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全国選手権第29節 対戦組合せ
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/10/03 クリシウーマ(CRI) x アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)
・2024/10/04 フルミネンセ(FLU) x クルゼイロ(CRU)
・2024/10/04 グレミオ(GRE) x フォルタレーザ(FOR)
・2024/10/05 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x ヴィトーリア(VIT)
・2024/10/05 RBブラガンチーノ(RBB) x パウメイラス(PAL)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第29節(2/2)[10/03-05]
・2024/10/05 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x ボタフォゴ(BOT)
・2024/10/05 バイーア(BAH) x フラメンゴ(FLA)
・2024/10/05 コリンチャンス(COR) x インテルナシオナウ(INT)
・2024/10/05 クイアバ(CUI) x サンパウロ(SAO)
・2024/10/05 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x ジュヴェントゥージ(JUV)
全国選手権第29節 試合概要
クリシウーマ(CRI) 2-0 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=zgKD9JjDWag
(CRI) : 42' #3 ホドリゴ(Rodrigo, 1987)[#17 マテウジーニョ(Matheusinho, 1998)]
(CRI) : 47' #7 フェリピ・マテウス(Fellipe Mateus, 1991)[#2 アラーノ(Allano, 1995)]
今節前の順位
クリシウーマ(CRI)は全国選手権8勝8分12敗勝点32の14位。
アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)は全国選手権5勝6分17敗勝点21の20位。
得点シーン
(CRI) : 42' #3 ホドリゴ(Rodrigo, 1987)[#17 マテウジーニョ(Matheusinho, 1998)]
右CKからPA右角手前にボールを下げると、MFマテウジーニョが右足のクロスフェイントから左足へボールを持ち換え、ゴール前ファーサイドへボールを送る。DF陣の頭上を越えたボールをCBホドリゴが頭でゴールに押し込み、ホームのクリシウーマが先制。[1-0]
CBホドリゴは、今年37歳を迎えたベテラン。2007年のプロデビュー以降は下位リーグでのプレーが続き、全国選手権2部でさえ2015年に4試合、2019年に25試合に出場するに過ぎなかった。2021年5月に当時全国選手権3部クリシウーマに加入しレギュラーの座を獲得すると、28試合に出場し、全国選手権2部昇格に貢献。2022年43試合、2023年には54試合に出場し、主力選手の一人として全国選手権1部昇格に貢献した。2024年は、自身初の全国選手権1部の舞台での24試合など、今節終了時点で44試合に出場。全国選手権再昇格1年目のチームは、これまで一度の降格圏に足を踏み入れていないが、下積み生活の長いベテランの活躍が一つの要因となっている。
(CRI) : 47' #7 フェリピ・マテウス(Fellipe Mateus, 1991)[#2 アラーノ(Allano, 1995)]
相手陣中央からMFホナウジ・ロペス(Ronald Lopes, 1997)がPA右角へボールを送ると、MFアラーノが斜めに切れ込みながらボールを確保。縦に鋭く針路を変えゴール正面へボールを戻すと、MFフェリピ・マテウスのクロス気味のシュートがGKの頭を越え、ファーサイドのゴールネットへと吸い込まれる。[2-0]
MFフェリピ・マテウスは、2011年4月サンパウロ州選手権4部リーグにて20歳のプロデビュー。全国選手権は2016年にボアエスポルチにて3部リーグに初参戦。全国選手権2部でのプレーは、2018年ジュヴェントゥージにて14試合、2019年フィゲイレンセにて31試合に出場。2021年5月に当時全国選手権3部クリシウーマに加入し22試合3得点。2022年、2023年は全国選手権2部にて、それぞれ44試合1得点6アシスト、54試合8得点10アシストの成績を残し、主力選手の一人として全国選手権1部昇格に貢献した。2024年も今節終了時点で44試合6得点4アシスト。契約は2025年末までとなっており、来季のコパ・スウアメリカーナ出場を果たしたい。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:54% 46% ⇒ 前後半:46% 54%
シュート(枠内): 前半:11‐7(2‐1) ⇒ 前後半:17‐14(5‐3)
パス成功率: 前半:78% 76% ⇒ 前後半:78% 81%
ファール: 前半:10‐4 ⇒ 前後半:16‐7
黄カード(赤): 前半:0‐1 ⇒ 前後半:1‐4
クリシウーマ(CRI)は、前節バイーア戦にて0-1の敗戦。アウェイで前半はボールを支配されシュート数はゼロ。後半は相手がカウンターを狙う姿勢に移ったこともあり、ボールを持つようになったが、相手守備網を崩せず無得点に終えた。幸い他の下位チームも勝ち点を積み上げることができず、残留圏までの勝点差は「4」の状況で今節を迎える。
今節は、FWアルトゥール・カイーキ(Arthur Caíke, 1992)が出場停止。出場停止明けのVOLネウトンとMFマテウジーニョがスタメンに復帰。
クリシウーマ(CRI)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
GK : GKグスタヴォ(Gustavo, 1993)
4 : ※右SBドゥドゥ(Dudu, 1997)、CBホドリゴ(Rodrigo, 1987)、CBトビアス・フィゲイレード(Tobias Figueiredo, 1994)、左SBマルセロ・エルメス(Marcelo Hermes, 1995)
2 : ※VOLネウトン(Newton, 2000)、VOLバヘット(Barreto, 1995)
3 : MFアラーノ(Allano, 1995)、※MFマテウジーニョ(Matheusinho, 1998)、MFフェリピ・マテウス(Fellipe Mateus, 1991)
