【ブラジル全国選手権2023】第9節(1/2)

投稿者: | 2023年6月2日

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全国選手権第9節 対戦組合せ


以下の5試合はこの記事で。
・2023/06/03 フォルタレーザ(FOR) x バイーア(BAH)
・2023/06/03 クルゼイロ(CRU) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
・2023/06/03 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x ボタフォゴ(BOT)
・2023/06/03 アメリカ・ミネイロ(AME) x コリンチャンス(COR)
・2023/06/03 サントス(SAN) x インテルナシオナウ(INT)
以下の5試合はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2023】第9節(2/2)
・2023/06/04 フルミネンセ(FLU) x RBブラガンチーノ(RBB)
2023/06/04 グレミオ(GRE) x サンパウロ(SAO)
2023/06/04 パウメイラス(PAL) x コリチバ(CFC)
2023/06/04 ゴイアス(GOI) x クイアバ(CUI)
2023/06/05 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x フラメンゴ(FLA)

全国選手権第9節 試合概要

フォルタレーザ(FOR) 0-0 バイーア(BAH)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=PijCj3jBG2M
(FOR) : N/A
(BAH) : N/A

見どころ

   フォルタレーザは全国選手権3勝4分1敗勝点13の9位。
   3試合連続で引き分けた後に2連敗と勝てない時期が続いたが、最近3試合はコパ・スウアメリカーナ、全国選手権、コパ・ド・ブラジルと異なる大会で3連勝。コパ・ド・ブラジルは0-3の1stレグを受けての試合だったため、パウメイラスは守備に重点を置きカウンター狙いだったが、カウンターを未然に防ぎ無失点に抑えた点は評価できる。一方で、引いた相手に決定的な場面を多く作り出せずにいた点は課題として残る。
   バイーアは全国選手権2勝1分5敗勝点7の16位。
   チームは直近の公式戦6試合に勝ち星がなく、このうち全国選手権は1分3敗とチーム状態は低迷。週中のコパ・ド・ブラジルでは、今季のチームを牽引してきたWBジャカレー(Jacaré, 1999)とFWビエウ(Biel, 2001)が共に太もも裏の筋肉系のケガで負傷交代。試合は1-1で引き分け、PK戦の末ベスト8進出を決めたが、大きな代償を払った。
   今節は恐らく前述の2選手を欠いての試合となるが、交代で起用される選手を含めチーム一丸となって逆境を乗り越えたい。
   この2チームは、2月14日コパ・ド・ノルデスチ第3節で対戦。この時は3-0でフォルタレーザが勝利を収めている。

得点シーン

N/A

試合概要

   立ち上がりはホームのフォルタレーザが主に左サイドのSBブルーノ・パシェコ(Bruno Pacheco, 1991)を起点とした攻撃でゴールをうかがう。フォルタレーザの初シュートは前半9分、右CKからFWチアゴ・ガリャルド(Thiago Galhardo, 1995)がヘディングシュートを放つが大きく枠を外れる。一方のバイーアの初シュートは前半21分、左サイドでボールを受けたVOLタシアーノ(Thaciano, 1995)がドリブルで斜めに切れ込みシュート。これも大きく枠を越える。
   前半16分にバイーアCBヴィトル・ウーゴ(Vitor Hugo, 1991)が空中戦で頭を接触、前半42分にはフォルタレーザFWホマリーニョ(Romarinho, 1994)が太ももの違和感、前半45+7分にはホマリーニョに替わりピッチに立ったFWギリェルミ(Guilherme, 1995)が後方からのロングボールを追い、飛び出した相手GKと接触。立ち上がることができず救急車で運ばれるアクシデントがあるなど、前半のうちに3つの交代枠が使われる荒れた試合となる。(速報によるとギリェルミは意識もしっかりとしており、緊急検査では異常は見られなかったとのこと)。
   前半に大きな見せ場のなかった試合は、後半3分、フォルタレーザが最終ラインのディフェンダーが前に出たスペースで浮き球のパスを受けたMFヤゴ・ピカチュー(Yago Pikachu, 1992)が大きなチャンスを迎えるがシュートは枠を捉えない。後半7分には、ワンタッチのパスで中央の縦パスから右に展開、中央のクロスをヘディングと綺麗な流れでフィニッシュに持ち込むが、シュートは僅かに枠を捉えない。
   その後は中盤でのボールの奪い合いが激しくなり、お互いのファールも増え、試合は拮抗する。
   後半45+3分、相手GKのフィードを奪い、素早く右に展開し、クロスを中央へ供給。綺麗な流れだったが左WBシシーニョ(Cicinho, 1988)のディフェンダーの背後から飛び出したダイレクトのシュートは僅かにクロスバーを越える。
   互いに大きなチャンスを迎えることのなかった試合はスコアレスドロー。勝ち点1を分け合った。

