最新更新日 : 2024/08/10
更新履歴 : 2024/03/24
ウェズレイ・ヴィニシウス・フランサ・リマ
Wesley Vinícius França Lima
ポジション:サイドバック/ラテラウ
利き足:右
2003年9月6日生まれ
<幼少期>
ブラジル連邦共和国の東北部に位置するマラニョン州に生まれる。2歳の時にブラジル南部サンタカタリーナ州の州都フロリアノポリスに移る。 2016年12歳の時に、フロリアノポリスで開催されたスペイン人代理人によるイベントに参加。そこで現在の代理人がウェズレイに関心を寄せることになる。
<クラブ経歴>
≪育成時代≫
フロリアノポリスの名門フィゲイレンセの下部組織に入団するが、クラブは経営難から下部組織の一部カテゴリーの活動を停止。ウェズレイは退団を余儀なくされる。
2019年8月に当時全国選手権4部のアトレチコ・トゥバラォンU-17に15歳で入団。 翌2020年にはトップチームに合流。16歳でサンタカタリーナ州のカップ戦に出場。この大会での活躍をうけ代理人がフラメンゴの入団テストを薦め、テストを受けるとわずか2日で合格が言い渡される。
≪フラメンゴ≫
– 2021 –
2021年5月にはU-20チームでレギュラーの座を獲得。やがてトップチームのトレーニングに参加するようになる。
2021年12月9日全国選手権最終節アトレチコ・ゴイアニエンセ戦にてスターティングイレブンとして出場。トップチームデビューを果たす。
– 2022 –
2022年1月、U-20チームで2試合出場後、トップチームに招集され州選手権にスタメンに起用される。しかし、2試合連続でのスタメン起用後にケガも負い戦列を離脱。回復後にはリベルタドーレスに選手登録もされ、リベルタドーレス、全国選手権、コパ・ド・ブラジルにベンチ入りを果たす。しかし、出場機会はなく、以降はU-20チームでのプレーが続き、この年は最後までトップチームでの出場機会を得ることはなかった。
– 2023 –
2023年1月12日、若手選手中心で先発メンバーが組まれた州選手権開幕節に先発出場。 その後はクラブW杯やスーペルコパ・ド・ブラジル、ヘコパ・スウアメリカーナを直前にした控え選手を中心にした試合に出場するものの、それ以外での出場機会はなく、3月にU-20全国選手権の開幕とともにU-20チームに合流する。
3月中旬に右SBのレギュラーを務めていたマテウジーニョ(Matheuzinho, 2000)がケガにより戦線離脱。レギュラー争い2番手のバレラ(Varela, 1993, ウルグアイ代表として2018W杯ロシア大会、2022W杯カタール大会に出場)もケガを繰り返し、ウェズレイは再びトップチームに合流。全国選手権開幕節ではスタメン出場を果たす。
2023年4月14日に就任したサンパオリ(Sampaoli)監督は、就任最初の試合で3バックを採用し、右WBにFWマリーニョ(Marinho, 1990)を起用。本職のウェズレイはベンチで試合を見守ることとなり屈辱的な時間を過ごす。しかし、後半途中の4バックへのシステム変更と同時にピッチに投入されると、監督の期待に応えるプレーを披露し、翌節以降はシステムに関係なく右SB、右WBとして先発に起用される。
6月8日リベルタドーレスGR第5節ラシン・クラブ/ARG戦、試合開始時から攻撃時には相手ペナルティエリア内に位置取る攻撃的なタスクを担うと、前半35分、左サイドを起点としてVOLジェルソン(Gerson, 1997)がゴールライン際に抜け出しマイナスのボールを送ると、ウェズレイはそのボールに反応し、ゴール正面からダイレクトに足を合わせゴールネットを揺らす。プロ初ゴール。
10月2日に成績不振を理由にサンパオリ監督が解任。後任に2022W杯代表監督チチ(Tite)氏が新監督に就任。しばらくは引き続き先発に起用されるが、11月に入るとベンチスタートとなり、長らく務めたレギュラーの座をバレラに譲ることとなる。
とはいえ、2023年シーズンは54試合、出場時間は4000分近くにまで及ぶ活躍をみせた。
– 2024 –
2024年1月17日リオデジャネイロ州選手権開幕節はSBバレラに代わり後半27分の途中出場。その後も、先発起用の機会は僅かな試合数に止まり、交代出場やベンチを温める試合が続く。
6月に入りSBバレラはウルグアイ代表として招集を受けコパ・アメリカに出場。このSBバレラ不在期間はポジションに定着し、チームは良績を残す。しかし、SBバレラ復帰後は、ポジションを明け渡し、奪回することができない。