1 : FWボラシエ(Bolasie, 1989)
アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)の前節は、残留争いのライバルの一つ、フルミネンセとの対戦だったが、試合終了間際の得点で勝点「3」を勝ち取り、10節を残し、降格圏脱出までの勝点差を「7」に詰めた。今節は連勝を飾り、さらに勝点差を詰めたい。
今節は、GKホナウド(Ronaldo, 1996)と左SBギリェルミ・ホマォン(Guilherme Romão, 1997)が出場停止のため、GKペドロ・ハンジェウと、前節に引き続き左SBアレホ・クルスがスタメンを務める。期限付き移籍でプレーしていたFWエミリアーノ・ロドリゲス(Emiliano Rodríguez, 2003)との契約を10月1日に解除。FWエミリアーノ・ロドリゲスはこれまで36試合8得点2アシストを記録していた。
アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
GK : ※GKペドロ・ハンジェウ(Pedro Rangel, 2000)
4 : 右SBブルーノ・トゥバラォン(Bruno Tubarão, 1995)、CBアリックス・ヴィニシウス(Alix Vinicius, 1999)、CBアドリアーノ・マルチンス(Adriano Martins, 1997)、左SBアレホ・クルス(Alejo Cruz, 2000)
3 : VOLホニ(Roni, 1999)、VOLバラーリャス(Baralhas, 1998)、VOLハウジネイ(Rhaldney, 1998)
3 : FWラカバ(Lacava, 2002)、※FWジャンデルソン(Janderson, 1999)、FWウルタド(Hurtado, 2000)
ホームのクリシウーマがボールを支配する展開。
クリシウーマは、前半11分に右サイドから左サイド、そして、PA内右サイドへとボールを展開し、最後はSBドゥドゥがシュート。しかし、ボールはGKペドロ・ハンジェウの正面。
前半29分には、相手陣右サイドからMFアラーノがPAに侵入し、見事な個人技からシュートに持ち込むが、惜しくもボールはクロスバーに跳ね返される。
さらにクリシウーマは前半35分、左サイドゴールライン手前からのFWボラシエのクロスに対してアトレチコGKが処理を誤り、ボールはゴール正面へとこぼれるが、そのボールに詰めたMFアラーノのシュートはクロスバーを越えていく。
絶好の得点機を逸したクリシウーマだったが、前半42分、右CKの流れから、MFマテウジーニョがゴール前ファーサイドへ送ったボールにCBホドリゴが頭でゴールに押し込み、クリシウーマが先制する。[1-0]
アトレチコ・パラナエンセは、開始早々の前半2分に、縦に素早いボール運びからSBアレホ・クルスがシュートに持ち込んだ以外には、効果的に相手ゴールに迫ることができないまま前半を終える。
後半開始早々の2分、クリシウーマは相手陣中央からMFホナウジ・ロペス(Ronald Lopes, 1997)がPA右角へボールを送り、MFアラーノが斜めに切れ込みながらボールを確保。縦に針路を変えゴール正面へボールを戻すと、MFフェリピ・マテウスのクロス気味のシュートがGKの頭上を越え、ファーサイドのゴールネットへと吸い込まれる。[2-0]
2点のリードを許したアトレチコ・ゴイアニエンセは、後半8分、相手陣バイタルエリアでの執拗なマンマークを外しシュートを持ち込むが、クリシウーマGKグスタヴォが片手を伸ばしボールをクロスバーの上へ弾き出す。
後半10分、アトレチコ・ゴイアニエンセは、前線の3選手をFWジョエル・キャンベル(Joel Campbell, 1992)、FWルイス・フェルナンド(Luiz Fernando, 1996)、FWデレキ(Derek, 1997)へと一気に交代するが、中盤での主導権争いで劣勢が続き、効果的なボールを前線に運ぶことができない。
試合は均衡状態に陥ると、後半40分にクリシウーマはMFアラーノのカウンターからのシュート、終了間際には、アトレチコ・ゴイアニエンセMFシャイロン(Shaylon, 1997)がシュートに持ち込むが、いずれもゴールネットを揺らすまでには至らず試合はタイムアップ。
ホームのクリシウーマが最下位アトレチコ・ゴイアニエンセから勝点「3」を獲得する2-0の勝利を収めた。
クリシウーマは、全国選手権3部時代から所属する2選手によるゴールで2-0の完勝。この結果、試合終了時点で順位はコパ・スウアメリカーナ出場圏の11位。残留圏までの勝点差を「7」にまで拡げた。
次戦は、10月18日に全国選手権第30節、首位ボタフォゴとのアウェイでの試合が予定されている。
アトレチコ・ゴイアニエンセは、昇級チーム同士の対戦で、両チームのこの一年間の取り組みが反映されたような試合内容で0-2の敗戦。守備面ではクリシウーマのボール回しに後手に回る時間帯が多く、攻撃面でも決定機を迎えることができずに試合を終えた。
次戦は、10月18日に全国選手権第30節、19位クイアバとホームでの裏天王山。必勝を期す。
フルミネンセ(FLU) 1-0 クルゼイロ(CRU)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=NCA0d5C6fkg
(FLU) : 55' #22 ジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)[#10 ガンソ(PH Ganso, 1989)]
今節前の順位
フルミネンセ(FLU)は全国選手権7勝6分14敗勝点27の18位。(1試合未消化)
クルゼイロ(CRU)は全国選手権12勝7分9敗勝点43の8位。
得点シーン
(FLU) : 55' #22 ジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)[#10 ガンソ(PH Ganso, 1989)]
左サイドでFWケーノが縦にボールを運び、ゴールライン際から逆サイドのPA入口へボールを戻す。ボールを受けたFWジョン・アリアスが中央のMFガンソへボールを預けゴールに向かうと、MFガンソはDFの足元を通す華麗なスルーパス。FWジョン・アリアスがゴールエリア右から右足を振り抜くと、ボールはファーサイドのゴールポストを叩き、ゴールネットに吸い込まれるゴラッソ。ホームのフルミネンセが先制。[1-0]
