最終更新 : 2023/12/21 更新履歴 : 2023/06/18, 05/03, 03/10
ヴィトル・ウーゴ・ホッキ・フェヘイラ
Vitor Hugo Roque Ferreira
ポジション:フォワード/アタカンチ
利き足:左
2005年2月28日生まれ
<バルセロナ?>
2023年6月18日、ブラジルスポーツサイト「ge」によると、アトレチコ・パラナエンセ幹部がバルセロナに赴き、公式に会談、ヴィトル・ホッキの交渉が進展したと伝えている。 契約期間は5年。移籍金は3500万ユーロ+ボーナス1000万ユーロになる見込み。 移籍時期についてはまだ合意に至らず、アトレチコ・パラナエンセ側は2023年末(ブラジル全国選手権終了後)もしくは2024年の欧州移籍ウィンドウを主張、バルセロナ側はファイナンシャルフェアプレー制度に抵触しなければ2023年7月にも獲得を望んでいる。
<幼少期>
ブラジル、ミナスジェライス州の人口が10万人にも満たない小さな町チモーテオに生まれる。二人姉弟。幼い頃から常に母親から「謙虚になりなさい。心を落ち着かせなさい。すべての出来事は神によって然るときに起きるものです。」と言葉をかけられて育つ。
<クラブ経歴>
≪育成時代≫
-アメリカ・ミネイロ-
10歳の時、ミナスジェライス州の州都、ベロオリゾンテに本拠を置くアメリカ・ミネイロに入団テストを経て入団。 当初はボランチとしてプレーするが、「タンキ(Tanque、戦車の意)」とあだ名がつくほどの身体的な強さやチーム内の戦術的な理由でFW/ATAにコンバート。ヴィトル・ホッキを擁するチームは数々の大会で優勝する。
-クルゼイロ-
2019年、同じベロオリゾンテに本拠を置くクルゼイロに引き抜かれる。
翌年には15歳にしてU-17チームでプレー。
≪クルゼイロ≫
– 2021 –
2021年、U-17チームで21試合19得点の活躍をみせると、10月8日、全国選手権2部第29節コリチバ戦でプロとして初のベンチ入り。
翌週10月12日第30節ボタフォゴ戦では16歳にしてプロデビューを果たす。しかし、このデビューは少し奇妙なものだった。 後半16分に途中交代で出場。3分後の後半19分、ペナルティエリア外からミドルシュートを放つ。しかし、これはゴール左に外れる。そして、後半34分、ピッチを後にする。出場時間僅か18分のデビュー戦だった。
10月31日にはU-20ミナスジェライス州選手権決勝に終了間際の4分間出場を挟み、再び11月9日トップチームでの全国選手権2部第35節ブルスキ戦で後半途中からの出場を果たす。その後は最終節までの3試合に途中出場を果たした。
– 2022 –
2022年は1月に開催されるU-20全国カップ戦で5試合に出場。
2022年2月12日、ミナスジェライス州選手権グループラウンド第6節トンベンセ戦の後半23分に交代出場すると1アシストを記録。次の試合も後半途中から出場すると、2月20日第8節ヴィラノヴァMG戦でプロ入り初のスターティングイレブンに抜擢。そして、その試合でプロ初ゴールを記録する。
3月6日の第9節、前年に全国選手権とコパ・ド・ブラジルの二冠を果たしたアトレチコ・ミネイロとのクラシコ。この試合にもスターティングイレブンに名を連ねると、0-0で迎えた後半25分、右サイドのブルーノ・ジョゼー(Bruno José)からの鋭いクロスボールに対し、CB/ZAGの背後から一瞬のスピードで飛び出し、頭で合わせ先制点となる得点を奪う。
4月2日、州選手権決勝で再びアトレチコ・ミネイロと対戦。この試合もスタメンで出場するが、1-3で敗戦。しかし、チームは準優勝を果たし、ヴィトル・ホッキは記者投票によるミナスジェライス州選手権ベストイレブンに選出された。
2022年4月8日に迎えた全国選手権2部開幕節バイーア戦。この試合も途中交代で出場すると試合後に大きなニュースが飛び込む。
≪アトレチコ・パラナエンセ≫
– 2022 –
2022年4月14日、アトレチコ・パラナエンセがクラブ史上最高額の2400万レアル(約8億円)の移籍金で17歳のヴィトル・ホッキ獲得を発表。 そして、新たな背番号として、東京五輪2020優勝メンバーで後にW杯2022代表に選出されるブルーノ・ギマランエス(Bruno Guimarães ニューキャッスル/ENG)がかつて着けた39番を継いだ。(移籍当初は27番を着ける。)
