エステーニオ (Stênio)

投稿者: | 2023年1月24日
最新更新日 : 2024/08/07
更新履歴 : 2024/01/16, 2023/03/27

エステーニオ・ザネッチ・トレド 若手 ブラジルサッカー FW/ATA クルゼイロ

エステーニオ・ザネッチ・トレド

Stênio Zanetti Toledo

ポジション:フォワード/アタカンチ

利き足:右

2003年4月5日生まれ

<クラブ経歴>

≪育成時代≫

 ブラジル連邦共和国ミナスジェライス州ポッソス・デ・カウダスに生まれる。
 2017年、クルゼイロU-14チームに加入。
 2018年は主にクルゼイロU-15でプレーするが、一つ上のカテゴリーU-17チームの練習にも参加。
 2019年、U-17チームでのプレーが中心ながら、U-20チームの全国選手権や州選手権にも起用される。

≪クルゼイロ≫

– 2020 –

 2020年、コロナ感染症拡大による自粛期間が明けるとエンデルソン・モレイラ(Enderson Moreira)監督のもとトップチームに昇格。
 2020年7月26日、州選手権開幕節URT戦においてスターティングイレブンに抜擢され、プロ初出場を飾る。
 州選手権の3試合にスタメン出場を果たすと、8月8日開幕の全国選手権2部もまた開幕節、第3節、第4節においてスタメンとして起用される。しかし、左肩関節に痛みを覚え手術を実施。約4カ月ピッチを離れる。
 2021年1月13日、全国選手権2部第34節に復帰を果たすが、出場機会は少なく、肩の手術後は2試合49分の出場に終わる。

– 2021 –

 2021年シーズンは、州選手権、全国選手権2部ともに後半途中からの交代出場が続き、7月になると主戦場はU-20チームに移る。
 2021年8月31日、トリノ/ITAへの買取オプション付きのレンタル移籍契約が締結される。
 9月18日のカンピオナット・ベレッティ(19歳以下の選手によるイタリア選手権大会)第3節に初出場を果たすと、3試合をケガで欠場したものの、チーム全34試合中29試合に出場(うちスタメン出場24試合)。ジェノア、ユヴェントスとの試合ではそれぞれ2得点をマークするなど計6得点を記録する。しかし、トリノによる買取オプションは行使されず、2022年7月にクルゼイロに復帰。

– 2022 –

 2022年7月23日全国選手権2部第20節バイーア戦、後半開始と同時にピッチに立つ。0-0ながらクルゼイロは退場者を出し一人少ない展開の中、後半22分、ブルーノ・ホドリゲス(Bruno Rodrigues)が放った強烈なシュートを相手GKが両手で弾くと、そのボールにエステーニオが詰め、この試合唯一の得点をマークする。エステーニオはクルゼイロ復帰戦を自らの勝ち越しゴールで祝った。
 8月に左肩関節に違和感を覚え戦列を離脱。9月に復帰するが再び発症。10月に手術を実施する。
 2022年クルゼイロ復帰後は5試合に出場(うちスタメン出場3試合)、2得点を記録して2022年シーズンを終えた。

– 2023 –

 2023年1月に開催されたU-20南米ユース選手権から帰国すると、2023年2月23日第7節カウデンセ戦の後半38分に途中交代出場。クラブでのシーズン初出場を飾る。州選手権には計4試合に出場(いずれも交代出場)。
 4月13日コパ・ド・ブラジル三回戦での後半出場を最後に約一か月間試合から遠ざかるが、5月10日全国選手権第5節の後半16分に交代出場。その後も交代出場が続くと、5月31日コパ・ド・ブラジルベスト16グレミオ戦2ndレグで先発に抜擢される。
 7月1日全国選手権第13節、翌第14節にもまた先発に抜擢されるが、これまでの試合同様、結果を残すことができない。すると、第15節、第16節は試合終了間際の僅かな出場時間に止まり、以降は9月に2試合計12分の試合出場に終える。
 10月4日には右肩の手術を受け、シーズンの残りは療養に充てる。
 2024年1月16日の報道によると、ポルトガル2部で首位争いを繰り広げているアヴスへの半年間の期限付き移籍が合意間近となっている。

≪アヴス/POR レンタル元:クルゼイロ≫

– 2023/24 –

 2024年1月19日アヴス/PORへの期限付き移籍が締結。
 1月28日ポルトガル2部第19節後半26分にクラブデビューを果たすと、2月19日第22節にてクラブ初ゴールをマーク。
 その後もしばらく途中交代出場が続くが、4月5日第28節にてスタメンに抜擢されると、5試合連続でスタメンに起用されるが、その間のチーム成績は2勝1分2敗、個人成績も1アシストに止まる。翌第29節でベンチスタートとなると、プレーオフの2試合も含め途中交代出場。
 チームは無事1部昇格を果たしたものの、エステーニオの買取オプションは行使されず、クルゼイロへの復帰が決まる。