FWジョン・アリアスは、フルミネンセ加入後の2022年6月に代表デビューを果たし、2024コパ・アメリカなどコロンビア代表として23試合3得点3アシスト。2021年8月のフルミネンセ加入後は途中交代による出場が続いたが、翌2022年には先発出場も増え、フェルナンド・ジニース監督就任後は欠くべからざる選手の一人として、2023年クラブ史上初のリベルタドーレス制覇に大いに貢献。2024年はコパ・アメリカ期間中の離脱があったものの、今節終了時点で42試合11得点7アシストを記録している。スピードと打開力のあるドリブルでチャンスを演出し、決定力の高さで自らも多くのゴールを奪う。2024コパ・アメリカでは全6試合に先発出場を果たしチームの準優勝に貢献。欧州クラブからの注目も高く、現在はフルミネンセとの契約更改に二の足を踏んでいる。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:53% 47% ⇒ 前後半:46% 54%
シュート(枠内): 前半:6‐7(2‐3) ⇒ 前後半:14‐13(5‐5)
パス成功率: 前半:85% 83% ⇒ 前後半:81% 82%
ファール: 前半:8‐8 ⇒ 前後半:19‐16
黄カード(赤): 前半:2‐1 ⇒ 前後半:8‐3
フルミネンセ(FLU)の前節は、最下位アトレチコ・ゴイアニエンセとの対戦にて0-1の敗戦。7月のCBチアゴ・シウヴァ(Thiago Silva, 1984)の加入以来、8勝2分7敗の成績を収めているが、CBチアゴ・シウヴァ不在時は4戦4敗と、その存在に依存している形となっている。
今節は、CBチアゴ・シウヴァは足首のケガが癒えずベンチ外。前節スタメンの左SBジオゴ・バルボーザ(Diogo Barbosa, 1992)とFWヘルマン・カーノ(Germán Cano, 1988)が出場停止。
フルミネンセ(FLU)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
GK : GKファビオ(Fábio, 1980)
4 : 右SBサムエウ・シャヴィエル(Samuel Xavier, 1990)、※CBマノエウ(Manoel, 1990)、CBチアゴ・サントス(Thiago Santos, 1989)、※左SBマルセロ(Marcelo, 1987)
2 : ※VOLヴィクトル・ウーゴ(Victor Hugo, 2004)、VOLマルチネリ(Martinelli, 2001)
3 : MFジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)、MFガンソ(PH Ganso, 1989)、MFケーノ(Keno, 1989)
1 : ※FWカウワン・エリアス(Kauã Elias, 2006)
クルゼイロ(CRU)は、前節出場停止のフェルナンド・ジニース(Fernando Diniz)新監督の全国選手権初采配試合。浸透するまでに時間のかかる戦術を好んでおり、短期間での結果を期待するのは厳しいが、早いタイミングでの白星が欲しいところ。
今節は、出場停止選手や新たなケガ人はいない。前節足元のケガのため大事を取ったMFマテウス・ペレイラが先発復帰。他は前節のスタメンから変更点はない。
クルゼイロ(CRU)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
GK : GKカシオ(Cássio, 1987)
4 : 右SBウィリアン・フルタド(William Furtado, 1995)、CBゼ・イヴァウド(Zé Ivaldo, 1997)、CBビジャルバ(Villalba, 1994)、左SBマルロン(Marlon, 1997)
3 : VOLルーカス・ロメロ(Lucas Romero, 1994)、※MFマテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)、MFマテウス・エンヒキ(Matheus Henrique, 1997)
3 : FWガブリエウ・ヴェロン(Gabriel Veron, 2002)、FWカイオ・ジョルジ(Kaio Jorge, 2002)、FWラウタロ・ジアス(Lautaro Díaz, 1998)
前半10分、クルゼイロは自陣ゴール前からのビルドアップでミスを犯すと、フルミネンセFWケーノがショートカウンターからシュート、しかし、ボールはGK正面。クルゼイロは、続くリスタート直後にもPA内でボールを奪われかけ、慌てて出したパスをゴール前でフルミネンセSBマルセロに足を合わされるが、辛うじてボールは枠を外れ、クルゼイロは九死に一生を得る。
前半14分、クルゼイロは自陣左サイドゴールライン際からのロングカウンター。FWラウタロ・ジアスがボールを持ち上がり、相手陣に入った位置から縦にスルーパス。抜け出しを図るFWガブリエウ・ヴェロンに対し、PAを飛び出したGKファビオがシュートの直前にスライディングでボールを掻き出す。そのこぼれ球を拾ったFWカイオ・ジョルジが放ったシュートはゴールポストを叩き、DFに当たったボールがゴールに吸い込まれそうになるが、CBチアゴ・サントスが最後はクリア。
フルミネンセは、相手陣でプレスを仕掛け、ボール奪取からのショートカウンターでゴールを狙い、一方のクルゼイロは、自陣で細かくボールを繋ぎ、相手をおびき寄せた後に、縦に素早くボールを送るミドルレンジのカウンターで応酬する。
フルミネンセは後方にスペースを作る一方で、クルゼイロは後方には選手が残ることから、クルゼイロがより多くの得点機を作り出していく。
しかし、互いに守備陣の粘りと、最後のシュートの精度に欠け、スコアレスのまま前半を終了する。
後半もカウンターの応酬で始まり、後半4分にクルゼイロFWカイオ・ジョルジ、後半6分にフルミネンセMFジョン・アリアスがシュートに持ち込むが、いずれも枠を捉えない。
後半8分、フルミネンセは、自陣から送られたボールを左サイドでFWケーノが受け、ドリブルでPA手前を中央へ切れ込みシュート、ボールはクルゼイロGKカシオがしっかりとキャッチ。
後半9分、再び左サイドでボールを受けたFWケーノが、縦にボールを運びゴールライン際から逆サイドのPA入口へボールを戻すと、FWジョン・アリアスがMFガンソとのタベーラから最終ライン裏へ抜け出しゴール。フルミネンセが先制する。[1-0]
先制したフルミネンセは、前線でむやみにボールを追うことを止め、ブロックを形成してクルゼイロの攻撃を受けてたつようになると、クルゼイロにボールを持たれながらもシュートまで持ち込ませない。
一方で、フルミネンセは、後半30分に左サイドコーナーフラッグ近くからのクロスに、枠を捉えなかったものの、FWカウワン・エリアスがヘディングシュートに持ち込むなど、複数の好機を作り出していく。
後半34分、クルゼイロは相手陣右スローインから、VOLペラルタ(Peralta, 2002)が縦に切れ込みゴール前にクロス。後方から上がったVOLマテウス・エンヒキがフリーの体勢で頭を合わせるが、ゴール右隅に放たれたシュートをフルミネンセGKファビオが片手でストップ。
その後、両チームは大きな決定機を演出できず、試合はタイムアップ。ホームのフルミネンセが1-0の勝利を収めた。
