振り抜き、ホームのフォルタレーザが遂に均衡を破る。[1-0]
   後半も試合展開は変わらない。
   クイアバは、後半10分にこの試合最初の選手交代を実施するが、効果は発揮しない。
   後半30分、クイアバは相手陣PA内右サイドから右SBマテウス・アレシャンドレが、この試合チーム初のシュートを放つが、ボールは相手GKの正面。
   試合の主導権を終始握り続けたフォルタレーザは、最後までクイアバに反撃を許さず、相手のシュートを後半の僅か2本に抑え、1-0のまま試合を締めた。

   フォルタレーザは、コパ・スウアメリカーナは準々決勝で苦杯を舐めたものの、そのダメージを振り払い、前節に続き相手を圧倒する試合展開で勝点「3」を獲得、前日に試合を終えた上位2チームに食らいついた。この試合の結果、首位ボタフォゴとの勝点差は「2」、2位パウメイラスとの勝点差は「1」をキープ。クラブ悲願の主要タイトル獲得の夢はまだまだ可能性を秘めている。
   次戦は、全国選手権第29節が10月4日にアウェイでのグレミオ戦が予定されている。
   クイアバは、序盤に高い位置でのプレスが空回りとなり、自陣に押し込まれる展開の中、我慢を続けたものの、前半終了間際の失点。後半も相手に試合を支配され、巻き返すことができず、勝点を積み上げることができなかった。しかし、幸いにも今節は残留争いのライバルも3チームが勝点を積み上げることができず、残留圏までの勝点差は「5」のまま変動はない。
   次戦は、10月5日に全国選手権第29節、ホームにサンパウロを迎える。

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