クラブ別2022年振り返り:フラメンゴ (Flamengo)

投稿者: | 2022年11月27日

クラブ紹介:フラメンゴ Flamengo ブラジル サッカー 全国選手権 タイトル 順位推移 2022年 個人成績

フラメンゴ (Flamengo)

正式名称:Clube de Regatas do Flamengo

略称:FLA

創立:1895年

本拠:リオデジャネイロ州 リオデジャネイロ

《 主要タイトル 》

タイトル優勝回数優勝年
ブラジル全国選手権82020, 2019, 2009, 1992,
1987, 1983, 1982, 1980
コパ・ド・ブラジル42022, 2013, 2006, 1990
コパ・リベルタドーレス32022, 2019, 1981
クラブワールドカップ(*)11981
(*)インターコンチネンタルカップおよびトヨタカップを含む

《 直近3年成績(2020年-2022年) 》

大会2022年成績2021年成績2020年成績
ブラジル全国選手権5位準優勝優勝
コパ・ド・ブラジル優勝準決勝敗退準々決勝敗退
コパ・リベルタドーレス優勝準優勝ベスト16敗退
リオデジャネイロ州選手権準優勝優勝優勝
ヘコパ・スウアメリカーナ優勝
スーペルコパ・ド・ブラジル準優勝優勝優勝
各大会の概要は、当ブログ記事「主要大会と年間日程」を参照ください。

《 全国選手権 順位推移(2006年-2022年) 》

現行レギュレーション(20チームによるホーム&アウェア方式2回戦総当たり)で開催された2006年以降の全国選手権順位推移です。

《 2022年 》

<戦績>

大会試合
勝数引分
敗数得点失点得失
点差
勝点率
(%)
順位
コパ・リベルタドーレス1312103382594.9優勝
全国選手権381881260392154.45位
コパ・ド・ブラジル10631135870.0優勝
スーペルコパ・ド・ブラジル101022033.3準優勝
州選手権15103230111973.3準優勝
   77461615138657366.7

<全国選手権 年間順位推移>

<振り返り>

【パウロ・ソウザ監督】

 前年終盤の失速を受け、ポーランド代表を指揮していたパウロ・ソウザ(Paulo Sousa)氏を監督に招聘。
 パウロ・ソウザ監督は、GK/GOLウーゴ・ソウザ(Hugo Souza, 1999年)やFW/ATAラザロ(Lázaro, 2002年)、前年からレギュラーを務めていたVOLジョアン・ゴメス(João Gomes, 2001年)や右SB/LADマテウジーニョ(Matheuzinho, 2000年)など若手を積極的に登用する。
 しかし、スーペルコパでアトレチコ・ミネイロを相手にPK戦の末タイトルを逃すと、リオデジャネイロ州選手権もライバル フルミネンセの後塵に排す。全国選手権もなかなか勝点を積み上げられない中、第10節ブラガンチーノ戦の敗北を受けパウロ・ソウザ監督が32試合19勝7分6敗勝点率66.7%の成績ながら解任される。

【ドリヴァウ・ジュニオール監督】

 後任のドリヴァウ・ジュニオール(Dorival Júnior)監督は守備面を整備。GK/GOLに東京五輪金メダリストのサントス(Santos)、CB/ZAGにW杯やチャンピオンズリーグ等の経験豊かなダヴィ・ルイス(David Luiz)と複数の世代代表歴のある中堅のレオ・ペレイラ(Léo Pereira)、中堅の底・第一ボランチにリオ五輪金メダリストのチアゴ・マイヤ(Thiago Maia)を配し守備が安定。
 ジョアン・ゴメスが第二ボランチとして機能すると、後にW杯2022代表に選出されるMF/MEIエヴェルトン・ヒベイロ(Éverton Ribeiro)、MF/MEIデ・アラスカエッタ(De Arrascaeta)、FW/ATAペドロ(Pedro)の3人に加え、代表歴のあるFW/ATAガブリエウ・バルボーザ(Gabriel Barbosa)や経験豊かな両SB/LATが攻撃に厚みを持たせる。
 さらには、アルトゥーロ・ビダル(Arturo Vidal)やエヴェルトン・セボリーニャ(Everton Cebolinha)といった代表経験者や下部組織出身の若手選手がベンチに控え、過密日程をうまくターンオーバーで凌ぎ、コパ・ド・ブラジルとリベルタドーレスの二冠を達成した。

【全国選手権】

 6月8日の全国選手権第10節ブラガンチーノ戦での敗戦後、3勝3分4敗 9得点10失点 14位の成績で監督が交代。監督交代後も一進一退の成績が続くが、徐々に得点が増え失点は減り始め、第17節(7月16日)から第26節(9月11日)にかけて 7勝3分 23得点5失点の成績を残し、一気に順位を2位まで上げる。その後は2つのカップ戦との両睨みの状況の中、豊富な選手層を活かしたターンオーバーで来年のリベルタドーレス出場圏(6位)争いから脱落することなく順位は推移。当年のリベルタドーレスを制覇すると残り4節は若手選手を次々に起用し、最終的には5位でシーズンを終える。

