ミシェウ (Michel)

投稿者: | 2023年5月7日
最新更新日 : 2024/02/03
更新履歴 : 2023/11/29 

若手 ブラジルサッカー センターバック パウメイラス

ミシェウ・アウグスト・モデスト・ハファエウ・ドス・サントス

Michel Augusto Modesto Rafael dos Santos

ポジション:右センターバック/ザゲイロ・ジレイト

利き足:

2003年5月20日生まれ

<クラブ経歴>

≪育成時代

 ブラジル連邦共和国サンパウロ州西部の町アヴァレーに生まれる。
 2019年、16歳の時にパウメイラス下部組織に入団。U-17チームでプレーするが、あまり出場機会に恵まれず、わずか6試合(うち先発2試合)の出場に終わった。
 しかし、2020年コロナ感染症拡大による自粛期間が明けるとU-20チームに招集されU-20全国選手権に出場。その後はU-20チーム、U-17チームを掛け持ちで出場し、約3か月の間に22試合に出場する。
 2021年はアベウ・フェヘイラ(Abel Ferreira)トップチーム監督のもと、17歳ながらトップチームでシーズンのスタートを切る。
 2021年5月9日、サンパウロ州選手権第12節ポンチ・プレッタ戦においてスターティングイレブンに抜擢されトップチームデビューを果たす。
 その後トップチームでの出場機会は訪れずU-20チームでの試合出場が続くが、シーズン終盤に再びトップチームに招集され、11月23日全国選手権第35節にベンチ入り。11月30日第36節クイアバ戦でスターティングイレブンに抜擢されると、第37節、最終(第38)節と3試合連続で先発出場を果たす。
 2021年11月30日第36節クイアバ戦では、前半4分に右サイドライン際から前線へのロングフィード。これを受けたガブリエウ・シウヴァ(Gabriel Silva, 2002, 2023年5月現在サンタクラーラ/POR)が飛び出したGKをかわしゴール。ミシェウはトップチームでの初アシストを記録した。
 2022年に入るとトップチームへの招集はなく、年間を通してU-20チームでのプレーとなる。シーズン序盤はケガもありU-20サンパウロ州選手権での出場機会はあまりなかったが、U-20コパ・ド・ブラジル、U-20全国選手権は主力として出場し両大会の優勝に貢献。
 2023年は1月にU-20南米ユース選手権に向けた国内でのトレーニング中に左足太ももに筋肉系のケガを発症し始動に送れる。
 2023年4月5日のリベルタドーレスアウェイでの開幕節に帯同、ベンチ入りを果たすが出場機会はなく、その後はU-20全国選手権に出場している。
 2023年11月22日にはパウメイラスとの契約が2026年末まで延長された。

≪シーズン別クラブ出場記録≫

シーズン所属大会試合出場
時間
得点アシ
スト
2021年(18歳)パウメイラス全国選手権327000
コパ・ド・ブラジル1700
州選手権19000
 合計536700
2022年(19歳)パウメイラス出場機会なし
2023年(20歳)パウメイラス出場機会なし
2024年(21歳)パウメイラス
 合計
イタリック斜体は、2024年2月3日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<代表経歴>

≪2023U-20南米ユース選手権≫

 2023年1月4日、辞退者を受け、2023年U-20南米ユース選手権の代表追加招集を受ける。しかし、国内でのトレーニング中に左足太ももに筋肉系のケガを発症し代表辞退。

≪2023U-20W杯≫

 2023年4月28日、5月20日にアルゼンチンにて開幕する2023年U-20W杯に向けたブラジルU-20代表に招集。同大会で初めてアマレリーニャに袖を通し国を代表した戦いに挑む。
 2023年5月12日、ケガのため、U-20代表離脱が発表される。

2023年パンアメリカン競技大会(U-23)≫

 2023年9月22日発表の2023パンアメリカン競技大会U-23代表に招集。
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-23代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日対戦
相手
試合
結果
出場
時間
得点アシ
スト
2023/10/23予選第1節アメリカ合衆国1 – 09000
2023/10/26予選第2節コロンビア2 – 09000
2023/10/29予選第3節ホンデュラス3 – 0
2023/11/01準決勝メキシコ1 – 09000
2023/11/04決勝チリ1 – 1
PK: 4-2
7500
 合計8 – 134500

