【ブラジル全国選手権2023】第2節(1/2)

投稿者: | 2023年4月22日

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全国選手権第2節 対戦組合せ


以下の5試合はこの記事で。
・2023/04/22 フルミネンセ(FLU)x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)
・2023/04/22 サンパウロ(SAO) x アメリカ・ミネイロ(AME)
・2023/04/22 クイアバ(CUI) x RBブラガンチーノ(RBB)
・2023/04/22 クルゼイロ(CRU) x グレミオ(GRE)
・2023/04/23 インテルナシオナウ(INT) x フラメンゴ(FLA)
以下の5試合はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2023】第2節(2/2)
・2023/04/23 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x パウメイラス(PAL)
・2023/04/23 サントス(SAN) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
・2023/04/23 コリチバ(CFC) x フォルタレーザ(FOR)
・2023/04/23 ゴイアス(GOI) x コリンチャンス(COR)
・2023/04/24 バイーア(BAH) ⅹ ボタフォゴ(BOT)

全国選手権第2節 試合概要

フルミネンセ(FLU) 2-0 アトレチコ・パラナエンセ(CAP)

動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=NIkH9IpGyPs
FLU : 11' #45 リマ(Lima, 1996)[]
FLU : 67' #33 ニノ(Nino, 1997)[#5 アレキサンデル(Alexsander,2003)

見どころ

   フルミネンセはリオデジャネイロ州選手権に優勝。全国選手権開幕節ではアメリカ・ミネイロに3-0と快勝。週中のリベルタドーレスも1-0ながら試合内容は圧倒しており、チーム状態は良い。
   アトレチコ・パラナエンセはパラナ州選手権に優勝。全国選手権開幕節ではゴイアスに2-0と快勝。週中のリベルタドーレスもアトレチコ・ミネイロを2-1で下しており、チーム状態は良い。
   好調なチーム同士の対戦。

得点シーン

(FLU)前半11分、左サイドのFWジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)がゴール前にクロスを送る。これはディフェンダーが頭でクリア。クリアボールをペナルティアークのやや外で拾ったVOLリマが思い切りよく右足を振り抜く。ボールはディフェンダーをかすめ少しコースが変えてゴールネットを揺らす。フルミネンセの先制。
   VOLリマは、2022シーズン後、フェルナンド・ジニース監督の要望がありセアラーから加入。今期はこの試合を含めチーム20試合中19試合に出場。途中出場が多かったが、VOLマルチネリ(Martineli, 2001)のケガによる離脱を機にスタメン出場が続く。ボランチ、インサイド・アウトサイドハーフなど中盤を幅広くこなす。
(FLU)後半22分、左CKを後方の戻し左SBアレキサンデルがペナルティエリアへボールを送る。ペナルティエリア内でCBニノがマークをかわし、ペナルティマーク付近まで斜め後ろに下がりながら頭を合わす。これがゴール左上隅に決まりフルミネンセが追加点。
   CBニノが週中のリベルタドーレスに続く公式戦2試合連続ゴール。ニノは2020東京五輪で全試合フルタイム出場、キャプテンとして金メダルを獲得。高さとスピード、守備範囲の広さ、キャプテンシーを持ち合わせたセンターバック。

試合概要

   ホームのフルミネンセが立ち上がりから細かいパス交換でリズムを作り試合を支配する。一方のアトレチコ・パラナエンセも中央を閉ざした固いディフェンスでカウンターを狙う。
   前半11分にフルミネンセが先制。その後もフルミネンセが試合を支配。アトレチコはボールを獲得してもフルミネンセの素早いプレスにボールを繋ぐことができない。前半24分にはVOLシタジーニ(Cittadini, 1994)が負傷交代のアクシデントが発生。
   前半34分、フルミネンセVOLアンドレがネットを揺らす。しかし、VARの介入によりオフサイド位置の選手が一連のプレーに関与したとしてゴールは認められない。この後もフルミネンセがアトレチコ陣で試合を進め、1-0で前半終了。
   前半はフルミネンセが圧倒。アトレチコ・パラナエンセのシュートは前半45+7分の1本にとどまる。
   ハーフタイムにアトレチコが修正を加える。敵陣でボールを回す時間が増え、1分、12分にはシュートまで持ち込む。一方のフルミネンセも細かいパス回しでリズムを作り、人数をかけた攻撃で相手ゴールに迫る。
   後半22分、フルミネンセがCKから追加点。試合はその後オープンな展開となり互いにチャンスを迎えるが、GKを中心とする守備陣が奮闘し互いに得点を許さない。
   試合は2-0で終了。フルミネンセが開幕2連勝を飾る。

