【ブラジル全国選手権2024】第28節(2/2)[09/28-29]

投稿者: | 2024年9月28日

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全国選手権第28節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第28節(1/2)[09/28-29]
・2024/09/28 パウメイラス(PAL) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
・2024/09/28 ボタフォゴ(BOT) x グレミオ(GRE)
・2024/09/29 ジュヴェントゥージ(JUV) x RBブラガンチーノ(RBB)
・2024/09/29 サンパウロ(SAO) x コリンチャンス(COR)
・2024/09/29 フォルタレーザ(FOR) x クイアバ(CUI)
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/09/29 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) x フルミネンセ(FLU)
・2024/09/29 インテルナシオナウ(INT) x ヴィトーリア(VIT)
・2024/09/29 クルゼイロ(CRU) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
・2024/09/29 
バイーア(BAH) x クリシウーマ(CRI)
・2024/09/29 フラメンゴ(FLA) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)

全国選手権第28節 試合概要

アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) 1-0 フルミネンセ(FLU)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=hUV3LO9mCXE
(ACG) : 84' #11 ジャンデルソン(Janderson, 1999)[#8 バラーリャス(Baralhas, 1998)]

今節前の順位

アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)は全国選手権4勝6分17敗勝点18の20位。
フルミネンセ(FLU)は全国選手権7勝6分13敗勝点27の18位。(1試合未消化)

得点シーン

(ACG) : 84' #11 ジャンデルソン(Janderson, 1999)[#8 バラーリャス(Baralhas, 1998)]
相手陣でのゆっくりとしたボール回しから右サイドにボールが送られると、右SBブルーノ・トゥバラォンがドリブルで縦に切れ込み、ゴールライン際からマイナスのボールを送る。DFの厳しいマークにシュートに持ち込めず、左サイドへ2本のワンタッチのパスを繋ぐと、左サイドから絞り込んだFWジャンデルソンが思い切りよく右足を振り抜き、ボールはニアサイドのゴールネットに突き刺さる。しかし、副審はボールがゴールラインを割ったと判断しフルミネンセのゴールキックを示唆する。ところが、VARによる検証の結果、ゴールラインを垂直に縦に上げたラインにボールの一部が僅かにかかっており、オフサイドの判断が覆されゴールが認められる。ホームのアトレチコ・ゴイアニエンセが均衡を破る。[1-0]
   FWジャンデルソンは、2017年3月当時全国選手権3部のジョインヴィレ(Joinville)から18歳のプロデビュー。2018年にコリンチャンスU-20へ移籍し、2019年シーズン終盤にはトップチームへの昇格から準主力へと成長し、21試合2得点1アシストを記録する。しかし、2020年は出場機会が減少、アトレチコ・ゴイアニエンセへ期限付き移籍で加入し、同年は41試合4得点5アシスト、翌2021年には51試合5得点4アシストの成績を残す。しかし、期限付き移籍だったこともあり、また、財政難のアトレチコに買い取る資金的な余裕はなく、2022年はグレミオ(40試合5得点1アシスト)、2023年はセアラー(55試合7得点5アシスト)にてプレー。2023年にセアラーへ完全移籍するが、セアラーでは出場機会を失っていき、2024年7月の移籍ウィンドウが開くと同時にアトレチコ・ゴイアニエンセが期限付き移籍のオファー。アトレチコ加入後は主にスタメンで連戦に出場。自身10試合目で再加入後の初ゴールを、チームに勝点「3」をもたらす貴重な勝ち越しゴールで飾った。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:48% 52% ⇒ 前後半:39% 61%
シュート(枠内): 前半:7‐3(2‐0) ⇒ 前後半:16‐13(7‐2)
パス成功率: 前半:80% 83% ⇒ 前後半:82% 85%
ファール: 前半:9‐8 ⇒ 前後半:15‐14
黄カード(赤): 前半:0‐2 ⇒ 前後半:0‐2

   アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)は、2連勝の後、3連敗。前節終了時点で11試合を残し、残留圏までの勝点差が「10」と厳しい状況に追い込まれている。
   今節は、SBギリェルミ・ホマォン(Guilherme Romão, 1997)とFWジョエル・キャンベル(Joel Campbell, 1992)が出場停止。左サイドバックにはFWアレホ・クルス、前線には加入後自身4試合目で初スタメンとなるFWラカバが起用される。
   アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : ※GKホナウド(Ronaldo, 1996)
   4 : 右SBブルーノ・トゥバラォン(Bruno Tubarão, 1995)、CBアリックス・ヴィニシウス(Alix Vinicius, 1999)、CBアドリアーノ・マルチンス(Adriano Martins, 1997)、※左SBアレホ・クルス(Alejo Cruz, 2000)
   3 : ※VOLホニ(Roni, 1999)、VOLバラーリャス(Baralhas, 1998)、VOLハウジネイ(Rhaldney, 1998)
   3 : ※FWラカバ(Lacava, 2002)、※FWジャンデルソン(Janderson, 1999)、FWウルタド(Hurtado, 2000)

   フルミネンセ(FLU)は、週中のリベルタドーレス準々決勝アトレチコ・ミネイロ戦2ndレグを1-0のアドバンテージを持って敵地に乗り込んだが、試合を終始支配され、0-2の敗戦。前年王者として挑んだ2024年大会は準々決勝で姿を消した。全国選手権は、監督交代後の守備面の再構築や、MFセルナ(Serna, 1997)やFWカウワン・エリアス(Kauã Elias, 2006)といった新戦力の活躍により、勝ち点を積み重ね、依然降格圏とは言え残留圏までの勝点差「1」の18位にまで順位を上げている。
   今節は、FWジョン・ケネジー(John Kennedy, 2002)とCBフェリピ・メロ(Felipe Melo, 1983)が出場停止。CBチアゴ・シウヴァ(Thiago Silva, 1984)が足首のケガのため欠場。左SBマルセロ(Marcelo, 1987)は温存され遠征に帯同していない。
   フルミネンセ(FLU)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合(リベルタドーレス)のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKファビオ(Fábio, 1980)
   4 : 右SBサムエウ・シャヴィエル(Samuel Xavier, 1990)、※CBアントニオ・カルロス(Antônio Carlos, 1993)、CBチアゴ・サントス(Thiago Santos, 1989)、左SBジオゴ・バルボーザ(Diogo Barbosa, 1992)
   2 : VOLベルナル(Bernal, 2003)、VOLマルチネリ(Martinelli, 2001)
   3 : MFジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)、MFガンソ(PH Ganso, 1989)、※MFケーノ(Keno, 1989)
   1 : ※FWヘルマン・カーノ(Germán Cano, 1988)