フルミネンセは、ホームで勝点「3」を加算。全国選手権の連敗を「3」、CBチアゴ・シウヴァ不在時の連敗を「4」でストップ。試合終了時点で全国選手権は降格圏を抜け出し16位に浮上した。
次戦は、10月17日に全国選手権第30節、アウェイでのフラメンゴとのクラシコ。
クルゼイロは、前半のカウンターによる好機を仕留めることができず、後半は引き気味の相手守備網を崩すことができず、無得点での敗戦。シーズン半ばの大型補強の空回りが続いている。
次戦は、10月18日に全国選手権第30節、ホームに好調バイーアを迎える。
グレミオ(GRE) 3-1 フォルタレーザ(FOR)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=2bKwVnD1U-8
(GRE) : 13' #16 アラベナ(Aravena, 2002)[]
(FOR) : 18' #35 エルクレス(Hércules, 2000)[#22 ヤゴ・ピカチュー(Yago Pikachu, 1992)]
(GRE) : 60' #22 ブライトバイテ(Braithwaite, 1991)[#17 ドッジ(Dodi, 1996)]
(GRE) : 90+1' #7 ソテウド(Soteldo, 1997)[#34 イゴル・セホッチ(Igor Serrote, 2005)]
今節前の順位
グレミオ(GRE)は全国選手権9勝5分13敗勝点32の13位。(1試合未消化)
フォルタレーザ(FOR)は全国選手権16勝7分5敗勝点55の3位。
得点シーン
(GRE) : 13' #16 アラベナ(Aravena, 2002)[]
自陣右サイドでのスローインからのルーズボールをFWブライトバイテがMFクリスタウドへ送ると、MFクリスタウドがスピードのあるドリブルで相手陣深くまでボールを運ぶ。PA右からゴール前に送ったボールにDFが足を当てるが、ファーサイドへ流れたボールをグレミオMFアラベナがダイレクトに足を合わせゴールネットを揺らす。ホームのグレミオが先制。[1-0]
FWアラベナは、2026W杯南米予選などチリ代表として9試合に出場。2019南米U-17選手権(9試合4得点2アシスト)、2019U-17W杯(3試合)、2023パンアメリカン競技大会U-23(5試合2得点)など、育成カテゴリーから将来を嘱望され結果を残している。グレミオには2024年7月に320万ユーロ相当の移籍金にて加入。8月4日にクラブデビューを果たすと、最近の4試合は連続出場、特に直近の2試合はスタメンに起用されている。このゴールは、自身8試合目にして嬉しいグレミオでの初ゴールとなった。
(FOR) : 18' #35 エルクレス(Hércules, 2000)[#22 ヤゴ・ピカチュー(Yago Pikachu, 1992)]
最終ラインからのボールを自陣右サイドで受けたMFヤゴ・ピカチューが、サイドライン際のVOLエルクレスへ縦にボールを送ると、VOLエルクレスは相手サイドバックが上がり生まれたスペースをドリブルでボールを持ち上がりPAに侵入。ゴール前に上がる味方の2選手を囮に自らシュートを放つと、ボールはGKの足元を抜けゴールネットを揺らす。フォルタレーザが試合を振り出しに戻す。[1-1]
MFエルクレスは、セアラー州選手権下位リーグのチラデンチス-CE(Tiradentes-CE)から州選手権2部にて18歳のプロデビュー。その後セアラー州下位リーグの複数のクラブを経て、2021年にフォルタレーザU-23に加入。2022年にトップチームに昇格すると、48試合7得点1アシストを記録する。2023年は年初からレギュラーとして活躍するが、7月9日全国選手権の試合中に左膝前十字靭帯断裂の重傷を負い戦列を離脱する。2024年3月27日コパ・ド・ノルデスチで復帰すると、セグンドボランチとしてチームの全国選手権やコパ・スウアメリカーナの躍進に貢献。豊富な運動量、厳しいマークや積極的な攻撃参加でチームに推進力を与えている。
(GRE) : 60' #22 ブライトバイテ(Braithwaite, 1991)[#17 ドッジ(Dodi, 1996)]
アタッキングサード入口左サイドで、VOLドッジから送られたボールをワンタッチでDFのマークを外したFWブライトバイテが、斜めにゴールに向かいドリブル。中央から寄せるDFに対し縦にボールを置きスペースを作り左足のシュート。GKのキャッチングミスを誘ったボールがゴールネットに吸い込まれ、グレミオが勝ち越す。[2-1]
FWブライトバイテは、2度のW杯などデンマーク代表として69試合10得点4アシストを誇る。トゥールーズ/FRAやミドルズブラ/ENGなどを経てバルセロナ/ESPでプレー。バルセロナでは2020/21年に41試合7得点3アシストの成績を残す。グレミオには2024年7月末に2年契約で移籍加入。クラブデビュー戦で2得点をマークするなど、グレミオ加入後の10試合で5得点1アシストを記録している。
(GRE) : 90+1' #7 ソテウド(Soteldo, 1997)[#34 イゴル・セホッチ(Igor Serrote, 2005)]
自陣右サイドから送られたボールを相手陣入口中央でFWジエゴ・コスタ(Diego Costa, 1988)が胸で落とし、FWブライトバイテが左サイドへボールを展開。PAに侵入したFWソテウドが内に切り返し放ったシュートはファーサイドのゴールポストに跳ね返されるが、そのボールを右SBイゴル・セホッチが拾いゴール前ファーサイドへ柔らかいクロス。FWソテウドがダイレクトに右足を振り抜くとボールはファーサイドのゴールネットを揺らす。グレミオがダメ押しの追加点。[3-1]
FWソテウドは、2024コパ・アメリカなどベネズエラ代表として45試合4得点。2019年1月‐2021年4月、2022年8月‐2023年12月はサントスでプレーする。グレミオには2024年1月に加入。2月から2か月間ケガのために離脱、6月にはコパ・アメリカ出場のため全国選手権9試合に欠場したものの、2024年はこの試合を終えた時点で33試合6得点4アシストを記録している。
右SBイゴル・セホッチは、グレミオU-20所属で、前節(9月28日)のボタフォゴ戦にて後半36分にピッチに送り出され19歳のプロデビューを飾る。今節は後半21分、2-1のリードの局面でサイドハーフとしてピッチに送り出されると、守備面でサイドを封じ込めていたが、試合終了間際にカウンターに参加しプロ初のアシストを記録した。9月20日にはU-20代表への招集が発表されている。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:42% 58% ⇒ 前後半:38% 62%
シュート(枠内): 前半:11‐3(4‐3) ⇒ 前後半:17‐7(6‐5)
パス成功率: 前半:77% 84% ⇒ 前後半:77% 84%
ファール: 前半:4‐6 ⇒ 前後半:11‐9