【コパ・ド・ブラジル】

 リベルタドーレス出場のため、3rdラウンドからの参戦。
 3rdラウンドの対戦相手は全国選手権3部を戦うアウトス。2-1、2-0、2試合合計4-1で4thラウンドに進出。
 4thラウンド(ベスト16)は前年二冠のアトレチコ・ミネイロ戦。
 1stレグを1-2のビハインドで迎えた2ndレグ。試合開始から敵陣でボールを支配すると、前半アディショナルタイム、ペドロ(Pedro)からの縦のグラウンダーのスルーパスをデ・アラスカエッタ(De Arrascaeta)がゴールへ流し込む。後半19分には、右ゴールライン際のFKからペドロが頭でずらしたボールをデ・アラスカエッタが頭で押し込み、2試合合計3-2と逆転し準々決勝へ進出。
 準々決勝アトレチコ・パラナエンセ戦2ndレグ。右SB/LADホジネイ(Rodinei)とエヴェルトン・ヒベイロが右サイドを支配する中、後半12分、右ゴールライン際からのホジネイのマイナスぎみのクロスボールを中央でペドロが相手CB/ZAGを抑えながらボレーぎみのバイシクル/ビシクレッタ。ゴールネットに突き刺すゴラッソで準決勝進出を決める。
 準決勝。2019コパ・アメリカでのブラジル優勝の立役者&得点王のエヴェルトン・セボリーニャの加入後初ゴールなど、2試合合計4-1でサンパウロを圧倒。
 決勝コリンチャンス戦。
 1stレグ(10月12日)、前半開始55秒にガブリエウ・バルボーザがファーストシュートを放つ。その後も優位に試合を進めるが、相手GK/GOLの好守もあり得点を奪うことはできない。後半に入り前への圧力を強め、後半13分に決定的な場面を作り出すが相手GK/GOLに阻まれる。また、後半21分のダヴィ・ルイスの強烈なミドルシュートはクロスバーに阻まれる。その後も相手陣で戦う時間が続くが、ゴールをこじ開けることはできず、スコアレスドローで終える。
 10月19日に迎えた2ndレグ。前半7分、ペドロがPA内で前後の動きでスペースを作るとエヴェルトン・ヒベイロからスルーパス。そのパスにペドロが左足を振り抜き貴重な先制ゴールをあげる。その後もフラメンゴが2度ゴールネットを揺らすがいずれも僅かにオフサイド/インペジメントの判定。フラメンゴ優勢のうちの試合をすすめるが追加点を奪えずにいると、後半37分、コリンチャンスが同点に追いつく。試合は90分を2試合合計1-1で終える。PK戦6-5の末、フラメンゴが2013年以来4度目の戴冠でコパ・ド・ブラジルの幕を閉じた。
※2ndレグの様子は、当ブログ記事「2022年コパ・ド・ブラジル決勝第二戦 フラメンゴ vs. コリンチャンス」を参照ください。

【リベルタドーレス】

 グループラウンドを5勝1分で1位通過すると、ラウンド16では2試合計8-1で勝ち上がる。
 準々決勝コリンチャンス戦を1stレグ2-0、2ndレグ1-0、2試合計3-0で下すと、準決勝ベレス・サルスフィエルド/アルゼンチン戦を1stレグ4-0、2ndレグ2-1、2試合計6-1で下し決勝進出。
 決勝アトレチコ・パラナエンセ戦。前半は相手守備の前に中盤が機能しなかったが、フォーメーションを変え次第に圧力を強め、相手CB/ZAGの退場を誘発。前半終了間際にあげた得点を守り抜き、2019年以来3度目の優勝を飾った。
 ※「2022年コパ・リベルタドーレス決勝 フラメンゴ vs. アトレチコ・パラナエンセ」も併せてご覧ください。

<チーム内個人成績・記録>

* 参照元:サッカーサイト「Ogol」

記録選手公式戦計全国選手権リベルタ
ドーレス
ブラジル
州選手権スーペル
コパ
最多試合出場ジョアン・ゴメス (João Gomes)
– VOL
6429129131
(2位)エヴェルトン・ヒベイロ (Éverton Ribeiro)
– MF/MEI
6330128121
(3位)ガブリエウ・バルボーザ (Gabriel Barbosa)
– FW/ATA
6329129121
最多出場時間ガブリエウ・バルボーザ (Gabriel Barbosa)
– FW/ATA
494620511009778101890
(2位)ジョアン・ゴメス (João Gomes)
– VOL
4209188082567773790
(3位)エヴェルトン・ヒベイロ (Éverton Ribeiro)
– MF/MEI
4019179594563058663
最多得点タイペドロ (Pedro)
– FW/ATA
291112330
(2位)ガブリエウ・バルボーザ (Gabriel Barbosa)
– FW/ATA
29116291
(3位)デ・アラスカエッタ (De Arrascaeta)
– MF/MEI
1332305
最多アシストデ・アラスカエッタ (De Arrascaeta)
– MF/MEI
19103150
(2位)エヴェルトン・ヒベイロ (Éverton Ribeiro)
– MF/MEI
1042310
(3位)ブルーノ・エンヒキ (Bruno Henrique)
– FW/ATA
825100
最多デュエル勝利ジョアン・ゴメス (João Gomes)
– VOL
171
(2位)エヴェルトン・ヒベイロ (Éverton Ribeiro)
– MF/MEI
157
(3位)アイルトン・ルーカス (Ayrton Lucas)
– 右SB/LAD
156
最多キーパスデ・アラスカエッタ (De Arrascaeta)
– MF/MEI
49
(2位)エヴェルトン・ヒベイロ (Éverton Ribeiro)
– MF/MEI
36
(3位)マリーニョ (Marinho)
– FW/ATA
29
最多CBIパブロ (Pablo)
– CB/ZAG
137
(2位)アイルトン・ルーカス (Ayrton Lucas)
– 右SB/LAD
77
(3位)マテウジーニョ (Matheuzinho)
– 右SB/LAD
73
※
デュエル勝利 : 一対一でのイーブンボールの奪い合いでボールを獲得すること
キーパス : パスの受け手がシュートを打てた時にカウントされる指標
CBI : クリア、ブロック、インターセプト

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