   アウェイのフルミネンセが立ち上がりからボールを支配。右サイドを起点にアトレチコ・ゴイアニエンセゴールに迫る。
   前半10分に、フルミネンセは自陣から右SBサムエウ・シャヴィエルがドリブルで右サイドライン際を駆け上がり、その後ボールを受けたMFジョン・アリアスがゴール前ファーサイドへクロス。FWケーノが後方から駆け上がり頭を合わせるがボールは僅かにゴールポストの外へ。
   前半15分には、相手陣右サイドライン際での細かいパス交換から右SBサムエウ・シャヴィエルが抜け出しクロス。ゴール前でクリアに遭うも、そのボールをPA手前からFWヘルマン・カーノがシュートを放つがこれも枠を捉えない。
   前半20分を迎え、これまで劣勢だったアトレチコ・ゴイアニエンセは、自陣に入るボールに対して寄せを強め、相手のミスを誘発していき、次第に試合の流れを掴み始める。
   前半24分、アトレチコ・ゴイアニエンセは、アタッキングサード入口左サイドライン際からのFK。ゴール前に上げたボールはクリアに遭うが、そのボールをPA内左でVOLバラーリャスが確保し、ゴールライン際まで持ち上がりクロス。ファーサイドからのFWジャンデルソンのシュートはブロックに遭うが、そのこぼれ球をCBアリックス・ヴィニシウスが強烈な左足のシュート。ボールはゴールネットに突き刺さるが、VARの検証の末、FKが上げられた際の前線の選手にオフサイドが確認されゴールは認められない。
   その後は、アトレチコが試合を支配し、相次いで相手ゴールに迫り、前半45+6分、相手陣中盤でのボール奪取からFWラカバがゴール正面約20m強の強烈なミドルシュート。GKファビオが辛うじてCKに逃れると、続くCKからは、ニアサイドでボールのコースを変えたVOLハウジネイのシュートがゴールポストを直撃、跳ね返りのボールを右SBブルーノ・トゥバラォンがシュートに持ち込むがボールはクロスバーを越えていく。
   後半開始時に、フルミネンセはFWセルナ(Serna, 1997)を投入。
   すると、後半5分、相手陣中央から送られたボールを右サイドライン際で受けたFWセルナが、DFのマークを外し、ゴールライン際までボールを運びクロス。ゴール前でFWヘルマン・カーノが頭を合わせるが、ボールに勢いがなくGKが両手でしっかりとキャッチ。
   フルミネンセは、後半7分、ゴール正面約25mの位置からVOLベルナルが低い弾道のミドルシュート。GKホナウドが倒れ込みながら防いだボールはこぼれるが、DFが間一髪でクリアし、アトレチコは事なきを得る。
   さらに、後半18分にも、フルミネンセは再びFWセルナが右サイドライン際から斜めにゴール前へグラウンダーのクロス。ニアサイドでFWジョン・アリアスがスルーしたボールにFWヘルマン・カーノがゴール正面からシュートに持ち込むが、ボールは惜しくもクロスバーを越えていく。
   一方のアトレチコ・ゴイアニエンセも、後半8分にVOLバラーリャスがゴール正面からミドルシュート。後半21分には、PA手前右からFWラカバがシュート。しかし、いずれもGKの正面を突き、GKファビオが堅実にボールを抑える。
   後半25分、フルミネンセは、PA左角からFWヘルマン・カーノが右足のシュートフェイントから縦にボールを運び左足のクロス。ファーサイドのゴールポストの手前でフリーの体勢のFWセルナが足を合わせるが、ボールはゴールポストを叩き、絶好機を逸する。
   後半は一進一退の攻防となり、互いに相手ゴールに迫る白熱した展開が続く。
   しかし、後半39分、遂に均衡が破れる。
   アトレチコ・ゴイアニエンセは、右SBブルーノ・トゥバラォンがドリブルでゴールライン際までボールを運びマイナスのボールを送る。DFの厳しいマークにシュートに持ち込めず、左サイドへ2本のワンタッチのパスを繋ぐと、左サイドから絞り込んだFWジャンデルソンが思い切りよく右足を振り抜き、ボールはニアサイドのゴールネットに突き刺さる。ホームのアトレチコ・ゴイアニエンセが均衡を破る。[1-0]
   残り時間をアトレチコ・ゴイアニエンセは堅固な守備網を構築しゴール前を固めると、後半45+5分に、FWジアン・カルロス(Jean Carlos, 2005)がカウンターからGKと一対一を迎えるが、足元を狙ったシュートをフルミネンセGKファビオがストップ。
   試合は1-0のスコアでタイムアップ。ホームのアトレチコ・ゴイアニエンセが残留に望みをつなぐ勝点「3」を手に入れた。

   アトレチコ・ゴイアニエンセは、この試合の結果、依然最下位ではあるものの、残り10節の時点で残留圏までの勝点差を「7」に詰めた。
   次戦は、10月3日に全国選手権第29節クリシウーマ戦がアウェイで予定されている。
   フルミネンセは、リベルタドーレスを含めた最近の公式戦3試合に無得点。全国選手権も3連敗。今節は残留争いのライバル3チームが試合に敗れたため残留圏までの勝点差は「1」と変わりはないが、一試合でも早く降格圏から脱したい。
   次戦は、10月3日に全国選手権第29節、ホームにクルゼイロを迎える。

インテルナシオナウ(INT) 3-1 ヴィトーリア(VIT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=JQqBPmQ6MVg
(INT) : 45+4' #10 アラン・パトリッキ(Alan Patrick, 1991)[PK]
(INT) : 51' #21 ウェズレイ(Wesley, 1999)[#29 チアゴ・マイア(Thiago Maia, 1997)]
(VIT) : 58' #4 ヴァギネル・レオナルド(Wagner Leonardo, 1999)[#16 ルーカス・エステヴィス(Lucas Esteves, 2000)]
(INT) : 90+2' #21 ウェズレイ(Wesley, 1999)[#10 アラン・パトリッキ(Alan Patrick, 1991)]

