最新更新日 : 2024/08/24
更新履歴 : 2024/03/16, 2023/08/01
ウェズレイ・ガソヴァ・ヒベイロ・テイシェイラ
Wesley Gassova Ribeiro Teixeira
ポジション:フォワード(ウィング)/アタカンチ(ポンタ)
利き足:右
2005年3月5日生まれ
<幼少期>
ブラジル連邦共和国サンパウロ州サンパウロに生まれ、市内南部のジャバクアラ地区に育つ。父はサッカー選手だったがウェズレイが生まれる前に引退。弟が1人と2人の姉妹がいる。
<クラブ経歴>
≪育成時代≫
2016年11歳の時にコリンチャンス下部組織に入団。入団当初はフットサルをプレー。フットサルで3つの大会に優勝する。
2021年、U-17サンパウロ州選手権のタイトルを獲得。この大会の決勝戦2ndレグでは、後半34分に途中交代で出場し、2試合合計で同点となるゴールを決め、PK戦では優勝を決めるPKを決める。
≪コリンチャンス≫
– 2022 –
2022年はU-17チームで始動するが、ヴィトル・ペレイラ(Vitor Pereira)監督のもと、トップチームのトレーニングに招集され、2022年4月20日、コパ・ド・ブラジル3回戦ポルトゲーザRJとの1stレグ、後半29分に左ウィングとして交代出場。17歳にしてトップチームデビューを飾る。その後もポルトゲーザRJとの2ndレグや全国選手権の2試合にも試合終了間際の僅かな時間ながら出場機会を得る。
その後リベルタドーレスへの選手登録も行われたが、U-20チームでの試合中に足首にケガを負い、6月15日全国選手権第12節アトレチコ・パラナエンセ戦を最後にトップチームでの出場機会はなくなり、ケガの回復後はU-20チームを中心にU-17チームで試合を重ねる。
– 2023 –
2023年は1月に開催されるU-20全国大会カップ戦に出場。 しかし、トップチームの州選手権が始まるとトップチームに招集され、州選手権開幕節RBブラガンチーノ戦に交代出場を果たす。その後はベンチ入りするも出場機会はなく、3月に入りU-20全国選手権が開幕するとU-20チームでプレーする。
2023年5月1日、トップチーム監督にヴァンデルレイ・ルシェンブルゴ(Vanderlei Luxemburgo)氏が就任すると、再びトップチームに招集され、5月11日全国選手権第5節ボタフォゴ戦の後半21分に右ウィングとして交代出場。縦や左右への方向転換のスピード、ドリブル、守備への戻りなどが監督に評価される。 5月14日全国選手権第6節サンパウロ戦で右ウィングとしてスタメンに抜擢。右SBの元ブラジル代表ファギネル(Fagner, 1989)とのコンビで右サイドからクロスを供給、守備では自陣ペナルティエリアまで戻る。前半30分過ぎに左へポジションを替えるが、前半終了間際にドリブルでペナルティエリアに侵入しそのまま仕掛け、バイエルン・ミュンヘン/GERで数々のタイトルを獲得した経歴を持つサンパウロのベテランSBハフィーニャ(Rafinha, 1985)のPKを誘発する。
2023年7月2日の全国選手権第13節RBブラガンチーノ戦での途中出場を最後に出場機会は訪れず、7月28日はU-20全国選手権に出場。 2023年8月1日、コパ・スウアメリカーナ決勝ラウンド一回戦、ニューウェルズオールドボーイズ/ARGとの1stレグ、後半開始時に1か月ぶりにトップチームでの出場機会を得ると、後半20分、FWホメーロ(Romero, 1992)がゴールライン際から折り返したマイナスのクロスを少し後方に下がりながら右足でダイレクトにシュート。ボールはゴールネットに突き刺さり、18歳4か月27日でのプロ初ゴールをマーク。
2023年8月13日全国選手権第19節コリチバ戦もまた後半開始時にピッチに送り出されると全国選手権での初ゴール。チームが全国選手権とコパ・スウアメリカーナのため過密な日程が続く中、先発、途中交代出場を繰り返しながら、8月以降はほぼ全試合に出場を果たす。 9月の終わりに若手の起用に積極的なルシェンブルゴ監督が解任されマノ・メネゼス監督に監督が交代するが、途中交代出場が主体ながらも継続的に試合に起用され、プロ2年目、17歳でスタートした2023年は飛躍の年となった。
