最新更新日 : 2024/02/16 更新履歴 : 2024/01/17, 2023/11/29, 07/22, 06/16, 03/11
ホナウジ・カルドーゾ・ファウコスキ
Ronald Cardoso Falkoski
ポジション:ボランチ
利き足:?
2003年2月11日生まれ
ブラジル連邦共和国リオグランデドスル州の州都ポルトアレグレに双子として生まれる。 双子の兄(弟?)のマルコン(Marcão)もまたグレミオの下部組織に所属。GKとしてプレーしている。
<クラブ経歴>
≪育成時代≫
2010年、7歳でグレミオ下部組織に入団。 U-15、U-18世代別代表に一度ずつ招集される。
2022年、1月に開催されたU-20全国大会カップ戦に18歳ながら出場。 カップ戦終了後は、U-23チームに昇格。 U-23チームでは昇格後間もなくレギュラーの座を掴み。17試合に出場、3得点をマークする。
2023年2月18日、州選手権1次ラウンド第7節サン・ルイス戦にベンチ入りを果たすが出場機会は訪れない。
3月2日、U-20全国選手権開幕節にスターティングイレブンとして出場。前半終了間際の45+1分に得点を記録。後半38分に同点に追いつかれるが、4分後の後半42分、敵陣浅い位置、左サイドライン際からのFKに、相手守備ラインの裏に抜け出しフリーの状態で頭に合わせゴール。この日2点目のゴールでチームを勝利に導く。
≪グレミオ≫
– 2023 –
2023年4月29日、トップチームに昇格。 しかし、ベンチ入りはするものの出場機会は訪れない。U-20W杯から帰国後の6月21日にはU-20チームの州選手権に出場。7月8日、16日もU-20州選手権準決勝のホーム&アウェイの試合に出場する。
2023年7月22日、全国選手権第15節ホームでのアトレチコ・ミネイロ戦でスターティングイレブンに抜擢されプロデビューを飾る。すると、前半11分、右サイドからのCK。ゴール前で巧みにディフェンダーと体勢を入れ替え前に出ると、ディフェンダーを背中にしたまま体をかがめヘディングシュート。プロ初得点を記録。以降は攻撃時にはペナルティエリア入口に顔を出し、2列目でセカンドボールを回収、守っては相手カウンターを防ぐボール奪取やパスカットなど、デビュー戦とは思えない内容のプレーを見せた。
その後もトップチームやU-23、U-20チームで試合経験を積んでいく。パンアメリカン競技大会から復帰後はトップチームの3試合のうち2試合に先発出場。チームが優勝争いに加わる中での起用だけに、ホナウジへの期待の高さをうかがい知ることができる。
– 2024 –
パリ五輪南米予選出場のため、年初はしばらくチームを離れる。 2024年2月14日、五輪予選最終節の3日後となる州選手権第8節イピランガ戦にフルタイム出場。今季のクラブ初試合を飾った。
≪シーズン別クラブ出場記録≫
シーズン | 所属 | 大会 | 試合 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2023年(20歳) | グレミオ | 全国選手権 | 10 | 416 | 1 | 0 |
合計 | 10 | 416 | 1 | 0 | ||
2024年(21歳) | グレミオ | 州選手権 | 1 | 90 | 0 | 0 |
合計 | 1 | 90 | 0 | 0 |
イタリック斜体は、2024年2月16日現在の記録。 ※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。
<世代別代表経歴>
– 2022 –
2022年9月に開催されたアルゼンチン代表、ウルグアイ代表、ウズベキスタン代表とのU-20国際親善大会に招集。 第2戦のウルグアイ戦にボランチとしてスターティングイレブンに名を連ねる。国際大会で初めてアマレリーニャ(ブラジル代表の黄色いユニフォームの通称)を着てプレーする。 第3戦ウズベキスタン戦もまたボランチの位置でスターティングイレブンに抜擢。前半15分にPA外から強烈なシュートを放つが、これは僅かに枠上を超える。前半40分、ゴールエリア右からクロスボールを供給するが相手GK/GOLがキャッチ。攻撃に積極的に参加し惜しいシーンを作る。 後半10分には右サイドからクロスボールを供給。 後半15分には、左からのコーナーキックを頭で合わし、この試合唯一の得点をマークする。
2022年11月に2試合行われたU-20チリ代表との南米ユース選手権に向けた最後の親善試合には招集されなかったものの、2022年12月8日に発表された2023年U-20南米ユース選手権の代表メンバーに選出される。
– 2023 –
2023年U-20南米ユース選手権
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-20代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日 | 節 | 対戦 相手 | 試合 結果 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2023/01/19 | 予選R第1節 | ペルー | 3 – 0 | 4 | 0 | 0 |
2023/01/23 | 予選R第3節 | アルゼンチン | 3 – 1 | 24 | 0 | 0 |
2023/01/25 | 予選R第4節 | コロンビア | 1 – 1 | 31 | 0 | 0 |
2023/01/27 | 予選R第5節 | パラグアイ | 2 – 1 | 90 | 1 | 0 |