補足情報、 所感 etc.

   フォルタレーザは後半開始後の僅かな時間に続けてチャンスを迎えたが、これ以外には相手守備を崩すことが出来ず、勝ち点1を積み上げるのみ。3大会にまたがる4試合連続のホーム戦は3勝1分、最後を勝利で飾ることが出来なかった。
   次戦は中2日で4戦4勝のコパ・スウアメリカーナ、対戦相手は4戦4敗。上手く選手を起用し、3月から続く月間9試合の日程が小休止となる一週間後の全国選手権第10節首位ボタフォゴ戦に全力で挑みたい。
   バイーアは今季攻撃を牽引してきた2選手の欠場のため攻撃に迫力を欠く。一方で中盤での厳しいマークで相手の長所を消すことに成功し、アウェイでなんとか勝ち点1を勝ち取った。降格圏は目の前だが、一つ一つの試合に集中し、少しでも勝ち点を積み上げていきたい。
   次戦は一週間後の全国選手権第10節、ホームでのクルゼイロ戦。今季の昇格組の対戦となるが、順位表の上では大きく差をつけられている。ケガ人の状況が気になるが、少なくともこれ以上勝ち点の差をつけられたくない。

クルゼイロ(CRU) 0-1 アトレチコ・ミネイロ(CAM)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=fuRDJcnLmEE

(CAM) : 27' #7 フッキ(Hulk, 1986)[FK]
(CRU) : N/A

見どころ

   クルゼイロは全国選手権4勝1分3敗勝点13の6位。
   直近の公式戦は4試合に勝ち星がないが、いずれの試合も得点機の回数、内容は上回っていただけにもどかしい試合が続いている。週中のコパ・ド・ブラジルも相手GKの再三の好セーブやゴールライン上でのクリア、シュートがクロスバーに嫌われるなど、得点が奪えない一方で、守備では被シュート5本に抑えたにもかかわらずビルドアップミスを突かれ失点、涙をのんだ。
   今節アトレチコ・ミネイロとのクラシコでは、ホームサポーターの応援を後押しに、勝利を収めて悪い流れを断ち切りたい。
   アトレチコ・ミネイロは全国選手権4勝2分2敗勝点14の4位。
   全国選手権は最近の4試合を3勝1分とし順位も4位まで浮上。しかし、1stレグを2-0のリードで迎えた週中のコパ・ド・ブラジル2ndレグでは、主力選手を温存した先発陣で試合に臨むものの、前半は相手に主導権を握られ0-1とリードを許す。後半開始時に一気に4選手を交代するが、主導権を奪うことが出来ず、逆に1失点し2試合合計で同点、PK戦の末敗退する采配ミス。この失敗を引きずらずに今節は試合に臨みたい。
   アトレチコ・ミネイロから、CBマウリシオ・レーモス(Mauricio Lemos, 1995)がマルセロ・ビエルサ(Marcelo Bielsa)監督率いるウルグアイ代表に招集。ウルグアイ代表は6月14日にニカラグア代表、6月20日にキューバ代表と対戦する。