カルパティ・リヴィウ/UKR

– 2024/25 –

 2024年6月30日にアヴスとの期限付き移籍は満了、クルゼイロに復帰が決まるものの、現チームでは構想外となっており、カルパティ・リヴィウ(Karpaty Lviv)/UKRへ20万ユーロ(約3200万円)での移籍が2024年7月10日に発表された(2年契約)。
 カルパティ・リヴィウは、2023/24年を2部2位の成績により1部再昇格を果たしたクラブ。
 8月3日ウクライナリーグ開幕節にて後半44分にピッチに送り出されクラブデビューを果たした。

≪シーズン別クラブ出場記録≫

シーズン所属大会試合出場
時間
得点アシ
スト
2020年(17歳)クルゼイロ全国選手権2部524200
州選手権319401
合計843601
2021年(18歳)クルゼイロ全国選手権2部48600
コパ・ド・ブラジル23000
州選手権48800
合計1020400
2022年(19歳)クルゼイロ全国選手権2部522120
合計522120
2023年(20歳)クルゼイロ全国選手権1328400
コパ・ド・ブラジル36200
州選手権46500
合計2041100
2023/24年(21歳)アヴス/PORポルトガル2部リーグ1652011
昇格プレーオフ22800
合計1854811
2024/25年(22歳)カルパティ・リヴィウ/UKRウクライナリーグ1100
合計1100
イタリック斜体は、2024年8月7日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<代表経歴>

– 2019 –

 2019年U-17代表に招集されるが、11月に開催された2019年U-17南米ユース選手権は選外となる。

– 2021 –

 2021年2月12日にU-18代表に選出。

– 2023 –

 2022年12月8日に発表された2023年U-20南米ユース選手権の代表メンバーに落選。
 しかし、複数の選手がクラブ事情を理由に代表を辞退したため、12月30日に追加招集を受ける。

U-20南米ユース選手権

下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-20代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日対戦
相手
試合
結果
出場
時間
得点アシ
スト
2023/01/19予選R第1節ペルー3 – 06100
2023/01/23予選R第3節アルゼンチン3 – 1600
2023/01/25予選R第4節コロンビア1 – 19000
2023/01/27予選R第5節パラグアイ2 – 16210
2023/01/31決勝R第1節エクアドル3 – 14500
2023/02/03決勝R第2節ベネズエラ3 – 0
2023/02/06決勝R第3節パラグアイ2 – 04000
2023/02/09決勝R第4節コロンビア0 – 02000
2023/02/12決勝R第5節ウルグアイ2 – 0900
19 – 433310
 当大会では全9試合のうち8試合に出場。先発として3試合、途中交代出場が5試合。1得点を記録。
 開幕節のペルー戦では3トップの一角として右ウィング、その後は4-4-2の右サイドハーフとして出場。
 右サイドで主にVOLマルロン・ゴメス(ホナウジ)、右SB/LADアルトゥール(アンドレ・ドミニーキ)との連携で、しばしばゴールライン際まで上がりクロスを供給。左サイドからの攻撃時には、ゴール前に上がりクロスボールのターゲットになる。
 予選R第5節パラグアイ戦では、0-1で迎えた前半30分、ホナウジからボールを受け、アルトゥールがオーバーラップで作ったスペースにドリブルであがり縦のパス。こぼれたボールをゴールに突き刺し同点ゴールを奪う。
 本来はFWの選手だが当大会では主に中盤の右でプレー。本来よりもゴールから遠い位置でのプレーが多かったのかもしれない。予選ラウンドでは攻守にアップダウンを繰り返し試合に絡む場面も多かったが、守備の負担も大きく、疲労のためか決勝ラウンドではあまり試合に参加できなかったような印象が残った。

<プレースタイル>

 右サイドをドリブルで縦に突破しそのままクロス、またはゴールライン際を内に切れ込みクロスを上げるシーンが目立つ。
 クロスの精度は高い。
 身長は180㎝あるが線が細く空中戦は得意とせず、供給されるクロスには主にディフェンスの裏への飛び出しでゴールを狙う。
 現状ではストライカーというよりもどちらかと言えばチャンスメーカーとしての活躍が目立つ。

<雑感>

 クルゼイロでは将来を期待され、17歳でトップデビュー。2021年にはトリノへ1年間のレンタル移籍、1年間を通してプレーし、ヨーロッパのサッカー文化を経験する機会を得た。この時は残念ながらトリノに残ることはできなかったが、帰国後の5試合で2得点を挙げるなど、何かを得たに違いない。
 クルゼイロは、2022年にクラブ改革を実施し、全国選手権2部を独走して1部昇格を果たしたが、攻撃的な選手の起用方法は幅広く多くの選手にチャンスを与えるが、数試合で結果を残せない場合はたちまちレンタル移籍で放出するなど、かなりシビアに選手の入れ替わりが起こる。2022年のチーム内得点ランキング上位3選手が、2023年には国外や国内他クラブに移籍しており、FWのレギュラー争いは一からのスタートになる。
 2023年は、U-20南米ユース選手権代表メンバーに選出され、開幕節をスターティングイレブンで出場するなど、幸先のいいスタートを切った。2度にわたる手術を受けている肩をしっかりと治して、クルゼイロで結果を残してもらいたい。そして、いつかは再びヨーロッパ移籍を果たし、ヨーロッパでの活躍を期待したい。

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