【ブラジル全国選手権2024】第32節(2/2)[11/01-06]

投稿者: | 2024年11月5日

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全国選手権第32節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第32節(1/2)[11/01-06]※更新中
・2024/11/01 フルミネンセ(FLU) x グレミオ(GRE)
・2024/11/02 RBブラガンチーノ(RBB) x クイアバ(CUI)
・2024/11/02 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x ヴィトーリア(VIT)
・2024/11/02 ジュヴェントゥージ(JUV) x フォルタレーザ(FOR)
・2024/11/04 コリンチャンス(COR) x パウメイラス(PAL)
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/11/05 インテルナシオナウ(INT) x クリシウーマ(CRI)
・2024/11/05 バイーア(BAH) x サンパウロ(SAO)
・2024/11/05 ボタフォゴ(BOT) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
・2024/11/06 クルゼイロ(CRU) x 
フラメンゴ(FLA)
・2024/11/06 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)

全国選手権第32節 試合概要

インテルナシオナウ(INT) 2-0 クリシウーマ(CRI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=bvYp7ORMVrs
(INT) : 43' #10 アラン・パトリッキ(Alan Patrick, 1991)[FK]
(INT) : 90+3' #21 ウェズレイ(Wesley, 1999)[#18 ロジェル(Rogel, 1997)]

今節前の順位

インテルナシオナウ(INT)は全国選手権14勝11分6敗勝点53の5位。
クリシウーマ(CRI)は全国選手権9勝10分12敗勝点37の12位。

得点シーン

(INT) : 43' #10 アラン・パトリッキ(Alan Patrick, 1991)[FK]
ゴール正面約23mのFK。MFアラン・パトリッキが右足で直接狙ったボールは、右サイドのゴールポストをかすめゴールネットを揺らすゴラッソ。ホームのインテルナシオナウが先制。[1‐0]
   MFアラン・パトリッキは、インテルナシオナウに2022年4月に完全移籍加入後。それまで不振だった攻撃陣の司令塔としてチームの2022年全国選手権2位躍進に貢献。2023年はチームが大型補強を進める中、62試合16得点10アシストの3項目すべてでキャリアハイ。2024年は度重なるケガのため3度に渡りチームを離脱するが、復帰後の最近の10試合では6得点3アシスト。2024年は今節終了時点で41試合11得点8アシスト。
(INT) : 90+3' #21 ウェズレイ(Wesley, 1999)[#18 ロジェル(Rogel, 1997)]
相手陣ゴール前での猛攻からクリアボールを拾ったVOLブルーノ・エンヒキのパスを受けたFWウェズレイが、右サイドライン際からドリブルでPAに侵入。さらに鋭い縦への切れ込みから右足を振り抜き、ボールをファーサイドのゴールネットに突き刺すゴラッソ。[2‐0]
   FWウェズレイは、パウメイラス育成出身で、2019年6月期限付き移籍先のヴィトーリアから全国選手権2部にて20歳のプロデビュー。パウメイラス復帰後の2020‐2022年の3年間で124試合13得点14アシストを記録し、2023年に300万ユーロの移籍金でクルゼイロへ完全移籍。クルゼイロでもウィングとしてチームを牽引するが、チームは得点力不足から残留争いに巻き込まれ、FWウェズレイもシーズン終盤には出場機会が減少する。2024年2月200万ユーロにてインテルナシオナウへ完全移籍。加入当初は交代出場が続くが、全国選手権開幕2試合連続ゴールを決めると以降はスタメンに定着。2024年は今節終了時点で44試合10得点2アシストを記録中。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:64% 36% ⇒ 前後半:69% 31%
シュート(枠内): 前半:8‐5(5‐4) ⇒ 前後半:21‐5(9‐4)
パス成功率: 前半:86% 73% ⇒ 前後半:88% 73%
ファール: 前半:8‐10 ⇒ 前後半:15‐13
黄カード(赤): 前半:0‐1(0‐1) ⇒ 前後半:1‐2(0‐1)

   インテルナシオナウ(INT)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKロチェ(Rochet, 1993)
   4 : 右SBブルーノ・ゴメス(Bruno Gomes, 2001)、CBヴィトン(Vitão, 2000)、CBロジェル(Rogel, 1997)、左SBベルナベイ(Bernabei, 2000)
   2 : VOLホームロ(Rômulo, 2000)、VOLチアゴ・マイア(Thiago Maia, 1997)
   3 : MFブルーノ・タバタ(Bruno Tabata, 1997)、MFアラン・パトリッキ(Alan Patrick, 1991)、FWウェズレイ(Wesley, 1999)
   1 : FWボレー(Borré, 1995)
   選手交代(Sai → Entra)
   62' VOLチアゴ・マイア → VOLブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1989)
   62' MFブルーノ・タバタ → MFガブリエウ・カルヴァーリョ(Gabriel Carvalho, 2007)
   75' MFアラン・パトリッキ → FWヴァンデルソン(Wanderson, 1994)
   75' FWボレー → FWエネル・バレンシア(Enner Valencia, 1989)
   90+1' VOLホームロ → MFルイス・オターヴィオ(Luis Otávio, 2007)

   クリシウーマ(CRI)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKグスタヴォ(Gustavo, 1993)
   4 : 右SBジョナタン(Jonathan, 1992)、CBホドリゴ(Rodrigo, 1987)、CBトビアス・フィゲイレード(Tobias Figueiredo, 1994)、右SBマルセロ・エルメス(Marcelo Hermes, 1995)
   2 : VOLネウトン(Newton, 2000)、VOLバヘット(Barreto, 1995)
   2 : MFクラウジーニョ(Claudinho, 2000)、MFフェリピ・マテウス(Fellipe Mateus, 1991)
   2 : FWフェリピ・ヴィゼウ(Felipe Vizeu, 1997)、FWボラシエ(Bolasie, 1989)
   選手交代(Sai → Entra)
   56' MFフェリピ・マテウス → VOLホナウジ・ロペス(Ronald Lopes, 1997)
   56' GKグスタヴォ → GKアリソン(Alisson, 1995)
   63' MFクラウジーニョ → MFアラーノ(Allano, 1995)
   77' FWボラシエ → MFマテウジーニョ(Matheusinho, 1998)
   77' 右SBジョナタン → 右SBドゥドゥ(Dudu, 1997)