得点シーン

(CAM)前半27分 :
ゴール正面約35mのFK。FWフッキが十分な助走をとって放った低い弾道のシュートは僅かに揺れてゴール右隅に突き刺さるゴラッソ。
   FWフッキは7月に37歳となるが、シュート力はまだまだ衰えていない。このゴールで全国選手権9試合5得点2アシスト、全国選手権得点ランキングは暫定ながら1位まで1得点差の2位。

試合概要

   ホームのクルゼイロが相手陣でボールを奪いに行き、ボールを奪ってはパスを回しながら攻撃の糸口を探す。アトレチコ・ミネイロは、自陣に引いた守備で中央を固め、スピードのあるFWが主導するカウンターを虎視眈々と狙う。
   前半27分、クルゼイロ陣内でカウンターから抜け出そうとするFWフッキをファールで止める。ゴールまで約35mの位置からのFKにクルゼイロは壁を作らない。しかし、FWフッキが直接狙ったシュートはGKハファエウ・カブラウ(Rafael Cabral, 1990)の飛びつく指先を抜けゴールに突き刺さる。
   前半35分、クルゼイロはペナルティエリア右手前からのクロスにVOLマテウス・ジュッサ(Matheus Jussa, 1996)がディフェンスの前に入りハーフボレーでシュートを放つが、GKエヴェルトン(Éverson, 1990)が僅かに手でボールを弾き出す好セーブ。
   アディショナルタイムに入り、アトレチコ・ミネイロ、クルゼイロが続けてゴールネットを揺らすが、いずれもVARによりオフサイドが判定され、ゴールは認められない。
   後半も試合の展開は変わらない。後半5分、クルゼイロの右サイドからのSBマルロン(Marlon, 1997)のFKは誰にも合わずGKの手前でワンバウンドする難しいボール。これをGKエヴェルソンが辛うじてCKに逃れる。後半16分には左サイドからのクロスにFWウェズレイ(WEsley, 1999)が逆サイドでフリーの状態で頭を合わせるが、再びGKエヴェルソンがボールを弾き出す。
   一方のアトレチコ・ミネイロも後半22分にFKから直接狙いGKハファエウ・カブラウがクリア、そのこぼれ球をアトレチコが拾いゴール前にクロス、ドンピシャのタイミングでMFパトリッキ(Patrick, 1992)が頭に合わせるがGKハファエウ・カブラウが弾き出す。
   後半45+8分には、クリアボールを拾ったクルゼイロVOLマシャード(Machado, 1996)がミドルシュートを放つ。ボールはゴール左隅で枠を捉えるが、GKエヴェルソンが飛びつきしっかりとキャッチ。
   このまま試合はタイムアップ。ウーベルランジアで開催されたベロオリゾンテのクラシコは、FWフッキの前半のゴラッソを守り切り、アウェイのアトレチコ・ミネイロが1-0で勝利を収めた。

補足情報、 所感 etc.

   クルゼイロはまたしても試合を優位に運びながら勝ち点3を奪えなかった。シュート数19本(CMA7本)、枠内シュート6本(CMA3本)を記録しながら、アトレチコ・ミネイロGKエヴェルソンの再三にわたるスーパーセーブもあり無得点、ホームでの2連戦で1点も奪うことが出来なかった。さらには最近の4試合でゴールはSBマルロンの1ゴールのみ。戦術的に人数をかけた攻撃でFW陣にはゴールだけでなく味方のスペースを作るプレーも要求されているが、それにしてもFW陣がゴールから遠ざかっている。
   次戦は一週間後の全国選手権第10節アウェイでのバイーア戦。全国選手権は暫定で9位まで順位を落としているが、これまでと同様に多くのチャンスを作り出し、これまで以上に最後の精度を高め、勝ち点3を勝ち取って再度上位に浮上したい。
   アトレチコ・ミネイロはアウェイで守備を固めカウンターを狙った戦術が嵌り1-0の勝利。この勝利で暫定2位に浮上、首位ボタフォゴまで勝ち点4差まで差を詰めた。
   次戦は中2日でリベルタドーレス。決勝ラウンドに進出にむけて勝たなければならない試合。さらに中3日で来週末は全国選手権第10節RBブラガンチーノ戦。その後は4月から週2試合のペースが続いた日程が国際Aマッチデーのために小休止。首位ボタフォゴを射程圏に捉えたまま小休止に入りたい。