今節前の順位

インテルナシオナウ(INT)は全国選手権11勝9分6敗勝点42の8位。(1試合未消化)
ヴィトーリア(VIT)は全国選手権8勝4分15敗勝点28の16位。

得点シーン

(INT) : 45+4' #10 アラン・パトリッキ(Alan Patrick, 1991)[PK]
相手陣中央からのボールをPA右角手前で受けたSBブルーノ・ゴメスがマークを振りほどきPAに侵入、中央に向かう所を背後からスライディングタックルで足を払われ転倒。インテルナシオナウがPAを獲得する。このPKをMFアラン・パトリッキがゴール中央にグラウンダーのシュートを決めインテルナシオナウが先制。[1-0]
   MFアラン・パトリッキは、サントス育成出身で、2009年9月全国選手権にて18歳のプロデビュー。2011年6月に移籍したシャクタルドネツク/UKRにて数多くの国内タイトルを獲得し、2022年4月にインテルナシオナウに完全移籍。加入後は、それまで不振だったチームの中で攻撃の指揮を執り、チームの2022年全国選手権2位躍進に貢献。2023年はチームが大型補強を進める中、62試合16得点10アシストの3項目すべてでキャリアハイ。2024年は度重なるケガのため、3度に渡りチームを離脱するが、復帰後の最近の5試合で4得点2アシスト。この試合でも1得点1アシストの活躍でチームの勝利に貢献した。
(INT) : 51' #21 ウェズレイ(Wesley, 1999)[#29 チアゴ・マイア(Thiago Maia, 1997)]
PA手前左でボールを受けたFWウェズレイが、少し大きく縦にボールを蹴りだしPAに侵入すると、間合いを詰めるGKのニアサイドを抜くシュートでゴールネットを揺らす。インテルナシオナウが追加点。[2-0]
   FWウェズレイは、パウメイラス育成出身で、2019年6月期限付き移籍先のヴィトーリアから全国選手権2部にて20歳のプロデビューを果たし、同年は28試合5得点の成績を残す。パウメイラス復帰後の2020‐2022年の3年間で124試合13得点14アシストを記録し、2023年に300万ユーロの移籍金でクルゼイロへ完全移籍。クルゼイロでもウィングとしてチームを牽引するが、チームは得点力不足から残留争いに巻き込まれ、FWウェズレイもシーズン終盤には出場機会が減少する。2024年2月200万ユーロにてインテルナシオナウへ完全移籍。加入当初は交代出場が続くが、全国選手権開幕2試合連続ゴールを決めると以降はスタメンに定着。2024年は今節終了時点で39試合9得点2アシスト。今節は9試合ぶりのゴールを決め、試合終了間際にもダメ押しのゴールを決めた。
(VIT) : 58' #4 ヴァギネル・レオナルド(Wagner Leonardo, 1999)[#16 ルーカス・エステヴィス(Lucas Esteves, 2000)]
アタッキングサード入口左サイドからのFK。SBルーカス・エステヴィスがゴール前に上げたボールに、両チームの選手が横に並ぶラインから少し離れた位置から駆け上がったCBヴァギネル・レオナルドが綺麗に抜け出しヘディングシュート。ボールはGKの足元を抜けゴールネットを揺らす。ヴィトーリアが1点差に詰め寄る。[1-2]
   CBヴァギネル・レオナルドは、サントス育成出身で、2019年3月コパ・ド・ブラジルにて19歳のプロデビュー。複数のクラブへの期限付き移籍を経て、2023年1月にポルチモネンセ/PORへ移籍。しかし、出場機会に恵まれず、2023年4月にヴィトーリアへ期限付き移籍加入し、35試合5得点の活躍でチームの全国選手権2部制覇に貢献。1部昇格後の2024年もレギュラーを務め、期限付き移籍契約の満了に合わせ6月にヴィトーリアへ完全移籍。チームの柱の一人として、チーム全51試合のうち47試合に出場している。
(INT) : 90+2' #21 ウェズレイ(Wesley, 1999)[#10 アラン・パトリッキ(Alan Patrick, 1991)]
相手陣PA前後でボールのパス交換。FWアラリオ(Alario, 1992)がPA右から中央に送ったボールにDFが触れ、コースが変わったボールをGKの正面でMFアラン・パトリッキが確保。左サイドに流したボールをFWウェズレイがゴールに流し込み、インテルナシオナウが試合を決定づける。[3-1]

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:64% 36% ⇒ 前後半:54% 46%
シュート(枠内): 前半:6‐0(3‐0) ⇒ 前後半:10‐7(5‐4)
パス成功率: 前半:87% 78% ⇒ 前後半:84% 84%
ファール: 前半:12‐7 ⇒ 前後半:26‐8
黄カード(赤): 前半:0‐1 ⇒ 前後半:3‐1

   インテルナシオナウ(INT)は、週中に順延された第16戦RBブラガンチーノ戦を2-2の引き分け。多くのチャンスを作り出したが、RBブラガンチーノの守備陣の前に勝ち越すことは出来なかった。連勝は「4」でストップしたが、5試合連続複数得点は継続され、好調は維持されている。
   今節は、CBメルカド(Mercado, 1987)、CBロジェル(Rogel, 1997)とケガ人が続き、中東からのオファーが届き契約のためCBイゴル・ゴメス(Igor Gomes, 2001)がチームを離脱してセンターバックの人材が不足する中、8月末加入のCBクレイトン・サンパイオをスタメンに抜擢される。最近好調のFWボレー(Borré, 1995)がハムストリングスのケガのために欠場となり、前節交代出場から12試合ぶりのゴールを記録したFWエネル・バレンシアがセンターフォワードに入る。
   インテルナシオナウ(INT)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合(第16節)のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKロチェ(Rochet, 1993)
   4 : 右SBブルーノ・ゴメス(Bruno Gomes, 2001)、CBヴィトン(Vitão, 2000)、※CBクレイトン・サンパイオ(Clayton Sampaio, 2000)、左SBベルナベイ(Bernabei, 2000)
   2 : VOLフェルナンド(Fernando, 1987)、VOLチアゴ・マイア(Thiago Maia, 1997)
   3 : MFガブリエウ・カルヴァーリョ(Gabriel Carvalho, 2007)、MFアラン・パトリッキ(Alan Patrick, 1991)、FWウェズレイ(Wesley, 1999)
   1 : ※FWエネル・バレンシア(Enner Valencia, 1989)