移籍発表の3日後の4月17日、全国選手権第2節アトレチコ・ミネイロ戦でクラブデビューを果たすと、自身5試合目の5月29日第8節クイアバ戦ではこの試合で唯一となるゴールを記録。クロスボールをPA内で胸トラップ。相手3人に囲まれるが、右足でスペースにボールを置くと右足一閃、ゴールネットに突き刺した。
6月25日第14節ブラガンチーノ戦で初スタメンで起用されると、翌7月2日第15節、後に全国選手権覇者となるパウメイラスとの一戦では前半36分に先制点となるゴールを決めチームを勝利へと導く。 8月7日第21節アトレチコ・ミネイロ戦で2ゴールをマーク。 その後はリベルタドーレスとの兼ね合いや、連戦による疲労のためにしばらくゴールを奪うことはなかったが、11月13日最終節のボタフォゴ戦で1ゴールを奪い、2022年シーズンを締めくくった。
≪リベルタドーレス 2022≫
リベルタドーレス ラウンド16。対戦相手はリベルタ/PAR。 2022年6月28日の1stレグ。アトレチコ・パラナエンセでの公式戦初スタメンを飾った6月25日のブラガンチーノ戦から中2日で迎えたこの試合、スターティングイレブンに抜擢されるといきなりその期待に応える。前半6分、ペナルティエリア内でテランス(Terans)からのスルーパスをディフェンスラインの裏に抜け出して受けると、ゴール右上隅にボールを突き刺し、貴重な先制点をチームにもたらす。 チームはこの試合に2-1で勝利。2ndレグも1-1でまとめ、準々決勝に駒を進める。
リベルタドーレス準々決勝エストゥジアンテス/ARG戦。 1stレグをスコアレスドローで終え迎えた8月11日の2ndレグ。4日前の全国選手権アトレチコ・ミネイロ戦で2ゴールを挙げたヴィトル・ホッキはベンチスタート。1stレグに続き両チームとも決定機を決めきれずにいた後半15分にピッチに立つ。両チームとも点が入らないまま準決勝進出をPK戦に委ねるかと思われた後半45+6分、17歳の若者がアトレチコサポーターを歓喜に包んだ。 ヴィトルは、ペナルティエリア内左でボールをキープするヴィチーニョ(Vitinho)からパスを受けるかのように、一度ゴール前からペナルティエリア入口付近まで下がる。その動きについてきたCB/ZAGが空けたスペースに再び上がると、ヴィチーニョがふわりと浮かしたクロスボールを頭で合わせ、準決勝進出を決定づける貴重な得点を奪う。
8月30日、リベルタドーレス準決勝1stレグ。前年の覇者、そして全国選手権で首位を走り続けるパウメイラスをホームに迎える。 前半23分、右サイドからのクロスボールを相手ディフェンダーが真上にはじき返すと、ヴィトル・ホッキはそのボールとディフェンダーの間に巧みに体を入れボールをキープ。振り向きざまのシュートはディフェンダーに当たるが、ゴール前に詰めていたアレックス・サンタナ(Alex Santana)がワントラップからゴールに押し込み、この試合唯一となる得点をあげる。 9月6日の2ndレグ。1stレグのアドヴァンテージをひっくり返され、2-0で迎えた後半19分。ペナルティエリア内左ゴールライン際からのクロスボールに反応したヴィトル・ホッキはダイレクトに中央に折り返し、パブロ(Pablo)の2試合合計で同点となるゴールをアシスト。アトレチコはこの後さらに1ゴールをマークし決勝進出を決めた。 ヴィトル・ホッキはパウメイラスとの準決勝の2試合で2アシストを記録、決勝進出の立役者となった。
– 2023 –
2023年はU-20南米ユース選手権からのスタート。 アトレチコ・パラナエンセでのプレーは、2月26日州選手権予選最終節(第11節)から。
3月4日決勝ラウンド一回戦(準々決勝)サン・ジョゼエンセ戦の1stレグで今季初ゴールを記録すると、3月12日2ndレグでは2得点1アシスト。 3月18日準決勝マリンガ戦1stレグは後半25分からの出場で1アシストを記録。3月26日2ndレグは、前日モロッコで開催された代表親善試合に招集(出場)のため欠場。 帰国後の4月2日、決勝カスカヴェウ戦1stレグは、後半18分から出場し試合終了直前のPKで勝ち越しゴール。4月9日2ndレグは、後半6分からの出場で州選手権優勝をピッチの上で迎える。