アトレチコ・パラナエンセ(CAP) 1-0 ボタフォゴ(BOT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=aVB2Z9if-4k
(CAP) : 42' #80 アレックス・サンタナ(Alex Santana, 1995)[#9 ヴィトル・ホッキ(Vitor Roque, 2005)]
(BOT) : N/A

見どころ

   この2チームは、週中のコパ・ド・ブラジルに続き、中2日をおいての再戦。週中の試合は、90分ではボタフォゴが1-0で勝利を収めたものの、PK戦の末ベスト8に進出を果たしたのはアトレチコ・パラナエンセ。試合は、ボタフォゴが中盤を支配し、アトレチコ・パラナエンセは中盤を省略してロングボールに活路を求めるが機能せず枠内シュートゼロ。ボタフォゴが内容も結果も上回った試合だった。
   アトレチコ・パラナエンセは全国選手権4勝4敗勝点12の11位。
   コパ・ド・ブラジルボタフォゴ戦1stレグでの勝利以来、勝ち星がなく公式戦4連敗。VOLフェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)などの戦列離脱もあり、中途半端な選手起用で攻守のバランスが崩れている。週中のコパ・ド・ブラジルは上述のとおり試合内容は完敗したもののベスト8に進出、何とか結果を残すことは出来た。
   今節はホームでの再戦。ホームサポーターの前でリベンジを果たしたい。
   ボタフォゴは全国選手権7勝1敗勝点21、スピードと分厚さのある攻撃、中盤のタイトなマーク、緩急を使い分けた試合運びで、全国選手権では2位に勝点5の差をつけ首位を走る。
   前節は全国選手権得点王FWチキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)が遠征に帯同せず休養に充てるも2-0の完勝。週中のコパ・ド・ブラジルではPK戦の末ベスト8進出を絶たれたが、結果(1-0)、試合内容ともに相手を上回った。
   今節はアウェイに場所を移してのアトレチコ・パラナエンセとの再戦になるが、返り討ちにあわせたい。
   アトレチコ・パラナエンセから、FWカノービオ(Canobbio, 1998)がマルセロ・ビエルサ(Marcelo Bielsa)監督率いるウルグアイ代表に招集。ウルグアイ代表は6月14日にニカラグア代表、6月20日にキューバ代表と対戦する。

得点シーン

(CAP)前半42分 :
FWヴィトル・ホッキがペナルティエリア入口から後方へボールを戻すと、VOLアレックス・サンタナがゴール正面約25mのミドルシュートを放つ。これがゴールネット左に突き刺さりアトレチコ・パラナエンセが先制。
   VOLアレックス・サンタナは、2022年7月に4年契約でルドゴレツ・ラズグラド/BULからアトレチコ・パラナエンセに加入。セグンドヴォランチやインサイドハーフでプレーし、チャンスがあればゴール前に顔を出すなど得点力も高い。今季はポジション争いでやや劣勢となっているがこのゴールで出場機会を増やしていきたい。
   FWヴィトル・ホッキはこのプレーで今季全国選手権初アシストを記録。この試合では他にも2度、ゴールライン際からのマイナスのクロスで決定機を演出しておりプレーの幅も広がりつつある。

