ブルーノ・プラシェデス (Bruno Praxedes)

投稿者: | 2023年2月11日
最新更新日 : 2024/01/26
更新履歴 : 2023/07/26

ブルーノ・コンセイソン・プラシェデス  若手 ブラジルサッカー フルミネンセ インテルナシオナウ RBブラガンチーノ 攻撃的ミッドフィルダー ボランチ

ブルーノ・コンセイソン・プラシェデス

Bruno Conceição Praxedes

ポジション:ミッドフィルダー/メイオカンピスタ

利き足:左

2002年2月8日生まれ

<クラブ経歴>

ブラジル連邦共和国リオデジャネイロ州リオデジャネイロ都市圏に位置するイタボライに生まれる。

≪育成時代

 2012年にフルミネンセ下部組織に入団。
 2017年11月、U-15世代別代表に選出。
 しかし、2018年に入るとフルミネンセU-17チームで出場機会を失い始め、大会によっては選手登録が行われない大会も見られた。
 すると、2018年半ばに自身のSNSでフルミネンセのライバル、フラメンゴを応援するかのような記事を投稿。この内容がサポーターの間に広まり炎上し、クラブが公式コメントを発信するまでに至る。
 2018年暮れには、インテルナシオナウがプラシェデスに関心を示し、フルミネンセはすでに締結していたプロ契約を解除、選手保有権の50%を保持したままインテルナシオナウへの移籍を容認する。
 2019年1月12日、インテルナシオナウと3年間の契約を締結。U-17チームで再スタートを切る。
 2019年半ばを過ぎるとU-20チームに昇格。
 2020年1月に開催されるU-20全国大会カップ戦に出場。チーム全9試合中8試合にスタメンとして出場。2得点を挙げる活躍を見せチームの同大会優勝に貢献すると、エドゥアルド・クーデ(Eduardo Coudet)トップチーム監督から招集を受ける。

インテルナシオナウ≫

– 2020 –

 2020年2月1日、州選手権第4節イピランガ-RSの後半29分、プロ初出場を果たす。
 州選手権では後半半ばを過ぎてからの交代出場で計8試合に出場する。
 コロナ感染症拡大の煽りを受け、例年に比べ約3か月遅れての開幕となった8月8日全国選手権開幕節コリチバ戦、エドゥアルド・クーデ監督は、プラシェデスをツーボランチ、ホドリゴ・リンドーゾ(Rodrigo Lindoso, 1989)とのコンビでスターティングイレブンに抜擢。
 その後も、ホドリゴ・リンドーゾやボスキーリャ(Boschilia, 1996)、同年代のジョニー(Johnny, 2001)、マウリシオ(Maurício, 2001)との激しいポジション争いに、一定期間ごとに出場機会を得る。
 11月9日にエドゥアルド・クーデ監督が解任。アベウ・ブラーガ(Abel Braga)が監督に就任するが、中盤は対戦相手や戦術等に応じて日替わりの起用が続く。
 12月9日リベルタドーレス ラウンド16 ボカジュニオルス/ARG戦、アウェイの2ndレグにボランチとしてスターティングイレブンに起用されると、厳しいマークとセカンドボールの回収に奮闘。チームもまたこの試合に1-0で勝利を収める。
 この試合を境にレギュラーを獲得。2020年12月19日第26節から2021年2月25日最終節までの全試合にスタメンとして起用される。
 2021年1月10日第29節では、前半43分、ホジネイの右CKを頭で叩きつけプロ初ゴールをマーク。
 チームもこの期間、9勝2分2敗と好成績を残し、全国選手権を2位で締めくくった。

– 2021 –

 2020年度全国選手権最終節の翌週には州選手権開幕を迎えた2021年。プラシェデスは十分な休暇もなく、3月14日第4節から始動。例年以上に過酷な日程の中、対戦相手等を踏まえて試合間隔や出場時間を考慮して起用される。
 6月6日全国選手権第2節フォルタレーザ戦、後半17分、FKから相手守備ラインの裏に飛び出しヘディングシュート。シーズン初ゴールを決める。
 この試合の後、RBブラガンチーノが19歳のプラシェデスに関心を示し、RBブラガンチーノとインテルナシオナウとの間で交渉が開始される。

