ブラジル 3-2 アルゼンチン
BRA: 11' ... #17 ヒケウミ・フィリピ(Riquelme Fillipi) BRA: 29' ... #10 ドゥドゥ(Dudu) ARG: 33' ... #15 ヒメーネス(GIménez) ARG: 55' ... #10 クラウジオ・エチェベリ(Claudio Echeverri) BRA: 59' ... #4 ダ・マタ(Da Mata)
見どころ・優勝の条件
勝点が同じ場合は、以下のとおり順位決定。 1.同勝点チーム間の決勝ラウンドでの直接対戦のみを対象にした勝ち点。 2.同勝点チーム間の決勝ラウンドでの直接対戦のみを対象にした得失点差。 3.同勝点チーム間の決勝ラウンドでの直接対戦のみを対象にした総得点。 4.決勝ラウンド5試合を対象にした得失点差。 5.決勝ラウンド5試合を対象にした総得点。
決勝ラウンド最終節、優勝の可能性を残すのはエクアドル(勝点10)、ブラジル(勝点10)の2チーム。 アルゼンチン(勝点7)がブラジル戦に勝ち、エクアドルがベネズエラに負けると、3チームが勝点10で並ぶ。しかし、アルゼンチンの「同勝点チーム間の決勝ラウンドでの直接対戦のみを対象にした勝ち点」は3。エクアドルは第3節ブラジル戦に引き分け、第4節アルゼンチン戦に勝利しており、既に同条件の勝ち点4を獲得。よってアルゼンチンの優勝の可能性は途絶えている。
<シミュレーション> 第5節結果と優勝チーム 〇エクアドル、ブラジルのいずれか勝ち点を上回ったチームが優勝。 〇アルゼンチンを含む3チームが勝点10で並んだ場合: 決勝ラウンドでの3チーム間の直接対戦のみを考慮した勝ち点 ⇒ エクアドル優勝 〇エクアドル、ブラジルのいずれもが引き分けた場合: 決勝ラウンド5試合を対象にした得失点差 ⇒ エクアドル優勝。(第4節終了時点 エクアドル:6、ブラジル:5) 〇エクアドル、ブラジルのいずれもが勝利した場合は、以下のとおり順位決定: 1)決勝ラウンド5試合を対象にした得失点差(第4節終了時点 エクアドル:6、ブラジル:5) 2)決勝ラウンド5試合を対象にした総得点(第4節終了時点 エクアドル:9、ブラジル:10) 以上から、ブラジルが優勝するためにはアルゼンチン戦の勝利が必須。尚且つ、得失点差でエクアドルと並ぶか上回る必要がある。
なお、第4節終了時点で未定だった試合開始時間は、チリxパラグアイ戦、アルゼンチンxブラジル戦がブラジル時間18:30、ベネズエラxエクアドル戦が同21:00。
ブラジルが優勝すれば、2017年大会(2000年生まれ主体。ヴィニシウス・ジュニオールなど)以来、13度目の優勝。 開催国エクアドルが優勝すれば、初優勝となる。
ブラジルU-17代表 スターティングイレブン
背番号 | ポジション | 名前 | 名前 | 所属 | 生年月日 | 交代・得点 カード他 |
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1 | GK / Goleiro | フィリピ・ガブリエウ Phillipe Gabriel | Phillipe Gabriel Pires de Oliveira | ヴァスコダガマ Vasco da Gama | 2006/2/3 | |
2 | SB / Lateral | ヴィトル・ガブリエウ Vitor Gabriel | Vitor Gabriel Reis Guimaraes | アトレチコ・ミネイロ Atlético Mineiro | 2006/3/11 | ↓81′ |
3 | CB / Zagueiro | ヴィトル・ヘイス Vitor Reis | Vitor de Oliveira Nunes dos Reis | パウメイラス Palmeiras | 2006/1/12 | |
4 | CB / Zagueiro | ダ・マタ Da Mata | João Pedro do Nascimento da Mata | グレミオ Grêmio | 2006/3/13 | G59′ |
16 | SB / Lateral | ソウザ Souza | João Victor de Souza Menezes | サントス Santos | 2006/6/16 | ↓81′ |
8 | MF / Meio campista | ルーカス・カミーロ Lucas Camilo | Lucas Camilo Azevedo da Silva | グレミオ Grêmio | 2006/5/25 | Y47′ ↓81′ |
18 | MF / Meio campista | ルイス・グスタボ Luiz Gustavo | Luiz Gustavo Lemos Carvalho | コリンチャンス Corinthians | 2006/1/2 | |