補足情報、 所感 etc.

   フルミネンセがこの試合でもフェルナンド・ジニース監督が標榜する人もボールも動くサッカーを攻守に具現化。守備面では公式戦4試合連続の無失点試合を記録。少し選手層が懸念されるCBだが、シーズン前に加入したヴィトル・メンデス(Vitor Mendes, 1999)、3月末にグレミオから獲得したCBもこなすVOLチアゴ・サントス(Thiago Santos, 1989)を投入、実戦を通して選手層の強化を図る。
   一方のアトレチコ・パラナエンセは、FWを中心に週中のリベルタドーレスに出場した選手の半数以上を今後に向け温存。前半はボールを収めることができず劣勢を強いられたが、後半に入り修正。週中に見せた上下左右へダイレクトに展開するパス回し、スペースを有効に使った攻撃も見せた。試合には敗れたものの、こちらも控えメンバーを含めたチーム力の底上げが図れたように思われる。

サンパウロ(SAO) 3-0 アメリカ・ミネイロ(AME)

動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=hvL7_wTtPzo
SAO : 21' #10 ルシアーノ(Luciano, 1993)[#15 ミシェウ・アラウージョ(Michel Araújo, 1996)]
SAO : 82' #9 カレーリ(Calleri, 1993)[#7 アリソン(Alisson, 1993)]
SAO : 90+6' #32 マルコス・パウロ(Marcos Paulo, 2001)[]

見どころ

   サンパウロは、週中に行われたコパ・スウアメリカーナの試合翌日にホジェリオ・セニ(Rogério Ceni)監督を解任。試合は2-0で勝利したものの内容は芳しくなく、州選手権、全国選手権開幕節の成績を踏まえ決定が下された。後任には、昨年フラメンゴでリベルタドーレスとコパ・ド・ブラジルの二冠を達成したドリヴァウ・ジュニオール(Dorival Júnior)氏。この試合から指揮を執る。
   全国選手権開幕節ボタフォゴ戦は1-2の敗戦。同点で迎えた後半終盤に2度の大きなチャンスを逸した後に決勝点を奪われた。新監督の選手起用、采配に注目。
   アメリカ・ミネイロは、全国選手権開幕節フルミネンセ戦に0-3の敗戦。週中のコパ・スウアメリカーナも1-2で敗れ公式戦2連敗中、4月に入り中2-3日の試合が続き2勝4敗と苦しんでいる。選手層が豊かでないだけにヴァギネル・マンチーニ(Vágner Mancini)監督の手腕で好結果を期待したい。

