【ブラジル全国選手権2024】第33節(1/2)[11/08-13]

投稿者: | 2024年11月8日

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全国選手権第33節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/11/08 インテルナシオナウ(INT) x フルミネンセ(FLU)
・2024/11/08 パウメイラス(PAL) x グレミオ(GRE)
・2024/11/09 ヴィトーリア(VIT) x コリンチャンス(COR)
・2024/11/09 ボタフォゴ(BOT) x クイアバ(CUI)
・2024/11/09 クルゼイロ(CRU) x クリシウーマ(CRI)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第33節(2/2)[11/08-13]
・2024/11/09 フォルタレーザ(FOR) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
・2024/11/09 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) x RBブラガンチーノ(RBB)
・2024/11/09 ジュヴェントゥージ(JUV) x バイーア(BAH)
・2024/11/09 サンパウロ(SAO) x 
アトレチコ・パラナエンセ(CAP)
・2024/11/13 フラメンゴ(FLA) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)

全国選手権第33節 試合概要

インテルナシオナウ(INT) 2-0 フルミネンセ(FLU)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=bEhIO_8qibM
(INT) : 52' #19 ボレー(Borré, 1995)[]
(INT) : 90+5' #8 VOLブルーノ・エンヒキ[#26 ベルナベイ(Bernabei, 2000)]

今節前の順位

インテルナシオナウ(INT)は全国選手権15勝11分6敗勝点56の5位。
フルミネンセ(FLU)は全国選手権10勝7分15敗勝点37の14位。

得点シーン

(INT) : 52' #19 ボレー(Borré, 1995)[]
自陣に蹴り込まれたボールをCBヴィトンが相手陣左サイドへ蹴り返す。ボールを受けた左SBベルナベイがPA左へボールを持ち上がりクロス。DFに当たったボールは高く上がりGKの頭を越えファーサイドのゴールポストに向かうと、FWボレーが難しい態勢でゴールに押し込み、それまで優勢に試合を進めたホームのインテルナシオナウが待望の先制点。[1‐0]
   FWボレーは、2024コパ・アメリカなどコロンビア代表として37試合6得点2アシスト。ビジャレアル/ESP(30試合4得点2アシスト)、アイントラハト・フランクフルト/GER(92試合15得点10アシスト)、リーベルプレート/ARG(146試合56得点12アシスト)でのプレー歴がある。2024年3月にインテルナシオナウに加入(契約期限2028年末)。コパ・アメリカ開催期間の離脱などもあったが、これまで25試合10得点2アシストを記録中。10月のW杯南米予選では代表選外となったが、11月には代表復帰を果たした。
(INT) : 90+5' #8 VOLブルーノ・エンヒキ[#26 ベルナベイ(Bernabei, 2000)]
相手陣左サイドを縦にボールが送られると、左SBベルナベイが抜け出し、ゴールライン際からPA内へマイナスのボール。後方から駆け上がったVOLブルーノ・エンヒキがDFの僅か手前でつま先でボールを蹴り込み、インテルナシオナウが試合を決定づける。[2‐0]
   VOLブルーノ・エンヒキは、2010年7月全国選手権4部にてイラチ(Iraty)から20歳のプロデビュー。2013年半ばに加入したポルトゲーザにて全国選手権を中心に29試合4得点1アシストの成績を残すと、2014年コリンチャンスへ移籍。さらに2016年8月にはパレルモ/ITAへ330万ユーロにて移籍し、レギュラーとして33試合1得点2アシストの成績を収める。その後、2017年6月‐2020年10月はパウメイラスで169試合26得点11アシスト。2020年10月‐2023年7月はサウジアラビアでプレー。2023年7月にインテルナシオナウに加入すると、ここでも主力として2023年は25試合2得点、2024年57試合4得点5アシストの成績を残している。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:67% 33% ⇒ 前後半:52% 48%
シュート(枠内): 前半:8‐2(3‐0) ⇒ 前後半:14‐9(5‐2)
パス成功率: 前半:87% 71% ⇒ 前後半:84% 81%
ファール: 前半:6‐5 ⇒ 前後半:11‐10
黄カード(赤): 前半:0‐0 ⇒ 前後半:3‐1

   インテルナシオナウ(INT)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKロチェ(Rochet, 1993)
   4 : 右SBブルーノ・ゴメス(Bruno Gomes, 2001)、CBヴィトン(Vitão, 2000)、CBロジェル(Rogel, 1997)、左SBベルナベイ(Bernabei, 2000)
   2 : VOLホームロ(Rômulo, 2000)、VOLチアゴ・マイア(Thiago Maia, 1997)
   3 : MFブルーノ・タバタ(Bruno Tabata, 1997)、MFアラン・パトリッキ(Alan Patrick, 1991)、MFヴァンデルソン(Wanderson, 1994)
   1 : FWボレー(Borré, 1995)
   今節は、前節ゴールのFWウェズレイ(Wesley, 1999)が出場停止。代わって先発出場は7月10日以来となるMFヴァンデルソンが左サイドに入る。
   選手交代(Sai → Entra)
   71' MFブルーノ・タバタ → MFガブリエウ・カルヴァーリョ(Gabriel Carvalho, 2007)
   71' MFヴァンデルソン → MFグスタヴォ・プラード(Gustavo Prado, 2005)
   76' VOLチアゴ・マイア → VOLブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1989)
   86' FWボレー → FWエネル・バレンシア(Enner Valencia, 1989)
   87' VOLホームロ → MFルイス・オターヴィオ(Luis Otávio, 2007)

   フルミネンセ(FLU)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKヴィトル・エウジス(Vitor Eudes, 1998)
   4 : 右SBサムエウ・シャヴィエル(Samuel Xavier, 1990)、CBチアゴ・シウヴァ(Thiago Silva, 1984)、CBマノエウ(Manoel, 1990)、左SBジオゴ・バルボーザ(Diogo Barbosa, 1992)
   2 : VOLベルナル(Bernal, 2003)、VOLマルチネリ(Martinelli, 2001)
   3 : MFグーガ(Guga, 1998)、MFリマ(Lima, 1996)、FWケーノ(Keno, 1989)
   1 : FWヘルマン・カーノ(Germán Cano, 1988)
   今節の出場停止選手は6選手。GKファビオ(Fábio, 1980)、CBチアゴ・サントス(Thiago Santos, 1989)、FWジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)、MFガンソ(PH Ganso, 1989)、FWカウワン・エリアス(Kauã Elias, 2006)、そしてCBフェリピ・メロ(Felipe Melo, 1983)。5選手が前節ではスタメンを務めていた。
   選手交代(Sai → Entra)
   46' MFグーガ → FWマルキーニョス(Marquinhos, 2003)
   71' FWケーノ → FWケヴィン・セルナ(Kevin Serna, 1997)
   71' VOLベルナル → MFヘナト・アウグスト(Renato Augusto, 1998)
   78' FWヘルマン・カーノ → FWジョン・ケネジー(John Kennedy, 2002)
   86' MFリマ → FWイザッキ(Isaac, 2004)