11 | MF / Meio campista | ロハン Lorran | Lorran Lucas Pereira de Sousa | フラメンゴ Flamengo | 2006/7/4 | ↓58′ |
10 | MF / Meio campista | ドゥドゥ Dudu | Eduardo Kogitzki Anastacio | アトレチコ・パラナエンセ Athletico Paranaense | 2006/1/1 | G29′ A59′ |
7 | FW / Atacante | ハイアン Rayan | Rayan Vitor Simplício Rocha | ヴァスコダガマ Vasco da Gama | 2006/8/3 | |
17 | FW / Atacante | ヒケウミ・フィリピ Riquelme Fillipi | Riquelme Fillipi Marinho de Souza | パウメイラス Palmeiras | 2006/9/15 | G11′, A29′ ↓76′ |
ブラジルU-17代表 ベンチ入りメンバー
背番号 | ポジション | 名前 | 名前 | 所属 | 生年月日 | 交代・得点 カード他 |
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22 | GK / Goleiro | カイオ・バローネ Caio Barone | Caio Albado Barone | フラメンゴ Flamengo | 2006/5/4 | |
12 | GK / Goleiro | セーザル César | César Augusto Braga Rodrígues | パウメイラス Palmeiras | 2006/1/7 | |
23 | DF / Defensor | ダイヴィソン Dayvisson | Dayvisson André Lima dos Santos | アトレチコ・パラナエンセ Athletico Paranaense | 2006/1/4 | |
6 | DF / Defensor | イザッキ Isac | Isac Silvestre da Silva | RBブラガンチーノ RB Bragantino | 2006/4/2 | |
13 | DF / Defensor | シェルモンチ Chermont | João Pedro Chermont Crema | サントス Santos | 2006/1/8 | ↑81′ |
16 | DF / Defensor | ダラ・コルチ Dalla Corte | João Dalla Corte | インテルナシオナウ Internacional | 2006/6/7 | ↑81′ |
15 | MF / Meio campista | ベルナルド・ヴァリン Bernardo Valim | Bernardo da Silva Rocha Valim | ボタフォゴ Botafogo | 2006/1/30 | ↑81′ |
20 | MF / Meio campista | フアン・ガブリエウ Rhuan Gabriel | Rhuan Gabriel Rodrigues de Souza Silva | クルゼイロ Cruzeiro | 2006/2/6 | |
21 | FW / Atacante | マテウス・ヘイス Matheus Reis | Matheus dos Reis Francisco | フルミネンセ Fluminense | 2007/4/2 | ↑76′ |
19 | FW / Atacante | ヒカルド Ricardo | Ricardo Mathias da Silva | インテルナシオナウ Internacional | 2006/7/25 | ↑58′ |
試合経過
これまで4得点を記録するFWカウワン・エリアス、最終ラインの一列前でフィルター役を担っていたVOLマテウス・フェヘイラが欠場。 ブラジルの基本陣形は4-4-2。ヒケウミ・フィリピとドゥドゥのツートップ。
前半
アルゼンチンは自陣の低い位置でラインを敷き、ボールへの積極的なプレスをかけない。ブラジルは最終ラインとボランチでパスを回しチャンスをうかがう。 前半11分、FWヒケウミ・フィリピがペナルティエリア内で個人技でディフェンダーを振り切りシュート。一旦はGKに止められるがこぼれ球を押し込む。これが決まりブラジルが先制。 前半29分には、FWドゥドゥが中央ペナルティエリア外からFWヒケウミ・フィリピにパス。ヒケウミ・フィリピの切り返しが大きくなったところをドゥドゥが左足でゴールネットを揺らす。ブラジルが2-0とリードを広げる。 前半33分、この試合で初めてと思われるアルゼンチンのチャンス。左CKからこぼれたボールをCBヒメーネスが押し込み1点を返す。