   前半6分、インテルナシオナウは相手陣右サイドライン際での囲い込みからボールを奪いショートカウンター。FWボレーが放った強烈なシュートは、クリシウーマGKグスタヴォが体を張って弾き返す。
   一方のクリシウーマは、左サイドへ流れるFWボラシエを起点に攻撃を組み立てると、前半25分に、FWボラシエがPA手前を中央に向け流したボールにVOLネウトンが縦に切れ込みながら受けシュート。インテルナシオナウGKロチェが辛うじて片手でボールを掻き出す。
   両チームは、中盤でのボールの奪い合いやボール奪取後のスピーディな展開を繰り広げながらも、最後はGKを中心とした守備陣が守り抜く好試合となる。
   前半43分、均衡が破られる。インテルナシオナウMFアラン・パトリッキの芸術的なFKでインテルナシオナウが先制。[1‐0]
   前半45+3分、クリシーマガ左サイドからゴール前にクロス。ファーサイドに流れたボールがゴール正面に折り返されるとゴール正面でクリシウーマFWフェリピ・ヴィゼウがトラップでボールを高く上げボレーシュートに持ち込もうとする。しかし、頭でクリアを図るインテルナシオナウDFの顔面を蹴ってしまい、VARの検証の末、一発退場。1点のリードを許すクリシウーマは後半45分間を数的不利の状況が強いられる。
   後半に入り、インテルナシオナウは数的有利を生かし、開始早々から相手陣でプレスを仕掛け、後半8分にMFアラン・パトリッキが強烈なシュート。クリシウーマGKグスタヴォが好守でゴールを守ったものの、このプレーで筋肉系のトラブルが発生し交代を余儀なくされる。
   不運が重なるクリシウーマだが、インテルナシオナウの猛攻を交代出場のGKアリソンを中心に守り抜く。
   しかし、後半45+3分、インテルナシオナウは、相手陣ゴール前での猛攻から、最後はFWウェズレイが個人技で右サイドライン際からPAに侵入し、そのままファーサイドのゴールネットを揺らすゴラッソ。[2‐0]
   数的有利に立ったインテルナシオナウが、試合の主導権を終始握り、2‐0の勝利を収めた。

   インテルナシオナウは、全国選手権を13試合に黒星がなく、引き分けを挟んだ9連勝。試合終了時点でリベルタドーレス本戦出場圏内の4位に浮上(今節終了時点では5位)。この勢いのままシーズンを締めくくりたい。
   次戦は、11月8日に全国選手権第33節、ホームにフルミネンセを迎える。

   クリシウーマは勝ち点を伸ばせず今節終了時点で3つ順位を下げ、降格圏までの勝点差が「3」の15位に後退。しかし、今節は不運な退場劇や、GKの負傷退場などもあったことによるもの。今後は上位との対戦は1試合しかなく、中位・下位チームとの対戦が続くことから、しっかりと気持ちを切り替えて、勝ち点を積み重ねていきたい。
   次戦は、11月9日に全国選手権第33節、アウェイでのクルゼイロ戦。

バイーア(BAH) 0-3 サンパウロ(SAO)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=8ZMktaVPRwo
(SAO) : 41' #16 ルイス・グスタヴォ(Luiz Gustavo, 1987)[]
(SAO) : 66' #27 ウェリントン・ハット(Wellington Rato, 1992)[]
(SAO) : 90+1' #7 ルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)[#27 ウェリントン・ハット(Wellington Rato, 1992)]

