バイーア (Bahia)
正式名称:Esporte Clube Bahia
略称:BAH
創立:1931年
本拠:バイーア州 サウヴァドール
《 主要タイトル 》
タイトル | 優勝回数 | 優勝年 |
---|---|---|
ブラジル全国選手権 | 2 | 1988, 1959 |
《 直近3年成績(2020年-2022年) 》
大会 | 2022年成績 | 2021年成績 | 2020年成績 |
---|---|---|---|
ブラジル全国選手権 | ― | 18位 | 14位 |
ブラジル全国選手権2部 | 4位 | ― | ― |
コパ・ド・ブラジル | ベスト16敗退 | ベスト16敗退 | 1回戦敗退 |
コパ・スウアメリカーナ | ― | 予選R敗退 | 準々決勝敗退 |
バイーア州選手権 | グループR敗退 | 準決勝敗退 | 優勝 |
コパ・ド・ノルデスチ | グループR敗退 | 優勝 | 準優勝 |
各大会の概要は、当ブログ記事「主要大会と年間日程」を参照ください。
《 全国選手権 順位推移(2006年-2022年) 》
現行レギュレーション(20チームによるホーム&アウェア方式2回戦総当たり)で開催された2006年以降の全国選手権順位推移です。
《 2022年 》
<戦績>
大会 | 試合数 | 勝数 | 引分数 | 敗数 | 得点 | 失点 | 得失点差 | 勝点率(%) | 順位 |
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全国選手権2部 | 38 | 17 | 11 | 10 | 43 | 29 | 14 | 54.4 | 4位 |
コパ・ド・ブラジル | 4 | 0 | 2 | 2 | 3 | 5 | -2 | 16.7 | ベスト16敗退 |
州選手権 | 8 | 4 | 1 | 3 | 18 | 11 | 7 | 54.2 | 6位 |
コパ・ド・ノルデスチ | 9 | 3 | 3 | 3 | 13 | 9 | 4 | 44.4 | 1回戦敗退 |
計 | 59 | 24 | 17 | 18 | 77 | 54 | 23 | 50.3 |
<全国選手権2部 年間順位推移>
<振り返り>
ECバイーアは、前年10月の監督に就任し、2部降格を回避できなかったものの、15試合5勝5分5敗の成績を残したグート・フェヘイラ(Guto Ferreira)監督との契約を延長して2022年シーズンに臨む。
【州選手権、コパ・ド・ノルデスチ】
1月にグループラウンドが開幕し4月上旬の決勝戦まで並行して開催されるバイーア州選手権とコパ・ド・ノルデスチ。 バイーア州には強豪クラブがいないため、州選手権は例年控えメンバーを中心に挑み、全国選手権1部チームも複数参戦するコパ・ド・ノルデスチには例年主力メンバーを中心に臨む。しかし、2022年は両大会とも主力メンバーを試合に起用していく。
ところが、州選手権は、グループラウンドを3勝3分3敗の成績で10チーム中6位。 コパ・ド・ノルデスチは16チームが8チーム2グループに分かれ別グループの8チームと対戦する珍しい大会形式なのだが、バイーアはグループラウンドで4勝1分3敗の成績でグループ5位に終える。
両大会ともに終盤にはチーム内の連携が改善し勝ち星を積み重ねたものの、前半の不振を取り返すとこができず、グループラウンドでの敗退となった。
【コパ・ド・ブラジル】
前年のコパ・ド・ノルデスチ優勝を受け、コパ・ド・ブラジルは3回戦からの登場。 3回戦1stレグは、4月19日ホームでのアズーリスフッテボウ戦、4日前に1-0で勝利した全国選手権2部第2節ナウチコ戦とほぼ同じメンバーで臨むが0-0の引き分けで終える。 5月10日アウェイでの2ndレグは、直近の試合から1週間空けての試合となり主力メンバーで臨むが前半11分に失点。後半40分過ぎになんとか追いつき、PK戦の末4回戦進出を決める。
4回戦の相手は全国選手権1部アトレチコ・パラナエンセ。 1stレグ(6月22日ホーム)、前半4分、ペナルティアークやや右からのFKをムギニ(Mugini)が直接決め、早くも先制点を奪う。しかし、前半10分に同点に追いつかれると、前半31分にカウンターから失点。ホームでの1stレグを1-2で落とす。 2ndレグ(7月12日アウェイ)、前半5分、右CKをデ・ルッカ(De Lucca)が踵で球筋を変えると、マテウス・ダヴォー(Matheus Davó)がほぼバイシクルのような形でダイレクトボレーを決め先制、2試合合計も2-2の同点に追いつく。前半13分、相手ゴール近くのゴールライン際でマテウス・ダヴォーがボールを奪い、相手GK/GOLがニアに詰めたところを中央へマイナスのパスを送る。しかし、ガブリエウ・シャヴィエルの大きく空いたゴールへのシュートは枠上に外れてしまう。その後も速い攻撃で度々相手ゴールに迫るが得点を奪えない。 後半はややオープンな展開となりお互いに相手ゴールに迫る。すると、後半33分、右CKから失点。AT+3分には前がかりになったところをカウンターから失点し1-2で敗戦。2試合合計2-4のスコアでコパ・ド・ブラジルは4回戦で敗退。
