最新更新日 : 2024/08/07
更新履歴 : 2024/01/07, 2023/12/14, 06/30
ヴィニシウス・アウグスト・トビアス・ダ・シウヴァ
Vinicius Augusto Tobias da Silva
ポジション:右サイドバック/ラテラウ・ジレイト
利き足:右
2004年2月23日生まれ
<クラブ経歴>
≪幼少期、育成時代≫
サンパウロ市西部に生まれる。
2016年、12歳でインテルナシオナウの下部組織に入団。
当初はFW/ATAアタカンチや攻撃的MF/MEIメイアでプレーしていたが、後に右SB/LADラテラウ・ジレイトにコンバート。
インテルナシオナウU-15でのプレーが評価され、パラグアイ・アスンシオンで開催されるU-15南米ユース選手権2019に向けた代表に招集される。この大会の活躍をうけ、バイエルンミュンヘン、レアルマドリードなどのヨーロッパのクラブから注目を集める。
2020年は主にU-20でプレー。
2021年もまた主にU-20チームでプレーするが、3月1日州選手権ジュヴェントゥージ戦でベンチ入りを果たす(出場機会なし)。
ヨーロッパへの移籍発表後の11月21日、インテルナシオナウのサポーターにその勇姿を見せるかの如く、第33節アウェイ・クイアバ戦で再びベンチ入りを果たす。
しかし、残念ながら出場機会は訪れず、ブラジルではプロとしてピッチに立つことなく2021年シーズンを終える。
≪シャクタルドネツク、レアルマドリード(レンタル元:シャクタルドネツク)≫
– 2021/2022
2021年7月、契約期間2022年2月から2026年まで、移籍金600万ユーロの内容でシャクタルドネツク/ウクライナへの移籍が発表される。しかし、移籍後間もなく、ロシアのウクライナ侵攻が起こり、戦争に影響を受けるチーム、選手への移籍に関するFIFAの特別措置を受け、4月1日にレアルマドリード/スペインへ、契約期間2023年6月、1800万ユーロの買取オプションが付くレンタル移籍が結ばれる。
18歳、レアルマドリードで迎えた2021/22シーズンはBチーム(カスティーリャ)でプレー。
– 2022/2023
2022/23シーズンは、シーズン前にカルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)監督によってトップチームに招集される。USツアーに帯同し、2022年7月23日のバルセロナとのプレシーズンマッチでベンチ入りしている。 2022年10月時点では、トップチームの出場機会はまだない。しかし、カスティーリャではコンスタントにプレーし、その時に備えている。
2022/23シーズンは、結局トップチームでの公式戦出場はなく、U-19チームで5試合、カスティーリャで35試合に出場。 シーズン終了後の2023年5月31日付の報道によると、レアルマドリードは1000万ユーロの買取オプションの行使を見送ることを決定。 2023年6月21日の報道によると、レアルマドリードは新たに一年間(2024年6月末まで)の期限付き移籍契約を締結。ローン額は年間50万ユーロ、契約終了時点での1500万ユーロでの買取オプション付き。
2022/23シーズンは、結局トップチームでの公式戦出場はなく、U-19チームで5試合、カスティーリャで35試合に出場。 シーズン終了後の2023年5月31日付の報道によると、レアルマドリードは1000万ユーロの買取オプションの行使を見送ることを決定。 2023年6月21日の報道によると、レアルマドリードは新たに一年間(2024年6月末まで)の期限付き移籍契約を締結。ローン額は年間50万ユーロ、契約終了時点での1500万ユーロでの買取オプション付き。
– 2023/2024
2023/24シーズンもカスティーリャでのプレーが続く。 チャンピオンズリーグの1.FCウニオン・ベルリン/GER戦では、2023年9月20日(H)、12月12日(A)にトップチームに帯同し、ベンチ入りを果たすが、出場機会は訪れない。
2024年1月6日、コパ・デル・レイ三回戦、アランディーナ戦でスターティングイレブンに抜擢され、19歳でプロデビューを飾った。しかし、以降は試合出場機会は訪れず、3月終盤にはシーズン終了後のレンタル返却が報道されるようになる。
≪シャクタルドネツク≫
– 2024/2025
2024年6月27日、シャクタルドネツクはヴィニシウス・トビアスの復帰を発表。
7月17日には2029年6月末までの契約延長が発表された。
≪シーズン別クラブ出場記録≫
シーズン | 所属 | 大会 | 試合 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2024年(20歳) | レアルマドリード/ESP | コパ・デル・レイ | 1 | 79 | 0 | 0 |
合計 | 1 | 79 | 0 | 0 |
イタリック斜体は、2024年8月7日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。
<代表経歴>
2019年8月のペルーとの親善試合2試合、続く9月に開催されたボリビア、ペルー、ウルグアイ各国との国際大会に主力メンバーとして出場し、U-15南米ユース選手権を迎える。