   ヴィトーリア(VIT)は、前節ジュヴェントゥージ戦に1-0の勝利を収め、2試合連続無失点で2連勝。4試合ぶりに降格圏から脱出した。今節はすでに終えた試合で降格圏内の2チームが敗戦。アウェイでの試合ではあるが、あわよくば勝点「3」を積み上げ降格圏から遠ざかりたい。
   今節は、出場停止のFWジャンデルソン(Janderson, 1999)に代わり、出場停止明けのFWアレハンドロがセンターフォワードに入る。
   ヴィトーリア(VIT)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : ※GKルーカス・アルカンジョ(Lucas Arcanjo, 1998)
   4 : 右SBハウル・カセレス(Raul Cáceres, 1991)、CBネリス(Neris, 1992)、CBヴァギネル・レオナルド(Wagner Leonardo, 1999)、左SBルーカス・エステヴィス(Lucas Esteves, 2000)
   3 : VOLルアン(Luan, 1999)、※MFマテウジーニョ(Matheuzinho, 1997)、VOLマシャード(Machado, 1996)
   3 : FWカルロス・エドゥアルド(Carlos Eduardo, 1996)、※FWアレハンドロ(Alerrandro, 2000)、FWグスタヴォ・モスキート(Gustavo Mosquito, 1997)

   前半5分、ヴィトーリアは、自陣右サイドからのスローインのこぼれ球をハーフライン近く拾ったFWアレハンドロが相手陣に送ると、FWカルロス・エドゥアルドが抜け出しゴールネットを揺らす。しかし、FWカルロス・エドゥアルドが抜け出した地点が僅かにオフサイド。ゴールは認められない。
   試合開始早々に危ないシーンを迎えたインテルナシオナウだっかが、その後は最近の好調のベースとなるサッカーを展開し、試合の主導権を握る。
   前半16分、インテルナシオナウは、左CKからMFアラン・パトリッキが上げたボールに、ゴール前でVOLフェルナンドが打点の高い会心のヘディングシュート。しかし、ボールはクロスバーを直撃し跳ね返される。前半22分にもVOLフェルナンドは、左サイドからPA入口のラインに沿って真横に送られたグラウンダーの鋭いボールをスパイク裏で後方に流し、VOLチアゴ・マイアが強烈なシュート。プリメイロボランチのVOLフェルナンドが前線に顔を出しチャンスを作り出す。
   その後もインテルナシオナウが、真横や縦の鋭いパスを組合せ、さらには、次々とボールを追い抜くフリーランニングが絡み、相次いで相手ゴールに迫りシュートに持ち込んでいく。
   一方のヴィトーリアは、前半44分に左CKからMFマテウジーニョが直接ゴールを狙うが、GKロチェが両手でキャッチ。そこから素早くリスタートすると、インテルナシオナウは相手陣PA手前までボールを運び、PAへドリブルで侵入するSBブルーノ・ゴメスが倒されPKを獲得。このPKをMFアラン・パトリッキがゴール中央に蹴り込み、試合の均衡を破る。[1-0]
   試合を優勢に進めたインテルナシオナウが1-0のスコアでリードして前半を終える。
   後半も前半に勢いのままインテルナシオナウが試合に入ると、後半6分、PA手前からFWウェズレイが個人技で最終ライン裏に抜け出しゴラッソ。インテルナシオナウがリードを拡げる。[2-0]
   流れの中からはシュートに持ち込めないヴィトーリアだが、前半8分に左CKから、後半開始時にピッチに立ったMFウィリアン・オリヴェイラ(Willian Oliveira, 1993)がヘディングシュート。ボールは枠を捉えるが、GKロチェがクロスバーの上にボールを弾きだす。
   続く後半13分には、相手陣右サイドの浅い位置でFKを獲得すると、SBルーカス・エステヴィスのボールにCBヴァギネル・レオナルドがゴール前に綺麗に抜け出し、頭を合わせゴールネットを揺らす。[2-1]
   その後はややオープンな展開へと移行。
   後半15分、ヴィトーリアはPA内でのマイナスのボールにFWマテウジーニョが強烈なシュートを放つがGKロチェがストップ。
   後半16分には、インテルナシオナウがゴールライン際から送られたボールにFWエネル・バレンシアが豪快なボレーシュートを放つがDFがブロック。
   後半21分には、ヴィトーリアMFマテウジーニョの左サイドからのクロスに、CB間にポジションを取ったFWアレハンドロがフリーの体勢で頭を合わせるが、ボールは惜しくも枠を捉えない。
   インテルナシオナウは、後半18分、後半26分の相次ぐ選手交代を通じて、ややオープンに傾いた試合を落ち着かせることに成功すると、後半アディショナルタイムにFWウェズレイがダメ押しのゴールを決め、試合はタイムアップ。
   ホームのインテルナシオナウが3-1の勝利を収めた。

   インテルナシオナウは、今節も3得点を奪い、6試合連続の複数得点。2引き分けを挟んだ連勝を「6」に伸ばし、順位は7位に浮上。1試合未消化の状況で、リベルタドーレス出場圏の6位までは同勝点、リベルタドーレス本戦出場圏の4位までの勝点差を「3」にまで詰めた。
   次戦は、10月5日に全国選手権第29節、アウェイでのコリンチャンス戦が予定されている。
   ヴィトーリアは、開始直後のチャンス以降はインテルナシオナウの出足の速い守備と、人数をかけた攻撃の前に後手に回り、1本のシュートも打てずに前半を終了。しかし、後半は、攻撃面を立て直し、後半に限れば相手を上回る数の好機を作り出した。それだけに前半終了間際のPKと後半始めの一瞬の隙を突かれたゴールが悔やまれる。
   今節は残留争いのライバルも勝点を落とし、順位は16位のまま。
   次節は、10月5日に全国選手権第29節、アウェイでのアトレチコ・ミネイロ戦。好調のチームとの対戦が続くが、一つでも勝点を積み上げたい。

クルゼイロ(CRU) 1-1 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=TOwmICt2KNk
(VAS) : 41' #99 ベヘッチ(Vegetti, 1988)[]
(CRU) : 59' #5 ゼ・イヴァウド(Zé Ivaldo, 1997)[#21 アルバロ・バレアル(Álvaro Barreal, 2000)]

今節前の順位

クルゼイロ(CRU)は全国選手権12勝6分9敗勝点42の7位。
ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)は全国選手権10勝5分11敗勝点35の10位。(1試合未消化)