今節前の順位

バイーア(BAH)は全国選手権13勝7分11敗勝点46の7位。
サンパウロ(SAO)は全国選手権15勝6分10敗勝点51の6位。

得点シーン

(SAO) : 41' #16 ルイス・グスタヴォ(Luiz Gustavo, 1987)[]
サンパウロボールのFKが誰にも合わずGKマルコス・フェリピがキャッチ。素早くフィールドプレーヤーへボールを送ろうとするが。PA手前でVOLルイス・グスタヴォがカット。そのまま無人のゴールにボールを蹴り込みサンパウロが先制。[0‐1]
   VOLルイス・グスタヴォは、2014W杯など代表にて41試合2得点2アシスト。2006年に全国選手権に出場資格のないコリンチャンス-ALからアラゴア州選手権にてプロデビュー。2007年1月、当時全国選手権2部CRBへの期限付き移籍を経て、2007年8月にホッフェンハイム/GERへ期限付き移籍のチャンスを得て、一年後に完全移籍へ移行。2011年1月バイエルン・ミュンヘン/GER、2013年8月マルセイユ/FRAなどを経て、2024年に一年契約でサンパウロと契約を結び、プレー16年半ぶりのブラジル国内でのプレーを迎えた。2024年は41試合3得点。プリメイロボランチとしてフィルター役を務め、ボール奪取や高い危機察知能力で巧みにスペースを埋めていくプレーは健在。
(SAO) : 66' #27 ウェリントン・ハット(Wellington Rato, 1992)[]
相手陣左サイドでカットされたボールを即座に奪い返すと、サイドライン際のFWルーカス・モウラからのボールをPA左隅で受けたFWルシアーノがゴール前ファーサイドへボールを送る。最後はピッチに立ったばかりのFWウェリントン・ハットがフリーの体勢でボールをゴールに流し込む。[0‐2]
   FWウェリントン・ハットは、2021年4月‐12月は期限付き移籍で長崎/JPNにてプレー(23試合7得点2アシスト)。帰国後の2023年にアトレチコ・ゴイアニエンセにて70試合15得点7アシストの成績を収め、2023年にサンパウロへ移籍。同年は64試合5得点9アシストの成績を残し、クラブ史上初のコパ・ド・ブラジル制覇に貢献。2024年は、2度のケガのため計3か月間戦列を離脱した影響もあり38試合1得点9アシストに止まっているが、最近はリベルタドーレス、コパ・ド・ブラジルなど主要な試合を中心にレギュラーとして復活。今季はこれまで9アシストを残していたが、このゴールが今季の初ゴールとなった。
(SAO) : 90+1' #7 ルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)[#27 ウェリントン・ハット(Wellington Rato, 1992)]
自陣PA内でボールを奪ったCBサビーノが右サイドライン際へボールを送りカウンター。FWウェリントン・ハットがボールを持ち上がり、PA内で時間を作り、ゴール前正面へマイナス気味のボール。これをFWルシアーノがダイレクトにゴール左へ蹴り込みサンパウロがダメ押しの3点目。[0‐3]
   CBサビーノは、サントス育成出身で、2019年1月に期限付き移籍先の当時全国選手権2部コリチバからパラナ州選手権にて22歳のプロデビュー。コリチバでは2年間で87試合11試合1アシストの成績を残すが、2021年にサントスに復帰するも4月にエスポルチへ完全移籍。エスポルチでは3年間で167試合7得点1アシストを記録。2024年3月のサンパウロ加入後しばらくは出場機会に恵まれなかったが、8月から次第にチャンスをもらい、9月には契約を延長。最近は先発出場の機会も増え、スベルディア監督の期待の高さがうかがわれる。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:45% 55% ⇒ 前後半:53% 47%
シュート(枠内): 前半:7‐5(4‐2) ⇒ 前後半:24‐9(6‐4)
パス成功率: 前半:86% 89% ⇒ 前後半:88% 86%
ファール: 前半:6‐7 ⇒ 前後半:13‐16
黄カード(赤): 前半:0‐1 ⇒ 前後半:3‐2

   バイーア(BAH)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKマルコス・フェリピ(Marcos Felipe, 1996)
   4 : 右SBサンティアゴ・アリアス(Santiago Arias, 1992)、CBガブリエウ・シャヴィエル(Gabriel Xavier, 2001)、CBカヌー(Kanu, 1997)、左SBルシアーノ・ジュバ(Luciano Juba, 1999)
   2 : VOLカイオ・アレシャンドレ(Caio Alexandre, 1999)、VOLジアン・ルーカス(Jean Lucas, 1998)
   2 : MFエヴェルトン・ヒベイロ(Éverton Ribeiro, 1989)、MFカウリー(Cauly, 1995)
   2 : FWルシアーノ・ロドリゲス(Luciano Rodríguez, 2003)、FWアデミール(Ademir, 1995)
   選手交代(Sai → Entra)
   62' VOLジアン・ルーカス → VOLアセベド(Acevedo, 1999)
   62' MFカウリー → FWハファエウ・ハトン(Rafael Ratão, 1995)
   62' FWアデミール → FWエヴェラウド(Everaldo, 1991)
   70' VOLカイオ・アレシャンドレ → MFカルロス・デ・ペナ(Carlos De Pena, 1992)

   サンパウロ(SAO)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKハファエウ(Rafael, 1989)
   4 : 右SBイゴル・ヴィニシウス(Igor Vinícius, 1997)、CBアラン・フランコ(Alan Franco, 1996)、CBサビーノ(Sabino, 1996)、左SBジャマル・ルイス(Jamal Lewis, 1998)
   2 : VOLルイス・グスタヴォ(Luiz Gustavo, 1987)、VOLマルコス・アントニオ(Marcos Antônio, 2000)
   3 : MFルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)、MFルシアーノ(Luciano, 1993)、FWフェヘイラ(Ferreira, 1997)
   1 : FWカレリ(Calleri, 1993)
   選手交代(Sai → Entra)
   59' 左SBジャマル・ルイス → CBアルボレーダ(Arboleda, 1991)
   60' VOLマルコス・アントニオ → VOLリジエロ(Liziero, 1998)
   63' FWフェヘイラ → MFウェリントン・ハット(Wellington Rato, 1992)
   82' 右SBイゴル・ヴィニシウス → 右SBハフィーニャ(Rafinha, 1985)
   82' MFルシアーノ → MFホドリゴ・ネストール(Rodrigo Nestor, 2000)

   サンパウロがボールを握るものの、自陣でのボール回しに終始し相手陣へ効果的にボールを運べず、次第にバイーアがボールの出どころへのプレスを強め、次々とボールを奪いショートカウンター。前半15分までにFWルシアーノ・ロドリゲスやFWアデミール、VOLジアン・ルーカスが計4本のシュートを枠に収める。
   一方のサンパウロは、前半23分にチーム初シュート。左サイドで後方からのボールを受けたMFルーカス・モウラがバイタルエリアからミドルシュート。グラウンダーのボールは僅かに枠を捉えない。
   バイーアがプレスの勢いを次第に弱めていくとサンパウロもボールを繋げるようになり、試合は均衡状態を迎え、一進一退のの攻防が続く。
   前半41分、サンパウロの右CKは空中戦のこぼれ球をGKマルコス・フェリピがキャッチ。右サイドライン際への低く鋭いボールを送ろうとするが、PAすぐ外でサンパウロVOLルイス・グスタヴォがカット、無人のゴールにボールを流し込み、アウェイのサンパウロが幸運な形で先制する。[1‐0]
   一方のバイーアも、前半アディショナルタイムに左SBルシアーノ・ジュバがヘディングシュート。これをGKハファエウが片手で辛うじてボールを掻き出すと、さらに左サイドからゴール前の左SBルシアーノ・ジュバのクロスをDFがクリア。GKハファエウを中心としたサンパウロ守備陣がバイーア攻撃陣の前に立ちはだかる。
   後半8分にサンパウロGKハファエウがセットプレーからの至近距離のヘディングシュートを掻き出す相次ぐ好セーブ。
   すると、サンパウロは後半21分、相手陣左サイドで奪われたボールを即座に取返し、素早くゴール前へボールを運び、ピッチに立ったばかりのFWウェリントン・ハットが貴重な追加点のゴール。[0‐2]
   2点のリードを奪ったサンパウロがその後試合をコントロール。
   後半アディショナルタイムには、自陣PA内でボールを奪ったCBサビーノを起点に右サイドでボールを受けたFWウェリントン・ハットがPA内で時間を作り、FWルシアーノがゴール左へゴールを決めサンパウロがダメ押し。[0‐3]
   試合は3‐0でタイムアップ。アウェイのサンパウロがバイーアを相手に勝利を収めた。