2023/01/31 | 決勝R第1節 | エクアドル | 3 – 1 | 17 | 0 | 0 |
2023/02/03 | 決勝R第2節 | ベネズエラ | 3 – 0 | 3 | 0 | 0 |
2023/02/06 | 決勝R第3節 | パラグアイ | 2 – 0 | 26 | 1 | 0 |
2023/02/09 | 決勝R第4節 | コロンビア | 0 – 0 | 11 | 0 | 0 |
2023/02/12 | 決勝R第5節 | ウルグアイ | 2 – 0 | 9 | 0 | 0 |
19 – 4 | 215 | 2 | 0 |
2023年U-20南米ユース選手権は全9試合に出場。 出場機会は主にツーボランチの一角が後半に運動量が落ちてきたタイミング。試合がオープンになりだすタイミングだが、中盤の底で事前にピンチを防ぎ試合を締める。 攻撃面では、スターティングイレブンとして出場した予選R第5節パラグアイ戦、後半10分、ペドロ・エンヒキ(ペドリーニョ)のCKに頭で合わせ逆転弾を放つ。決勝R第3節パラグアイ戦でもペドロ・エンヒキのCKを打点の高いヘディングでゴール。1点リードしながらも防戦一方に追い込まれる嫌な雰囲気を一掃する追加点をチームにもたらす。
2023年4月 スペイン合宿 U-20国際親善試合
2023年4月15日~27日に行われたU-20代表スペイン合宿に招集。期間内に行われた国際親善試合3試合すべてに出場。第2戦アジアチャンピオンのウズベキスタン戦で1得点をマーク。
2023年U-20W杯
2023年4月28日発表の2023U-20W杯代表に招集。
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-20代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日 | 節 | 対戦 相手 | 試合 結果 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2023/05/21 | グループR第1節 | イタリア | 2 – 3 | – | – | – |
2023/05/24 | グループR第2節 | ドミニカ共和国 | 6 – 0 | 14 | 0 | 0 |
2023/05/25 | グループR第3節 | ナイジェリア | 2 – 0 | – | – | – |
2023/05/31 | 決勝R1回戦 | チュニジア | 4 – 1 | 1 | 0 | 0 |
2023/06/01 | 決勝R準々決勝 | イスラエル | 2 – 3 | 75 | 0 | 0 |
合計 | 16 – 7 | 90 | 0 | 0 |
2023年パンアメリカン競技大会(U-23)
2023年9月22日発表の2023パンアメリカン競技大会U-23代表に招集。
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-23代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日 | 節 | 対戦 相手 | 試合 結果 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2023/10/23 | 予選第1節 | アメリカ合衆国 | 1 – 0 | 60 | 0 | 0 |
2023/10/26 | 予選第2節 | コロンビア | 2 – 0 | 3 | 0 | 0 |
2023/10/29 | 予選第3節 | ホンデュラス | 3 – 0 | 90 | 1 | 0 |
2023/11/01 | 準決勝 | メキシコ | 1 – 0 | 90 | 0 | 0 |
2023/11/04 | 決勝 | チリ | 1 – 1 PK: 4-2 | 43 | 1 | 0 |
合計 | 8 – 1 | 186 | 2 | 0 |
予選第3節ホンデュラス戦の後半6分、マルキーニョスが蹴る右CKをゴール前でフリーとなりボールを頭でゴールネットに突き刺す先制ゴール。
決勝チリ戦では、劣勢の中、後半32分の交代出場を果たすと、後半38分にはCKからFWマテウス・ナシメント、CBアルトゥール・シャーヴェスと繋がれたボールを頭でゴールに押し込む同点ゴール。 延長戦の末、PK戦に持ち込まれると、2人目のキッカーとしてPKの成功。
守備を得意としながらも、高さを活かしたセットプレーで大会2得点。PK戦でのPK成功も含め、ブラジルの大会制覇に貢献した。
– 2024 –
2024年パリ五輪南米予選
2023年12月21日にCBFより発表された2024パリ五輪南米予選(2024年1月20日~2月11日)U-23代表選手、23選手の一人として選出された。
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-23代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日 | 節 | 対戦 相手 | 試合 結果 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2024/01/20 | 予選第1節 | 対戦なし | – | – | – | – |
2024/01/23 | 予選第2節 | ボリビア | 1 – 0 | – | – | – |
2024/01/26 | 予選第3節 | コロンビア | 2 – 0 | 14 | 0 | 0 |
2024/01/29 | 予選第4節 | エクアドル | 2 – 1 | 4 | 0 | 0 |