試合概要

   試合は立ち上がりから激しい展開。初めの15分のうちに、アトレチコ・パラナエンセはFWカノービオが、ボタフォゴはFWチキーニョ・ソアレスが、それぞれ相手ゴールに迫るが、ボタフォゴGKペリ(Perri, 1997)、アトレチコGKベント(Bento, 1999)がゴール前に立ちはだかりゴールを許さない。
   時間の経過とともに試合は落ち着いていくが、前半42分、VOLアレックス・サンタナのゴラッソでアトレチコ・パラナエンセが先制する。
   後半に入り、リードするアトレチコ・パラナエンセは引き気味に守りカウンターをうかがい、ボタフォゴがボールを支配する。しかし、連戦の疲れからか、ボタフォゴはいつものダイナミックな攻撃は影を潜め、簡単にボールを奪われるとアトレチコのカウンターに脅かされる。ボタフォゴはアトレチコの堅固な守備に打つ手を見出せないまま時間が経過、アトレチコはFWカノービオがカウンターから2度の決定機を迎えるなど、ボールを持たれながらも試合をコントロール。試合は1-0のままタイムアップ。アトレチコ・パラナエンセがホームで首位ボタフォゴから勝ち点3を獲得した。

補足情報、 所感 etc.

   アトレチコ・パラナエンセは、この勝利で首位ボタフォゴと6ポイント差の暫定4位に浮上。公式戦の連敗を4で止めた。両SBが相手のスピードあるサイド攻撃に持ち込ませず、中央ではVOLウーゴ・モウラ(Hugo Moura, 1998)がイーブンボールを次々と確保。無尽蔵に走り回ったFWカノービオ、最近は途中出場が多かったFWクエージョ(Cuello, 2000)が相手陣で3度のボール奪取を記録するなど、攻守にボタフォゴを上回った。得点は1点に止まったが決定機も多く、今後に向け収穫の多い試合となった。
   次戦は中2日でホームのリベルタドーレス。グループは混戦となっており勝ち点3を積み上げたい。一週間後には全国選手権第10節アメリカ・ミネイロ戦。いい形で小休止を迎えたい。
   ボタフォゴは、全体的にいつもの運動量がなく、サイドからの攻撃を封じられ、少ないチャンスで相手ゴールに迫るも相手GKの好守に阻まれる。失点はやむを得ない部分もあるが、そのほかにも中盤のボールの奪い合いで後手に回り、GKペリの好守に救われたシーンが複数回見られる。終盤は完全に足が止まり低調な内容で試合を終えた。とは言え、FWチキーニョ・ソアレスは惜しいシュートやチャンスを作り出し、GKペリは安定したセーブを見せて、CBアドリエウソン(Adryelson, 1998)も好調を維持。国際Aマッチデーによる小休止で疲れがとれれば再び波に乗る可能性は高い。
   次戦はグループ首位のコパ・スウアメリカーナ。一週間後には全国選手権第10節アメリカ・ミネイロ戦が控えている。連勝で小休止を迎えたい。

アメリカ・ミネイロ(AME) 2-0 コリンチャンス(COR)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=WtBwtw4OuEY
(AME) : 74' #22 ダニーロ・アヴェラール(Danilo Avelar, 1989)[PK]
(AME) : 87' #78 ヘナト・マルケス(Renato Marques, 2003)[#18 ジュリオ・セーザル(Julio César, 2003)]
(COR) : N/A