得点シーン

(VAS) : 41' #99 ベヘッチ(Vegetti, 1988)[]
左CKから左SBルーカス・ピトンがPAに送ったボールはクリアに遭うが、そのボールを右SBプーマ・ロドリゲスがダイレクトにPA内に戻すと、VOLウーゴ・モウラが体を反転させながらシュート。GKが弾き返したボールにFWベヘッチが詰め、ヴァスコ・ダ・ガマが先制。[0-1]
   右SBプーマ・ロドリゲスは、2023年3,6月にウルグアイ代表として各一試合の親善試合にフル出場、2022W杯も出場機会はなかったが代表に選出されていた。ヴァスコ・ダ・ガマには2023年シーズン前に加入。加入後すぐにポジションを獲得するが、チームの不振や相次ぐ監督交代により、次第に出場機会を失う。2024年も出場機会は限られ、今節終了時点で20試合1得点3アシスト。今節は記録は残らなかったものの得点に関与。前々節では5分間の出場でアシストを記録しており、限られた出場時間内でチームの勝利に貢献し、出場機会を増やしていきたい。
(CRU) : 59' #5 ゼ・イヴァウド(Zé Ivaldo, 1997)[#21 アルバロ・バレアル(Álvaro Barreal, 2000)]
左CKから後方に下げられたボールをFWアルバロ・バレアルがPA中央へボールを送ると、後方に下がりながらCBゼ・イヴァウドがヘディングシュート。ボールは緩やかな弧を描きゴールファーサイドに吸い込まれる。クルゼイロが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   CBゼ・イヴァウドは、アトレチコ・パラナエンセ育成出身で、2015年5月パラナ州選手権にて18歳のプロデビュー。年によって浮き沈みはあったものの、着実に年間出場試合数を増やしていき、2021年には50試合3得点の成績を残し、チームのコパ・スウアメリカーナ優勝、コパ・ド・ブラジル準優勝に貢献。しかし、翌2022年は出場機会を失い、4月の全国選手権2部開幕を前にクルゼイロへ期限付き移籍、33試合1得点3アシストの成績でチームの全国選手権2部優勝および1部昇格に貢献。2023年はアトレチコ・パラナエンセでプレー(35試合2得点)するが、2023年末に契約が満了し、2024年1月にクルゼイロに入団する。再入団後は間もなくレギュラーの座を掴み、今節終了時点で43試合4得点の記録を残している。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:58% 42% ⇒ 前後半:56% 44%
シュート(枠内): 前半:5‐9(2‐3) ⇒ 前後半:15‐13(6‐4)
パス成功率: 前半:86% 86% ⇒ 前後半:82% 80%
ファール: 前半:2‐3 ⇒ 前後半:7‐6
黄カード(赤): 前半:0‐0 ⇒ 前後半:0‐3

   クルゼイロ(CRU)は、前節終了後に解任されたフェルナンド・セアブラ(Fernando Seabra)監督の後を受けて就任したフェルナンド・ジニース(Fernando Diniz)監督が就任。初采配試合となる週中のコパ・スウアメリカーナ準々決勝リベルタ/PAR戦2ndレグを1-1の引き分け。2試合合計で3-1となり、準決勝に駒を進めた。全国選手権は最近の8試合が1勝4分3敗と停滞しており、リベルタドーレス出場圏外の7位まで順位を下げている。
   今節は、フェルナンド・ジニース監督とCBジョアン・マルセロ(João Marcelo, 2000)が出場停止。さらには、前日の練習で右太ももに違和感を感じ早めに切り上げたFWマテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)が大事を取って欠場。MFマテウス・ヴィタウが中盤に起用される。
   クルゼイロ(CRU)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合(コパ・スウアメリカーナ)のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKカシオ(Cássio, 1987)
   4 : 右SBウィリアン・フルタド(William Furtado, 1995)、CBゼ・イヴァウド(Zé Ivaldo, 1997)、CBビジャルバ(Villalba, 1994)、左SBマルロン(Marlon, 1997)
   3 : VOLルーカス・ロメロ(Lucas Romero, 1994)、※MFマテウス・ヴィタウ(Mateus Vital, 1998)、MFマテウス・エンヒキ(Matheus Henrique, 1997)
   3 : FWガブリエウ・ヴェロン(Gabriel Veron, 2002)、FWカイオ・ジョルジ(Kaio Jorge, 2002)、FWラウタロ・ジアス(Lautaro Díaz, 1998)

   ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)は、コパ・ド・ブラジルで準決勝進出を決めた後の2試合を1分1敗。今節は中2日でコパ・ド・ブラジル準決勝アトレチコ・ミネイロ戦1stレグを控えており、嫌な流れを断ちきってコパ・ド・ブラジルに挑みたい。
   今節は、一部の主力選手を温存。前節からスタメンの4選手を変更。MFフィリピ・コウチーニョがトップ下に入る。
   ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKレオ・ジャルジン(Léo Jardim, 1995)
   4 : ※右SBプーマ・ロドリゲス(Pumita Rodríguez, 1997)、※CBジョアン・ヴィクトル(João Victor, 1998)、CBレオ(Léo, 1996)、左SBルーカス・ピトン(Lucas Piton, 2000)
   2 : VOLウーゴ・モウラ(Hugo Moura, 1998)、※VOLマテウス・カルヴァーリョ(Mateus Carvalho, 2002)
   3 : ※FWエメルソン・ロドリゲス(Emerson Rodríguez, 2000)、※MFフィリピ・コウチーニョ(Philippe Coutinho, 1992)、FWデイヴィジ(David, 1995)
   1 : FWベヘッチ(Vegetti, 1988)