後半
後半に入り、2選手を交代。アルゼンチンが最終ラインを前半より少し高めに敷き中盤をタイトにする。すると、アルゼンチンのボールを持つ時間が多くなり、ブラジル陣内で優位に試合を進める。 後半10分、アルゼンチンが右サイドを崩しゴールライン際からマイナスのクロスを送りシュート。これはGKフィリピ・ガブリエウが両手で弾くがこぼれ球にクラウジオ・エチェベリが右足を振り抜きアルゼンチンが2-2の同点に追いつく。 優勝のためには最低でもこの試合に勝たなければいけないブラジルが再び攻勢をかける。 後半14分、右サイドのCKからドゥドゥが上げたボールにCBダ・マタが頭を合わし、ブラジルが勝ち越し。 その後はオープンな展開となり大味な試合となるが両チームともゴールを奪えない。 後半45+7分、ペナルティエリア内でハイアンが放った強烈なシュートはクロスバーに弾かれ追加点を奪うことが出来ない。 試合はこのまま3-2でブラジルの勝利。 ブラジルが優勝するためには、この後に行われるベネズエラ対エクアドル戦でのベネズエラの勝利または引き分けが条件となる。
所感
ボランチ以下ではパスを回すが、前線にボールが入ると数的優位な状況でも強引に仕掛けたり、強引なミドルシュートを狙うなど、チャンスをいくつも不意にする。このようなシーンはこの試合に限ったことでなく、今大会のすべての試合で見られた。個人の技術が対戦相手を上回っていたため勝ち点を積み重ねていたが、U-17カテゴリーではこういった育成を進めているのかと個人的に失望した大会。
一方で、VOLマテウス・フェヘイラの危機管理能力やボール奪取力、ボールを持った際の前への推進力。CBダ・マタの正確なフィード、空中戦と一対一の強さ、打点の高いヘディングからの得点力。CBヴィトル・ヘイスの一対一や空中戦の強さ、ボール奪取力、守備範囲の広さ、的確なカバーリング、そして細かなミスが少ない点。ボールが頭の上を行きかう場面が多かったがMFドゥドゥの視野の広さや3得点6アシストを記録した攻撃的センスとセットプレーでのプレースキックの正確さが特に印象に残った。
この代表の主体は2006年生まれ。パウメイラスにはエンドリッキとルイス・ギリェルミ、コリンチャンスにはペドロが2006年ながらトップチームでプレーしている。彼らはトップチームでの当たり負けしない肉体、走力(スピード)、トップチームのパススピードへの順応、そして、何よりも頭を頻繁に振り周りの状況を確認し、オフザボールでの動きや、様々な局面での判断力の速さに優れていることが認識できた。
この大会に出場した選手も、今後、クラブでトレーニングや試合を通し、様々な経験や学びを経てトップチームでプレーする日が来るのだろう。その日を楽しみしたいとも感じた大会だった。
この試合の後に行われたベネズエラxエクアドル戦。 エクアドルが前半に先制するも、ベネズエラが後半29分に同点。試合は1-1で終了。 ブラジルが2017年大会以来13度目の優勝を果たした。
決勝ラウンド第5節 その他の試合結果
パラグアイ 1-0 チリ ベネズエラ 1-1 エクアドル
決勝ラウンド 順位表
勝点が同じ場合は、以下のとおり順位決定。 1.同勝点チーム間の直接対戦のみを対象にした勝点。 2.同勝点チーム間の直接対戦のみを対象にした得失点差。 3.同勝点チーム間の直接対戦のみを対象にした総得点。 4.決勝ラウンド5試合を対象にした得失点差。 5.決勝ラウンド5試合を対象にした総得点。
順位 | 国名 | 勝点 | 試合 数 | 勝数 | 引分 | 敗数 | 得失 点差 |
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1 | ブラジル Brasil | 13 | 5 | 4 | 1 | 0 | 6 |
2 | エクアドル Equador | 11 | 5 | 3 | 2 | 0 | 6 |
3 | アルゼンチン Argentina | 7 | 5 | 2 | 1 | 2 | 1 |
4 | ベネズエラ Venezuela | 7 | 5 | 2 | 1 | 2 | 2 |
5 | パラグアイ Paraguai | 4 | 5 | 1 | 1 | 3 | -4 |
6 | チリ Chile | 0 | 5 | 0 | 0 | 5 | -11 |
上位4チームが、FIFA U-17W杯出場権を獲得。
決勝ラウンド日程、結果、予選ラウンド順位表は当ブログ記事 「2023年南米U-17選手権 決勝ラウンド日程・結果」 をご覧ください。