得点シーン

(SAO)前半21分、ミシェウ・アラウージョが敵陣で相手の縦のパスをカット。こぼれたボールをルシアーノがペナルティエリアの角まで運びシュート。ボールはディフェンダーに触れコースを変えゴールネットを揺らす。サンパウロが先制。
   ルシアーノは2022年のチーム内得点ランキング2位。全国選手権開幕節ではアシストを記録しており2試合連続で得点に関与。
   ミシェウ・アラウージョはフルミネンセから来シーズン末までの期限付き移籍で3月末に加入したウルグアイ人。週中のコパ・スウアメリカーナでクラブ初ゴールをマークし早くもチームに溶け込んでいる。
(SAO)後半37分、途中出場のVOLガブリエウ(Gabriel, 1997)が自陣でボールを奪うとロングカウンターを発動。途中出場の左SBカイオ・パウリスタ(Caio Paulista, 1998)から左サイドを上がる途中出場のアリソンにボールが渡る。アリソンがゴール前にクロス。走り込んだカレーリが頭で合わせサンパウロが追加点。
   2022シーズンチーム内得点王のカレーリが開幕節に続く2試合連続ゴール。
(SAO)後半45+6分、途中出場のFWマルコス・パウロが、相手ペナルティエリア内でCBがGKに戻したボールをそのままゴールに押し込みダメ押しの3点目。
   マルコス・パウロは2022年末にアトレチコマドリード/ESPから期限付き移籍で獲得。後半途中からの出場が多く、この試合の前までの出場時間は僅かに100分強。しかし、週中のコパ・スウアメリカーナに続き試合終盤に途中交代でピッチに立つと僅かな時間で公式戦2試合連続のゴールをマーク。

試合概要

   サンパウロが高い位置からのプレスで流れを掴む。前半21分、敵陣サイドライン際高い位置で奪われたボールに4選手がプレスをかけパスをカット、ボールを奪い返すとそのままゴールに結びつける。アメリカ・ミネイロも次第にサンパウロのハイプレスに対応。ハイプレスを潜り抜けると広大なスペースが広がり、サンパウロの守備はそのスペースを埋めることができず、アメリカ・ミネイロに2度の決定的な場面が訪れる。前半39分にニノ・パライーバ(Nino Paraíba, 1986)がミドルシュート、前半42分にはマテウジーニョ(Matheusinho, 1998)がフリーでヘディングシュートを放つが、サンパウロGKハファエウ(Rafael, 1989)がスーパーセーブで得点を許さない。
   序盤はサンパウロ、終盤はアメリカ・ミネイロが優位に試合を進めた前半は1-0、サンパウロのリードで終える。
   後半早々、両チームとも決定的なシーンを逸する。後半5分を過ぎると次第にアメリカ・ミネイロがサンパウロゴールに迫る。サンパウロは交代枠を使い守備の建て直しを図る。するとアメリカ・ミネイロも交代枠を使い攻撃の勢い強める。アメリカ・ミネイロは攻勢をかけ続けるが、サンパウロGKハファエウが立ちはだかり得点を許さない。後半30分にサンパウロは交代枠で攻撃的な選手を交代。すると後半37分にカウンターからサンパウロが追加点。試合終了寸前にはディフェンダーのミスをつき途中出場のマルコス・パウロがダメ押し。
   新監督のもとサンパウロがホームで全国選手権初勝利。
   一方、アメリカ・ミネイロは決定力に欠け、全国選手権はいずれも0-3で開幕2連敗。週中のコパ・スウアメリカーナも敗れており公式戦3連敗となった。

補足情報、 所感 etc.

   サンパウロは監督交代を受け大幅に先発を変更。
   4バックを敷き、SBは右に3月下旬にイトゥアーノから獲得しサンパウロで2試合目の出場となるハイー・ハーモス(Raí Ramos, 1994)、左には下部組織出身、U-20南米ユース選手権代表ではレギュラーとして優勝に貢献したもののクラブでは僅か4試合57分の出場にすぎないパトリッキ(Patryck, 2003)を抜擢。
   中盤はトレスボランチを敷き、ルアン(Luan, 1995)、パブロ・マイア(Pablo Maia, 2002)、ホドリゴ・ネストール(Rodrigo Nestor, 2000)の下部組織出身の若い3選手を配置。
   後半は途中交代出場選手が得点に絡み、得点上は3-0の快勝で監督就任後の初試合を白星で飾る。しかし、高い位置でのプレスは前半途中までしか機能せず、GKハファエウの数々の好守で勝ち星を拾った内容。ドリヴァウ監督がどのように守備を再構築するかが今後の長いシーズンでの戦いのキーとなるだろう。
   アメリカ・ミネイロは、前半の序盤は速いプレスに苦しむも、相手のプレスが掻い潜ると試合を優位に進め、シュート数、枠内シュート数で上回る。しかし、サンパウロGKハファエウの再三の好守に選手権2試合連続で零封を喫する。
   決して厚いとは言えな選手層で中2-4日の試合が続き公式戦は3連敗。中3日で迎えるコパ・ド・ブラジル3回戦2ndレグで勝利を収め、4月29日の第3節サントス戦に向けて弾みをつけたい。