   主力選手の多くを出場停止で欠くフルミネンセは、SBグーガを中盤に入れるなど、守備的な布陣、戦術で試合に入る。
   一方のインテルナシオナウは、いつも通りの中盤の厳しい寄せでボールを奪い、ボールを保持する場面では、相手陣で選手が効果的にポジションを変え、空いたスペースに選手が潜り込み、テンポよくボールを繋ぐサッカーを展開。
   立ち上がりのインテルナシオナウは、フルミネンセの堅守に攻撃の糸口を掴めないものの、次第に両ボランチや両サイドバックが前線の選手が作ったスペースを利用し、攻撃の厚みを作り出していく。
   前半30分に右サイドから好機を作り出すと、前半33分、再び右サイドを起点にFWボレーがクロスボールに合わせゴールネットを揺らす。しかし、VARによる検証の末、FWボレーのポジションがほんの僅かにオフサイド。ゴールは認められない。
   インテルナシオナウは、前半45分に右サイドからのクロスにPA内で折り返されたボールをペナルティーマークからVOLチアゴ・マイアがビシクレッタ。その2分後にもPA右からMFブルーノ・タバタがドリブルでPAに侵入しシュート。いずれもフルミネンセGKエウジスに防がれゴールは生まれない。
   後半立ち上がりもインテルナシオナウの猛攻が続く。
   後半5分にPA内右ゴールライン際へボールを持ち上がったSBブルーノ・ゴメスが好機を演出。これは、フルミネンセ守備陣が辛うじてクリア。
   しかし、後半7分、自陣からのボールを受けた左SBベルナベイがPA左へボールを持ち上がりクロス。DFに当たったボールは高く上がりGKの頭を越えると、ファーサイドのゴールポスト手前でFWボレーが難しい態勢でボールを押し込み、インテルナシオナウが待望の先制点。[1‐0]
   フルミネンセは、後半開始時に投入されたFWマルキーニョスのスピードを生かし右サイドを起点に反撃を試み、後半30分にFWマルキーニョスがバイタルエリアへボールを持ちこみシュートに持ち込むがGKロチェの正面。
   後半44分には、右SBガブリエウ・シャヴィエルが右サイドゴールライン際からグラウンダーのクロス。ニアサイドでFWジョン・ケネジーが踵でコースを変えるが、インテルGKロチェが素早く反応し足に当て浮かんだボールを自らがしっかりと抑え込む。
   後半45+4分、インテルナシオナウは左SBベルナベイのゴールライン際からのマイナスのボールにVOLブルーノ・エンヒキが後方から駆け上がりトゥーキック。ボールはゴールネットを揺らし試合を決定づける。[2‐0]
   試合再開後間もなくタイムアップの笛が吹かれ、ホームのインテルナシオナウが2‐0の勝利を収めた。

   インテルナシオナウは、これで14試合に負けがなく、引き分けを挟む10連勝。試合終了時点で今後試合を迎えるフラメンゴを抜き4位に浮上した。残り5試合は、ヴァスコ・ダ・ガマ、RBブラガンチーノ戦の後、フラメンゴ、ボタフォゴ、フォルタレーザとの上位対決が待っている。サポーターを含め、クラブ全体が現在のチームに手ごたえを感じているだろうが、それをより強固なものとしてシーズンを締めくくりたい。
   次戦は、11月21日に全国選手権第34節、アウェイにてヴァスコ・ダ・ガマ戦が予定されている。

   残留争いから抜け出せずにいるフルミネンセは、勝ち点を伸ばすことができず、現時点で降格圏までの勝点差が「3」の14位。ラスト5試合は順に、フォルタレーザ(H)、クリシウーマ(H)、アトレチコ・パラナエンセ(A)、クイアバ(H)、パウメイラス(A)。上位との対戦、残留争いのライバルとの対戦が続き、予断を許さない状況が続く。
   次戦は、11月22日に全国選手権第34節、ホームにフォルタレーザを迎える。

パウメイラス(PAL) 1-0 グレミオ(GRE)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=AHq0M4HYsQ8
(PAL) : 73' #41 エステヴォン(Estêvão, 2007)[]

今節前の順位

パウメイラス(PAL)は全国選手権18勝7分7敗勝点61の2位。
グレミオ(GRE)は全国選手権11勝6分15敗勝点39の11位。

得点シーン

(PAL) : 73' #41 エステヴォン(Estêvão, 2007)[]
相手陣中央からVOLアニバル・モレノが左サイドライン際へ大きくボールを展開。FWドゥドゥがボールを受け、ドリブルで中央に切れ込みながらシュートに持ち込むと、グラウンダーのボールをグレミオGKマルチェシンが両手で辛うじて弾き返す。しかし、跳ね返りのボールをファーサイドに詰めていたFWエステヴォンが足を伸ばしゴールネットに流し込む。[1‐0]
   FWエステヴォンは、このゴールが全国選手権得点ランキングで単独トップに躍り出る12点目のゴール。11月14日(第11節ベネズエラ戦)、19日(第12節ウルグアイ戦)に向けたブラジル代表への招集も受けており、今後の更なる活躍が期待される。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:70% 30% ⇒ 前後半:63% 37%
シュート(枠内): 前半:11‐1(4‐1) ⇒ 前後半:33‐6(14‐1)
パス成功率: 前半:78% 57% ⇒ 前後半:79% 67%
ファール: 前半:7‐3 ⇒ 前後半:14‐9
黄カード(赤): 前半:2‐2 ⇒ 前後半:5‐3