   バイーアは、前節前半の交代出場から複数のゴールに絡んだFWルシアーノ・ロドリゲスとFWアデミールをスタメンに抜擢。前半からこの両雄を中心に好機を演出していくが、サンパウロGKハファエウの好守にゴールを奪えきれずにいると、前半終了間際にミスを突かれ失点。後半の早い時間帯に追加点を許すと前半の勢いを失い3失点で完封負けを喫した。
   この結果、6位サンパウロとは残り6試合で勝点差が「8」。上位陣のカップ戦優勝による繰り上がりの可能性は残されるものの、自力でのリベルタドーレス出場はやや厳しい状況に陥った。
   次戦は、11月9日に全国選手権第33節、アウェイにてジュヴェントゥージとの対戦が予定されている。

   サンパウロは、カップ戦の敗退後にいくつかのオプションを試している状況。今節はフィードを得意とするCBサビーノが3点目の起点となるなど、一定の成果は見られた。攻撃面では前半からFWルーカス・モウラが劣勢の中で孤軍奮闘。後半には途中出場のFWウェリントン・ハットが2得点に絡み、チームとして3得点を奪ったものの、あまり怖さが感じられない。
   今節を終えた時点で勝点は「54」で6位。7位バイーアとの勝点差は「8」に拡がり、リベルタドーレス出場圏の6位以内はほぼ確実な状況となった。
   次戦は、11月9日に全国選手権第33節、降格圏に苦しむアトレチコ・パラナエンセをホームに迎える。

ボタフォゴ(BOT) 3-0 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=9Yq_-cRVrc4
(BOT) : 9' #10 サバリーノ(Savarino, 1996)[#13 アレックス・テレス(Alex Telles, 1992)]
(BOT) : 12' #7 ルイス・エンヒキ(Luiz Henrique, 2001)[#10 サバリーノ(Savarino, 1996)]
(BOT) : 71' #11 ジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)[#17 マルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)]

今節前の順位

ボタフォゴ(BOT)は全国選手権19勝7分5敗勝点64の首位。
ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)は全国選手権12勝7分12敗勝点43の9位。

得点シーン

(BOT) : 9' #10 サバリーノ(Savarino, 1996)[#13 アレックス・テレス(Alex Telles, 1992)]
自陣中央でゴール前から高く上げられたクリアボールを相手に一歩先んじ確保すると、細かく繋いで相手陣左サイドへ一気に展開。左SBアレックス・テレスがアタッキングサード入口左サイドライン際からゴール前にボールを送ると、ファーサイドでFWサバリーノが右足のダイレクトボレー。GKは一歩も動けずボールは逆サイドのサイドネットを揺らし、ホームで首位のボタフォゴが早くも先制。[1‐0]
   FWサバリーノは、3度のコパ・アメリカなどベネズエラ代表として45試合3得点3アシスト。ベネズエラ1部スーリア(Zulia)にてプロデビューを果たし、ソルトレーク/USA、アトレチコ・ミネイロ、ソルトレークと経て、2024年1月ボタフォゴに270万USドルの移籍金にて3年契約で加入。2024コパ・アメリカでは準々決勝カナダ戦にてPK戦のキッカーを務めたが、強烈なシュートはゴールポストに弾かれ、その瞬間にベネズエラ代表の敗退が決まった。ボタフォゴでは全国選手権開幕後にレギュラーの座を獲得。2024年はこれまでボタフォゴにて48試合11得点11アシスト、代表にて7試合の成績を収めている。
(BOT) : 12' #7 ルイス・エンヒキ(Luiz Henrique, 2001)[#10 サバリーノ(Savarino, 1996)]
相手陣に入った位置での鋭い寄せから相手のパスミスを誘い、ボールを奪ってショートカウンター。相手陣中央をFWサバリーノがドリブルでボールを持ち上がり、PA手前を左サイドへ流れるFWイゴル・ジェズスへパス。ワンタッチでボールがFWサバリーノへ戻されると、再びワンタッチで両者の間に上がったFWルイス・エンヒキへスルーパス。間合いを詰めるGKの脇を抜けるシュートをFWルイス・エンヒキが決め瞬く間にボタフォゴがリードを拡げる。[2‐0]
   FWルイス・エンヒキは、フルミネンセ育成出身。2024年9月6日2026W杯南米予選第7節エクアドル戦にてスタメンに抜擢され代表デビューを飾り、これまで4試合150分2得点1アシスト。2024年のボタフォゴでの成績は48試合11得点5アシスト。全国選手権は2試合連続ゴールで6点目。ゴール数はすでにキャリアハイを更新。右サイドを主戦とし、力強さとスピード、キレを兼ね備えたドリブルと、振りの鋭い左足のシュートが特長のウィンガー。
(BOT) : 71' #11 ジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)[#17 マルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)]
自陣の高い位置を起点としたカウンター。FWサバリーノがVOLマルロン・フレイタスへ縦にボールを送り、VOLマルロン・フレイタスがゴールエリア左角へボールを流すと、外から絞り込んだFWジュニオール・サントスがダイレクトにボールを流し込みダメ押しの3点目。[3‐0]
   FWジュニオール・サントスは、仕事と両立しながらアマチュアサッカーを続け、2017年にオズヴァウド・クルス(Osvaldo Cruz)からサンパウロ州最下層リーグにて22歳のプロデビュー。同年は17試合5得点を記録し、翌2018年にサンパウロ州選手権1部のイトゥアーノへ移籍を果たし、2018年4月に全国選手権2部ポンチプレッタ(38試合13得点5アシスト)、2019年は全国選手権1部フォルタレーザ(27試合10得点)へ期限付き移籍でプレー。2019年7月、当時J2リーグの柏に加入。その後、横浜M、広島と所属先を変え、日本では約4年間で107試合28得点8アシストの成績を残した。2023年4月、全国選手権開幕を前に加入したボタフォゴではスリートップの一角に定着し50試合7得点3アシスト。2024年も主力の一人として活躍するが、相次ぐケガのため計3か月間戦列を離脱。久しぶりの出場となった今節は、ピッチに立った2分後に復帰後初ゴール。今季は43試合19得点4アシスト(うちリベルタドーレスにて10試合9得点1アシスト)を記録している。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:55% 45% ⇒ 前後半:64% 36%
シュート(枠内): 前半:11‐6(3‐2) ⇒ 前後半:20‐11(4‐3)
パス成功率: 前半:90% 88% ⇒ 前後半:91% 84%
ファール: 前半:6‐4 ⇒ 前後半:13‐8
黄カード(赤): 前半:0‐0 ⇒ 前後半:0‐1(0‐1)