クイアバ(CUI) 1-1 RBブラガンチーノ(RBB)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=qsWVm7tukOY
CUI : 67' #98 マテウジーニョ(Mateusinho, 1998)[#4 マルロン(Marllon, 1992)]
RBB : 85' #18 チアゴ・ボルバス(Thiago Borbas, 2002)[#13 アデルラン(Aderlan, 1990)]

見どころ

   クイアバは、マットグロッソ州選手権に優勝。全国選手権開幕節は前年覇者パウメイラスに1-2で惜敗したものの、州選手権後に加入したVOLハニエリが得点を記録するなど、チーム力の向上がうかがえる。週中に試合がなく日程的にも有利なこのホーム開幕戦で全国選手権初白星を飾りたい。
   ブラガンチーノの全国選手権開幕節はホームに迎えたバイーアを2-1で下す。週中のコパ・スウアメリカーナは控え選手中心のメンバーで5-0の快勝し、控え選手が自信をつけるとともに主力選手を温存することができた。開幕2連勝を目指しアウェイでの一戦に臨む。

得点シーン

(CUI)後半22分、右サイドからのFKにCBマルロン(Marllon, 1992)がニアで頭ですらし、ファーサイドでフリーのSBマテウジーニョ(Mateusinho, 1998)がヘディングシュートを決めクイアバが先制点を奪う。
   マテウジーニョは前シーズン終了後に全国選手権2部サンパイオコヘアから加入し、SBながらこの試合を含め19試合5得点2アシストを記録。全国選手権は開幕節に続きスタメンに起用され、レギュラーの座を掴みつつある。
(RBB)後半40分、右サイドの攻撃から右SBアデルランが縦にグラウンダーのボールを送る。このボールはペナルティエリア内まで流れチアゴ・ボルバスが飛び出したGKの脇を抜きゴールに流し込む。RBブラガンチーノが同点に追いつく。
   チアゴ・ボルバスは前シーズン終了後にリーベルプレート/URUから加入したウルグアイ人センターフォワード。途中交代での出場が多いがこの試合を含め13試合473分に出場し3得点を記録している。RBブラガンチーノは若いFWが競争にしのぎを削っているがその一角で着実に結果を残しつつある。

試合概要

   試合はホームのクイアバがコントロール。ボールはブラガンチーノが持つ時間が長くなるが、クイアバがしっかりとした守備ブロックで対応。得点のチャンスはむしろクイアバが多く創り出す。
   前半10分にホームクイアバが右サイドからのクロスにデイヴェルソン(Deyverson, 1991)が足で合わせゴールネットを揺らすがオフサイドの判定。その後もクイアバが敵陣でボールを回しチャンスをうかがう展開が続く。RBブラガンチーノはボールの奪う位置が低く、なかなか敵陣でチャンスらしいチャンスを作ることができない。前半は緩い展開が続きスコアレスで終える。
   後半開始とともにRBブラガンチーノは2選手を交代。しかし、流れを変えることは出来ず、後半2分にクイアバにPKが与えられる。しかし、VARが介入しPKは取消。試合は後半22分にクイアバが先制。その後も相手陣でプレーをすすめていく。後半40分、一瞬の隙をつきRBブラガンチーノが同点に追いつく。その後はオープンな展開になるが両チームとも得点を奪うことはできず、勝点1を分け合う。

補足情報、 所感 etc.