   この試合最初のチャンスはクルゼイロ。前半2分、相手陣右サイドでボールを受けたFWカイオ・ジョルジがドリブルで縦にボールを運び、そのままミドルシュート。ボールは枠を捉えるが、ヴァスコGKレオ・ジャルジンが辛うじてクロスバーの上にボールを弾き出す。
   前半9分、ヴァスコ・ダ・ガマにアクシデントが発生。自陣でボールを前に運ぼうとするFWデイヴィジが相手選手と接触。右膝を両手で抑えて倒れ込み立ち上がれない。翌日の検査の結果、前十字靭帯断裂と診断され約10か月間戦列を離れることとなる。
   不意のアクシデントに見舞われたヴァスコだったが、前半21分に左サイドゴールライン際からのマイナスのボールにVOLマテウス・カルヴァーリョがシュート、前半27分に相手陣でボールを奪ったMFフィリピ・コウチーニョがそのままボールを持ち上がりシュートに持ち込む。しかし、いずれもボールの勢いに欠け、クルゼイロGKカシオに抑えられる。
   一方のクルゼイロも、前半37分、縦に速い攻撃から、FWラウタロ・ジアスがPAに侵入。シュートコースを塞がれるとみるや、軽くボールを後方に戻し、そこに駆け上がるFWカイオ・ジョルジがシュート。しかし、ボールは枠を捉えない。
   両チーム一進一退の攻防を繰り返す中、前半40分、ヴァスコ・ダ・ガマは左CKから、クリアされたボールを右SBプーマ・ロドリゲスがPA内に戻し、VOLウーゴ・モウラが体を反転させながらシュート。GKが弾き返したボールにFWベヘッチが詰め、アウェイのヴァスコ・ダ・ガマが先制点を奪う。[0-1]
   後半開始時に、クルゼイロは前線のFWガブリエウ・ヴェロンに代え、FWアルバロ・バレアルを中盤に投入。
   後半14分、クルゼイロは、左CKから後方にボールを下げ、FWアルバロ・バレアルがPA中央へボールを送ると、CBゼ・イヴァウドが頭を合わせ、試合を振り出しに戻す。[1-1]
   同点に追い付かれた直後にヴァスコ・ダ・ガマは2選手を交代し、中盤の競争力を高め、後半29分にはFWエメルソン・ロドリゲスが左サイドからPA手前を中央へ切れ込みゴールを狙うが、低く鋭いボールはGKカシオの正面。
   その後もヴァスコ・ダ・ガマが攻勢を強めていくが、後半34分、ピッチ中央でのボール争奪戦でスライディングに行ったVOLマテウス・カルヴァーリョのスパイク裏が相手選手の脛を蹴りレッドカード。
   数的優位に立ったクルゼイロがボールを握る一方、ヴァスコ・ダ・ガマは自陣に引き守備ブロックを固め専守防衛の体制に入る。
   後半45+6分、クルゼイロは左サイドからゴール前にボールを送ると、クリアに遭ったボールをVOLペラルタ(Peralta, 2002)がペナルティアークからシュート。ゴール右隅を狙ったシュートをヴァスコGKレオ・ジャルジンが辛うじてゴールポストの外へ弾き出す。
   試合は1-1のままタイムアップ。両チーム勝点「1」を分け合う結果に終えた。

   クルゼイロは、就任直後のフェルナンド・ジニース監督が前任での警告蓄積により出場停止となっていたが、自陣で細かく繋ぐパスや、GKのビルドアップ参加といったリスクの高いプレーを極力排除し、一方で、縦にスピードのある展開や、一方のサイドに偏った執拗なボール回しといった特徴のあるプレーはいくつか見られた。しかし、高いボール支配率を誇るものの、効果的に相手ゴールに迫ることができない最近のクルゼイロの試合の展開を払拭するまでには至らなかった。
   クルゼイロは、アディショナルタイムを含めた15分を越す数的有利な状況を生かせず、今節も引き分けに終えた。
   次戦は、10月3日に全国選手権第29節、フェルナンド・ジニース監督は前任のフルミネンセとアウェイで相まみえることとなる。
   ヴァスコ・ダ・ガマは、一部主力選手を温存し、前半早々に負傷退場による選手交代に迫られたものの、前半のうちに先制。後半に同点に追い付かれ、さらには数的不利な状況に陥ったが、アウェイで勝点を獲得することに成功した。
   次戦は、中2日の10月2日にコパ・ド・ブラジル準決勝アトレチコ・ミネイロ戦1stレグ。
   全国選手権第29節は、10月5日にホームでのジュヴェントゥージ戦が予定されている。

バイーア(BAH) 1-0 クリシウーマ(CRI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=Ir56RdE8zug
(BAH) : 32' #8 カウリー(Cauly, 1995)[#13 サンティアゴ・アリアス(Santiago Arias, 1992)]

今節前の順位

バイーア(BAH)は全国選手権12勝6分9敗勝点42の6位。
クリシウーマ(CRI)は全国選手権8勝8分11敗勝点32の13位。

得点シーン

(BAH) : 32' #8 カウリー(Cauly, 1995)[#13 サンティアゴ・アリアス(Santiago Arias, 1992)]
相手陣中央からゆっくりと右サイドへボールを繋ぐと、右SBサンティアゴ・アリアスがゴールラインに向けドリブルを開始。ゴールライン手前からゴール正面PA入口へボールを戻すと、MFカウリーが右足でボールを叩きつけるシュート。GKは一歩も動くことができず、ボールはゴール左隅に決まる。[1-0]

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:67% 33% ⇒ 前後半:55% 45%
シュート(枠内): 前半:9‐0(3‐0) ⇒ 前後半:21‐2(7‐1)
パス成功率: 前半:89% 78% ⇒ 前後半:85% 83%
ファール: 前半:5‐5 ⇒ 前後半:10‐8
黄カード(赤): 前半:0‐0 ⇒ 前後半:1‐2

   バイーア(BAH)は、前々節の勝利で公式戦の連敗を「3」で止めたものの、前節はフォルタレーザを相手に1-4の完敗。全国選手権は一時は首位に肉薄したものの、現在はリベルタドーレス出場権をかけた6位争いを繰り広げている。
   今節は、出場停止明けのCBカヌーがスタメンに復帰。他のポジションに変更はない。
   バイーア(BAH)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKマルコス・フェリピ(Marcos Felipe, 1996)
   4 : 右SBサンティアゴ・アリアス(Santiago Arias, 1992)、CBガブリエウ・シャヴィエル(Gabriel Xavier, 2001)、※CBカヌー(Kanu, 1997)、左SBルシアーノ・ジュバ(Luciano Juba, 1999)
   4 : VOLカイオ・アレシャンドレ(Caio Alexandre, 1999)、MFエヴェルトン・ヒベイロ(Éverton Ribeiro, 1989)、MFカウリー(Cauly, 1995)、VOLジアン・ルーカス(Jean Lucas, 1998)
   2 : FWタシアーノ(Thaciano, 1995)、FWエヴェラウド(Everaldo, 1991)