黄カード(赤): 前半:0‐1 ⇒ 前後半:2‐2(1‐1)
グレミオ(GRE)は、前節の首位ボタフォゴ戦を0-0の引き分け。インテンシティの高いマークで試合の主導権を握り、試合内容は相手を上回っていたが、厳しすぎるレッドカードや一貫性のない判定など、少し気の毒な試合だった。しかし、しっかりと守備が立て直され、首位ボタフォゴを相手に5試合ぶりの無失点試合。今節は、再び上位との対戦となるが、前節の内容を再現したい。
今節は、ヘナト・ポルタルーピ(Renato Portaluppi)監督以下、GKマルチェシン(Marchesín, 1988)、VOLビジャサンチ(Villasanti, 1997)、FWミゲル・モンサルベ(Miguel Monsalve, 2004)が出場停止。
グレミオ(GRE)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
GK : ※GKカイーキ(Caíque, 1997)
4 : 右SBジョアン・ペドロ(João Pedro, 1996)、CBグスタヴォ・マルチンス(Gustavo Martins, 2002)、CBカネマン(Kannemann, 1991)、左SBヘイナウド(Reinaldo, 1989)
2 : ※VOLドッジ(Dodi, 1996)、VOLペペー(Pepê, 1998)
3 : MFエデニウソン(Edenílson, 1989)、MFクリスタウド(Cristaldo, 1996)、MFアラベナ(Aravena, 2002)
1 : FWブライトバイテ(Braithwaite, 1991)
フォルタレーザ(FOR)の前節クイアバ戦は、コパ・スウアメリカーナ敗退後の仕切り直しの一戦だったが、これまでの守備をベースとした戦術から積極的にボールを握る展開へとスタイルを変え、終始試合の主導権を握り、1-0の勝利を収めた。首位ボタフォゴとの勝点差は僅かに「2」と射程圏に捉えている。
今節は、右SBエマヌエル・ブリテス(Emanuel Brítez, 1992)とFWマリーニョ(Marinho, 1990)が出場停止。前節から4つのポジションで変更。センターフォワードには8月21日以来、出場7試合でゴールから遠ざかるFWルセロが入る。
フォルタレーザ(FOR)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
GK : GKジョアン・ヒカルド(João Ricardo, 1988)
4 : 右SBマンクーソ(Mancuso, 1999)、CBクスチェヴィッチ(Kuscevic, 1998)、CBカルドナ(Cardona, 1995)、※左SBブルーノ・パシェコ(Bruno Pacheco, 1991)
2 : ※VOLゼ・ウェリソン(Zé Welison, 1995)、VOLエルクレス(Hércules, 2000)
3 : ※MFヤゴ・ピカチュー(Yago Pikachu, 1992)、MFマテウス・ホセット(Matheus Rossetto, 1996)、MFブレーノ・ロペス(Breno Lopes, 1996)
1 : ※FWルセロ(Lucero, 1991)
ホームのグレミオが高い位置でのマークから試合を優勢に進めると、早くも前半13分に自陣から縦に速い展開でFWアラベナのクラブ初ゴールで先制する。[1-0]
失点の5分後、フォルタレーザは、高い位置を取るグレミオのサイドバックの裏を取り、VOLエルクレスが右サイドライン際からボールを持ち上がり、そのままPAに侵入しゴールネットを揺らす。[1-1]
同点後も試合を優位に進めるグレミオは、前半24分に右SBジョアン・ペドロがバイタルエリアからミドルシュート。直前でワンバウンドする難しいボールを倒れ込みながらフォルタレーザGKジョアン・ヒカルドが弾き出す。こぼれ球を拾ったMFクリスタウドが鋭いクロスをゴール前に送ろうとするが、ニアサイドでGKジョアン・ヒカルドがカット。
一方のフォルタレーザも、前半26分、ゴール正面PA手前から放たれたSBマンクーソの強烈なシュートをGKカイーキが辛うじてゴールポストの外へボールを弾き出す。
グレミオが両サイドバックやボランチが積極的に攻撃に参加する分厚い攻撃で試合を優位に進めるが、組織的な守備に自信を持つフォルタレーザはしっかりと対応。
前半アディショナルタイムに、グレミオSBジョアン・ペドロが相手陣深くに送られたボールをゴール前にクロス。ファーサイドで足を合わせたFWブライトバイテのシュートはニアサイドを閉めたGKの逆手を取り逆サイドへ放たれるが、CBクスチェヴィッチがゴールライン上でクリア。
前半はスピーディーな展開が続き、1-1のスコアで終了する。
後半開始後も白熱した展開が続き、互いに相手ゴールに迫る。
後半15分、グレミオFWブライトバイテが左サイドからドリブルで斜めにゴールに向かい、PAに侵入しシュート。GKのキャッチングミスを誘ったボールがゴールネットに吸い込まれ、グレミオが勝ち越す。[2-1]
失点直後に、フォルタレーザはボールを握れるMFポチェチーノ(Pochettino, 1996)とFWケルビン・アンドラーデ(Kervin Andrade, 2005)を投入。相手陣に押し込んでいく時間帯が増えていく。
後半31分、フォルタレーザは、右サイドライン際からのクロスに、ゴール前ファーサイドで態勢を崩しながらもFWルセロが頭を合わせるが、GKカイーキが俊敏に反応しボールをポストの外へ掻き出す。
後半34分、フォルタレーザは、SBマンクーソがこの試合2枚目のイエローカードを提示され退場処分。1点のビハインドを追うフォルタレーザが数的不利に陥る。
後半アディショナルタイムに、グレミオは自陣からのロングカウンターを発動し、FWソテウドが試合を決定づける3点目のゴール。[3-1]
試合は、ホームのグレミオが、優勝争いに加わるフォルタレーザを、3-1のスコアで下した。
グレミオは、前半31分にCBグスタヴォ・マルチンスが負傷退場となるアクシデントに見舞われたが、10月1日に今季限りでの引退を発表した2018W杯代表CBペドロ・ジェロメウ(Pedro Geromel, 1985)が急遽ピッチに立ち最終ラインをコントロール。一方で、プロ2試合目の試合となったU-20代表SBイゴル・セホッチがプロ初アシストをマークするなど、新旧の交代選手の活躍もあり、フォルタレーザを撃破した。
この結果、1試合未消化ながら、試合終了時点での順位がコパ・スウアメリカーナ出場圏の11位まで浮上。
次戦は、順延された全国選手権第6節アトレチコ・ミネイロ戦が、10月9日にアウェイで予定されている。全国選手権第30節は、アウェイにてインテルナシオナウとのクラシコ「グレナウ」が10月19日に開催。
フォルタレーザは、リードを許した時間帯では多くの時間でボールを握るが、相手守備網を崩すことができず痛い敗戦を喫した。不振のFWルセロがこの試合でも決定機をGKの好守に防がれ、出場した8試合にゴールから遠ざかっている。優勝争いを繰り広げる中、FWルセロの一試合でも早い復調が待ち望まれる。