   クイアバは開幕戦で退場者を出し30分以上10人での戦いを強いられ1-2の惜敗。今節はホームで先制し初勝利が期待されたが後半40分に追いつかれた。試合内容は悪くないだけに早く初勝利をあげ悪い流れを払拭したい。次の試合は1週間後、全国選手権第3節、ホームにグレミオを迎える。
   RBブラガンチーノは5-0と快勝した週中のコパ・スウアメリカーナと同じ先発メンバーで試合に臨んだ。この試合ではボールは握る時間は多かったがあまり多くのチャンスを作ることができなかった。ホームチームに先制を許したが、終盤に追いつき、アウェイで勝ち点1を獲得。次の試合は1週間後、全国選手権第3節、ホームにクルゼイロを迎える。

クルゼイロ(CRU) 1-0 グレミオ(GRE)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=oyc4Fp3k_Lg
CRU : 64' #9 ブルーノ・ホドリーゲス(Bruno Rodrigues, 1997)[#23 マシャード(Machado, 1996)]

見どころ

   前年の全国選手権2部の上位2チームによる対戦。
   クルゼイロは、州選手権準決勝敗退を受け監督を解任。後任を任されたペパ(Pepa)監督だが、コパ・ド・ブラジルを含め公式戦2連敗と結果を残せていない。ホームにグレミオを迎えたこの一戦、3年間2部で苦汁を飲んだホームサポーターと美酒を味わいたいところだ。
   グレミオは、リオグランデドスル州選手権に優勝。全国選手権開幕節もサントスを1-0で下しチーム状態は良好。開幕2連勝でスタートダッシュを決めたいところ。

得点シーン

(CRU)後半19分、右CKからマシャードが蹴ったボールはファーサイドでフリーで待つブルーノ・ホドリーゲスの元へ。ブルーノはダイレクトボレーを試みがジャストミートし損ねる。しかし、ワンバウンドしたボールはこれまで好セーブを見せてきたグレミオGKグランド(Grando, 2000)が必死に伸ばす指先を超えゴールに吸い込まれる。
   マシャードはグレミオ下部組織出身。2020年に1年間の期限付き移籍によりクルゼイロで37試合に出場。1年後にグレミオに戻るが契約上のトラブルで1年間試合から離れる。2022年にクルゼイロと契約を交わし38試合に出場。今年はこれまで7試合に出場、この試合で古巣に恩返しを果たす。
   ブルーノ・ホドリーゲスはこの日の試合を含め今期チーム公式戦の全試合に出場。最近4試合はゴールから遠ざかっていたが5試合ぶりの今期5ゴール目をマーク。

試合概要

   試合開始から、ホームのクルゼイロが攻め、アウェイのグレミオが自陣で受けて立つ。
   クルゼイロは基本通りのトリアングラソン(選手が三角形に位置取ること)で、前半は主にマテウス・ヴィタウ(Mateus Vital、1998)を中心とした左サイドから、後半は右SBウィリアン(William, 1995)が攻撃に参加し右サイドを中心に攻める。守っては高い位置に最終ラインを敷き、気迫の籠ったプレスやVOLヒシャルジ(Richard, 1994)のカバーリング、グレミオのパスミスもあり、多くの時間をグレミオ陣で費やす。
   一方、グレミオはボールを奪うとFWルイス・スアレス(Luis Suárez, 1987)にボールを集めゴールに迫る。しかし、クルゼイロの両CBの強固なマークにさすがのルイス・スアレスも決定的なシーンを創り出すことはできない。
   試合は、何度も決定的なシーンを創り出していたクルゼイロが後半19分に先制。先制後も引いて守ることなく敵陣で追加点を奪いに行く。
   後半35分を過ぎてグレミオが攻勢に出るがクルゼイロが守り切りタイムアップ。
   前年は2部で辛酸をなめた名門同士の対決はクルゼイロに軍配が上がり、ホーム開幕戦を白星で飾る。

補足情報、 所感 etc.