見どころ

   アメリカ・ミネイロは全国選手権1勝1分6敗勝点4の19位。
   コパ・ド・ブラジルベスト16インテルナシオナウ戦1stレグ、全国選手権第7節フォルタレーザと公式戦2連勝を飾り、長いトンネルを抜け出したかに思われたが、続くコパ・スウアメリカーナ、全国選手権第8節、コパ・ド・ブラジル2ndレグで3連敗。コパ・ド・ブラジルでは2試合合計で一時は逆転を許したものの、試合終盤に追いつき、PK戦の末ベスト8進出できたことが唯一の救いか。
   この連敗中は再び複数失点を繰り返しているが、今節は守備的な試合が続いているコリンチャンス。相手の得点源となる両FWとボールの出どころにしっかりとマークがつき、安易に失点せずに試合を終えたい。
   コリンチャンスは全国選手権2勝2分4敗勝点8の14位。
   前節フルミネンセ戦で9試合ぶりの勝利を収めると、週中のコパ・ド・ブラジルでは2-0の勝利、PK戦の末ベスト8進出を果たす。最近の公式戦は3試合連続で無失点だが、リベルタドーレスでのアルヘンティーノス・ジュニオルス、全国選手権で上位を争い演じている攻撃力が持ち味のフルミネンセとアトレチコ・ミネイロが相手だっただけに自信となる内容だった。
   今節は下位に低迷しているアメリカ・ミネイロとの対戦。どのような戦術でどういう結果に終わるか、今後の戦いを見るうえで興味深い一戦になりそうだ。
   コリンチャンスから、CBブルーノ・メンデス(Bruno Méndez, 1999)がマルセロ・ビエルサ(Marcelo Bielsa)監督率いるウルグアイ代表に招集。ウルグアイ代表は6月14日にニカラグア代表、6月20日にキューバ代表と対戦する。

得点シーン

(AME)後半29分 :
自陣ペナルティエリアからパスを5本繋ぎ相手ペナルティエリア内ゴールライン際までボールを繋ぐ。そこからマ中央でクロスを送るがGKがキャッチ。しかし、VARの介入によりクロスを送った際にコリンチャンスディフェンダーのハンドが確認されアメリカ・ミネイロがPKを獲得。CBダニーロ・アヴェラールがきっちりと決めホームのアメリカ・ミネイロが先制。
   CBダニーロ・アヴェラールは、2018年途中から2020年までコリンチャンスで左SBとしてプレー。101試合12得点3アシストを記録している。一年間のブランクを経て2022年にアメリカ・ミネイロに加入。今季はこれまで交代出場が多く、このゴールが2023年シーズンの初ゴールとなった。
(AME)後半42分 :
敵陣右サイドライン際でボールを受けたSBジュリオ・セーザルがそのまま持ち上がり、ゴールライン際で相手ディフェンダーをかわして中に切れ込みマイナスのクロス。これをFWヘナト・マルケスがダイレクトにシュート。ボールはディフェンダーに当たりゴール左隅に流れ込み、アメリカ・ミネイロに試合を決定づける追加点。
   FWヘナト・マルケスは、2022年3月23日の州選手権でトップチームを飾り、2022年は2試合に出場。2023年5月10日全国選手権第5節にトップチームで今季の初出場を果たすと5試合連続出場。5月20日の第7節ではアシストを記録。今節のこのゴールが嬉しいトップチームでの初ゴールとなった。
   ジュリオ・セーザルはCBが本職。2022年3月26日州選手権でのトップチームデビューでは24分間のプレー。週中のコパ・スウアメリカーナではデビュー戦以来の試合でCBとしてスタメンに抜擢される。この試合では守備固めとして右SBに起用されたが、貴重な追加点のアシストを記録。
   2003年生まれ、年初にはU-20全国大会カップ戦で準優勝に輝いた若い2人によるゴールでチームの勝利を呼び込んだ。