   パウメイラス(PAL)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKウェヴェルトン(Weverton, 1987)
   4 : 右SBマルコス・ホッシャ(Marcos Rocha, 1988)、CBムリーロ(Murilo, 1997)、CBグスタボ・ゴメス(Gustavo Gómez, 1993)、左SBカイオ・パウリスタ(Caio Paulista, 1998)
   3 : MFマウリシオ(Maurício, 2001)、VOLアニバル・モレノ(Anibal Moreno, 1999)、MFハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)
   3 : FWエステヴォン(Estêvão, 2007)、FWホニ(Rony, 1995)、FWフェリピ・アンデルソン(Felipe Anderson, 2003)
   今節は、出場停止選手や新たなケガ人はなし。一方で、ケガ明けのCBムリーロがスタメン復帰。センターフォワードにはFWフラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)に代わり守備への貢献度も高いFWホニが8月14日以来のスタメンに抜擢される。
   選手交代(Sai → Entra)
   63' FWフェリピ・アンデルソン → FWドゥドゥ(Dudu, 1992)
   63' FWホニ → FWフラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)
   63' 左SBカイオ・パウリスタ → 右SBマイキ(Mayke, 1992)
   77' MFマウリシオ → VOLヒシャルジ・ヒオス(Richard Rios, 2000)
   82' MFハファエウ・ヴェイガ → VOLゼ・ハファエウ(Zé Rafael, 1993)

   グレミオ(GRE)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKマルチェシン(Marchesín, 1988)
   4 : 右SBジョアン・ペドロ(João Pedro, 1996)、CBホドリゴ・エリー(Rodrigo Ely, 1993)、CBジェメルソン(Jemerson, 1992)、左SBヘイナウド(Reinaldo, 1989)
   2 : VOLビジャサンチ(Villasanti, 1997)、VOLドッジ(Dodi, 1996)
   3 : MFソテウド(Soteldo, 1997)、VOLエデニウソン(Edenílson, 1989)、MFアラベナ(Aravena, 2002)
   1 : FWブライトバイテ(Braithwaite, 1991)
   今節は、出場停止選手や新たなケガ人はなし。センターバックはCBグスタヴォ・マルチンス(Gustavo Martins, 2002)とCBカネマン(Kannemann, 1991)がケガのため離脱中。先発起用が続くCBホドリゴ・エリーとCBジェメルソンはいずれもイエローカードが蓄積されており不要なカードは貰いたくない。
   選手交代(Sai → Entra)
   64' MFソテウド → FWナタン・フェルナンデス(Nathan Fernandes, 2005)
   64' VOLエデニウソン → VOLペペー(Pepê, 1998)
   75' VOLドッジ → MFモンサルベ(Monsalve, 2004)
   75' FWブライトバイテ → FWジエゴ・コスタ(Diego Costa, 1988)
   75' MFアラベナ → MFクリスタウド(Cristaldo, 1996)

   首位ボタフォゴとの勝点差が「6」に開き全国選手権三連覇に向け勝点「3」が譲れないパウメイラスは、いつもの2ボランチではなく1ボランチを採用。中盤にMFハファエウ・ヴェイガとMFマウリシオが斜めの関係と取る攻撃的な布陣。右サイドはFWエステヴォン、左サイドはFWフェリピ・アンデルソンが中心となり、立ち上がりから猛攻を仕掛ける。
   パウメイラスは、グレミオの粘り強いマークに苦戦をする中、度々シュートにまで持ち込むがGKマルチェシンの砦を崩せない。
   すると、前半14分、グレミオは相手陣右サイドでタメを作ったMFアラベナが中央を縦に上がるVOLビジャサンチへボールを送り、VOLビジャサンチはDFを次々と抜き去りシュート。しかし、GKウェヴェルトンが間合いを詰め大きく体を拡げ、グレミオの絶好機を阻止する。
   その後もパウメイラスの攻勢は続き、前半35分にはPA前後でシュートを浴びせ、最後はMFマウリシオが左足でボールをゴールネットに突き刺すが、オフサイドの判定が下されゴールは認められない。
   前半は、シュート数がパウメイラスの11本に対しグレミオは僅かに1本。パウメイラスが多くの時間を相手陣で費やし前半を終える。
   後半は6分はMFマウリシオのシュートをグレミオGKマルチェシンが横跳びに両手でボールを弾きだすプレーを皮切りに、パウメイラスが前半を上回るペースでシュートを浴びせる。しかし、僅かにシュート精度に欠き、複数の絶好機でシュートが枠を捉えない。
   後半18分にパウメイラスは左サイドの3選手を交代。しかし、ここから右サイドのFWエステヴォンが次々と好機を生み出していく。
   後半23分、右サイドからPA手前をFWエステヴォンがドリブルで切れ込み、MFハファエウ・ヴェイガとのタベーラを挟みゴール正面からミドルシュートに持ち込むが、グレミオGKマルチェシンが両手で弾き出す。続く左CKからのクリアボールをPA入口で拾ったFWエステヴォンが再びシュート。今度はゴールポストに弾き返される。
   後半28分、パウメイラスは相手陣中央から左サイドのFWドゥドゥへボールを送ると、FWドゥドゥはドリブルで中央に向かいミドルシュート。GKマルチェシンが辛うじて弾き出したボールをファーサイドでFWエステヴォンがゴールへ流し込み、パウメイラスが待望の先制点。[1‐0]
   その後もパウメイラスはFWエステヴォンを中心に次々とシュートを浴びせるが、グレミオGKマルチェシンが枠を捉えるシュートを次々と弾き返していき追加点を許さない。
   しかし、グレミオの攻撃陣はGKマルチェシンの鬼気迫る好セーブの連続に応えることはできず、最後まで得点機を迎えることができず、試合はタイムアップ。
   試合は、33本のシュート、うち枠内に14本のシュートを打ち込んだホームのパウメイラスが、1‐0のスコアの勝利を掴んだ。

   パウメイラスは、前半14分のカウンターのピンチをGKウェヴェルトンの好セーブでしのぎ、最近の3試合7失点の悪い流れを払拭。攻めてはグレミオGKマルチェシンの奮闘に苦しんだものの、全国選手権連覇の立役者ながら今季は膝の大ケガからの復帰以降本来のプレーができていなかったFWドゥドゥが放ったシュートのこぼれ球を、17歳のFWエステヴォンがゴールに押し込み貴重な勝利を勝ち取った。
   全国選手権のラスト5試合は順に、バイーア(A)、アトレチコ・ゴイアニエンセ(A)、ボタフォゴ(H)、クルゼイロ(A)、フルミネンセ(H)。第36節ボタフォゴとの直接対決まで勝点は落とせない。
   次戦は、11月20日に全国選手権第34節バイーア戦。各国代表戦の直後の試合のため、パラグアイ代表CBグスタボ・ゴメスの出場が危ぶまれ、この試合のイエローカードで出場停止となるブラジル代表FWエステヴォンが出場停止となるが、3連覇に向け勝利が必須となる。

