アンドレ・ドミニーキ (André Dhominique)

投稿者: | 2023年1月26日
最新更新日 : 2024/08/07
更新履歴 : 2024/02/01, 01/18, 2023/06/16, 03/27

アンドレ・ドミニケ・ケイロス・サンチアゴ・ダ・シウヴァ 若手 ブラジルサッカー SB/LAT バイーア

アンドレ・ドミニーキ・ケイロス・サンチアゴ・ダ・シウヴァ

André Dhominique Queiroz Santiago da Silva

ポジション:サイドバック/ラテラウ

利き足:右

2003年10月7日生まれ

<クラブ経歴>

 ブラジル連邦共和国バイーア州イタパリカ島ヴェラクルスに生まれる。
 9歳まではサッカー選手を夢見るどころか、ボールを蹴ることさえ好きではなかったという。その後、父とボールを蹴りあうようになり、ジャイルソン・タケシタ(Jailson Takeshita)氏がイタパリカ島で主催したテストを通じECバイーアの下部組織に入団。

≪育成時代≫

 入団当初はU-13チームでプレーするが、次第に上のカテゴリーに昇格していく。
 2021年には17歳ながらU-20チームのレギュラーの座を掴み、バイーア州選手権のタイトルを獲得。
 2022年、年初に開催されるU-20全国大会カップ戦にレギュラーとして出場。チームが大会に敗退するとグート・フェヘイラ(Guto Ferreira)監督のもとトップチームに招集される。

≪バイーア≫

– 2022 –

 2022年2月12日、コパ・ド・ブラジルグループラウンド第4節グローボFC戦、後半14分にドウグラス・ボレウ(Douglas Borel, 2002)との交代でプロ初出場を果たす。
 その後複数の試合に後半からの途中出場をするが、やがてトップチームでの出場機会は減少していき、5月にはU-20チームでの試合に出場するようになる。
 6月22日コパ・ド・ブラジルベスト16アトレチコ・パラナエンセ戦2ndレグで2か月ぶりにトップチームの試合にベンチ入りすると、後半14分にドウグラス・ボレウと交代で出場。
 続く6月25日の全国選手権2部第14節では後半開始と同時に交代出場。
 6月28日第15節ブルスキ戦でプロとして初のスターティングイレブンに抜擢されると、翌試合以降もスタメンとして起用されるようになる。
 しかし、8月に入り、アトレチコ・パラナエンセでコパ・スウアメリカーナを獲得し、代表招集歴のあるマルシーニョ(Marcinho, 1996)がチームに加入するとレギュラーの座を失う。とはいえ、第25節以降の14試合は8試合に出場(うち4試合にスタメン出場)。
 プロデビューを飾った2022年は、トップチームの公式戦に28試合1426分の出場を果たした。

– 2023 –

 2023年はU-20南米ユース選手権から帰国後の3月1日州選手権に途中交代出場を果たすと、3月に州選手権2試合、コパ・ド・ノルデスチ2試合に出場。
 U-20W杯から帰国直後の2023年6月10日全国選手権第10節クルゼイロ戦はベンチ入りを果たすが出場機会なし。
 3バックを採用するチームでは、ウィングバックとしての攻撃力が要求されるだけに、FWから転向したジャカレー(Jakaré, 1999)や、元ブルガリア代表シシーニョ(Cicinho, 1988)とのポジション争いは少し分が悪いように思われるが、U-20南米ユース選手権やU-20W杯で見せた堅実な守備力と縦へのスピードのあるオーバーラップを武器にレギュラー争いに名乗りを挙げたい。
 6月24日全国選手権第12節フルミネンセ戦でSBシシーニョに代わり9分間プレー。
 7月8日第14節クイアバ戦で4バックの右SBで先発に抜擢され90分間出場。7月16日第15節アトレチコ・パラナエンセ戦では後半21分にシシーニョに代わり出場を果たし、今後も出場機会が増えていくかと思われたが、トレーニング中に肉離れを発症。その時点では全治4~6週間とクラブからはアナウンスされるが、2023年はそのまま最終節までベンチ入りもなくシーズンを終える。

– 2024 –

 2024年初は主力メンバーの一員としてプレシーズンのイングランド遠征に帯同。しかし、遠征途中でチームを離れ帰国。ブラジル国内に残ったメンバーと合流し、1月17日バイーア州選手権開幕節を迎える。
 1月17日州選手権開幕節、1月21日第2節はともに先発フル出場。
 しかし、主力メンバーが帰国しスタメンに顔を並べた1月24日州選手権第3節ではベンチ外となる。

エストレラ・アマドーラ/POR(レンタル元:バイーア)≫

– 2024/25 –

 2024年1月31日、バイーアおよびエストレラ・アマドーラ/PORから、2024/25シーズン末までの期限付き移籍が発表された。
 3月10日にBチームで試合に出場したものの、Bチームを含め、他に出場機会は訪れず、シーズン終盤には手術を要するケガを膝に負う。
 すると、エストレラ・アマドーラは期限付き移籍契約を解除。