RBブラガンチーノ≫

– 2021 –

 2021年6月25日、交渉が合意に達する。
 RBブラガンチーノは選手保有権の60%相当を600万ユーロで買収。この金額はクラブ史上過去最高額の移籍金となる。
 7月4日、第9節サンパウロ戦にトップ下としてスターティングイレブンに抜擢。インテルナシオナウの時よりも相手ゴールに近いポジションでの起用。ブラガンチーノで強く要求される速い攻守の切り替えや守備を助ける動きもこなしていく。
 7月7日、第10節クイアバ戦もまた前節に引き続きトップ下でスタメン起用。後半28分、ペナルティエリア角でハウーウ(Raul, 1996)からボールを受けると、内に切れ込みディフェンダーをかわして左足のミドルシュート。このボールは巻き込みながらゴール左隅に決まるゴラッソ。クラブでの初ゴールを記録。攻撃的なポジションに起用された2試合目で結果を残す。
 その後も全国選手権、コパ・スウアメリカーナのほぼ全試合にスタメンとして出場。チームは、クラブ史上初の国際大会優勝こそ逃すもののコパ・スウアメリカーナで準優勝。全国選手権も過去最高位となる6位でシーズンを終えた。

– 2022 –

 2022年、前年に引き続き、相手ゴールに近いポジションでスタメン起用される。しかし、前年のような躍動感に少し翳りがみられる。チームも同様に、州選手権グループラウンドこそグループ1位通過するものの準決勝でパウメイラスに苦杯を舐め、リベルタドーレスも結果が伴わない。
 プラシェデスも4月17日の全国選手権第2節こそ2アシストを記録するが、州選手権やリベルタドーレスでは前年のような働きが見られない。4月20日のコパ・ド・ブラジル3回戦で左太ももに違和感を覚え前半を終えた時点で交代。その後暫く前線を離脱する。
 5月17日のリベルタドーレスグループラウンドで復帰、しばらくスタメン起用されるが6月15日の全国選手権第12節でスタメン落ち。7月31日第20節、8月6日第21節にスタメン復帰を果たすが、以降は後半残り時間僅かな時点での交代出場に限られ、10月5日第30節を目前にケガを再発。以降はベンチ入りもなくシーズンを終える。

– 2023 –

 2023年は前年のケガも癒え、州選手権開幕節コリンチャンス戦から先発出場。第2節、第3節と先発を飾るが共にハーフタイムでベンチに退くと次第に出場機会を失っていく。
 州選手権では9試合(うち先発3試合)2得点1アシストの記録を残すが、その後は全国選手権1試合7分、コパ・スウアメリカーナ1試合15分の出場にとどまる。

≪ヴァスコ・ダ・ガマ

– 2023 –

 2023年7月26日、ヴァスコ・ダ・ガマがブルーノ・プラシェデスの期限付き移籍による加入を発表。契約期限は2023年末まで。選手保有権の70%について500万ユーロ(約7億7000万円)の買取オプションが付帯。
 2023年7月29日、全国選手権第17節コリンチャンス戦に先発起用。チームは残留争いに巻き込まれる苦しい状況ながら、ラモン・ディアス(Ramón Díaz)新監督の采配2試合目に、トップ下、インサイドハーフとして高い位置に起用される。ラモン・ディアス監督が高い位置からのプレスやショートカウンターでチーム状況を変えようとする中、プラシェデスは監督の戦術にフィットする。
 チーム状況が改善していく中、プラシェデスも高いボール奪取力と前への推進力を発揮していく。
 2023年9月16日全国選手権第23節フルミネンセとのクラシコでは、前半23分、右WGホッシ(Rossi, 1993)の柔らかいクロスボールにニアサイドで頭を合わせるクラブ初ゴールを飾る。
 その後もラモン・ディアス監督の替えの効かない選手として連戦に先発出場。
 1部残留を賭けた12月6日全国選手権最終節、プラシェデスのレンタル元RBブラガンチーノ戦では、ヴァスコ・ダ・ガマは約100万レアル(約3000万円)の罰金を払いプラシェデスを先発起用。プラシェデスは90分間のフルタイム出場を果たしチームは2-1の勝利を収め1部残留を果たしてシーズンを終えた。

– 2024 –

 ラモン・ディアス監督の強い要望でヴァスコ・ダ・ガマは5年間の長期契約でのプラシェデス獲得を目指しているが、2024年1月26日現在、交渉は成立しておらず、当面は引き続きRBブラガンチーノからの期限付き移籍といった形でヴァスコ・ダ・ガマでプレーを続けている。