   グレミオは、終始パウメイラスの圧力に押し込まれる展開。特に後半はGKマルチェシンが感動すら覚えさせる奮闘を見せたものの、チームとしてはゴールのチャンスをほとんど作り出せず試合を終えた。
   全国選手権は、この試合が終えた時点で、降格圏までの得点差が「5」の暫定11位。ラスト5試合は順に、ジュヴェントゥージ(H)、クルゼイロ(A)、サンパウロ(H)、ヴィトーリア(A)、コリンチャンス(H)。
   次戦は、11月20日に全国選手権第34節、残留争いのライバル、ジュヴェントゥージとをホームに迎える。

ヴィトーリア(VIT) 1-2 コリンチャンス(COR)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=TD4-6vv85sU
(VIT) : 9' #9 アレハンドロ(Alerrandro, 2000)[]
(COR) : 24' #9 ユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)[#10 ロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)]
(COR) : 69' #94 FWメンフィス・デパイ[#10 ロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)]

今節前の順位

ヴィトーリア(VIT)は全国選手権11勝5分16敗勝点38の12位。
コリンチャンス(COR)は全国選手権9勝11分12敗勝点38の13位。

得点シーン

(VIT) : 9' #9 アレハンドロ(Alerrandro, 2000)[]
コリンチャンスGKウーゴ・ソウザがバックパスで受けたボールをサイドへ送ろうとするが、ボールに勢いがなく、後方からプレスに上がったFWアレハンドロが無人のゴールに蹴り込む。[1‐0]
   FWアレハンドロは、2024年はRBブラガンチーノからの期限付き移籍によりヴィトーリアにてプレー。RBブラガンチーノでは年間35試合前後の出場が続き、4年間で単年で10得点を記録する年はなかったが、ヴィトーリアではコンスタントに試合に出場。今節終了時点で3項目すべてではキャリアハイを更新する47試合16得点7アシスト、うち全国選手権は29試合10得点4アシスト。直近の9試合は7得点、4試合連続ゴール。全国選手権得点ランキングは3位タイに浮上。
(COR) : 24' #9 ユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)[#10 ロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)]
ハーフラインを過ぎた位置で自陣からのボールを受けたFWメンフィス・デパイがDFのマークを外し縦にボールを送ると、MFロドリゴ・ガーロが半身の体勢で受け、ツータッチ目で縦にボールを流す。横に流れながらFWユーリ・アウベルトが左足を振り抜くとボールはゴールニアサイドに突き刺さり、コリンチャンスが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   FWユーリ・アウベルトは、サントス育成出身で、2017年11月全国選手権にて16歳のプロデビュー。インテルナシオナウ、ゼニト/RUSを経て、2022年コリンチャンスに加入。2022年のコリンチャンスでの活躍(28試合11得点2アシスト)を受け、2023年3月には国際親善試合モロッコ戦にて22歳の代表デビューを果たす。2023年以降は守備的なチーム戦術の影響もあり自他ともに不満足な成績、プレーが続いたが、2024年9月以降は14試合で10得点3アシスト。得点関与以外にも多くのチャンスを演出するなど本来の姿を取り戻しつつある。2024年はこの試合を終えた時点で54試合27得点6アシスト。直近は出場4試合連続ゴールを記録中。
(COR) : 69' #94 FWメンフィス・デパイ[#10 ロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)]
自陣センターサークル内のVOLブレーノ・ビドンが縦にボールを送ると、相手陣中央でMFロドリゴ・ガーロがボールを受ける。ヴィトーリアの寄せが遅れると、MFロドリゴ・ガーロはさらに縦へスルーパス。左サイドから斜めに切れ込むFWメンフィス・デパイが最終ライン裏へ抜け出し、間合いを詰めるGKの脇を抜くシュート。これがゴールに吸い込まれる逆転ゴール。[1-2]
   FWメンフィス・デパイは、2014、2022W杯などオランダ代表として98試合46得点28アシストの実績を残すストライカー。PSV育成出身でマンチェスターユナイテッド/ENG、リヨン/FRA、バルセロナ/ESP、アトレティコマドリード/ESPでプレー。2024年9月にコリンチャンスに加入すると、9月21日にて途中交代出場のクラブデビュー。コリンチャンスでは10試合3得点4アシスト。FWユーリ・アウベルト、MFロドリゴ・ガーロとの連係も試合を経て深まっている。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:38% 62% ⇒ 前後半:41% 59%
シュート(枠内): 前半:5‐6(1‐3) ⇒ 前後半:10‐13(2‐7)
パス成功率: 前半:74% 85% ⇒ 前後半:77% 84%
ファール: 前半:7‐4 ⇒ 前後半:11‐11
黄カード(赤): 前半:2‐2 ⇒ 前後半:4‐2

   ヴィトーリア(VIT)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKルーカス・アルカンジョ(Lucas Arcanjo, 1998)
   4 : 右SBハウル・カセレス(Raul Cáceres, 1991)、CBエドゥ(Edu, 2000)、CBヴァギネル・レオナルド(Wagner Leonardo, 1999)、左SBウィレアン・レポ(Willean Lepo, 1997)
   2 : VOLルアン(Luan, 1999)、VOLマシャード(Machado, 1996)
   3 : MFグスタヴォ・モスキート(Gustavo Mosquito, 1997)、MFマテウジーニョ(Matheuzinho, 1997)、MFカルロス・エドゥアルド(Carlos Eduardo, 1996)、
   1 : FWアレハンドロ(Alerrandro, 2000)
今節は、左SBルーカス・エステヴィス(Lucas Esteves, 2000)とVOLウィリアン・オリヴェイラ(Willian Oliveira, 1993)の主力2選手が出場停止。
   選手交代(Sai → Entra)
   46' 左SBウィレアン・レポ → 左SBぺー・カー(PK, 1994)
   70' VOLマシャード → VOLヒカルド・ヒーレル(Ricardo Ryller, 1994)
   71' MFカルロス・エドゥアルド → FWエヴェラウド(Everaldo, 1994)
   78' MFグスタヴォ・モスキート → FWゼ・ウーゴ(Zé Hugo, 1999)
   78' VOLルアン → FWジャンデルソン(Janderson, 1999)