≪バイーア≫

– 2024 –

 2024年6月バイーアへ復帰。しかし、ケガの治療のため、2024年8月7日現在、復帰後の試合出場はない。

≪シーズン別クラブ出場記録≫

シーズン所属大会試合出場
時間
得点アシ
スト
2022年(19歳)バイーア全国選手権2部20119400
コパ・ド・ブラジル29300
コパ・ド・ノルデスチ48400
州選手権25500
合計28142600
2023年(20歳)バイーア全国選手権312300
コパ・ド・ブラジル25900
コパ・ド・ノルデスチ217700
合計423600
2024年(21歳)バイーア州選手権218000
合計218000
2023/24年(22歳)エストレラ・アマドーラ/POR出場機会なし
2024年(21歳)バイーア
合計
イタリック斜体は、2024年8月7日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<代表経歴>

– 2021 –

 2021年、メキシコで開催されたU-18レヴェレーションズカップに招集。しかし、この大会では出場機会を得ることはなかった。

– 2022 –

 2022年3月、U-20代表練習に招集。3月24日に行われた練習試合では後半戦に出場。
 2022年12月8日に発表された2023年U-20南米ユース選手権の代表メンバーに落選。
 しかし、複数の選手がクラブ事情を理由に代表を辞退したため、後日、追加招集を受ける。

– 2023 –

U-20南米ユース選手権

下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-20代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日対戦
相手
試合
結果
出場
時間
得点アシ
スト
2023/01/19予選R第1節ペルー3 – 0
2023/01/23予選R第3節アルゼンチン3 – 1
2023/01/25予選R第4節コロンビア1 – 19000
2023/01/27予選R第5節パラグアイ2 – 19000
2023/01/31決勝R第1節エクアドル3 – 11700
2023/02/03決勝R第2節ベネズエラ3 – 01900
2023/02/06決勝R第3節パラグアイ2 – 02600
2023/02/09決勝R第4節コロンビア0 – 02000
2023/02/12決勝R第5節ウルグアイ2 – 08100
19 – 434300
 本大会では、チーム9試合中7試合に出場。3試合に先発出場を果たす。
 攻撃面では、直進的なオーバーラップを繰り返し、ゴールライン際からの精度の高いクロスをあげる。
 決勝R第2節ベネズエラ戦では、後半40分にゴールライン際からグラウンダーのマイナスのクロスを起点にペドロ・エンヒキが得点をマーク。
 得点には繋がらなかったものの予選R第4節コロンビア戦では柔らかいクロスをアレキサンデルに供給。決勝R第3節パラグアイ戦でも相手GK/GOLの好守に得点は阻まれたもののペナルティエリア内へ切れ込みアンドレイ・サントスへのクロスを送る。
 しかし、守備、特に相手カウンターの対応が素晴らしかった。
 決勝R第3節パラグアイ戦ではビルドアップのミスからカウンターを受けGK/GOLミカエウと一対一になりそうな場面で、アンドレ・ドミニーキが必死に戻り、ペナルティエリア内でスライディングを敢行、僅かにボールに触れピンチを防ぐ。
 決勝R第5節ウルグアイ戦でも、2度にわたるカウンターからのピンチをCB/ZAGドウグラス・メンデスと共に挟み込みシュートまで持ち込ませずボールを奪取。
 特にパラグアイ戦のプレーはトップスピードで戻り、正確にボールに触れた技術とスライディングにいった勇気が強く印象に残った。

2023年4月 スペイン合宿 国際親善試合

 2023年4月15日~27日に行われたU-20代表スペイン合宿に招集。期間内に行われた国際親善試合は3試合のうち、2試合目のウズベキスタン戦、3試合目のイラク戦でスタメンフル出場を果たした。

2023年U-20W杯

 2023年4月28日発表の2023U-20W杯代表に招集。
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-20代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日対戦
相手
試合
結果
出場
時間
得点アシ
スト
2023/05/21グループR第1節イタリア2 – 3
2023/05/24グループR第2節ドミニカ共和国6 – 0
2023/05/25グループR第3節ナイジェリア2 – 0100
2023/05/31決勝R1回戦チュニジア4 – 12300
2023/06/01決勝R準々決勝イスラエル2 – 39600
 合計16 – 712000

<3つの目標>

 17歳の時に受けたインタビューでは、ECバイーアで歴史に名を遺す選手になり、ヨーロッパのプレミアリーグやラ・リーガといった高いレベルのリーグ、中でもイングランドのマンチェスターシティでのプレーを目標にしている。そして、やがてはブラジル代表としてプレーすることを目指していると話した。
 2022年には10代ながら一時的ではあったがECバイーアでレギュラーの座を獲得。2022年末にはシティフットボールグループがECバイーアの経営に参画、海外移籍の可能性が大きく広がった。そして、2023年1月にはU-20南米ユース選手権の代表メンバーに選出。
 2022年は、自分が今まで積み重ねてきた結果と外部環境の変化で、17歳の時に話した3つの目標のそれぞれで前進することができた。
 2023年、ECバイーアは、PFCルドゴレツ・ラズグラド/BULから在籍8年間で主力メンバーとして11のタイトルを獲得、勝者のメンタリティを持つシシーニョ(Cicinho, 1988)を獲得。下部組織出身でアンドレの1歳年上のドウグラス・ボレウを含めた3人で、右SBのレギュラーの座を争うことになる。
 U-20南米ユース選手権での戦いが終えると、すぐにクラブ内での戦いが始まる。国を代表する戦いでの経験を積み重ねた2023年は、ECバイーアで歴史に名を遺す選手としてサポーターに認められるだけの活躍をし、2つ目、3つ目の目標への足がかりとしたいところだ。2023年はその試金石となる1年になるかも知れない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です