– 2024 –
2024年1月21日州選手権開幕節にて後半31分に新シーズンの初出場を記録。その後も主に途中出場で連戦に出場。 2月5日、州選手権の5連敗、降格圏内の成績を受け、マノ・メネゼス監督が解任。後任には、横にピッチを広く使い、バランスを取りながらも攻撃に重点を置くポルトガル国籍のアントニオ・オリヴェイラ(António Oliveira)監督が就任。
サイドで突破力のあるウェズレイは、2月11日の監督初采配試合の州選手権第7節で先発に起用されると、2月14日第8節では2試合連続の先発起用から後半13分にシーズン初ゴールをマーク。 2月18日コパ・ド・ブラジル二回戦では、前半2分、後方からのボールを左コーナーフラッグ手前で確保すると、ゴールライン際にドリブルでゴールに向かい、ディフェンダーをかわしながら角度のない位置からゴール。前半31分には相手ペナルティエリア付近でのプレスから味方がボールを奪い、その流れの中からコリンチャンスが得点。後半18分には、ゴール前で逆サイドからのクロスを頭で折り返しFWホメーロのゴールをアシスト。チームの全3得点に絡む活躍。
4月14日全国選手権開幕節も左ウィングとしてスタメンに起用され90分間のフル出場。
4月28日第4節フルミネンセ戦では、自身初となる1試合2ゴールの活躍でチームを勝利に導くと、ほぼ全試合に先発出場を果たす。
しかし、7月1日全国選手権第13節を最後にアントニオ・オリヴェイラ監督が解任。後任のラモン・ディアス(Ramón Díaz)監督が7月16日第17節から初采配を振るうようになると、ベンチスタートの試合が増えていく。
2024年8月24日コリンチャンスとアル・ナスル/KSAは、ウェズレイの移籍についてクラブ間合意。移籍金は、固定:2000万USドル+ボーナス:500万USドルの総額2500万USドル(約36億円)。 選手代理人が欧州に旅立ち、ウェズレイに関心を持つクラブを訪れたものの、アル・ナスルを上回る条件での獲得を希望するクラブはなく、コリンチャンスとアル・ナスルとの合意に至った。
サウジアラビアリーグでは、外国籍選手の登録制限が設けられているが、対象は21歳以上のため、18歳のウェズレイは登録制限の対象外選手に該当する。
≪アル・ナスル≫
– 2024/25 –
<To be continued...>
≪シーズン別クラブ出場記録≫
シーズン | 所属 | 大会 | 試合 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2022年(17歳) | コリンチャンス | 全国選手権 | 2 | 2 | 0 | 0 |
コパ・ド・ブラジル | 2 | 20 | 0 | 0 | ||
合計 | 4 | 22 | 0 | 0 | ||
2023年(18歳) | コリンチャンス | リベルタドーレス | 2 | 61 | 0 | 0 |
コパ・スウアメリカーナ | 5 | 265 | 1 | 0 | ||
全国選手権 | 24 | 856 | 1 | 1 | ||
コパ・ド・ブラジル | 2 | 92 | 0 | 0 | ||
州選手権 | 1 | 24 | 0 | 0 | ||
合計 | 34 | 1298 | 2 | 1 | ||
2024年(19歳) | コリンチャンス | コパ・スウアメリカーナ | 7 | 459 | 1 | 0 |
全国選手権 | 23 | 1444 | 2 | 1 | ||
コパ・ド・ブラジル | 5 | 340 | 1 | 2 | ||
州選手権 | 11 | 577 | 1 | 0 | ||
合計 | 46 | 2820 | 5 | 3 | ||
2024/25年(20歳) | アル・ナスル/KSA | |||||
合計 |
イタリック斜体は、2024年8月24日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。
<代表(世代別含む)経歴>
– 2024 –
2024年5月17日、世代別代表合宿へのU-20代表23選手の一人として招集。