   コリンチャンス(COR)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKウーゴ・ソウザ(Hugo Souza, 1999)
   4 : 右SBファギネル(Fagner, 1989)、CBフェリックス・トーレス(Félix Torres, 1997)、CBグスタヴォ・・エンヒキ(Gustavo Henrique, 1993)、左SBマテウス・ビドゥ(Matheus Bidu, 1999)
   3 : VOLハニエリ(Raniele, 1996)、VOLホセ・マルティネス(José Martínez, 1994)、VOLカリージョ(Carrillo, 1991)
   1 : MFロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)
   2 : FWメンフィス・デパイ(Memphis Depay, 1994)、FWユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)
   今節は出場停止選手はいないが、CBアンドレ・ハマーリョ(André Ramalho, 1992)がケガのため欠場。センターバックにケガ人が相次いでおり、トップチームデビューを待つCBヘナト(Renato, 2004)がベンチ入り。
   選手交代(Sai → Entra)
   46' VOLホセ・マルティネス → VOLブレーノ・ビドン(Breno Bidon, 2005)
   63' VOLカリージョ → MFイゴル・コロナド(Igor Coronado, 1992)
   78' FWメンフィス・デパイ → FWタレス・マギノ(Talles Magno, 2002)
   78' VOLハニエリ → VOLアレックス・サンタナ(Alex Santana, 1995)
   83' FWユーリ・アウベルト → FWアンヘル・ホメーロ(Ángel Romero, 1992)

   降格圏からは抜け出しているものの、残留争いからは抜け出しきれずにいる両チームの対戦は、ホームのヴィトーリアが攻守にコンパクトな陣形を保ち、相手の攻撃の芽を摘み取ってはMFマテウジーニョを中心に攻撃を組み立てる。
   前半9分、ヴィトーリアが相手陣でプレスをかけ、PA内に戻されたバックパスをコリンチャンスGKウーゴ・ソウザが処理ミス。FWアレハンドロがこの好機を見逃さず無人のゴールにボールを流し込む。[1‐0]
   コリンチャンスはヴィトーリアの鋭い寄せに苦しむが、前半20分を迎える頃には試合を落ち着かせることに成功する。
   すると、前半24分、自陣までボールを受けに下がったFWメンフィス・デパイから、縦にMFロドリゴ・ガーロを経たボールをFWユーリ・アウベルトがゴールに沈め、コリンチャンスが早くも試合を振り出しに戻す。
   その後は一進一退の攻防が続き、ヴィトーリアは右SBハウル・カセレス、コリンチャンスはFWユーリ・アウベルトが好機を迎えるものの、両チームDF陣がゴールを守り抜く。
   後半開始時に、ヴィトーリアは前半のうちに足を痛めた左SBウィレアン・レポに代え左SBぺー・カーを投入。コリンチャンスは前半にイエローカードを受けマークの強度が落ちていたVOLホセ・マルティネスに代えVOLブレーノ・ビドンを投入する。
   後半6分、ヴィトーリアは自陣右サイドの右SBハウル・カセレスを起点に縦にパスを2本繋ぎ、相手陣ゴールライン際から右SBハウル・カセレスがマイナスのクロス。フリーの体勢でボールを受けたVOLマシャードのシュートはGKウーゴ・ソウザが俊敏な反応で弾き返す。跳ね返りのボールをさらにVOLマシャードが押し込みを図るがCBグスタヴォ・エンヒキが立ちはだかりクリア。ヴィトーリアは後半最初の絶好機を生かすことができない。
   コリンチャンスは、後半20分、21分と相次いで相手ゴールに迫るが、放たれたシュートに勢いはなく、ヴィトーリアも後半22分に右サイドをドリブルで駆け上がるMFグスタヴォ・モスキートのクロスがあわやオウンゴールを誘うなど、試合はオープンな展開となる。
   後半25分、コリンチャンスは、後半出場ながらこれまで攻守にボールに絡むことが多かったVOLブレーノ・ビドンを起点に、縦に素早くボールを運び、最後はFWメンフィス・デパイがボールを流し込む逆転ゴール。[1-2]
   その後コリンチャンスはボランチを次々と交代。中盤の底を安定させると、MFロドリゴ・ガーロが高い位置でボールを落ち着かせ、ヴィトーリアに攻撃のチャンスを与えない。
   試合はそのままタイムアップ。アウェイでコリンチャンスが2‐1の逆転勝利を飾った。

   ヴィトーリアは、ホームでの残留争いの直接対決を1‐2の逆転負け。連勝は「3」でストップ。今節終了時点で順位は13位、とは言え残留圏までの勝点差は「2」にまで縮まった。
   今後の5試合は、クリシウーマ(A)、ボタフォゴ(A)、フォルタレーザ(H)、グレミオ(H)、フラメンゴ(A)との対戦。上位との対戦が3試合残されており、残り5試合で勝点「7」は少なくとも積み重ねたい。
   次戦は、全国選手権第34節、アウェイでの残留争いのライバル、クリシウーマとの対戦。

   コリンチャンスはこの勝利で全国選手権4連勝。残留争いから一足抜け出すことに成功した。
   最近の試合では、FWメンフィス・デパイが前後に動くことで、FWユーリ・アウベルトが高い位置でプレーする時間が長くなり、さらにはMFロドリゴ・ガーロへのマークも分散されチーム得点力が大幅にアップ。年央の補強で中盤のオプションも増え、試合展開を一新する選手交代策もしばしば見られるようになってきている。
   ラスト5試合は、クルゼイロ(H)、ヴァスコ・ダ・ガマ(H)、クリシウーマ(A)、バイーア(H)、グレミオ(A)。中位チームとの対戦が続くが、現在の勢いを継続し、来季のコパ・スウアメリカーナ出場権を確保したい。
   次戦は、全国選手権第34節、11月20日に勝点差「6」で追うクルゼイロをホームに迎える。

ボタフォゴ(BOT) 0-0 クイアバ(CUI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=meZ5vnRvA2w

今節前の順位

ボタフォゴ(BOT)は全国選手権20勝7分5敗勝点67の首位。
クイアバ(CUI)は全国選手権6勝10分16敗勝点28の19位。

得点シーン

N/A

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:75% 25% ⇒ 前後半:74% 26%
シュート(枠内): 前半:11‐3(3‐2) ⇒ 前後半:28‐4(5‐2)
パス成功率: 前半:90% 67% ⇒ 前後半:89% 61%
ファール: 前半:4‐9 ⇒ 前後半:7‐13
黄カード(赤): 前半:0‐1 ⇒ 前後半:0‐5