次戦は、10月16日に全国選手権第30節、好調アトレチコ・ミネイロをホームに迎える。
アトレチコ・ミネイロ(CAM) 2-2 ヴィトーリア(VIT)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=nGBiRw4CxHk
(CAM) : 8' #18 ファウスト・ベラ(Fausto Vera, 2000)[#11 バルガス(Vargas, 1989)]
(CAM) : 45' #11 バルガス(Vargas, 1989)[#30 ブライアン・パラシオス(Brahian Palacios, 2002)]
(VIT) : 64' #4 ヴァギネル・レオナルド(Wagner Leonardo, 1999)[#30 マテウジーニョ(Matheuzinho, 1997)]
(VIT) : 69' #9 アレハンドロ(Alerrandro, 2000)[#28 ヒカルド・ヒーレル(Ricardo Ryller, 1994)]
今節前の順位
アトレチコ・ミネイロ(CAM)は全国選手権9勝9分8敗勝点36の10位。(2試合未消化)
ヴィトーリア(VIT)は全国選手権8勝4分16敗勝点28の16位。
得点シーン
(CAM) : 8' #18 ファウスト・ベラ(Fausto Vera, 2000)[#11 バルガス(Vargas, 1989)]
相手陣に15mほど入った位置からCBジュニオール・アロンソがPA内へロングフィード。FWバルガスが胸で落としたボールをVOLファウスト・ベラが半身の体勢で右足を振り抜きゴールネットを揺らす。[1-0]
VOLファウスト・ベラは、2020東京五輪アルゼンチン代表。アルヘンチーノ・ジュニオルス/ARG育成出身で、2018年11月にアルゼンチン全国選手権にて18歳のプロデビュー。2022年7月コリンチャンスへ600万ユーロ相当の移籍金にて移籍し、2022年7月‐2024年7月に96試合2得点4アシストの成績を残す。2024年7月450万ユーロ相当の移籍金にてアトレチコ・ミネイロに加入すると、間もなくセグンドボランチに定着。ボックストゥボックスをプレーエリアとし、強烈なミドルシュートを魅力の一つとしている。
(CAM) : 45' #11 バルガス(Vargas, 1989)[#30 ブライアン・パラシオス(Brahian Palacios, 2002)]
アタッキングサード入口右サイドライン際からのMFブライアン・パラシオスの低いクロスボールに、後方に倒れ込みながらMFバルガスが頭を合わせると、ボールはゴール左隅へと流れていき、アトレチコ・ミネイロに追加点が生まれる。[2-0]
FWバルガスは、2024コパ・アメリカにてチリ代表としてグループラウンド3試合に出場。2016コパ・アメリカでは6得点を挙げ得点王に輝きチリ代表の優勝にも大きく貢献。コパ・アメリカは2015年大会も6試合4得点1アシストで優勝に貢献している。2014W杯、5度のコパ・アメリカなどチリ代表として114試合43得点6アシストの成績を誇る。2020年に加入したアトレチコ・ミネイロでは、準主力としてこの試合を含め159試合30得点14アシスト。2024年はこれまでアトレチコ・ミネイロにて30試合6得点2アシスト、チリ代表として8試合3得点2アシストを記録している。
(VIT) : 64' #4 ヴァギネル・レオナルド(Wagner Leonardo, 1999)[#30 マテウジーニョ(Matheuzinho, 1997)]
右CKからMFマテウジーニョが左足で上げたボールに、ゴール前中央ややファーサイドで合わせたCBヴァギネル・レオナルドのヘディングシュートが逆サイドのサイドネットに吸い込まれる。[2-1]
CBヴァギネル・レオナルドは、サントス育成出身で、2019年3月コパ・ド・ブラジルにて19歳のプロデビュー。複数のクラブへの期限付き移籍を経て、2023年1月にポルチモネンセ/PORへ移籍。しかし、出場機会に恵まれず、2023年4月にヴィトーリアへ期限付き移籍加入し、35試合5得点の活躍でチームの全国選手権2部制覇に貢献。1部昇格後の2024年もレギュラーを務め、期限付き移籍契約の満了に合わせ6月にヴィトーリアへ完全移籍。守備だけでなくセットプレーからの得点源としても活躍し、前節に続くゴールで今季は6得点を記録している。
(VIT) : 69' #9 アレハンドロ(Alerrandro, 2000)[#28 ヒカルド・ヒーレル(Ricardo Ryller, 1994)]
自陣PA手前でVOLヒカルド・ヒーレルが相手ボールを掻き出し前方へ送る。FWアレハンドロが相手DFのマークに遭いながらもボールをゴールに向かい持ち上がり、2人のDFをかわしシュート。ボールはゴール右隅に決まるゴラッソ。ヴィトーリアが試合を振り出しに戻す。[2-2]
FWアレハンドロは、2017南米U-17選手権3試合1得点。アトレチコ・ミネイロ育成出身で、2024年はRBブラガンチーノからの期限付き移籍によりヴィトーリアにてプレー。RBブラガンチーノでは年間35試合前後の出場が続き、4年間で単年で10得点を記録する年はなかったが、ヴィトーリアではコンスタントに試合に出場し、今節終了時点で44試合13得点7アシスト。試合数、アシスト数はキャリアハイを更新し、得点数も2019年アトレチコ・ミネイロ在籍時の13得点に並んだ。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:64% 36% ⇒ 前後半:56% 44%
シュート(枠内): 前半:8‐5(2‐0) ⇒ 前後半:14‐9(3‐3)
パス成功率: 前半:88% 78% ⇒ 前後半:84% 82%
ファール: 前半:7‐5 ⇒ 前後半:13‐14
黄カード(赤): 前半:1‐0 ⇒ 前後半:1‐0(1‐0)
アトレチコ・ミネイロ(CAM)は、週中のコパ・ド・ブラジル準決勝ヴァスコ・ダ・ガマ戦1stレグを2-1の逆転勝ち。前半半ばまではヴァスコ・ダ・ガマに押し込まれシーンも多く先制を許したものの、前半30分を過ぎるとボールを支配し前半のうちに逆転。後半も終始試合の主相手に導権を握り続け勝利を収めた。
今節は、攻撃なポジションを中心に5つのポジションで選手を変更。太もものケガで代表を離脱した左SBギリェルミ・アラーナ(Guilherme Arana, 1997)に代わって左SBフーベンスが起用される。
アトレチコ・ミネイロ(CAM)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合(コパ・ド・ブラジル)のスタメンからの入れ替わり)
GK : GKエヴェルソン(Éverson, 1990)