U-15南米ユース選手権2019では、全試合出場、グループラウンドのコロンビア戦を除きスターティングイレブンに名を連ねる。 決勝アルゼンチン戦では、前半34分、PKを落ち着いて決め先制点をブラジル代表にもたらす。試合はその後ブラジルが退場者を出し1-1に追いつかれ規定の80分を終了。PK戦では第一キッカーとして冷静にゴールを決める。(PK戦は5-3でブラジルが勝利し5度目の優勝を果たした。)
2021年に開催が予定されていたU-17南米ユース選手権およびFIFA U-17W杯がコロナ感染症の拡大を受け中止となるが、9月のパラグアイとの親善試合に招集、出場。
2022年6月のパラグアイ、エクアドル、ウルグアイとのU-20国際大会では全3試合にスタメン出場。
9月のアルゼンチン、ウルグアイ、ウズベキスタンとのU-20国際大会、11月のチリとの親善試合に向けたU-20代表は、海外でプレーするため招集が見送られた。
2023年4月、2023年U-20W杯に向けたスペイン合宿および国際親善試合3試合の代表メンバーに招集。しかし、クラブ事情により辞退。2023年U-20W杯には招集メンバーから選外となった。
2023年12月21日にCBFより発表された2024パリ五輪南米予選(2024年1月20日~2月11日)U-23代表選手、23選手(GKは3選手)の一人として選出された。しかし、クラブ事情により代表辞退。
<エピソード>
レアルマドリードの監督アンチェロッティは、2022/23のプレシーズンのトレーニングを見て行く中で、特にヴィニシウス・トビアスの攻撃的センス、学習能力の高さを称賛している。「ヴィニシウス・トビアスには多くのクオリティやポテンシャルを感じる。それに学んだことの吸収が速い。将来のレアルマドリードを担う選手の一人だ。」と述べている。
もちろん、ディフェンス面での”気づき”やポジショニングは改善する余地がある。しかし、彼の才能は否定されるものではない。
スペインAS紙によると、2022/23はEU圏外選手枠が埋まっており、シーズンを通してラウル・ゴンザレス(Raúl Gonzalez)監督が指揮するカスティーリャでプレーすることになるだろうが、トップチームのトレーニングにも参加することになる、とのことだった。 しかし、2022年10月28日、同じくAS紙がヴィニシウス・ジュニオール(Vinicius Júnior)に続き、ホドリゴ・ゴエス(Rodrygo Goes)、エデル・ミリタォン(Éder Militão)もスペイン国籍を取得したと報道している。EU圏外選手枠が空いた今、トップチームデビューの時が近づいたといえるだろう。
<雑感 etc.>
攻撃面では、懐の深さを武器にしたボールキープ力、相手ディフェンスを置き去りにするスピード。何よりも切り返しや軽いフェイントからの瞬間的な(1歩目、2歩目の)スピードが特筆すべき点。
守備面でも、手足の長さを活かしたボール奪取、インターセプトが印象的だ。
レアルマドリードのサッカーをカスティーリャで学び、トップチームへと向かう過程は、カゼミロ(Casemiro)やホドリゴ・ゴエス(Rodrygo Goes)と同じ道を歩んでいる。 ブラジル代表ではラテラウ・ジレイトとして、カフー(Cafu)やダニエウ・アウベス(Daniel Alves)といった攻撃的な名選手がプレーしてきた。ヴィニシウス・トビアスもまた、ブラジル代表のラテラウ・ジレイトとして彼らと同じ道を歩むことになるのだろうか。
2023年5月31日、6月21日の報道によると、レアルマドリードは2023年6月末での買取オプションの行使を見送るものの、新たに2023/24シーズンに向けた期限付き移籍契約を締結。2022/23シーズンはカスティーリャで35試合に出場したが、トップチームで求められるプレーやそのプレーに向けた成長が見られないと判断されたのかと懸念したが、もう一年レアルマドリード(カスティーリャ)でプレーするチャンスが与えられた。 この一年間で改めてカスティーリャで経験を積み、一日も早くトップチームでの試合出場機会を掴み、2024パリ五輪の代表に選出されるような成長を期待したい。
(2024年8月7日追記)
2023/24年末でのレアルマドリード(カスティーリャ)でのプレーを終えた。2年間の在籍期間でトップチームでの試合出場は、コパ・デル・レイでの1試合のみ。2024/25年はシャクタルドネツクでのプレーとなった。
レアルマドリードでの挑戦は最良の結果とはならなかったものの退団時の年齢は弱冠20歳。
シャクタルドネツクには、世代別代表として同時期にプレーしたVOLマルロン・ゴメス(Marlon Gomes, 2003)やFWエギーニョ(Eguinho, 2004)など、ポジションは異なるものの6人のブラジル国籍選手が在籍しており、切磋琢磨できる環境にある。
また、シャクタルドネツクからは西ヨーロッパの強豪へ移籍し活躍する選手や、ブラジルに復帰し実績を残す選手も多い。
シャクタルドネツクとの契約も2028/29年末まで延長。先ずはチーム内でポジションを獲得し、西ヨーロッパ強豪リーグへの捲土重来を期待したい。
個人的には、アンチェロッティ監督が、2024年パリ五輪南米予選に向け、ヴィニシウス・トビアスを拘束せず、派遣していれば、同大会の結果がどうなっていただろうか、と思わずにはいられない。