   クルゼイロは、開幕節は中盤がまったく機能せずアウェイで敗戦を喫したが、ホーム開幕戦のこの試合では距離間のいいトリアングラソンでボールを繋ぐ。また、中盤や前線の選手が球際で気迫の籠った守備をみせ、一試合を通じて主導権を握り、勝利に相応しい内容で勝ち点3を獲得した。しかし、数多くのチャンスを決めきることができなかった得点力の向上が今後の課題か。
   一方のグレミオは州選手権、コパ・ド・ブラジルなどを含め今期2敗目。しかし、開幕節に続き攻撃はルイス・スアレス頼み。守備ではボールの奪いどころが不明確で待つ守備に終始。開幕節では最終ラインを高い位置に敷く守備を見せたが、裏を簡単に取られ何度かピンチを招いており、失点は少ないものの守備に不安を感じる。しばらくは上位が予想されるチームとの対戦はないが、その間に攻撃のバリエーションを増やし守備を安定させることがなければ、苦しい戦いが強いられることになりそうだ。

インテルナシオナウ(INT) 2-1 フラメンゴ(FLA)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=UWcO4V1My-A
FLA : 63' #20 ジェルソン(Gerson, 1997)[]
INT : 67' #27 マウリシオ(Maurício, 2001)[#11 ヴァンデルソン(Wanderson, 1994)]
INT : 90+8' #27 マウリシオ(Maurício, 2001)[#38 ジアン・ジアス(Jean Dias, 1990)]

見どころ

   インテルナシオナウは、全国選手権開幕節フォルタレーザ戦に引き分け。週中のリベルタドーレスでは終了間際の得点で1-0で勝利をあげている。前年は不振のチームを建て直し全国選手権2位につけたマノ・メネゼス(Mano Menezes)監督だが、今年は攻守ともにちぐはぐで勝ち切れない試合が多い。ホームのこの試合ではスッキリとした内容で勝利を飾りたい。
   フラメンゴは、州選手権終了後に監督を解任。全国選手権開幕節は代行監督のもとコリチバに3-0の快勝。週中のリベルタドーレスでは初采配となるホルヘ・サンパオリ(Jorge Sampaoli)新監督のもと2-0の勝利。ガラッと入れ替えた先発や試合途中での布陣変更など、様子を見ながらの采配で勝ち切るところはさすが名将の為せる業。
   元ブラジル代表監督と元チリ・アルゼンチン監督の対戦、軍配はいずれに?

得点シーン

(FLA)後半18分、中央センターサークル内からジェルソンがガブリエウ・バルボーザへボールを送るとガブリエウ・バルボーザはペナルティエリア入口からシュート。このシュートはディフェンダーにブロックされるがこぼれ球をジェルソンがシュート。再びブロックされるが跳ね返ったボールをジェルソンは太もものリフティングでGKをかわしボールをゴールに蹴り込む。フラメンゴが先制。
   ジェルソンは、2022W杯南米予選で4試合に出場。この日が2試合目の采配となるホルヘ・サンパオリ監督とともに21/22シーズンにマルセイユ/FRAをリーグ2位に導く活躍。
(INT)後半22分、右サイドのスローインからアラン・パトリッキ(Alan Patrick, 1991)がボールを受けると守備ラインの裏を狙うヴァンデルソンへスルーパス。ヴァンデルソンはボールを収めるがディフェンダー2人が立ちはだかりシュートが打てない。右サイドを追い抜く交代出場したばかりのマウリシオへヴァンデルソンがボールを送るとマウリシオがシュート。ボールはGKサントスの脇を抜けゴールネットを揺らす。インテルナシオナウが同点に追いつく。
   マウリシオは、2020年のU-20代表国際親善大会で背番号10で担う経歴を持つ。2022年同じタイプのアラン・パトリッキが加入し、使われる方へ転身するが、本来備えていた得点力が開花。今シーズンはこの試合を終えた時点で中盤の選手ながら15試合約1030分の出場で6得点3アシストを記録している。
(INT)後半45+8分、左スローインからアラン・パトリッキがゴール前にスルーパスを送る。相手GKの目前でジアン・ジアスが右に流れながらボールを受けるがディフェンダーと接触しボールのコントロールを失う。しかし、そのボールにマウリシオが反応。マウリシオは得意の左足にボールを持つとふわりとGKの頭を超すコベルトゥーラを放つ。ボールはゴールに吸い込まれ、インテルナシオナウが逆転。
   アシストを記録したジアン・ジアスは、全国選手権4部ながらリオグランデドスル州選手権で準優勝に輝いたカシアスから4月10日に移籍加入した1990年生まれの32歳。過去に全国選手権1部はおろか2部での出場記録もない晩成型の選手。先週の全国選手権開幕戦で26分間の出場を果たすと、この試合では後半39分に交代出場。試合終了間際にマウリシオの決勝点をアシストする。長年の下積みを経て全国選手権1部でまずは爪痕を残したが、今後も活躍が期待される。