2024年8月10日、アタランタ/ITAからのオファーがフラメンゴに届いたとの報道。移籍金はフラメンゴが想定する金額を上回っており、欧州2024/25年を前にした移籍ウィンドウでの欧州移籍が実現する可能性は高い。
≪シーズン別クラブ出場記録≫
シーズン | 所属 | 大会 | 試合 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2020年(17歳) | アトレチコ・トゥバラォン | サンタカタリーナ州カップ戦 | 6 | 286 | 0 | 0 |
合計 | 6 | 286 | 0 | 0 | ||
2021年(18歳) | フラメンゴ | 全国選手権 | 1 | 90 | 0 | 0 |
合計 | 1 | 90 | 0 | 0 | ||
2022年(19歳) | フラメンゴ | 州選手権 | 2 | 180 | 0 | 0 |
合計 | 2 | 180 | 0 | 0 | ||
2023年(20歳) | フラメンゴ | リベルタドーレス | 7 | 495 | 1 | 0 |
全国選手権 | 35 | 2514 | 1 | 1 | ||
コパ・ド・ブラジル | 9 | 687 | 0 | 0 | ||
州選手権 | 3 | 249 | 0 | 0 | ||
合計 | 54 | 3945 | 2 | 1 | ||
2024年(21歳) | フラメンゴ | リベルタドーレス | 2 | 165 | 0 | 0 |
全国選手権 | 15 | 1131 | 0 | 1 | ||
コパ・ド・ブラジル | 3 | 47 | 0 | 0 | ||
州選手権 | 6 | 341 | 0 | 0 | ||
合計 | 26 | 1684 | 0 | 1 |
イタリック斜体は、2024年8月10日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。
<プレースタイル、雑感 etc.>
最大の長所はスピード。スピードのあるドリブルで僅かなスペースを駆け抜け、スピードに乗ったオーバーラップでゴールライン際まで駆け上がり精度の高いクロスを供給する。 ゴール前でシャペウ(ふわりとボールを浮かし相手ディフェンダーをかわすプレー)からシュートを放つなど、足元の技術も高い。 一対一は攻撃面だけでなく守備面でも強く、ボール奪取の高い技能を持つ。一方でポジショニングに少し課題を残している。
2020年にフラメンゴの入団テストにわずか2日で合格しフラメンゴと契約を結ぶ。 2021年、フラメンゴU-20チームでプレーを始めると、わずか数カ月でフラメンゴとの契約が更新(期間延長と月俸アップ)。 2023年1月、国外クラブからの調査や期限付き移籍の打診を受けるようになると、再びフラメンゴは契約期間を2025年末まで更新。
2023年1月にバルセロナ/ESPがフラメンゴにウェズレイのBチームへの期限付き移籍の打診。期間は5か月、移籍期間満了後に買取オプションが提示されたが、フラメンゴは当時のヴィトル・ペレイラ監督の要請もあり、この交渉は合意に至らなかった。
また、リヴァプール/ENG関連の記事やポッドキャストを配信するサイト「Liverpool.com」では、リヴァプールが2022/23シーズン後の移籍ウィンドウにウェズレイの獲得に動く可能性があると示唆された。
2024年3月にはブライトン/ENGがウェズレイに関心を示しているとの報道記事が見られた。その条件は選手保有権の80%に対して4百万ユーロ。一方で、フラメンゴは以前より1000万~1500万ユーロでの売却を想定。また、チチ監督による要請もあり、欧州2024/25シーズン前での移籍の可能性は低い。
ウルグアイ代表SBバレラはコパ・アメリカへの招集の可能性が高く、フラメンゴはリベルタドーレス出場など例年通りの過密な日程を過ごすため、2024年シーズンのウェズレイの出場機会は少なからず見込まれている。そこで、クラブが期待する条件を満たすオファーが欧州から届くような成長の跡を示すことができるか。それが欧州進出へのカギとなるに違いない。
(2024年8月10日追記) 2024年7月初めにボーンマス/ENGより1200万ユーロでのオファーが届くが、フラメンゴは過小評価と考え、オファーを拒否。 しかし、2024年8月10日、2023/24年UEFAヨーロッパリーグ王者のアタランタ/ITAから総額2000万ユーロ(固定:1500万ユーロ+ボーナス:500万ユーロ)からオファーがフラメンゴに届いたと報道されている。 フラメンゴは今後検討に入るが、移籍金は上記の想定額を上回っており、2024年夏移籍ウィンドウでの移籍の見込みは高い。