2024/02/01 | 予選第5節 | ベネズエラ | 1 – 3 | 90 | 0 | 0 |
2024/02/05 | 決勝第1節 | パラグアイ | 0 – 1 | 11 | 0 | 0 |
2024/02/08 | 決勝第2節 | ベネズエラ | 2 – 1 | 1 | 0 | 0 |
2024/02/11 | 決勝第3節 | アルゼンチン | 0 – 1 | – | – | – |
合計 | 8 – 7 | 120 | 0 | 0 |
ボランチ経験者が多く招集された中で最も守備的な選手。ハモン・メネゼス監督は、守備的な戦術で攻守に分断されたサッカーを採用したものの、ホナウジはあまり多くの出場機会に恵まれることはなかった。
唯一先発に起用された予選第5節ベネズエラ戦は、ツーボランチの相方にボランチ経験のないFW・MFマルキーニョスが入り、バランスの取りづらい布陣。CBのミスもありチームは1-3の完敗。ベンチの評価を上げることができず、決勝ラウンドはほとんど出場機会がないまま不完全燃焼で五輪予選を終えた。
<プレースタイル、雑感 etc.>
ボランチの中でもより守備的でビルドアップを担うことのあるプリメイロ・ボランチ、チームが敵陣に押し込んでいる場面ではセカンドボールの回収、前線の選手との入れ替わりや相手マークのギャップをつきゴール前に顔を出すなどより攻撃的なセグンド・ボランチ、いずれのポジションでも高いレベルでプレーする。 また、高さを活かした空中戦に強く、手足の長さを活かしたボール奪取も得意とする。
2023年は、前年に引き続きU-23チームでより多くの試合に出場し経験を積んでいくのか、トップチームに昇格しトレーニングや少しずつ与えられるであろう試合への出場機会から多くのことを学ぶことになるのか、2022年12月中旬時点ではまだ明らかになっていない。 このような状況だが、ホナウジは「自分の現在地で常にベストな状態を保ち、試合ではベストを尽くすだけ。今は南米ユース選手権に集中してコンディションをベストに持っていくことだけを考えている。大会が終わればクラブのことを考えます。」と話している。
2022年12月8日発表のU-20南米ユース選手権代表に選出。 この時点では、アンドレイ・サントス(Andrey Santos)やマルロン・ゴメス(Marlon Gomes)、後に出場を辞退することになるエンドリッキ(Endrick)、マルコス・レオナルド(Marcos Leonardo)、マテウス・マルティンス(Matheus Martins)、マテウス・フランサ(Matheus França)など、すでにトップチームで活躍する選手、ヨーロッパへの移籍が決定、もしくはヨーロッパからのスカウティングを受ける選手が多く選ばれる中で、トップチームでの試合出場経歴のないホナウジが選出された。
高さやプレー範囲の広さ、ボール奪取、スペース管理、戦術的視野など、多くの側面を考慮した中で、監督ハモン・メネゼス(Ramon Menezes)氏から同世代を代表する23人、そして、ボランチを代表する3人のうちの一人として選ばれた。
2023年のグレミオ監督ヘナト・ガウーショ(Renato Gaúcho)氏は、2016年-2021年にグレミオを率いた際には、ワラシ・ソウザ(Wallace Souza, 1995, 2022/23所属ウディネーゼ/ITA)、アルトゥール(Arthur, 1996, 2022/23所属リヴァプール/ENG)、マテウス・エンヒキ(Matheus Henrique, 1997, 2022/23所属サスオーロ/ITA)などの下部組織出身の中盤の選手を育て、ヨーロッパクラブやブラジル代表へと送り出している。
2022年は1年間U-23チームでプレー。レギュラーの座を掴み、当たりやプレースピードといった身体面では、トップチーム昇格の準備は整ったはず。 選手起用、選手の好みにはかなり癖のあるヘナト・ガウーショ監督だが、この監督のもとでホナウジがどのようにプレーし、どのように成長していくのか、見てみたい気がする。
(2023/11/29追記) 2023年シーズンは、2023U-20南米ユース選手権でスタートするが、トップチームでの出場機会に恵まれないまま時間が過ぎる。 しかし、7月22日に先発でトップチームデビューを飾ると、デビュー戦で決勝ゴールとなるプロ初ゴールをマーク。その後もトップチームでは一定の間隔を置いて試合に起用され、派手さはないものの堅実なプレーで中盤の底を支える。
今季のグレミオは、多くの選手を起用し、様々な布陣や選手の組み合わせを試しているが、優勝争いを繰り広げる11月9日全国選手権第33節首位ボタフォゴとの大事な一戦では、パラグアイ代表VOLビジャサンチとツーボランチを構成し先発に起用され、ホナウジへの期待の高さが窺い知れた。(なお、試合は4-3の勝利。ホナウジは後半41分までプレー)
2024年は、(移籍の噂があるものの)パラグアイ代表VOLビジャサンチとのポジション争いが繰り広げられる可能性もある。常に落ち着いた堅実なプレーでプリメイロボランチとしてのレギュラーの獲得と、チームの中核選手への成長を期待したい。
(2024/02/16追記) 2024年シーズンは、パラグアイ代表VOLビジャサンチが残留。さらには、2022年にコリンチャンスで66試合に出場したドゥ・ケイロス(Du Queiroz, 2000)がゼニト/RUSからの期限付き移籍で加入。プレースタイルは三者三様で対戦相手に応じた起用がなされると思われるが、出場機会を得た試合で持ち味を発揮し、レギュラー争いから一歩抜け出したいところ。