   ボタフォゴ (BOT)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKジョン・ヴィクトル(John Victor, 1996)
   4 : 右SBヴィチーニョ(Vitinho, 1999)、CBバストス(Bastos, 1991)、CBアレキサンデル・バルボサ(Alexander Barboza, 1995)、左SBアレックス・テレス(Alex Telles, 1992)
   2 : VOLマルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)、VOLグレゴーリ(Gregore, 1994)
   3 : FWルイス・エンヒキ(Luiz Henrique, 2001)、FWサバリーノ(Savarino, 1996)、MFチアゴ・アルマダ(Thiago Almada, 2002)
   1 : FWイゴル・ジェズス(Igor Jesus, 2001)
   今季は、出場停止選手や新たなケガ人はなし。
   選手交代(Sai → Entra)
   62' MFチアゴ・アルマダ → FWジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)
   62' 左SBアレックス・テレス → 左SBクイアバーノ(Cuiabano, 2003)
   70' 右SBヴィチーニョ → MFエドゥアルド(Eduardo, 1989)
   83' FWサバリーノ → FWチキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)

   クイアバ(CUI)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKヴァウテル(Walter, 1987)
   4 : 右SBマテウス・アレシャンドレ(Matheus Alexandre, 1999)、CBマルロン(Marllon, 1992)、CBブルーノ・アウヴェス(Bruno Alves, 1991)、左SBハイラン(Railan, 2000)
   3 : VOLフィリピ・アウグスト(Filipe Augusto, 1993)、MFハモン(Ramon, 2001)、VOLデニウソン(Denilson, 2001)
   3 : FWデリキ・ラセルダ(Derik Lacerda, 1999)、FWイシドロ・ピッタ(Isidro Pitta, 1999)、FWクレイソン(Clayson, 1995)
   今節は、VOLフェルナンド・ソブラウ(Fernando Sobral, 1994)が出場停止。ボタフォゴから期限付き移籍中のMFグスタヴォ・サウエル(Gustavo Sauer, 1993)は契約の条項に基づき出場不可。
   選手交代(Sai → Entra)
   63' FWクレイソン → VOLルーカス・ミネイロ(Lucas Mineiro,1996)
   83' FWデリキ・ラセルダ → FWジョナタン・カフー(Jonathan Cafú, 1991)
   83' VOLデニウソン → MFルーカス・フェルナンデス(Lucas Fernandes, 1997)
   90+3' VOLフィリピ・アウグスト → CBガブリエウ(Gabriel, 2003)
   90+3' 左SBハイラン → FWジャジソン(Jadson, 2005)、

   ボタフォゴは現在、全国選手権は引き分けを挟み7連勝中、前節で2位パウメイラスとの勝点差を「6」に拡げ、今節は19位クイアバをホームに迎える現状のベストイレブンで試合に入る。
   戦前の予想通りボタフォゴがボールを支配。しかし、自陣に堅固なブロックを構築するクイアバ守備を崩すことができないまま時間が経過する。
   この試合最初の絶好機は、それまで押し込まれる展開が続いたクイアバに訪れる。
   前半32分、左CKからFWクレイソンが上げたボールをニアサイドでCBマルロンがコースを変えると、ボールはファーサイドに流れGKジョン・ヴィクトルの脇を抜けていく。しかし、ゴールライン上でVOLマルロン・フレイタスがクリア。
   対するボタフォゴも前半アディショナルタイム突入を目前に猛攻を仕掛けると、前半38分、右SBヴィチーニョのマイナスのクロスにゴール正面からMFチアゴ・アルマダがシュートに持ち込むのののクイアバGKヴァウテルが片手で阻止しDFがクリア。その後も猛攻は続き、前半45+7分、右サイドPA手前からVOLマルロン・フレイタスがミドルシュート。しかし、ボールはファーサイドのゴールポストを直撃。
   ボールを支配するボタフォゴが、終了間際に勢いを強め0‐0のまま前半を終える。
   後半も前半終盤の勢いのままボタフォゴが試合に入ると、後半6分、FWルイス・エンヒキがドリブルで相手陣を抜け出しゴールに迫り、後半17分に打開力のあるFWジュニオール・サントスを投入するなど、ボタフォゴは前線の圧力をさらに強めていく。
   後半35分には、最終ライン裏に抜け出したFWイゴル・ジェズスに柔らかく浮かしたパスが通り、FWイゴル・ジェズスのシュートに持ち込むがボールはサイドネットに阻まれ、後半38分、最終ライン裏に再び抜け出したFWイゴル・ジェズスがゴールライン際から送ったマイナスのクロスにFWジュニオール・サントスがダイレクトに足振り抜いたシュートはクイアバCBマルロンがゴールライン手前でクリア。
   ボタフォゴは、右サイドFWルイス・エンヒキ、左サイドFWジュニオール・サントスの個人突破や、中央から最終ライン裏へのスルーパスなどアクセントを変えた攻撃でゴールを狙うが、クイアバはGKヴァウテルを中心に最後まで守り抜く。ゴールは最後まで生まれず試合はタイムアップ。
   19位のクイアバが首位を走るボタフォゴを相手にアウェイで意地の勝点「1」を積み上げた。

   ボタフォゴは、現状のベストイレブンで試合に入り、実に75%近いボール支配率、28本ものシュートを浴びせたものの、クイアバゴールを陥れることができず、0‐0の引き分け。2位パウメイラスとの勝点差は「4」に縮まった。
   全国選手権ラスト5試合は、アトレチコ・ミネイロ(A)、ヴィトーリア(H)、パウメイラス(A)、([リベルタドーレス決勝]アトレチコ・ミネイロ)、インテルナシオナウ(A)、サンパウロ(H)。第36節は2位パウメイラスとの直接対決。さらにその中3日後の11月30日にはリベルタドーレス決勝アトレチコ・ミネイロ戦。次戦以降は週2試合の日程が続き、好調のインテルナシオナウ、サンパウロと一筋縄ではいかない対戦相手が待ち構えている。
   次戦11月20日全国選手権第34節は、リベルタドーレス決勝の前哨戦、アトレチコ・ミネイロとのアウェイでの対戦が控えている。  

   クイアバは、首位ボタフォゴを相手にアウェイの地で意地の勝点「1」。残り5試合で残留圏までの勝点差は「8」となっており残留の目はほとんど断ち切られているが、最後まで勇敢に戦い抜く。
   全国選手権残り5試合の対戦相手は、フラメンゴ(H)、ジュヴェントゥージ(A)、バイーア(H)、フルミネンセ(A)、ヴァスコ・ダ・ガマ(H)。
   次戦は、11月20日に全国選手権第34節、ホームにフラメンゴを迎える。