   ボタフォゴ (BOT)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKジョン・ヴィクトル(John Victor, 1996)
   4 : 右SBヴィチーニョ(Vitinho, 1999)、CBアドリエウソン(Adryelson, 1998)、CBアレキサンデル・バルボサ(Alexander Barboza, 1995)、左SBアレックス・テレス(Alex Telles, 1992)
   2 : VOLマルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)、VOLグレゴーリ(Gregore, 1994)
   3 : FWルイス・エンヒキ(Luiz Henrique, 2001)、FWサバリーノ(Savarino, 1996)、MFチアゴ・アルマダ(Thiago Almada, 2002)
   1 : FWイゴル・ジェズス(Igor Jesus, 2001)
   今節は、最終ラインの要CBバストス(Bastos, 1991)が出場停止。代わって、2023年の主軸CBアドリエウソンが入る。
   選手交代(Sai → Entra)
   68' CBアドリエウソン → FWジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)
   69' FWルイス・エンヒキ → FWチキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)
   69' FWイゴル・ジェズス → CBルーカス・アウテル(Lucas Halter, 2000)
   73' 左SBアレックス・テレス → 左SBクイアバーノ(Cuiabano, 2003)
   77' 右SBヴィチーニョ → VOLアラン(Allan, 1991)

   ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKレオ・ジャルジン(Léo Jardim, 1995)
   4 : 右SBパウロ・エンヒキ(Paulo Henrique, 1996)、CBジョアン・ヴィクトル(João Victor, 1998)、CBレオ(Léo, 1996)、左SBルーカス・ピトン(Lucas Piton, 2000)
   2 : VOLウーゴ・モウラ(Hugo Moura, 1998)、VOLマテウス・カルヴァーリョ(Mateus Carvalho, 2002)
   3 : MFプーマ・ロドリゲス(Pumita Rodríguez, 1997)、MFディミトリ・パイェ(Dimitri Payet, 1987)、MFジアン・ダヴィ(Jean David, 1993)
   1 : FWベヘッチ(Vegetti, 1988)
   今節は、出場停止選手や新たなケガ人はなし。
   選手交代(Sai → Entra)
   46' MFディミトリ・パイェ → VOLガウダメス(Galdames, 1996)
   65' MFプーマ・ロドリゲス → FWアレグリア(Alegria, 2004)
   65' FWベヘッチ → FWハイアン(Rayan, 2006)
   87' 右SBパウロ・エンヒキ → CBロベルト・ローハス(Robert Rojas, 1996)

   ホームの首位ボタフォゴが早くも前半9分に先制。自陣PA内からのクリアボールを確保し、細かくボールを繋いだ後、一気に相手陣左サイドへボールを送ると、左SBアレックス・テレスのクロスをファーサイドでFWサバリーノがダイレクトボレーによるゴラッソ。[1‐0]
   さらにその3分後の前半12分には、相手陣でのプレスでパスミスを誘い、FW陣が有機的に絡むショートカウンターからFWルイス・エンヒキが追加点を奪う。[2‐0]
   対するヴァスコ・ダ・ガマは、直後の前半14分、PA右MFプーマ・ロドリゲスのクロスにゴール前ニアサイドでFWベヘッチがDFに絡まれながらも足を合わせるが、ボタフォゴGKジョン・ヴィクトルが片手でボールを掻き出す。
   さらに前半20分、右サイドからヴァスコ・ダ・ガマ右SBパウロ・エンヒキがMFプーマ・ロドリゲスからのパスをPA内で受けシュート。GKジョン・ヴィクトルが指先にボールを当てボールはゴールポストの外へ。ボタフォゴGKジョン・ヴィクトルが相次ぐピンチを防ぐ。
   ボタフォゴは押し込まれ時間が続くものの、前半21分、前半31分には鋭いカウンターを発動。好機を迎えるが、シュートを決め切ることができない。
   しかし、前半42分、ボタフォゴはFWイゴル・ジェズスが左サイドライン際でボールを受けPAに向けドリブル。後方からDFに押し倒され、主審はPKの判定。VARによる検証の結果、ファールはPAの外、後方からのファールは得点機会阻止と判断され、ヴァスコ・ダ・ガマCBジョアン・ヴィクトルに一発レッドが提示される。
   数的有利に立ったボタフォゴは後半に入り、相手陣でテンポのいいール回しや、自陣に引いた守備からのカウンターを使い分け試合をコントロール。
   後半26分、自陣高い位置を起点としたカウンターから、ピッチに立ったばかりのFWジュニオール・サントスがゴールを陥れボタフォゴがダメ押しの3点目。
   ボタフォゴはその後も試合をコントロール、3‐0のスコアで危なげのない勝利を収めた。

