最新更新日 : 2023/12/14 更新履歴 : 2023/03/28
ヘナン・ホドリゲス・フォンセッカ・ヴィアーナ
Renan Rodrigues Fonseca Viana
ポジション:フォワード/アタカンチ
利き足:右
2003年1月31日生まれ
<クラブ・世代別代表経歴>
ブラジル連邦共和国サンパウロ州州都サンパウロ市から約500㎞に位置する内陸の人口2万人に満たない小さな町、ノヴァ・グラナーダに生まれる。
地元から約40㎞離れた町ノヴォリゾンテに本拠を置く、全国選手権4部のグレミオ・ノヴォリゾンチーノの下部組織に入団。ノヴォリゾンチーノでの活躍がビッグクラブの関心を呼び、2019年にフラメンゴU-17チームにレンタルで加入することになる。しかし、フラメンゴでは結果を残すことができず、レンタル契約が終了する。
2020年にはアトレチコ・パラナエンセから声がかかり、再びレンタル契約でアトレチコ・パラナエンセU-17チームに加入。加入後間もなくセンターフォワードとしてレギュラーの座を掴み、試合ではゴールを量産。U-17カテゴリーの全国選手権、コパ・ド・ブラジルの計16試合に出場し14ゴールをマーク。チームのU-17全国選手権準優勝に大きく貢献する。
2021年、アトレチコ・パラナエンセに完全移籍を果たすと、U-20チームでもシーズン半ばにはレギュラーの座を獲得、U-20全国選手権では17試合8ゴールを記録。その活躍が認められU-20カテゴリーのシーズンが終了するとトップチームに招集。 2021年12月9日全国選手権最終節エスポルチ戦でベンチ入りを果たす。(出場機会なし)
2022年シーズンもU-20チームでプレーし、22試合13ゴールをマーク。しかし、トップチームに招集されることはなかった。
2023年、1月に開催されるU-20全国大会カップ戦に出場。1月3日の初戦で2ゴール1アシストの活躍。 次戦に向けたトレーニング終了後に大きなニュースが飛び込む。
U-20南米ユース選手権
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-20代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日 | 節 | 対戦 相手 | 試合 結果 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2023/01/19 | 予選R第1節 | ペルー | 3 – 0 | – | – | – |
2023/01/23 | 予選R第3節 | アルゼンチン | 3 – 1 | – | – | – |
2023/01/25 | 予選R第4節 | コロンビア | 1 – 1 | 15 | 0 | 0 |
2023/01/27 | 予選R第5節 | パラグアイ | 2 – 1 | 62 | 0 | 0 |
2023/01/31 | 決勝R第1節 | エクアドル | 3 – 1 | 37 | 0 | 0 |
2023/02/03 | 決勝R第2節 | ベネズエラ | 3 – 0 | 1 | 0 | 0 |
2023/02/06 | 決勝R第3節 | パラグアイ | 2 – 0 | 14 | 0 | 0 |
2023/02/09 | 決勝R第4節 | コロンビア | 0 – 0 | – | – | – |
2023/02/12 | 決勝R第5節 | ウルグアイ | 2 – 0 | 24 | 0 | 0 |
合計 | 19 – 4 | 153 | 0 | 0 |
2023年1月5日、U-20南米ユース選手権代表への追加招集の連絡を受ける。
リードした場面での投入が多く、ゴール前でのストライカーとしてのプレーを披露する機会が限られた。 しかし、決勝R第1節エクアドル戦では、アンドレイ・サントスを起点としたカウンター攻撃から中央を駆け上がり巧みなポジショニングで相手ディフェンダーからフリーになる。左サイドのギリェルミ・ビロからの左足のライナー性のクロスは体に食い込む軌道を描いたためダイレクトに放ったシュートはゴールポスト右に外れたがストライカーの片鱗を見せた。
U-20南米ユース選手権から戻った後は、U-20チームに所属。 U-20全国選手権では、2023年5月7日までのチーム9試合中6試合に出場、3得点を記録していた。
2023年5月7日、直近(5月4日)のU-20全国選手権に累積警告で出場停止となり、代わりに出場したU-20パラナ州選手権の試合中にケガを負う。検査の結果、膝前十字靭帯断裂と診断。全治は発表されていないが、一般にピッチに戻るまで8か月のブランクが生じるため、復帰は2024年3月になると思われる。
U-20カテゴリー最終年を棒に振ることになるが、幸い2026年6月までの契約が締結されており、トップチームへの昇格は保証されている。先ずはしっかりとケガを治し、リハビリ、トレーニングを積んでトップチームのピッチに立つ姿が待ち望まれる。自身のSNSで発進したように、さらに強くなって。
≪シーズン別クラブ出場記録≫
2023年12月14日現在、トップチームでの出場機会なし。
<プレースタイル、雑感 etc.>
身長187㎝の高さとがっしりとした体格を活かした昔ながらの背番号9タイプのセンターフォワード。 サイドからのクロスボールに対しては、高さ勝負というよりも、シュート体勢に持ち込めるポジショニングや相手CBの背後からの飛び出しなどの一瞬の駆け引き・スピードで勝負する。 ディフェンスラインの裏に抜ける駆け引きも得意とする。 シュート力があり、カウンター時には自らが持ち込んでミドルシュートをゴールネットに突き刺す場面もしばしば見られる。 一方で、ボールを受けに下がる場面や、サイドに流れてボール保持者をサポートする動きはあまり見られない。
2002年W杯得点王ホナウド・フェノーメノ(Ronaldo Fenômeno)のプレーに、同じセンターフォワードとしてインスピレーションを受けるというヘナン・ヴィアーナ。 育成カテゴリーでは、恵まれた体格からゴール前での存在感は大きく、多くの得点を重ねてきている。 しかし、トップチームでそのスタイルが通用するかどうかは微妙だ。 2022年、ルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督が指揮するアトレチコ・パラナエンセは、多くの育成組織の選手をトップチームの試合に起用してきた。FW/ATA陣では、ヴィトル・ホッキ(Vitor Roque, 2005)やホームロ(Rômulo, 2002)などが多くの出場時間を記録している中、ヘナン・ヴィアーナは一度もトップチームに招集されることがなかった。
チーム戦術とヘナンのプレースタイルがミスマッチを起こしていることが主な原因と思われるが、ヘナンのような昔ながらの背番号9タイプの選手は世界的に需要は少なくなりつつあるだけに、自身の強みであるゴール前での勝負強さを活かすためにもプレースタイルの幅を広げることが課題の一つだと思われる。U-20南米ユース選手権での経験を一つの過程としてプレースタイルの幅を広げ、まずはクラブでチャンスを掴み、やがては世界へ飛び立つまで成長していくことを期待したい。