クルゼイロ(CRU) 2-1 クリシウーマ(CRI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=qokJNfcUWeg
(CRU) : 9' #9 カイオ・ジョルジ(Kaio Jorge, 2002)[#10 MFマテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)]
(CRU) : 69' #30 ガブリエウ・ヴェロン(Gabriel Veron, 2002)[#9 カイオ・ジョルジ(Kaio Jorge, 2002)]
(CRI) : 82' #2 アラーノ(Allano, 1995)[]

今節前の順位

クルゼイロ(CRU)は全国選手権12勝8分12敗勝点44の8位。
クリシウーマ(CRI)は全国選手権9勝10分13敗勝点37の15位。

得点シーン

(CRU) : 9' #9 カイオ・ジョルジ(Kaio Jorge, 2002)[#10 MFマテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)]
自陣からCBビジャルバが相手陣右サイドライン際へ対角線の鋭いフィード。ボールを受けたFWマテウス・ペレイラが中央へ切り込み、相手GKへ向かうボールを蹴る。逆サイドからFWカイオ・ジョルジがGKの手前に現れ、GKがキャッチする寸前に足裏でボールを押し込みクルゼイロが先制。[1‐0]
   FWカイオ・ジョルジは、サントス育成出身で、2018年9月全国選手権にて16歳のプロデビュー。2019年U-17W杯では7試合5得点の成績を残しチームの優勝に貢献。2020年サントスでレギュラーの座を掴み48試合9得点1アシストの成績を収め、2021年8月に700万ユーロにてユベントス/ITAに移籍する。しかし、相次ぐケガに苦しみ、ほとんど試合に出場することなく、2023/24年はフロジノーネで期限付き移籍にてプレー。クルゼイロには2024年7月に720万ユーロ、3年半の契約で完全移籍加入。クルゼイロでの初ゴールは自身12試合目の試合と遅くなったが、以降は12試合で6得点2アシスト。コパ・スウアメリカーナ準決勝ラ・ヌース/ARG戦では、1stレグ、2ndレグにて連続ゴール。チームは2試合合計2-1のスコアで決勝戦進出を決めた。
(CRU) : 69' #30 ガブリエウ・ヴェロン(Gabriel Veron, 2002)[#9 カイオ・ジョルジ(Kaio Jorge, 2002)]
自陣中央からVOLルーカス・ロメロがドリブルでボールを持ち上がり縦パス。FWマテウス・ペレイラがゴールに背を向けた態勢から右サイドへワンタッチでボールを捌くと、FWカイオ・ジョルジがさらにワンタッチで逆サイドへボールを送る。フリーのFWガブリエウ・ヴェロンがワントラップ後にボールをファーサイドへ流し込み、クルゼイロが追加点。[2‐0]
   FWガブリエウ・ヴェロンは、パウメイラス育成出身で、2019年11月全国選手権にて17歳のプロデビュー。準レギュラーとして試合経験を積んでいき、2022年7月FCポルト/PORへ1000万ユーロにて移籍。しかし、相次ぐケガのため出場機会は限られ、2024年1月に一年間の期限付き移籍にてクルゼイロに加入。だが、クルゼイロでも相次いでケガを負いクラブデビューは4月11日まで遅れた。デビュー後はなかなか結果が出ない中、フェルナンド・セアブラ(Fernando Seabra)前監督が辛抱強く起用し、6月23日全国選手権第11節にてクラブ初ゴールを記録すると、これを機に7試合4得点1アシストを記録。しかし、7月中旬にケガのため再び2か月間戦列を離脱する。復帰後は12試合2得点と波に乗りきれていないが、このゴールを機に11月23日に控えるコパ・スウアメリカーナ決勝戦に向けコンディションを上げていきたい。
(CRI) : 82' #2 アラーノ(Allano, 1995)[]
相手陣半ば左サイドライン際でボールを受けたFWボラシエが、ドルブルでDF2選手をかわしゴールライン際からゴール前にマイナス気味のクロス。ニアサイドで頭を合わせたFWペドロ・ホッシャのシュートはGKカシオが俊敏に反応し両手で掻き出すが、こぼれ球をMFアラーノがゴールへ押し込み、クリシウーマが1点差に迫る。[2-1]
   MFアラーノは、ボタフォゴ育成出身で、2014年2月リオデジャネイロ州選手権にて18歳のプロデビュー。2015年6月クルゼイロ移籍後、2017年1月にエストリウ(Estoril)/PORへ期限付き移籍。7月に完全移籍に移行し30試合5得点1アシストを記録するが、翌シーズン以降は期限付き移籍要員となり、2019年8月‐12月は甲府/JPNにてプレー(13試合1得点2アシスト)。2021年1月‐2023年7月サンタクラーラ/POR、2023年7月‐2024年4月ゴイアスを経て、2024年4月にクリシウーマへ期限付き移籍加入。このゴールは、クリシウーマ加入後、自身24試合目の出場での初ゴールとなった。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:68% 32% ⇒ 前後半:63% 37%
シュート(枠内): 前半:15‐2(4‐1) ⇒ 前後半:26‐12(7‐9)
パス成功率: 前半:89% 80% ⇒ 前後半:84% 76%
ファール: 前半:7‐5 ⇒ 前後半:13‐10
黄カード(赤): 前半:0‐0 ⇒ 前後半:3‐4

   クルゼイロ(CRU)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKカシオ(Cássio, 1987)
   4 : 右SBウィリアン・フルタド(William Furtado, 1995)、CBジョアン・マルセロ(João Marcelo, 2000)、CBビジャルバ(Villalba, 1994)、左SBマルロン(Marlon, 1997)
   2 : VOLルーカス・ロメロ(Lucas Romero, 1994)、VOLルーカス・シウヴァ(Lucas Silva, 1993)
   3 : MFガブリエウ・ヴェロン(Gabriel Veron, 2002)、MFマテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)、MFマテウス・エンヒキ(Matheus Henrique, 1997)
   1 : FWカイオ・ジョルジ(Kaio Jorge, 2002))
   今節は、出場停止選手や新たなケガ人はなし。
   選手交代(Sai → Entra)
   86' VOLルーカス・シウヴァ → CBゼ・イヴァウド(Zé Ivaldo, 1997)
   86' FWカイオ・ジョルジ → FWラウタロ・ジアス(Lautaro Díaz, 1998)
   90+3' MFガブリエウ・ヴェロン → MFアルバロ・バレアル(Álvaro Barreal, 2000)
   90+3' MFマテウス・ペレイラ → VOLハミーロ(Ramiro, 1993)