4月は州選手権が閉幕し、全国選手権が開幕。リベルタドーレスとコパ・ド・ブラジルが並行して開催され、ヴィトル・ホッキは4月に9試合(うち先発5試合)、5月9試合(うち先発8試合)の過酷な日程で、この2か月は6得点1アシストに止まる。 しかし、国際Aマッチデーによる小休止を含んだ6月以降は9月2日までの間に、19試合(うち先発18試合)11試合4アシストを記録。9月7日にはU-23代表としてモロッコU-23との国際親善試合に出場。
帰国後初戦の9月21日全国選手権第24節インテルナシオナウ戦に先発出場。前半11分、相手陣右サイドをゴールライン際に抜け出し、スルーパスを受けようとしたところをディフェンダーに後方から足を刈られ、転倒する際に右足首を捻り靭帯断裂。2か月戦列を離れる。
11月25日全国選手権第35節ヴァスコ・ダ・ガマ戦で後半19分の交代出場で復帰。 11月30日第36節クルゼイロ戦では後半開始時にピッチに立つと後半20分に復帰後の初ゴール。 12月3日、ホーム最終戦となる第37節サントス戦でスタメンで起用されると後半40分までプレー。アトレチコ・パラナエンセサポーターの前で最後の勇姿を披露し2023年シーズンを締めくくった。
≪バルセロナ≫
– 2023/24 –
これ以降は、多くのメディアやWeb上でヴィトル・ホッキ選手に関する多くの情報が収集できるようになると思われますので、当ブログでは情報更新を終了します。
Vitor! Boa Sorte!!!
≪シーズン別クラブ成績≫
シーズン | 所属 | 大会 | 試合 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2021年(16歳) | クルゼイロ | 全国選手権2部 | 5 | 137 | 0 | 0 |
合計 | 5 | 137 | 0 | 0 | ||
2022年(17歳) | クルゼイロ | 全国選手権2部 | 1 | 35 | 0 | 0 |
コパ・ド・ブラジル | 2 | 101 | 3 | 0 | ||
州選手権 | 8 | 489 | 3 | 1 | ||
合計 | 11 | 625 | 6 | 1 | ||
アトレチコ・パラナエンセ | リベルタドーレス | 7 | 454 | 2 | 2 | |
全国選手権 | 29 | 1310 | 5 | 1 | ||
合計 | 36 | 1764 | 7 | 3 | ||
2023年(18歳) | アトレチコ・パラナエンセ | リベルタドーレス | 8 | 612 | 4 | 1 |
全国選手権 | 25 | 1723 | 12 | 2 | ||
コパ・ド・ブラジル | 6 | 538 | 1 | 2 | ||
州選手権 | 6 | 277 | 4 | 2 | ||
合計 | 45 | 3150 | 21 | 7 | ||
2023/24年(19歳) | バルセロナ/ESP | ラ・リーガ | ||||
合計 |
イタリック斜体は、2023年12月21日現在の記録。 ※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。
<代表経歴>
2022年6月のパラグアイ、エクアドル、ウルグアイとのU-20国際大会では17歳にして3試合すべてに出場。最終戦のウルグアイ戦で1ゴールを記録。
2022年9月のアルゼンチン、ウルグアイ、ウズベキスタンとのU-20国際大会はチーム事情により招集を辞退。
2022年11月17、19日の両日に行われるチリとの親善試合に向けたU-20代表に招集。両試合にスターティングイレブンとして出場。
2023年U-20南米ユース選手権
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-20代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日 | 節 | 対戦 相手 | 試合 結果 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2023/01/19 | 予選R第1節 | ペルー | 3 – 0 | 90 | 2 | 1 |
2023/01/23 | 予選R第3節 | アルゼンチン | 3 – 1 | 90 | 1 | 0 |