   クリシウーマ(CRI)は、全国選手権再昇格一年目の今シーズンは、これまで一度も降格圏に落ちずに推移。最近はやや調子を落としていたものの、週中の順延された第5節グレミオ戦に4試合ぶりの勝利。降格圏までの勝点差を「4」に拡げた。とは言え、1つでも勝点を積み上げ、残留争いではなく、中位のコパ・スウアメリカーナ出場権を争いたい。
   今節は、VOLネウトン(Newton, 2000)、MFマテウジーニョ(Matheusinho, 1998)、MFホナウジ・ロペス(Ronald Lopes, 1997)の中盤3選手が揃って出場停止。一方で、FWボラシエが出場停止明けでスタメンに復帰する。
   クリシウーマ(CRI)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合(第5節)のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKグスタヴォ(Gustavo, 1993)
   4 : ※右SBクラウジーニョ(Claudinho, 2000)、CBホドリゴ(Rodrigo, 1987)、CBトビアス・フィゲイレード(Tobias Figueiredo, 1994)、左SBマルセロ・エルメス(Marcelo Hermes, 1995)
   4 : ※VOLパトリッキ・ジ・パウラ(Patrick de Paula, 1999)、MFフェリピ・マテウス(Fellipe Mateus, 1991)、※MFマルキーニョス・ガブリエウ(Marquinhos Gabriel, 1990)、VOLバヘット(Barreto, 1995)
   2 : FWアラーノ(Allano, 1995)、※FWボラシエ(Bolasie, 1989)

   立ち上がり間もない前半7分にクリシウーマが大きなチャンスを迎える。
   相手陣でボールを奪うと、PA手前での細かいパス回しから右SBクラウジーニョが最終ライン裏へ抜け出し、ゴールエリア右手前から強烈なシュート。しかし、これは僅かにオフサイドの判定。
   試合最初のチャンスはクリシウーマに訪れたものの、試合の主導権はバイーアが相手陣での厳しい寄せをベースにクリシウーマの攻撃を断ち、そのまま相手陣でのパス回しからゴールへの過程を探る展開が続く。しかし、いつものようにアタッキングサードでのスピード感やアイディアに欠け、相手守備陣に対応される。
   前半32分、バイーアは、相手陣でのゆったりとしたボール回しから右サイドで右SBサンティアゴ・アリアスがボールを受けると、縦に仕掛けゴールライン手前からゴール正面PA入口へマイナスのボール、MFカウリーがダイレクトに右足を振り抜き、先制点を奪う。[1-0]
   バイーアはその後も相手陣でボールを展開。前半37分には、右サイドMFエヴェルトン・ヒベイロのゴール前へのボールにFWタシアーノが頭を合わせる。ボールは枠を捉えるが、GKグスタヴォが辛うじてクロスバーの上にボールを弾きだす。
   後半2分、相手陣PA内にボールを運んだクリシウーマは、PA内右でボールをキープするFWボラシエが、1レーン内を縦に入るFWアラーノへボールを送り、FWアラーノが角度のない位置からシュート。バイーアGKマルコス・フェリピがコースを塞ぎ、両手でボールを弾き返す。
   後半も前半同様に速い時間帯にクリシウーマが好機を迎えるが、その後は、バイーアが相手陣に押し込む展開。しかし、前半同様にゴールを奪えないまま時間が経過する。
   後半20分になると、バイーアは前線にスピードのあるFWルシアーノ・ロドリゲス(Luciano Rodríguez, 2003)とFWハファエウ・ハトン(Rafael Ratão, 1995)を投入し、相手にボールを持たせカウンターを狙う戦術へと変更する。
   クリシウーマも後半25分に一気に3選手を入れ替えるが、この時に疲れの見えるFWボラシエを下げたこともあり、ゴール前での迫力に欠けることとなる。
   試合はその後膠着化し、そのままタイムアップ。
   ホームのバイーアが、型にはめた試合展開で1-0の勝利を収めた。

   バイーアは、これまで下位のチームに苦杯を舐めさせられる試合も少なからず見られたが、今節は立ち上がりこそピンチを迎えたが、以降は試合の主導権を握り相手にカウンターを許さず、盤石な選手交代で前半のリードを守り抜き、ホームで勝点「3」を手に入れた。今節は上位チームが揃って勝点「3」を積み上げたため、順位に変動はないが、勝点を「45」に伸ばし6位をキープ。4位までの勝点差も「3」を維持した。
   次戦は、10月5日に全国選手権第29節、現在4位のフラメンゴとの一戦をホームにて開催。結果次第では4位浮上の可能性も秘める。
   クリシウーマは、前後半ともに開始直後の時間帯を除き、バイーアにサッカーをさせてもらえず、0-1の敗戦。しかし、幸いなことに、今節は下位チームが揃って敗れたため、降格圏までの勝点差は「4」のまま維持された。
   次戦は、10月3日に全国選手権第29節にてホームにアトレチコ・ゴイアニエンセを迎える。その後3試合上位との対戦が続くだけに、最下位のアトレチコ・ゴイアニエンセから勝点「3」を勝ち取りたい。

フラメンゴ(FLA) 1-0 アトレチコ・パラナエンセ(CAP)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=Ij8xXt4zdzg
(FLA) : 90' #8 ジェルソン(Gerson, 1997)[#43 ウェズレイ(Wesley, 2003)

今節前の順位

フラメンゴ(FLA)は全国選手権13勝6分7敗勝点45の4位。(1試合未消化)
アトレチコ・パラナエンセ(CAP)は全国選手権8勝7分10敗勝点31の15位。(2試合未消化)

得点シーン

(FLA) : 90' #8 ジェルソン(Gerson, 1997)[#43 ウェズレイ(Wesley, 2003)]
相手陣深くへ守備陣を押し込み、右サイドから左サイドへ大きくサイドチェンジ、そして、中央を経て再び右サイドへボールを戻すと、PA右角からSBウェズレイが左足でゴール正面PA入口へボールを送る。前線の動きに惑わされたDFの寄せが甘くなったところを、MFジェルソンが頭を合わせると、ボールは必死に手を伸ばすGKの指先を越え、ファーサイドのゴールネットに吸い込まれる。[1-0]

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:70% 30%
シュート(枠内): 前半:‐(‐) ⇒ 前後半:17‐7(5‐1)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:90% 75%
ファール: 前半:‐ ⇒ 前後半:12‐13
黄カード(赤): 前半:‐ ⇒ 前後半:2‐2