試合概要

   インテルナシオナウは、週中のリベルタドーレスで決勝点をあげたアレモン(Alemão, 1998)、4月2日にアンタルヤスポル/TURから獲得し直近2試合に20分ずつ試合に出場していたカンパニャーロ(Campanharo, 1992)をスタメンに抜擢。
   一方のフラメンゴは、4-4-2の布陣を採用。リベルタドーレスで2アシストを記録したマリーニョ(Marinho, 1990)が控えにまわり、右SBにウェスレイ(Wesley, 2003)を起用する。
   試合はアウェイのフラメンゴがボールを持ち優位に試合を進める。すると、前半17分にフラメンゴがインテルナシオナウのゴールネットを揺らす。しかし、これはオフサイドの判定。その直後にインテルナシオナウがフラメンゴ陣奥深くまで攻め入るがペドロ・エンヒキのシュートは枠を捉えない。さらに、前半22分には初スタメンのカンパニャーロがミドルシュート。ボールは枠を捉えるがGKサントスが両手で弾き出す。前半45+3分、インテルは左サイドをアレモンが抜け出すが最後でボールコントロールを誤りチャンスを逸する。
   後半に入り両チームともチャンスを迎えるがシュートは枠を捉えない。しかし、後半18分、ジェルソンのゴールでフラメンゴが先制。すかさずインテル マノ・メネゼス監督は3選手を交代。すると、交代したばかりのマウリシオが同点弾。アディショナルタイムに入り2分にはフラメンゴがペナルティエリア内で立て続けにシュートを放つがインテル守備陣が耐える。さらに3分後、フラメンゴCKからマテウス・フランサのヘディングシュートはゴールポストを直撃。後半45+8分にマウリシオのこの日2点目のゴールでインテルナシオナウが試合をひっくり返すと間もなくタイムアップ。ホームのインテルナシオナウが全国選手権2試合目で初白星を飾った。

補足情報、 所感 etc.

   両チームともリベルタドーレス、コパ・ド・ブラジルのため、中2-4日の試合が続く中で迎えたこの試合。元ブラジル代表監督率いるインテルナシオナウが新加入選手の活躍もあり公式戦2連勝となる勝ち星を拾う。一方、リベルタドーレスに続く采配2試合目となった元チリ&アルゼンチン代表監督率いるフラメンゴはリードを守り切ることは出来なかった。
   ボール保持率はインテル38%:フラメンゴ62%。シュート数(うち枠内)はインテル15(4):フラメンゴ15(4)。監督就任1年と1週間、戦術浸透度の僅かな差が結果となって現れたのかもしれない。
   元アルゼンチン代表メルカドがインテルナシオナウから先発出場。試合前には、アルゼンチン代表で監督と選手との間柄にあったサンパオリ監督とメルカド選手がお互いの健闘をたたえ合う姿がピッチ上で見られた。

他の5試合はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2023】第2節(2/2)

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