2023/01/25 | 予選R第4節 | コロンビア | 1 – 1 | – | – | – |
2023/01/27 | 予選R第5節 | パラグアイ | 2 – 1 | 38 | 0 | 0 |
2023/01/31 | 決勝R第1節 | エクアドル | 3 – 1 | 45 | 2 | 0 |
2023/02/03 | 決勝R第2節 | ベネズエラ | 3 – 0 | 89 | 1 | 0 |
2023/02/06 | 決勝R第3節 | パラグアイ | 2 – 0 | 76 | 0 | 0 |
2023/02/09 | 決勝R第4節 | コロンビア | 0 – 0 | 90 | 0 | 0 |
2023/02/12 | 決勝R第5節 | ウルグアイ | 2 – 0 | 90 | 0 | 0 |
19 – 4 | 598 | 6 | 1 |
常にゴールを目指すどん欲さを見せる。
ほぼワントップの状態でプレー。常にCB、VOLにマークされるが、前後に頻繁に動き自身のマークをかわすと同時に、相手守備ラインがあがれば中盤から両翼ライン裏へ効果的なパス供給の筋道をつける。
1点目は、センターフォワードらしくゴールに近い位置でこぼれ球に反応。 2、3点目は、ペナルティエリア内でボールを奪いに行き倒されて獲得したPKを自らが決める。 4点目、センターサークル内でボールを受けドリブルでゴールに向かう。一度は相手VOLにボールを奪われそうになるが強引に抜き去り、CBもフェイントでかわしてシュート。 5点目は、相手CBの間でボールを受けそのまま抜け出し、相手GKの位置をよく見て放ったシュート。 6点目は、スルーパスに反応し相手守備ラインの裏に飛び出し、ボールを軽く浮かして間合いを詰めるGKをかわすシュート。
得点シーン以外にも、チームが中盤でボールを保持する局面ではラインの裏を窺い、サイドからのクロスボールには巧みなポジショニングでシュートに持ち込むシーンを多く作りだす。 チームのパフォーマンスが低調になると、センターサークル付近まで下がりボールを要求し、強引にも思える推進力でボールを前に運び、チームを叱咤しているかのような場面も見られた。
その一つ一つのプレーの根底には、「試合に勝ちたい」「ゴールを奪いたい」という気持ちが人一倍強くあるように思えた。
17歳ながら、熱い気持ちと巧妙なオフザボールの動き、相手守備陣との駆け引き、卓越したシュート技術やシュートに持ち込むポジション取りは、U-20世代の中でもひときわ輝いていた。
同大会は6得点をあげ、アンドレイ・サントスとともに得点王に輝く。
2023年3月25日開催の親善試合モロッコ戦に向けたハモン・メネゼス監督代行率いるフル代表に招集。 後半20分に交代出場を果たし、18歳と26日での代表デビュー。2001年以降での代表最年少デビューを記録した。
≪シーズン別代表成績≫
年 | 大会 | 試合 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|
2023年(19歳) | U-20南米ユース選手権 | 8 | 598 | 6 | 1 |
国際親善試合 | 1 | 25 | 0 | 0 | |
-モロッコ戦 | 25 | 0 | 0 |
2023年12月21日現在 ※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。
<躍進の2022年>
主に中央、センターフォワードとしてプレー。守備から攻撃に移行する局面ではサイドに流れスピードを活かしてディフェンダーの裏を狙い、サイドでボールを持つと巧みなドリブルとスピードでチャンスを作る。相手ゴール前では巧みにディフェンスのマークを外しシュートに持ち込み、あるいは一瞬のスピードで最終ライン裏へ飛び出しクロスボールやスルーパスに反応するなど、2022年シーズンは17歳とは思えない数々のプレーを披露した。
リベルタドーレス準々決勝での試合終了間際の勝ち越し弾、2021年二冠のアトレチコ・ミネイロからは年間で計3ゴールをあげ、後に2022年全国選手権覇者となるパウメイラスからは選手権で1得点、リベルタドーレス準決勝で2アシストを記録するなど、強豪との対戦や大一番での活躍が印象的な2022年シーズンだった。