【全国選手権2部】
州選手権、コパ・ド・ノルデスチのグループラウンドでの敗退を受け、全国選手権2部開幕まで約3週間の間隔が空く。この期間は休養と守備の再構築に充てられる。
全国選手権2部開幕節(4月8日)でクルゼイロを2-0で下すと、第2節も無失点で勝利。 開幕前に再構築された守備が効果を発揮し幸先のいいスタートを切る。一方で、攻撃に人数をかけられず得点力不足が懸念される。第6節に4得点を奪うが、第14節までに無得点試合が5を数え、複数得点も4試合に限られる。 第14節に2試合連続で0-1のスコアで連敗を喫すると、グート・フェヘイラ監督は解任。8勝1分5敗15得点8失点、昇格圏内の3位の成績を残し、バイーアを後にする。
後任にエンデルソン・モレイラ(Enderson Moreira)監督が就任、攻撃の再構築を行う。フォーメーションは3バックを採用、中盤を厚くしてボールを奪いに行くスタイルを落とし込む。 クラブもFW/ATAの補強を進め、8月初めに2014年全国選手権最優秀選手ヒカルド・ゴウラール(Ricardo Goulart)、アトレチコ・ナシオナル/コロンビアでリベルタドーレスを獲得しサントスでも活躍したコペッチ(Copete)の2人の実績のあるベテランをレンタルで獲得する。
モレイラ監督の戦術は、ボールの奪いどころがゴールに比較的近く得点は増えたものの、プレスを掻い潜られた際に大きなスペースを与え失点も多くなる。また、レンタルで加入した2人のベテランもフィットしたとは言えない状況で、勝ち負けを繰り返す。 第29節から4試合勝ち星に見放されると、クラブはモレイラ監督を解任。モレイラ監督は全国選手権2部を7勝6分5敗21得点16失点、昇格圏内の3位を維持しバイーアを去る。(その他コパ・ド・ブラジルで1敗)
第33節からはエドゥアルド・バホッカ(Eduardo Barroca)監督が指揮を執り、最終節を待たずに第37節終了後に翌年の1部復帰を決める。バホッカ監督は2勝4分の成績を残すが2023年に向けて契約は延長されず、1部昇格を置き土産にバイーアを去った。 (バイーアは3位で最終節を終えたものの、選手権終了後にスポーツ裁判所の判決で4位ヴァスコダガマに勝点2点が加算されたため、最終順位は4位で確定している。)
選手権前半 : 10勝 4分 5敗、得点21失点10 選手権後半 : 7勝 7分 5敗、得点22失点19 選手権合計 : 17勝11分10敗、得点43失点29
<チーム内個人成績・記録>
* 参照元:サッカーサイト「Ogol」
記録 | 選手 | 公式戦計 | 全国選手権 | ブラジル杯 | 州選手権 | 北東部杯 |
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最多試合出場 | イグナシオ (Ignácio) – CB/ZAG | 52 | 35 | 4 | 5 | 8 |
(2位) | ダニエウ (Daniel) – MF/MEI | 52 | 33 | 4 | 8 | 7 |
(3位) | デ・ルッカ (De Lucca) – VOL | 49 | 31 | 4 | 6 | 8 |
最多出場時間 | イグナシオ (Ignácio) – CB/ZAG | 4545 | 3060 | 360 | 405 | 720 |
(2位) | ダニエウ (Daniel) – MF/MEI | 3923 | 2645 | 352 | 451 | 475 |
(3位) | デ・ルッカ (De Lucca) – VOL | 3904 | 2535 | 325 | 498 | 546 |
最多得点 | ロダジェガ (Rodallega) – FW/ATA | 13 | 1 | 0 | 4 | 8 |
(2位) | マテウス・ダヴォー (Matheus Davó) – FW/ATA | 10 | 9 | 1 | 0 | 0 |
(3位) | ムギニ (Mugni) – MF/MEI | 7 | 6 | 1 | 0 | 0 |
最多アシスト | ダニエウ (Daniel) – MF/MEI | 7 | 4 | 0 | 1 | 2 |
(2位) | ムギニ (Mugni) – MF/MEI | 5 | 4 | 0 | 1 | 0 |