   ボタフォゴは、リベルタドーレス10試合9得点1アシストなどシーズン序盤のチームを牽引したFWジュニオール・サントスが、2度に渡るケガから復帰し6月16日以来のゴール。リベルタドーレス、全国選手権選手権の二冠に向け、また一つ明るい材料が加わった。
   この勝利で、2位パウメイラスとの勝点差は「6」。前年は全国選手権終盤にかけ失速したが、今年は終盤に入りさらに勢いを増している。
   次節は、11月9日に全国選手権第33節、降格圏に低迷するクイアバをホームに迎える。

   ヴァスコ・ダ・ガマは、前半の早い時間帯に2失点。前半終了間際には退場者を出し、ボタフォゴとの完成度の差を見せつけられる結果に終えた。
   次戦は、11月9日に全国選手権第33節、アウェイでのフォルタレーザ戦。上位チームとの連戦となるが、来季への更なる成長の糧となる戦いぶりを期待したい。

クルゼイロ(CRU) 0-1 フラメンゴ(FLA)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=-StakUOzNEc
(FLA) : 53' #23 ダヴィ・ルイス(Davi Luiz, 1987)[]

今節前の順位

クルゼイロ(CRU)は全国選手権12勝8分11敗勝点44の8位。
フラメンゴ(FLA)は全国選手権16勝7分8敗勝点55の4位。

得点シーン

(FLA) : 53' #23 ダヴィ・ルイス(Davi Luiz, 1987)[FK]
相手陣PA右手前で獲得したFK。主審がプレー再開の笛を吹いた直後にCBダヴィ・ルイスが壁の位置に関してクレーム。審判の指示で壁が作り直される隙をつき、CBダヴィ・ルイスが直接ゴールを狙うと、ボールは割れた壁を通過し、GKの脇を抜けゴールネットを揺らす。[1‐0]
   CBダヴィ・ルイスは、2014W杯7試合2得点1アシストなどブラジル代表として通算57試合3得点1アシスト。ヴィトーリア育成出身で2006年デビュー年に53試合2得点の成績を収め、翌2007年2月にベンフィカ/PORへ移籍。その後、チェルシー/ENG、パリ/FRA、チェルシー、アーセナル/ENGと約15年間欧州の一線でプレーし、2021年フラメンゴに加入。2022年には主力としてチームのリベルタドーレス、コパ・ド・ブラジルの二冠に貢献。2023年以降は先発の機会は減るものの、控えながらも主力陣を支えている。2024年は今節終了時点で31試合3得点。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:49% 51% ⇒ 前後半:53% 47%
シュート(枠内): 前半:5‐3(2‐1) ⇒ 前後半:15‐10(5‐2)
パス成功率: 前半:85% 87% ⇒ 前後半:83% 84%
ファール: 前半:6‐6 ⇒ 前後半:8‐13
黄カード(赤): 前半:0‐1 ⇒ 前後半:2‐5(0‐1)

   クルゼイロ(CRU)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKカシオ(Cássio, 1987)
   4 : 右SBウィリアン・フルタド(William Furtado, 1995)、CBジョアン・マルセロ(João Marcelo, 2000)、CBビジャルバ(Villalba, 1994)、左SBマルロン(Marlon, 1997)
   3 : VOLワラシ・ソウザ(Walace Souza, 1995)、VOLルーカス・ロメロ(Lucas Romero, 1994)、VOLマテウス・エンヒキ(Matheus Henrique, 1997)
   3 : FWガブリエウ・ヴェロン(Gabriel Veron, 2002)、FWカイオ・ジョルジ(Kaio Jorge, 2002)、FWマテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)
   今節は、FWハファ・シウヴァ(Rafa Silva, 1992)が出場停止。VOLワラシ・ソウザ、VOLマテウス・エンヒキ、FWカイオ・ジョルジ(Kaio Jorge, 2002)の期中移籍ウィンドウでの欧州帰国組に加え、ブラジル代表FWマテウス・ペレイラが先発に名前を連ねる豪華な顔ぶれ。
   選手交代(Sai → Entra)
   46' VOLワラシ・ソウザ → MFアルバロ・バレアル(Álvaro Barreal, 2000)
   58' FWマテウス・ペレイラ → FWラウタロ・ジアス(Lautaro Díaz, 1998)
   90' FWガブリエウ・ヴェロン → MFマテウス・ヴィタウ(Mateus Vital, 1998)
   90+1' VOLルーカス・ロメロ → VOLルーカス・シウヴァ(Lucas Silva, 1993)

   フラメンゴ(FLA)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKロッシ(Rossi, 1995)
   4 : 右SBバレラ(Varela, 1993)、CBファブリシオ・ブルーノ(Fabrício Bruno, 1996)、CBダヴィ・ルイス(Davi Luiz, 1987)、左SBアイルトン・ルーカス(Ayrton Lucas, 1997)
   2 : VOLアラン(Allan, 1997)、VOLエリキ・プルガール(Ericl Pulgar, 1994)
   3 : MFマテウス・ゴンサウヴェス(Matheus Gonçalves, 2005)、VOLアルカラス(Alcaraz, 2002)、MFプラッタ(Plata, 2000)、
   1 : FWブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1990)
   週末のコパ・ド・ブラジル決勝2ndレグを控え5選手が遠征に帯同せず。中盤は、監督交代後に多くの出場機会を得ているVOLアルカラスとMFプラッタに加え、フラメンゴ育成出身のMFマテウス・ゴンサウヴェスがトリオを組む。
   選手交代(Sai → Entra)
   46' VOLエリキ・プルガール → VOLエヴェルトン・アラウージョ(Evertton Araújo, 2003)
   70' MFマテウス・ゴンサウヴェス → MFミシャエウ(Michael, 1996)
   70' CBダヴィ・ルイス → CBレオ・ペレイラ(Léo Pereira, 1996)
   79' 左SBアイルトン・ルーカス → 左SBアレキ・サンドロ(Alex Sandro, 1991)
   79' FWブルーノ・エンヒキ → FWロハン(Lorran, 2006)