自身初の世代別代表への招集を受ける。
この合宿は2025年1月に開幕されるU-20南米ユース選手権に向けた第1回目の代表合宿として位置づけられている。
関連記事 : [2024.05.17発表]<ブラジルU-20代表招集>
2024年8月17日、CBFよりU-20代表合宿招集メンバーが発表され、代表23選手の一人として招集を受けた。この代表合宿は。2025年1月にペルーにて開催が予定されているU-20南米ユース選手権に照準とした2度目の合宿。合宿期間は9月2日~10日、5日と8日にメキシコU-20代表との国際親善試合が予定されている。
関連記事 : [2024.08.17発表]<ブラジルU-20代表招集>
<プレースタイル、雑感 etc.>
利き足は右。 ポジションは左右のウィング。下部組織では主に左のウィングでプレーするが、トップチームでは右サイドでの出場機会も多い。本人曰く、どちらが得意ということもなく、常にどちらでも準備が出来ているとのこと。
2022年3月の16歳の誕生日を迎えコリンチャンスとプロ契約を締結。期限は2025年3月。2000万ユーロの違約金が設定されている。 2023年初には、リヨン/FRAやブラジルの他クラブから身元調査があったが、コリンチャンスは交渉を始めていない。
2023年5月11日ボタフォゴ戦では、後半アディショナルタイムに左サイドライン際からディフェンダー2人をかわしペナルティエリアに侵入し、さらにディフェンダーをかわしシュートを放つ。しかし、シュートは大きく枠を外れ、ペナルティエリア内でポジションを取っていたFWユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)やFWホージェル・ゲデス(Róger Guedes, 1996)から大声で𠮟責される。
試合後にホージェル・ゲデスは二度目の仕掛けは不要と叱責の内容を説明。ウェズレイも「チームとして勝利を目指しているのだから熱くなって怒るのは当然。シュートは自分の選択ミス。もっと状況判断を含めて上手くならないとダメだね」と反省の弁。
こうやってプロの試合の中で叱責や称賛、失敗や成功を積み重ね、若手選手は伸びていくのだろう。
(2024年3月16日 追記)
2024年2月、コリンチャンスは監督交代を行い、チームスタイルをそれまで一年間以上続いた守備的なスタイルから、バランスを重視しながらも攻撃に重点を置くスタイルに舵を切った。
2023年のウェズレイは、戦術的に自陣にまで戻る守備的なプレーが優先されることが多く、焦りから相手陣での数少ないチャンスに強引なシュートに持ち込むシーンも多かった。しかし、新任のアントニオ・オリヴェイラ監督のもと、サイドでのスピードを生かした突破力や、前年に培われた守備力を相手陣内で発揮する場面が随所で見られるようになり、相手陣でボールに触れる機会が増えたことにより精神的な余裕も生まれ周囲の状況を認識してプレーを選択。ゴールに繋がるプレーが大幅に増えてきている。
2023年末からベティス/ESPがウェズレイに関心を示しているとの報道がブラジルでなされていたが、2月、3月と時間が経つにつれ、その報道の頻度が増え、内容の具体性も高まってきている。2024年半ばには戦いの場を欧州に移す可能性が高まっている。
(2024年8月22日 追記)
上述のベティス移籍に関してだが、ベティスはバルセロナ所属のヴィトル・ホッキ(Vitor Roque, 2005)の期限付き移籍での獲得に目途がついた模様。それによりウェズレイのベティス移籍はほぼ消滅。
かわって、アル・ナスル/KSAへの移籍の可能性が高まっている。
アル・ナスルは、ウェズレイ獲得に向け7月頃からコリンチャンスや代理人とコンタクト。2024年8月22日現在、ウェズレイはフォワード陣で最多出場時間を記録しているものの、監督交代後は出場時間は減り、クラブはウィングの補強をすすめ、さらには、アル・ナスル/KSAが提示する移籍金額が、従来の金額からコリンチャンスが希望する金額を上回る2500万USドルまで引き上げたとされており、現移籍ウィンドウでの移籍の可能性が高まっている。