≪クラブ試合記録≫

シーズン所属大会試合出場
時間
得点アシ
スト
2020年(18歳)インテルナシオナウリベルタドーレス415500
全国選手権22120710
コパ・ド・ブラジル37700
州選手権79500
合計36153410
2021年(19歳)インテルナシオナウリベルタドーレス48201
全国選手権210710
州選手権1259800
合計1878711
RBブラガンチーノコパ・スウアメリカーナ752711
全国選手権20122733
合計27175444
2022年(21歳)RBブラガンチーノリベルタドーレス313600
全国選手権1558712
コパ・ド・ブラジル210300
州選手権1154810
合計31137422
2023年(22歳)RBブラガンチーノコパ・スウアメリカーナ11500
全国選手権1700
州選手権936821
合計1139021
ヴァスコダガマ全国選手権21134712
合計21134712
2024年(23歳)ヴァスコダガマ州選手権14500
合計14500
イタリック斜体は、2024年1月26現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<代表経歴>

 2017年11月から12月にかけて開催されたアメリカ合衆国で開催されたU-15ナイキフレンドリーカップに向け世代別代表に初招集を受ける。
 2020年12月に開催されたボリビア代表、ペルー代表、チリ代表とのU-20国際親善大会に向け3年ぶりの招集。
 12月12日のボリビア戦では、後半30分に途中交代で中盤の攻撃的なポジションで出場すると間もなく、マウリシオ(Maurício)とのパス交換からポストに直撃する惜しいシュートを放つ。
 12月15日のペルー戦では、右インサイドハーフでスタメン出場を果たすと前半8分にヘディングシュートで相手ゴールに迫る。後半3分には、マウリシオが放ったシュートを相手GKが一旦は防ぐが、そのこぼれ球を押し込み、代表初得点をマーク。
 12月18日のチリ戦では、後半開始時に右ウィングとして出場。後半10分には強烈なミドルシュートを放つがGKに阻まれる。その後も積極的にシュートを放ち相手ゴールに迫る。
 この大会は、複数のポジションでプレー。1得点を記録しブラジル代表の優勝に貢献する。

<プレースタイル、雑感 etc.>

 中盤のセグンド・ボランチからウィングまでの幅広いポジションでプレーする高いユーティリティ性を持つ。186cmの長身を活かし、プロ初ゴール、2得点目はセットプレーからの空中戦でマーク。左足から放たれるペナルティエリア外からのシュートも精度は高い。
 戦術眼が高く、フルミネンセ育成年代ではセグンド・ボランチやトップ下で主にプレー。インテルナシオナウでもトップ下、セグンド・ボランチ、右サイドハーフでのプレーが多くなる。RBブラガンチーノではより相手ゴールに近い位置でプレー。ボール保持率を高めボールを奪われたらすぐ奪い返しにいくチームスタイルの中、得点力やスルーパスの出しどころとしてだけではなく、巧みなボール奪取や時には自陣深く戻る守備への献身性からバルビエリ(Barbieri)監督から重宝され、得点アシストも増えていく。
 しかし、一方でバルビエリ監督の戦術は、中盤の選手に運動量を求めるため身体的な負担が大きく、2022年半ば以降は過密日程やケガの影響も重なり、本人もサポータも納得のいくシーズンを過ごすことができなかった。
 RBブラガンチーノはチーム方針として多くの若い選手と契約し、多くの出場機会を与えていく。
 2023年は、新監督として、ポルトガル人のペドロ・カイシーニャ(Pedro Caixinha)氏が指揮を執る。前任者同様、ボール保持率を高め相手陣、相手ゴールに近い位置で試合を進めたいとコメントしているため、前年と戦術的には大きくは変わらないと思われるが、クラブ方針に沿いつつも前年までの実績を考慮にいれずフラットな視線で選手を起用すると思われる。
 プラシェデスは、2017年の世代別代表選出、2020年のインテルナシオナウでの活躍、2021年のRBブラガンチーノでの活躍と、その間に訪れる不調期とのパフォーマンスの振れ幅が大きい。まずはパフォーマンスを安定させ、多くの若手有望選手の中に埋めれることなく継続的に試合に起用され、自身の潜在能力に十分に見合うだけの更なる高みを目指してもらいたい。

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