(3位) | ホナウド (Ronaldo) – FW/ATA | 5 | 0 | 0 | 1 | 4 |
最多デュエル勝利 | ヘゼンデ (Rezende) – MF/MEI | – | 140 | – | – | – |
(2位) | ジャカレー (Jacaré) – FW/ATA | – | 115 | – | – | – |
(3位) | ダニエウ (Daniel) – MF/MEI | – | 110 | – | – | – |
最多キーパス | デ・ルッカ (De Lucca) – VOL | – | 58 | – | – | – |
(2位) | ムギニ (Mugni) – MF/MEI | – | 34 | – | – | – |
(3位) | マテウス・ダヴォー (Matheus Davó) – FW/ATA | – | 31 | – | – | – |
最多CBI | イグナシオ (Ignácio) – CB/ZAG | – | 161 | – | – | – |
(2位) | ルイス・オターヴィオ (Luiz Otávio) – CB/ZAG | – | 151 | – | – | – |
(3位) | ヘゼンデ (Rezende) – MF/MEI | – | 92 | – | – | – |
※ デュエル勝利 : 一対一でのイーブンボールの奪い合いでボールを獲得すること キーパス : パスの受け手がシュートを打てた時にカウントされる指標 CBI : クリア、ブロック、インターセプト
《 2023年に向けた取り組み 》
【組織変更とシティフットボールグループへの参画】
2022年12月、クラブ総会でサッカー部門の会社組織への改編が採決、シティフットボールグループによる発行株式の90%取得もあわせて採決されたことにより、バイーアはシティフットボールグループの一員として2023年シーズンを迎える。
2023年に向けヘナト・パイヴァ(Renato Paiva, 1970)氏を監督に招聘。 ヘナト・パイヴァ氏は長年ベンフィカ/ポルトガルの育成世代やBチームの監督を務め、2021年に初めてベンフィカを離れエクアドルのインデペンディエンテ・デル・バジェに監督として就任。その年にエクアドルリーグ優勝を飾る。2022年途中からクラブ・レオン/メキシコの監督を務める。
ヘナト・パイヴァ監督の戦術は、4バックと3バックを併用し、ゴールからの攻撃ではボランチが下がるか、または積極的にGK/GOLが参加し、2人のCB/ZAGと3人で底を作り、SB/LAT、WB/ALAは高めの位置でサイドライン際に張る。細かいパスにはこだわらずロングボールを効果的に利用。攻撃時には前線に5人が並び両翼が大きく開く。 守備ではラインを高く保ち、中盤をコンパクトにし、高い位置でプレスをかける。GK/GOLが最終ラインの後ろの広い範囲を管理。GK/GOLは足元の技術と広範囲をカバーする判断力が要求され、CB/ZAGは前線のスペースを見つける視野の広さとパス精度が要求される。
【補強】
新生バイーアは、選手獲得にクラブ史上最大の投資を行い、2023年1月16日現在で、すべてのポジションで補強を進めている。
GK/GOLには、2021年にフルミネンセでレギュラーを獲得しながら2022年はクルゼイロから加入したファビオの第2GKに甘んじたマルコス・フェリピ(Marcos Felipe, 1996)を獲得。 CB/ZAGには、それぞれボタフォゴ、コリンチャンスで一時期ではあるがレギュラーを掴んだカヌー(Kanu, 1997)とハウーウ・グスタヴォ(Raul Gustavo, 1999)。左SB/LAEにインデペンディエンテ・デル・バジェからエクアドル世代別代表のジョアネル(Jhoanner, 2002)を獲得。 中盤には、ウルグアイの世代別代表歴のあるVOLニコラス・アセベド(Nicolás Acevedo, 1999)とマンチェスターシティからのレンタル移籍でMF/MEIジエゴ・ホーザ(Diego Rosa, 2002)が加入。 FW/ATAには、2022年にグレミオでブレークしたビエウ(Biel, 2001)、2020-2022年に鹿島アントラーズでプレーしたエヴェラウド(Everaldo, 1991)、マンチェスターシティからのレンタル移籍で世代別代表経歴のあるFW/ATAカイキ(Kayky, 2003)を獲得。
豊富な資金力とネットワークの広さを利用し、監督が要望する補強を進め、即戦力と将来を見据えた戦力を獲得している。
2023年は、2部4位からの昇格ではあるが、全国選手権で上位に食い込む可能性を十分に秘めている。