4 : 右SBリヤンコ(Lyanco, 1997)、※CBブルーノ・フッキス(Bruno Fuchs, 1999)、CBジュニオール・アロンソ(Júnior Alonso, 1993)、左SBフーベンス(Rubens, 2001)
2 : VOLオターヴィオ(Otávio, 1994)、※VOLファウスト・ベラ(Fausto Vera, 2000)
3 : ※MFブライアン・パラシオス(Brahian Palacios, 2002)、※MFバルガス(Vargas, 1989)、※MFイゴル・ゴメス(Igor Gomes, 1999)
1 : ※FWデイヴェルソン(Deyverson, 1991)
ヴィトーリア(VIT)は、前節インテルナシオナウ戦を1-3で敗れ、連勝は「2」でストップ。今季は前節も含め、コンパクトな陣形を攻守に保つ好ゲームを展開するものの、短い時間帯で連続失点を喫する試合も多く、集中力を切らさずに90分を戦い抜きたい。
今節のスタメンは、出場停止のVOLマシャード(Machado, 1996)に代わり、セグンドボランチにVOLウィリアン・オリヴェイラを起用。変更点はこの一点のみ。
ヴィトーリア(VIT)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
GK : GKルーカス・アルカンジョ(Lucas Arcanjo, 1998)
4 : 右SBハウル・カセレス(Raul Cáceres, 1991)、CBネリス(Neris, 1992)、CBヴァギネル・レオナルド(Wagner Leonardo, 1999)、左SBルーカス・エステヴィス(Lucas Esteves, 2000)
2 : VOLルアン(Luan, 1999)、※VOLウィリアン・オリヴェイラ(Willian Oliveira, 1993)
3 : MFカルロス・エドゥアルド(Carlos Eduardo, 1996)、MFマテウジーニョ(Matheuzinho, 1997)、MFグスタヴォ・モスキート(Gustavo Mosquito, 1997)
1 : FWアレハンドロ(Alerrandro, 2000)
ホームのアトレチコ・ミネイロが立ち上がりからボールを支配し相手陣内で試合を展開。
すると、早くも前半8分にVOLファウスト・ベラのゴールで先制する。[1-0]
なおも攻撃の圧力を緩めないアトレチコ・ミネイロは、前半18分に右サイドでの細かいパス交換からVOLファウスト・ベラが、前半20分には右サイドでドリブルを仕掛けたMFブライアン・パラシオスが、それぞれシュートに持ち込むが、いずれも僅かに枠を捉えない。
劣勢が続くヴィトーリアは、前半28分、相手陣PA手前で獲得したFKを左SBルーカス・エステヴィスが直接ゴールを狙う。しかし、ボールはクロスバーを直撃、跳ね返りのボールをPA手前からFWアレハンドロがシュートに持ち込むが、ボールはクロスバーを僅かに越えていく。
後半44分、アトレチコ・ミネイロはまたもや右サイドを起点にした攻撃から、MFブライアン・パラシオスの低いクロスボールをゴール前に送ると、MFバルガスが頭を合わせアトレチコ・ミネイロに追加点。[2-0]
前半は内容に見合った2-0のスコアでアトレチコ・ミネイロがリードして終える。
後半開始時に、2点を追うヴィトーリアは、攻撃的なポジションのMFカルロス・エドゥアルドをベンチに下げ、CBエドゥ(Edu, 2000)を中盤の底に投入。
後半3分に、アトレチコ・ミネイロは相手陣PA内でVOLファウスト・ベラが混戦の中からシュートに持ち込むが、ボールはクロスバーを直撃しゴールは生まれない。
時間が経過するにつれ、ヴィトーリアの交代策が効果を発揮していき、CBエドゥが最終ラインの手前でアトレチコ・ミネイロの速い展開に対するフィルターとなり、ヴィトーリアが中盤での競争力を高めていく。
後半19分、ヴィトーリアは、右CKからMFマテウジーニョがゴール前に上げたボールに、CBヴァギネル・レオナルドが頭を合わせ1点差に詰め寄る。[2-1]
さらに5分後の後半24分、ヴィトーリアは、自陣ゴール前に押し込まれながらも、自陣PA手前でVOLヒカルド・ヒーレルが相手ボールを掻き出し前方へ送ると、FWアレハンドロが相手DFのマークに遭いながらも相手ゴール前にボールを運び、そのままシュート。ゴール右隅に突き刺さるゴラッソでヴィトーリアが試合を振り出しに戻す。[2-2]
同点に追いつかれたアトレチコ・ミネイロは、失点後間もなく前線の3選手を入れ替え、再び試合の流れを掴むことに成功する。
ところが、後半36分、相手のカウンターにGKエヴェルソンが大きくPAを飛び出すと、ヴィトーリアMFマテウジーニョが蹴ったボールがGKエヴェルソンの腕に当たる。オンフィールドレビューの結果、主審はGKエヴェルソンが故意に腕でボールの行く手を妨げたと判断しレッドカード。
数的不利に陥ったホームのアトレチコ・ミネイロは、最後までゴールを目指したが、ゴールを奪うことができず、試合は2-2の引き分けで幕を閉じた。
アトレチコ・ミネイロは、ホームで2点のリードを守り切れず、勝点「2」を失う結果に終えた。
次戦は、順延された全国選手権第6節グレミオ戦が、10月9日にホームにて開催。全国選手権第30節は、10月16日にアウェイでのフォルタレーザ戦。その後は、コパ・ド・ブラジル準決勝2ndレグと、リベルタドーレス準決勝が週中に予定が組まれる厳しい日程が控えている。
ヴィトーリアは、後半開始時のチアゴ・カルピーニ(Thiago Carpini)監督の交代策が効果を現し、2点のリードを追いつき、好調アトレチコ・ミネイロとのアウェイでの試合で貴重な勝点「1」を積み上げた。
次戦は、小休止明けの10月19日全国選手権第30節にて勝点差「5」のRBブラガンチーノ戦(H)。第31節は勝点差「1」のフルミネンセ戦(H)、第32節は勝点差「2」のアトレチコ・パラナエンセ戦(A)、第33節は勝点で並ぶコリンチャンス戦(H)と、今季を左右する試合が続く。
RBブラガンチーノ(RBB) 0-0 パウメイラス(PAL)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=Ly9Ka3CXnU0
今節前の順位
RBブラガンチーノ(RBB)は全国選手権8勝9分11敗勝点33の11位。
パウメイラス(PAL)は全国選手権17勝5分6敗勝点56の2位。
得点シーン
N/A
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:36% 64% ⇒ 前後半:40% 60%
シュート(枠内): 前半:8‐5(4‐3) ⇒ 前後半:17‐14(5‐5)
パス成功率: 前半:72% 85% ⇒ 前後半:74% 84%
ファール: 前半:3‐8 ⇒ 前後半:7‐14
黄カード(赤): 前半:1‐2 ⇒ 前後半:4‐3(1‐1)