   クリシウーマ(CRI)のスタメンは以下の通り。
   GK : GKアリソン(Alisson, 1995)
   4 : 右SBクラウジーニョ(Claudinho, 2000)、CBホドリゴ(Rodrigo, 1987)、CBウィンカー・アンヘル(Wilker Ángel, 1993)、左SBトラウコ(Trauco, 1992)
   2 : VOLネウトン(Newton, 2000)、VOLバヘット(Barreto, 1995)
   3 : MFアラーノ(Allano, 1995)、MFマテウジーニョ(Matheusinho, 1998)、MFマルセロ・エルメス(Marcelo Hermes, 1995)
   1 : FWアルトゥール・カイーキ(Arthur Caíke, 1992)
   今節は、最近の3試合で2得点のFWフェリピ・ヴィゼウ(Felipe Vizeu, 1997)が出場停止。FWアルトゥール・カイーキがワントップを務め、FWボラシエはベンチスタート。
   選手交代(Sai → Entra)
   67' VOLバヘット → MFフェリピ・マテウス(Fellipe Mateus, 1991)
   67' FWアルトゥール・カイーキ → FWボラシエ(Bolasie, 1989)
   74' MFマテウジーニョ → FWペドロ・ホッシャ(Pedro Rocha, 1994)
   74' 左SBトラウコ → VOLホナウジ・ロペス(Ronald Lopes, 1997)
   80' 右SBクラウジーニョ → MFマルキーニョス・ガブリエウ(Marquinhos Gabriel, 1990)

   フェルナンド・ジニース(Fernando Diniz)監督就任後の全国選手権7試合に勝ち星のないクルゼイロだが、今節は立ち上がりから右サイドを起点に執拗にボールを回しゴールへの糸口を探る
   前半9分、クルゼイロは自陣CBビジャルバの対角線の鋭いフィードを受けたFWマテウス・ペレイラが中央へ切り込み、相手GKへ向けたボールを送ると、逆サイドからFWカイオ・ジョルジがGKの手前に現れ、足裏でボールを押し込み先制する。[1‐0]
   その後もクルゼイロは攻撃の手綱を緩めず、前半15分に左サイドFWマテウス・ペレイラの浮き球のスルーパスをFWカイオ・ジョルジがボレーシュート。前半30分には右サイドFWガブリエウ・ヴェロンの中央へのグラウンダーのパスに再びFWカイオ・ジョルジが飛び込み、前半40分には相手陣中央VOLルーカス・ロメロの縦パスをFWマテウス・ペレイラがワンタッチでPA内に流しFWガブリエウ・ヴェロンがシュートに持ち込み、前半42分のVOLルーカス・ロメロのシュートがゴールポストに嫌われるなど、ゴールは生まれないもののバラエティに富んだ攻撃を繰り出していく。
   後半3分、前半を完全に支配されたクリシウーマが反撃。MFアラーノのハーフライン付近からのスルーパスにFWアルトゥール・カイーキが抜け出し、VOLロドリゴのゴールを演出するが、FWアルトゥール・カイーキの動き出しの位置がオフサイド。ゴールは認められない。
   クリシウーマは次第にボールを握るようになるが、同時に自陣にスペースを許してしまい、クルゼイロはそのスペースを利用しクリシウーマゴールに迫る。
   クルゼイロの相次ぐシュートは決め手に欠いたものの、後半24分、VOLルーカス・ロメロが自陣中央から縦にボールを運び、中央FWマテウス・ペレイラ→右FWカイオ・ジョルジ→左FWガブリエウ・ヴェロンとボールを繋ぎ、最後はFWガブリエウ・ヴェロンがファーサイドへボールを流し込み待望の追加点を奪う。[2-1]
   2点を追うクリシウーマは、後半途中出場のFWボラシエが左サイドで起点となり反撃を開始。
   後半37分、相手陣半ば左サイドライン際でボールを受けたFWボラシエがゴールライン際からゴール前にマイナス気味のクロス。ニアサイドFWペドロ・ホッシャのヘディングシュートをGKカシオが掻き出すが、そのこぼれ球をMFアラーノがゴールへ押し込み、クリシウーマが1点差に迫る。[2-1]
   なおもクリシウーマは、後半45分に相手陣中央を縦にボールを運び、FWペドロ・ホッシャがGKカシオを襲うミドルシュート。後半45+1分には左サイドから中央に切れ込みFWボラシエがシュートに持ち込むが、GKカシオが辛うじてCKに逃れ、後半45+2分にも左サイドFWボラシエのクロスにMFフェリピ・マテウスがゴール正面で頭を合わせるが、またもやGKカシオがボールをクロスバーの上に弾き出す好セーブ。
   試合終了間際にクリシウーマが猛攻を続けたものの、クルゼイロはGKカシオを中心とした守備陣がゴールを守り抜き、2-1のスコアで逃げ切ることに成功した。

   クルゼイロは、フェルナンド・ジニース監督就任後、全国選手権8試合目にして初勝利。多くの時間帯を優勢に試合を運んだものの、試合終了間際の10分は不安定な連係でゴール前に押し込まれるなど、まだまだ課題は多く残っている。
   今後の対戦相手は、コリンチャンス(A)、[コパ・スウアメリカーナ決勝ラシン・クラブ/ARG)]、グレミオ(H)、RBブラガンチーノ(A)、パウメイラス(H)、ジュヴェントゥージ(A)。
   次戦は、11月20日に全国選手権第34節コリンチャンス戦(A)。
   その3日後の11月23日に、コパ・スウアメリカーナ決勝戦ラシン・クラブ/ARGとの一発勝負が中立地パラグアイ・アスンシオンにて開催される。

   クリシウーマは、組織的な守備がクルゼイロの細かいパス回しに翻弄され、前半はサッカーにならず。そして、後半22分に攻撃の要FWボラシエを投入した直後に2点目の失点。終了間際の10分間で1点を返し、なおも攻め続けたが同点ゴールは遠く、1‐2の惜敗に終えた。この結果、順位は15位を維持したものの、降格圏までの勝点差は僅かに「1」にまで縮まった。
   全国選手権ラストの5試合は、ヴィトーリア(H)、フルミネンセ(A)、コリンチャンス(H)、フラメンゴ(H)、RBブラガンチーノ(A)。現時点で勝点差が「3」以内のチームとの対戦が3試合残されており、自力で残留を決めたい。
   次戦は、11月20日に全国選手権第34節、勝点差「1」で追うヴィトーリアをホームに迎える。

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