   フラメンゴ(FLA)は、週中のリベルタドーレス準々決勝ペニャロル戦2ndレグにて0-0の引き分け。2試合合計で0-1となり準々決勝でリベルタドーレスを後にした。全国選手権は、これまでリベルタドーレス、コパ・ド・ブラジルを勝ち上がったことによる厳しい日程や、多くのケガ人を輩出する中、1試合未消化ながら4位と健闘している。
   今節は、中2日でコパ・ド・ブラジル準決勝コリンチャンス戦1stレグを控え一部の主力選手を温存。リベルタドーレスから7選手を入れ替え試合に入る。
   フラメンゴ(FLA)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合(リベルタドーレス)のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKロッシ(Rossi, 1995)
   4 : ※右SBウェズレイ(Wesley, 2003)、※CBダヴィ・ルイス(Davi Luiz, 1987)、CBレオ・オルティス(Léo Ortiz, 1997)、※左SBアイルトン・ルーカス(Ayrton Lucas, 1997)
   2 : ※VOLエリキ・プルガール(Ericl Pulgar, 1994)、※VOLアルカラス(Alcaraz, 2002)
   3 : ※MFマテウス・ゴンサウヴェス(Matheus Gonçalves, 2005)、MFジェルソン(Gerson, 1997)、MFプラッタ(Plata, 2000)
   1 : ※FWガブリエウ・バルボーザ(Gabriel Barbosa, 1996)

   アトレチコ・パラナエンセ(CAP)は、週中に1-0の先勝で迎えたコパ・スウアメリカーナ準々決勝ラシン・クラブ/ARG戦アウェイでの2ndレグにて、開始20秒で失点。前半23分の失点で2試合合計でリードを奪われると、その後も試合の主導権を握られ、最終的に1-4の完敗を喫し、同大会を敗退。ルーチョ・ゴンサレス(Lucho González)監督は初戦を勝利で飾ることができなかった。
   今節は、4バックから3バックへ変更。ケガ明けのFWパブロがスタメンを務める。
   アトレチコ・パラナエンセ(CAP)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合(コパ・スウアメリカーナ)のスタメンからの入れ替わり)
   GK : GKミカエウ(Mycael, 2004)
   3 : CBカイキ・ホッシャ(Kaique Rocha, 2001)、CBチアゴ・エレーノ(Thiago Heleno, 1988)、※CBガマラ(Gamarra, 2000)
   5 : 右WBクエージョ(Cuello, 2000)、VOLエリキ(Erick, 1997)、MFサペリ(Zapelli, 2002)、※VOLクリスチアン(Christian, 2000)、左WBエスキベル(Esquivel, 2001)
   2 : ※FWパブロ(Pablo, 1992)、FWカノービオ(Canobbio, 1998)

   リベルタドーレス敗退後、初のマラカナンスタジアムでのホームゲームを迎えたフラメンゴは、一部サポーターによるチチ監督に対する野次が執拗に叫ばれる中、試合が始まる。
   試合は、フラメンゴがボールを支配し、アトレチコ・パラナエンセが自陣で守備を固めカウンターを狙う展開。
   前半8分、フラメンゴは右CKを獲得すると、ショートコーナーからゴール前に上げられたボールがこぼれると、CBダヴィ・ルイスがシュート。ブロックに遭ったこぼれ球をCBダヴィ・ルイスがゴールライン際からゴール前に送ると、CBレオ・オルティスが頭で押し込みを図るが、アトレチコCBチアゴ・エレーノがゴールライン手前でクリア。
   その1分後の前半9分には、フラメンゴは自陣からの縦に速い展開、PA侵入後に後方に戻されたボールにFWガブリエウ・バルボーザがシュートに持ち込むが、ボールはアトレチコ・パラナエンセGKミカエウの正面。フラメンゴは開始早々の相次ぐ好機をゴールに結びつけることができない。
   対するアトレチコ・パラナエンセは、前半14分、相手陣PA左浅い位置でFKを獲得すると、MFサペリが直接ゴールを狙う。ボールは選手の間を抜けるが、フラメンゴGKロッシがブロック。続くCKからはCBカイキ・ホッシャがヘディングシュートに持ち込むがボールはクロスバーを越える。
   フラメンゴは、リベルタドーレス準々決勝ペニャロル戦では、相手守備陣を崩すことに重点が置かれ過ぎるあまりシュートへの意識が遠ざかったいたが、この試合では積極的にシュートを放っていく。しかし、相手GKの正面をつくなど、ゴールをこじ開けることは出来ない。
   前半43分にはPA手前からMFジェルソンが低い弾道の強烈なシュート。しかし、GKミカエウが倒れ込みながら両手でボールを弾きゴールを守り抜く。
   後半に入ると、アトレチコ・パラナエンセが守備を修正し、試合は均衡状態に陥る。
   後半16分に、フラメンゴは、右SBアレキ・サンドロ(Alex Sandro, 1991)、VOLデ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)、FWブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1990)を一気に投入し、膠着した試合展開の打開を図るが効果は現れない。
   一方のアトレチコ・パラナエンセも、後半に入り試合を均衡させることには成功したものの、攻撃面では、MFサペリ、FWカノービオを相次いでベンチに下げ、縦の推進力を失っていく。
   決定機はないもののフラメンゴが執拗に相手陣で攻め続けると、後半45分、PA右角からSBウェズレイが左足でゴール正面PA入口へ送ったボールに、MFジェルソンが頭を合わせファーサイドのゴールネットを揺らす。[1-0]
   試合はそのままタイムアップ。ホームのフラメンゴが試合終了間際の勝ち越しゴールで1-0の勝利を収めた。

   フラメンゴは、リベルタドーレス敗退後の初戦で1-0の勝利を収め、全国選手権は4位を死守した。
   しかし、試合の2日後の10月1日にチチ監督の解任を発表。その翌日にはフィリピ・ルイス(Filipe Luís)U-20監督の監督就任が発表された。契約期限は2025年末。
   次戦は、中2日の10月2日にコパ・ド・ブラジル準決勝コリンチャンス戦1stレグ、ホームでの試合が待ち構えている。
   全国選手権第29節は、10月5日にリベルタドーレス本戦出場圏の4位を懸けた直接のライバル、バイーアとの対戦がアウェイにて予定されている。
   アトレチコ・パラナエンセは、新任ルーチョ・ゴンサレス(Lucho González)監督がコパ・スウアメリカーナに次ぐ2試合目の采配。コパ・スウアメリカーナでの1-4の敗戦から守備は立て直されたものの、今節はあまりにも守備的な内容でゴールの匂いがほとんど感じられなかった。また、今季の全国選手権で散見される試合終了間際に失点する詰めの甘さが今節も発露。全国選手権終盤を迎えて、改善すべき内容は山積するものの、その解決策が見出されない状況が続いている。
   次戦は、10月5日に全国選手権第29節、首位のボタフォゴをホームに迎える。

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