RBブラガンチーノ(RBB)は、前節ジュヴェントゥージ戦にて後半40分を過ぎての同点ゴールで1-1の引き分け。勝点「1」を積み上げたものの、最近の5試合に勝ち星はなく、残留圏までの勝点差が「5」にまで詰め寄られている。
今節は、MFジョン・ジョン(Jhon Jhon, 2002)が出場停止。
RBブラガンチーノ(RBB)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
GK : GKクレイトン(Cleiton, 1997)
4 : ※右SBアンドレス・ウルタド(Andrés Hurtado, 2001)、CBペドロ・エンヒキ(Pedro Henrique, 1995)、CBエドゥアルド・サントス(Eduardo Santos, 1997)、左SBギリェルミ(Guilherme, 2002)
3 : ※MFリンコン(Lincoln, 1998)、VOLジャジソン(Jadsom, 2001)、MFルーカス・エヴァンジェリスタ(Lucas Evangelista, 1995)
3 : FWヴィチーニョ(Vitinho, 1999)、FWエドゥアルド・サーシャ(Eduardo Sasha, 1992)、※FWモスケラ(Mosquera, 2001)
パウメイラス(PAL)は、リベルタドーレス敗退後の5試合を5連勝。新たなシステム、布陣が機能している。全国選手権も首位ボタフォゴとの勝点差を「1」にまで詰め寄り、今節の結果次第では、首位浮上の可能性も帯びている。
今節は、出場停止明けのVOLヒシャルジ・ヒオスが復帰した以外にスタメンの変更はなし。ケガのため2試合欠場のFWエステヴォン(Estêvão, 2007)がベンチ入り。
パウメイラス(PAL)のスタメンは以下の通り。(※は、直近試合のスタメンからの入れ替わり)
GK : GKウェヴェルトン(Weverton, 1987)
4 : 右SBジアイ(Giay, 2004)、CBグスタボ・ゴメス(Gustavo Gómez, 1993)、CBムリーロ(Murilo, 1997)、左SBカイオ・パウリスタ(Caio Paulista, 1998)
2 : VOLアニバル・モレノ(Anibal Moreno, 1999)、※VOLヒシャルジ・ヒオス(Richard Rios, 2000)
3 : MFマウリシオ(Maurício, 2001)、MFハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)、MFフェリピ・アンデルソン(Felipe Anderson, 2003)
1 : FWフラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)
アウェイのパウメイラスが、開始20秒、前線に送られたボールをFWフェリピ・アンデルソンが落とし、PA手前からMFハファエウ・ヴェイガがシュート。GKクレイトンの攻守を前にゴールとはならなかったものの、このプレーをきっかけにパウメイラスが相手陣ゴール前に迫る時間帯が続く。
前半15分を過ぎる頃になると、RBブラガンチーノのパスワークも繋がるようになり、FWモスケラのスピードを生かして左サイドを起点に相手陣に攻め入ると、前半17分、FWモスケラのクロスに、ゴール正面でCBの間に入り込んだVOLルーカス・エヴァンジェリスタがヘディングシュート。惜しくもボールはクロスバーを越えていく。
前半24分、RBブラガンチーノはCBエドゥアルド・サントスが自陣から50m近くボールを運び、FWモスケラにボールを送ると、FWモスケラが左サイドからPAに侵入しシュート。しかし、パウメイラスGKウェヴェルトンがコースを遮りDFがクリア。
前半32分、パウメイラスはPA内右からMFハファエウ・ヴェイガの柔らかいクロスにファーサイドに抜け出したFWフラッコ・ロペスがフリーの体勢で頭を合わせるが、やや当たりが悪くボールは惜しくもクロスバーを越える。
後半も前半同様、パウメイラスがボールを握るもののRBブラガンチーノ守備網に手こずり、RBブラガンチーノは左サイドのFWモスケラを起点にした速攻でゴールを目指す展開で始まる。
後半16分、RBブラガンチーノはVOLジャジソンを下げ、ケガ明けで約2か月ぶりの試合となるMFエリキ・ハミーレス(Eric Ramires, 2000)を投入すると、後半20分、パウメイラスはMFハファエウ・ヴェイガに代え3試合ぶりの出場となるFWエステヴォン(Estêvão, 2007)、FWモスケラの対応に後手に回っていたSBジアイに代えSBマルコス・ホッシャ(Marcos Rocha, 1988)を投入。
後半35分、パウメイラスは右サイドでFWエステヴォンがゴールライン際からPA入口へ下げたボールをVOLガブリエウ・メニーノ(Gabriel Menino, 2000)がダイレクトにゴール前にクロス。MFマウリシオがタイミングよく飛び出し頭を合わせるが、ボールはゴールポストの外へ流れる。
一方のRBブラガンチーノは、後半43分、相手陣右サイドを起点に、PA入口へ浮き球のボールをVOLルーカス・エヴァンジェリスタが送ると、FWモスケラがDFと競り合い、こぼれたボールを後方から駆け上がったMFエリキ・ハミーレスがシュートに持ち込むが、ボールは枠を捉えない。
後半45+1分にパウメイラスはFWエステヴォンがドリブルでPAに侵入しゴールライン際からゴール前にボールを送るが、ゴールエリア手前で合わせたFWホニ(Rony, 1995)のシュートはクロスバーを越える。
後半45+5分にもFWエステヴォンがドリブルで右サイドからゴールライン際をゴールに向かうと、ゴールマウスを飛び出したGKの頭上を越すクロス。しかし、ゴール前ファーサイドのFWドゥドゥ(Dudu, 1992)は空振り。FWドゥドゥはこぼれ球を確保し、PA入口まで下がりグラウンダーのシュートを放つものの、GKクレイトンが片手でボールを弾き出す。
両チームともに、多くのチャンスを作り出したものの、最後の精度に欠ける場面が多く、試合は0-0の引き分け。勝点「1」を分け合う結果に終えた。
RBブラガンチーノは、最近5試合で4度目の引き分け。縦にスピード豊かなパウメイラスを相手に最終ラインの裏のスペースを消し無失点に抑えた点は評価できるが、攻撃面ではFWモスケラが演出した複数のチャンスをものにできない決定力不足を感じられた。
次戦は、10月19日に全国選手権第30節ヴィトーリア戦。残留争いに巻き込まれないためにも最低でも勝点「1」は積み上げたい。
パウメイラスは、3度の決定機を逸し、無得点のまま試合を終えた。後半の選手交代のタイミングが遅れたのは、アベウ・フェヘイラ監督の采配ミス。全国選手権での連勝は「6」でストップ。首位ボタフォゴの追撃は一頓挫することになった。
次戦は、10月20日に全国選手権第30節、アウェイでのジュヴェントゥージ戦。