スポーツをメインにしたコンサルタント会社Pluri Consultoria社が算出した2022年シーズン終了時点での市場評価額によると、ヴィトル・ホッキはブラジル国内でプレーするブラジル人選手の中で3位と算出されている。また、1年前の市場評価額からの上昇率は、1518%となり1位となった。 「数多くいる若手の有望株の一人」という評価から「リーグを代表する選手の一人」へと、僅か1年で、数字に残る成績と共に印象に残る数々のプレーで勝ち得た評価といえる。
<18歳を迎える2023年>
2023/03/10追記
2023年2月28日に18歳の誕生日を迎えた。 ブラジルでは18歳以上に国外就業が認められるため、この日をもってヴィトル・ホッキは国外クラブへの移籍が法的に可能となる。
すでに2022年の活躍で国外クラブからの注目が高かったが、2023年U-20南米ユース選手権での活躍はその評価をさらに上げるものとなった。アトレチコ・パラナエンセも条件次第では移籍をやむを得ずと認識している。
ブラジルでの報道では、2023年3月9日時点で、インテルミラノ/ITA、バルセロナ/ESP、アーセナル/ENGがアトレチコ・パラナエンセと交渉を開始。その中でもバルセロナの提示する条件が最もよくアトレチコ・パラナエンセが最低ラインとする内容を上回っており、合意に近づいているといわれている。
<バルセロナ?>
2023/06/18追記
2023年6月18日、ブラジルスポーツサイト「ge」によると、アトレチコ・パラナエンセ幹部がバルセロナに赴き、公式に会談、ヴィトル・ホッキの交渉が進展したと伝えている。 契約期間は5年。移籍金は3500万ユーロ+ボーナス1000万ユーロになる見込み。 移籍時期についてはまだ合意に至らず、アトレチコ・パラナエンセ側は2023年末(ブラジル全国選手権終了後)もしくは2024年の欧州移籍ウィンドウを主張、バルセロナ側はファイナンシャルフェアプレー制度に抵触しなければ2023年7月にも獲得を望んでいる。
<バルセロナ>
2023/12/21追加
バルセロナがヴィトル・ホッキ(Vitor Roque)選手の獲得を発表![2023.07.12]
ヴィトル・ホッキ(Vitor Roque)選手 2024年1月にバルセロナへ [2023.10.16]
<エピソード、雑感 etc.>
アメリカ・ミネイロ入団時のU-10監督ルシアーノ(Luciano)は、ヴィトル・ホッキを擁して数々のタイトルを手にした。「彼が出場した試合は1試合しか負けていません。彼がピッチに立つと必ずチームにポジティブなことが起きると確信してました。」と誇らしげに当時の思い出を話した。 そして、ヴィトル・ホッキのサッカー選手としての成功について、「お母さんとお姉さんが一緒にベロオリゾンテに引っ越して常に身近にいたことが良かったのだと思います。ヴィトルは学ぶことにとても意欲的で、常に謙虚な姿勢で監督である私やご家族のアドバイスに耳を傾けていました。」と話す。 クルゼイロへの移籍を耳にしたとき、ルシアーノは驚きを隠せなかったという。しかし、この移籍はヴィトルのキャリアや人生にとって大きなチャンスなのだと自身に言い聞かせた。そして、今ではヴィトルのファンの一人として応援しているという。
アトレチコ・パラナエンセでの「フェリポン」こと名将ルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督との出会いもヴィトル・ホッキの活躍の一因であろう。攻撃的な選手のプレースタイルやインスピレーションを尊重し、選手の組み合わせに応じて戦術を練るフェリポンのスタイルは、クラブや代表で多くのタイトルを獲得する一方で若手選手の育成でも数多くの結果を残してきた。 5月14日の全国選手権第6節から指揮を執るアトレチコでも、交代枠を上手く利用しながら多くの若手選手を起用。ヴィトル・ホッキについては、日増しに過熱していく報道陣やサポーターからの期待を試合後のカンファレンスでたしなめるコメントを発する一方、リベルタドーレスの準決勝、決勝といった大きな試合でスタメンに抜擢しヴィトルへの信頼を表現するなど、ヴィトルが自信を深める起用法に見えた。
2022年全国選手権を終えた時点で監督業を引退したスコラーリ氏。
ヴィトル・ホッキは、スコラーリ氏が監督として育て上げた最後で、もしかしたら、最高の選手になるかも知れない。