   クルゼイロは、直近の試合、コパ・スウアメリカーナ準決勝2ndレグ、アウェイでライン・クラブ/ARGを1‐0で下し、フェルナンド・ジニース監督が就任後初勝利。そして、同大会決勝戦へ駒を進めた。
   全国選手権を利用して戦術を浸透させ、連係を高めたいクルゼイロは、8月加入の実績のある3選手に加え、10月にブラジル代表デビューを果たしたMFマテウス・ペレイラなど豪華な顔ぶれが並ぶスターティングイレブン。
   一方のフラメンゴは、週末にコパ・ド・ブラジル決勝戦2ndレグを控え、リザーブ選手を中心としたメンバーで試合に入る。
   開始後10分間はクルゼイロが相手陣PA前後で人数をかけた分厚い攻撃。しかし、フラメンゴはゴール前を中心にスペースを消し、決定的な場面を許さない。
   フラメンゴは、前半24分、自陣からCBダヴィ・ルイスの縦のフィードにFWブルーノ・エンヒキが抜け出し、右サイドをゴールライン際までボールを持ち上がるが、味方の上りが遅く、自ら放った強引なシュートはゴールポストを叩き弾き返される。
   後半8分、フラメンゴは相手陣PA右手前でFKを獲得すると、CBダヴィ・ルイスが壁の位置に関してクレーム。審判の指示で壁が作り直される隙をつき、CBダヴィ・ルイスが直接ゴールを狙うと、ボールは割れた壁を通過しGKの脇を抜けゴールネットを揺らす。[1‐0]
   クルゼイロは、後半26分、相手陣右サイドからのスローインのボールを受けたMFアルバロ・バレアルがミドルシュート。GKが弾き返したボールにFWカイオ・ジョルジが右足を振り抜くが、惜しくもボールは枠を捉えずゴールポストの外へ流れていく。
   その後もクルゼイロはボールを握りパスを繋いで攻撃の組み立てを図るが、フラメンゴのゴール前を固める守備網を崩すことができず、強引なミドルシュートに終始する。
   フラメンゴは、後半45+3分にVOLアランがこの試合2枚目のイエローカードを受け退場。最終盤で数的不利な状況を迎えるが、最後まで集中力を保ち、クルゼイロの反撃を許さず、試合はタイムアップ。
   アウェイで控え選手中心のフラメンゴが1‐0でクルゼイロを下した。

   クルゼイロは、フェルナンド・ジニース監督就任後の8試合を1勝4分3敗。その期間は5得点9失点。全国選手権に限れば2分3敗と未だに勝ち星がない。
   次戦は、11月9日に全国選手権第33節、残留争いに巻き込まれているクリシウーマをホームに迎える。

   フラメンゴは、フィリピ・ルイス監督就任後の8試合を5勝2分1敗。初采配試合でコパ・ド・ブラジル決勝進出を決め、決勝1stレグは3‐1の勝利を収めている。今節は控え選手中心のスタメンでいつもとは異なる守備的な戦術を採用するも、無失点による白星を収めた。
   次戦は、11月10日にコパ・ド・ブラジル決勝戦、アウェイでのアトレチコ・ミネイロ戦2ndレグ。1stレグで3-1の勝利を収めているが、どのような試合の入り方をするのか注目が集まる。
   全国選手権は第33節が11月13日、アトレチコ・ミネイロとの再戦がホームにて予定されている。

アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) 1-0 アトレチコ・ミネイロ(CAM)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=WyJKbizVGEQ
(ACG) : 89' #19 ジャンデルソン(Janderson, 1999)[#8 バラーリャス(Baralhas, 1998)]

今節前の順位

アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)は全国選手権5勝7分19敗勝点22の20位。
アトレチコ・ミネイロ(CAM)は全国選手権10勝11分9敗勝点41の10位。(1試合未消化)

得点シーン

(ACG) : 89' #19 ジャンデルソン(Janderson, 1999)[#8 バラーリャス(Baralhas, 1998)]
相手陣でのプレスからパスミスを誘いボールを奪取。相手陣中央からMFシャイロンが左サイドへボールを送ると、ボールを受けたVOLバラーリャスがPAへ向け斜めにスルーパス。FWウルタドのニアサイドへの切れ込みに引き寄せられたCBが空けたスペースにFWジャンデルソンが後方から入り込み、トラップで縦にボールを置きシュート。ファーサイドのゴールネットへボールを流し込み、土壇場でホームのアトレチコ・ゴイアニエンセが均衡を破る。[1‐0]
   FWジャンデルソンは、2017年3月当時全国選手権3部のジョインヴィレ(Joinville)から18歳のプロデビュー。2020年にコリンチャンスからの期限付き移籍にてアトレチコ・ゴイアニエンセに加入し、同年は41試合4得点5アシストの成績を残し、翌2021年には51試合5得点4アシストの成績を収める。しかし、期限付き移籍だったこともあり、また、財政難のアトレチコに買い取る資金的な余裕はなく、2022年はグレミオ(40試合5得点1アシスト)、2023年はセアラー(55試合7得点5アシスト)にてプレー。2024年7月の移籍ウィンドウが開くと同時にアトレチコ・ゴイアニエンセが期限付き移籍のオファーを提示し再加入。2024年はアトレチコ・ゴイアニエンセにて14試合2得点。2得点はいずれも0‐0の局面からの決勝ゴール。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:38% 62% ⇒ 前後半:37% 63%
シュート(枠内): 前半:8‐2(2‐2) ⇒ 前後半:13‐12(3‐5)
パス成功率: 前半:71% 81% ⇒ 前後半:73% 84%
ファール: 前半:4‐8 ⇒ 前後半:11‐13
黄カード(赤): 前半:2‐1 ⇒ 前後半:2‐2

   アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKホナウド(Ronaldo, 1996)
   4 : 右SBマギーニョ(Maguinho, 1992)、CBアリックス・ヴィニシウス(Alix Vinicius, 1999)、CBルイス・フェリピ(Luiz Felipe, 1993)、左SBギリェルミ・ホマォン(Guilherme Romão, 1997)
   2 : VOLゴンサロ・フレイタス(Gonzalo Freitas, 1991)、VOLバラーリャス(Baralhas, 1998)
   3 : MFデレキ(Derek, 1997)、MFアレホ・クルス(Alejo Cruz, 2000)、MFラカバ(Lacava, 2002)
   1 : FWルイス・フェルナンド(Luiz Fernando, 1996)
   今節は、守備の要CBアドリアーノ・マルチンス(Adriano Martins, 1997)が出場停止。代わってケガによる離脱の影響もあり一か月ぶりのスタメンとなるCBアリックス・ヴィニシウスが最終ラインに入る。
   選手交代(Sai → Entra)
   46' 右SBマギーニョ → 右SBブルーノ・トゥバラォン(Bruno Tubarão, 1995)
   62' MFアレホ・クルス → FWジャンデルソン(Janderson, 1999)
   62' MFラカバ → MFシャイロン(Shaylon, 1997)
   71' VOLゴンサロ・フレイタス → VOLハウジネイ(Rhaldney, 1998)
   75' MFデレキ(Derek, 1997) → FWウルタド(Hurtado, 2000)

   アトレチコ・ミネイロ (CAM)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKガブリエウ・デウフィン(Gabriel Delfim, 2002)
   4 : 右SBサラビア(Saravia, 1993)、CBイゴル・ハベーロ(Igor Rabello, 1995)、CBブルーノ・フッキス(Bruno Fuchs, 1999)、左SBフーベンス(Rubens, 2001)
   2 : VOLパウロ・ヴィトル(Paulo Vitor, 2004)、VOLファウスト・ベラ(Fausto Vera, 2000)
   3 : MFアリソン(Alisson, 2005)、MFバルガス(Vargas, 1989)、MFベルナルジ(Bernard, 1992)
   1 : FWデイヴェルソン(Deyverson, 1991)
   今節は、MFイゴル・ゴメス(Igor Gomes, 1999)、MFグスタヴォ・スカルパ(Gustavo Scarpa, 1994)、右SBマリアーノ(Mariano, 1986)の3選手が出場停止。週末のコパ・ド・ブラジル決勝戦2ndレグに向け、控え選手中心の先発メンバーで試合に入る。
   選手交代(Sai → Entra)
   31' VOLパウロ・ヴィトル → VOLオターヴィオ(Otávio, 1994)
   46' MFバルガス(Vargas, 1989) → MFサラーチョ(Zaracho, 1998)
   57' 左SBフーベンス → 左SBギリェルミ・アラーナ(Guilherme Arana, 1997)
   67' FWデイヴェルソン → FWアラン・カルデッキ(Alan Kardec, 1989)
   67' MFベルナルジ → MFブライアン・パラシオス(Brahian Palacios, 2002)

   地力に勝るアトレチコ・ミネイロが控え選手中心のメンバーとは言えボールを支配する。
   前半18分、ミネイロは自陣から素早く相手陣左サイドへ送られたボールを左SBフーベンスが受けるとPA内へ素早くクロス。FWバルガスがファーサイドでワントラップからゴールを狙うが、ゴイアニエンセGKホナウドが至近距離のシュートを防ぐ。
   ミネイロがボールを持つ時間帯が続くが、前半25分を過ぎるとゴイアニエンセもFKや自陣からのスピードのある攻撃で相次いで相手ゴールに迫る。前半32分、相手陣中央で得たFKからゴール前に送られたボールにFWルイス・フェルナンドがヘディングシュート。ボールは枠を捉えるが、ミネイロGKデウフィンが両手でクロスバーの上にボールを弾きだす。
   後半開始15分間は、ミネイロが相手陣PA近辺で猛攻。相次いでゴールを狙うがゴイアニエンセが守り抜く。
   するとゴイアニエンセも次第に縦の素早いゴール運びでチャンスを作り出し、試合はややオープンな展開へと傾き、一進一退の攻防が続く。
   後半43分、ゴイアニエンセが相手陣で人数をかけたプレスを仕掛けボール奪取、左サイドからのVOLバラーリャスのパスをPA入口で受けたFWジャンデルソンが値千金の決勝ゴール。
   最下位に苦しむアトレチコ・ゴイアニエンセが、ホームサポーターの大声援のもと、1‐0の勝利を収めた。

   アトレチコ・ゴイアニエンセは4試合ぶりの勝利。6試合を残し降格圏脱出までの得点差は「10」と厳しい状況に変わりはないが、ホームでの試合は3試合が残されており、サポーターの前で最後まで諦めずに戦い抜きたい。
   次戦は、11月9日に全国選手権第33節、ホームにRBブラガンチーノを迎える。

   アトレチコ・ミネイロは、週末にコパ・ド・ブラジル決勝戦2ndレグを控え、リザーブ選手中心の試合。ボール保持率は高かったものの、細かな連係ミスや、やや強引な攻撃ではゴイアニエンセのゴールを奪えず、0-1の敗戦を喫した。今後はコパ・ド・ブラジル決勝戦2ndレグに続き、リベルタドーレスの決勝戦も控えており、全国選手権を利用してチーム力を高めていきたい。
   次戦は、11月10日にホームにてコパ・スウアメリカーナ決勝フラメンゴ戦2ndレグ。1stレグは1-3のスコアで敗れたが、ホームで巻き返しを図りたい。
   全国選手権第33節は、11月13日にアウェイにてフラメンゴとの再戦が予定されている。

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