2023年11月U-23代表合宿≫

2023年11月7日、国際Aマッチデー期間を利用して開催される、2024パリ五輪南米予選に照準を絞ったU-23代表合宿への招集選手が発表。ミシェウはその23選手(CBは4選手)の一人として名前を連ねた。

2024年パリ五輪南米予選

 2023年12月21日にCBFより発表された2024パリ五輪南米予選(2024年1月20日~2月11日)U-23代表選手、23選手(GKは3選手)の一人として選出された。
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-23代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日対戦
相手
試合
結果
出場
時間
得点アシ
スト
2024/01/20予選第1節対戦なし
2024/01/23予選第2節ボリビア1 – 09000
2024/01/26予選第3節コロンビア2 – 01800
2024/01/29予選第4節エクアドル2 – 1
2024/02/01予選第5節ベネズエラ1 – 3
2024/02/05決勝第1節パラグアイ
2024/02/08決勝第2節ベネズエラ
2024/02/11決勝第3節アルゼンチン
 合計10800
 予選第3節コロンビア戦の試合中に右足太ももに筋肉系のケガを発症し途中交代。試合後の診断の結果、大会期間内での復帰が見込めず2月1日にチームからの離脱が発表された。

<プレースタイル、雑感 etc.>

 利き足は右。身長188㎝。
 ポジションは右CB。
 2021年終盤のクイアバ戦、アトレチコ・パラナエンセ戦では、18歳ながら、2試合合計で32のパスカット、4回のボール奪取、イーブンボールの奪い合いでは70%を超える勝率を誇り、1度のファールも犯さなかった。
 また、先述のとおり全国選手権デビューのクイアバ戦では前半4分にアシストを記録する正確なフィードを前線に供給しており、視野の広さや正確なキックも持ち味の一つと言える。

 2021年にはアベウ・フェヘイラ監督のもとトップチームでの出場機会を得たが、監督がセンターバックに期待するプレースタイルとミシェウの長所が適合していたとは言えず、補強や下部組織から次々と供給されるセンターバック陣の中で序列が下がっていき、2022年以降はトップチームで出場機会は得られていない。
 しかし、2023年5月にU-20W杯という世界から注目される表舞台でのプレー機会を得た。恐らく左CBホベルチ・ヘナン(Robert Renan, 2003)とコンビでの出場が見込まれるが、広範囲なカバリングや空中戦での強さ、ボール奪取力が期待されての招集と思われる。ここでの活躍次第では国外移籍の扉も開かれるだけに、自身の持ち味を十二分に発揮し、ブラジルの2011年大会以来の優勝、そして自分自身のために、2023年U-20W杯を戦い抜いてもらいたい。

(2023/11/29追記)
 2023パンアメリカン競技大会では最も印象に残った。守っては広い守備範囲と的確なカバーリング、攻めては精度の高い対角線上のロングフィードや縦に鋭い楔のパスで、攻守にブラジル代表を牽引。
 2023年は、U-20南米ユース選手権、U-20W杯の代表に選出されながらも、いずれもケガのため辞退。
 2022年、2023年はケガが多く、パウメイラスU-20チームでも試合出場数は少ないが、ケガから戻ればスタメンとして試合に出場。CBながら17歳でトップチームデビューを果たし、その年は5試合に出場しており、その潜在能力は非常に高い。
 2024パリ五輪南米予選には、2023年3月にフル代表にゼニト/RUS所属のホベルチ・ヘナン(Robert Renan, 2003)、欧州の複数のクラブからその動向を注視されているサンパウロ所属ルーカス・ベラウド(Lucas Beraldo, 2003)も招集されている。しかし、ミシェウはこの2選手にも勝るとも劣らない実力を有していると個人的に感じているだけに、ケガがちな体質を改善し、欧州に旅立つ前に少しでも多くの試合をパウメイラスでプレーしてもらいたい。

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