試合概要

   試合はいきなりアウェイのコリンチャンスが大きなチャンスを迎える。前半7分、右サイド浅い位置からのVOLファウスト・ベラ(Fausto Vera, 2000)のクロスに、守備ラインの裏に抜け出したFWホージェル・ゲデス(Róger Guedes, 1996)が頭を合わせる。しかし、これはクロスバーに直撃。ゴールラインを割ることが出来ない。
   しかし、この後はお互いに相手にボールが渡ると素早く帰陣し、中盤が素早くボール保持者にマークにつき、攻撃の形を作らせない。両チームとも相手の守備網を潜り抜けることができず、決定的なチャンスもなく、盛り上がりに欠いたまま試合は前半を終える。
   後半も両チームともに守備に重点を置いて始まる。後半9分、ペナルティエリア入口で混戦となり、アメリカ・ミネイロがシュートに持ち込むがGKカシオ(Cássio, 1987)がボールをしっかりキャッチ。後半24分、アメリカ・ミネイロは自陣ペナルティエリアからボールを繋いで相手ゴールライン際までボールを運びクロス。これが相手のハンドを誘いPKを獲得。このPKをCBダニーロ・アヴェラールが落ち着いて決めアメリカ・ミネイロが先制。さらに後半42分にアメリカ・ミネイロが追加点を奪う。
   コリンチャンスも後半44分に右サイドライン際からでFWペドロ(Pedro, 2006)がドリブルでペナルティエリアに侵入、そのままゴールライン際まで持ち込むが相手に倒されPKを獲得。SBファビオ・サントス(Fábio Santos, 1985)のPKは枠を大きく越える。
   後半45+6分、再びFWペドロがドリブルで持ち込みペナルティエリア入口からシュート。シュートは枠を捉えるがGKパジナット(Pasinato, 1995)が辛うじてCKに逃れる。

補足情報、 所感 etc.

   アメリカ・ミネイロは今季の全国選手権では初、公式戦では5月17日コパ・ド・ブラジル以来の無失点試合を飾った。これで全国選手権2勝目。まだ降格圏内だがすでに今節の試合を終えているコリンチャンス、バイーアと勝点差1まで詰めてきた。
   1点目は自陣からパスを繋ぎ、2点目は高い位置でボールを奪い途中出場の若手選手によるゴール。下位に低迷しているため試合では守備にならざるをえない状況だが、シーズン当初からチャレンジしている攻撃面での形が少しずつ成果を出し始めたか。
   次戦は中2日でコパ・スウアメリカーナ。グループ2位に勝点差5の3位で位置づけが難しい試合。一週間後には全国選手権第10節アトレチコ・パラナエンセ戦が控えている。
   コリンチャンスは、前半初めのFWホージェル・ゲデスのヘディングシュートと、試合終盤の2度にわたるFWペドロの個人技以外に攻撃面ではいいところがなく、公式戦の連勝は2でストップ。守備に重点を置いた相手に効果的な攻撃を繰り出すことが出来ず、後半途中からケガ明けの攻撃の要MFヘナト・アウグスト(Renato Augusto, 1988)を投入するも相手ゴールをこじ開けることができなかった。
   次戦は中3日でリベルタドーレス。勝点差2で追う2位チームとのアウェイでの試合だが、決勝ラウンドに進出のためには勝ち点3が必須。一週間後には全国選手権第10節クイアバ戦。下位に低迷するチーム同士の対戦だが、相手は攻守に組織的でサイドからの攻撃に強みを持つ。今節の二の舞は遠慮したい。

サントス(SAN) 1-1 インテルナシオナウ(INT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=0hk6FAa-hhs
(INT) : 3' #9 ルイス・アドリアーノ(9.Luiz Adriano, 1987)[#30 ジョニー(Johnny, 2001)]
(SAN) : 12' #23 ルーカス・リマ(Lucas Lima, 1990)[FK]

見どころ

   サントスは全国選手権3勝2分3敗勝点11の12位。
   最近の公式戦は5試合に勝ち星がなく、3分2敗2得点5失点。試合の立ち上がりや一時的には高い位置からのプレスを仕掛けるものの、時間の経過とともに押し込まれ、ボールの奪う位置が低くなり相手ゴールから遠ざかる。自陣からの攻撃ではサイドを起点に攻めあがるが、中央の人数が足りず、攻撃に厚みが生まれない。
   週中のコパ・ド・ブラジルでは、試合終了間際に同点に追いついたが、PK戦の末敗退。
   今節も最終ラインと両ボランチが中を閉じた守備的な試合となりそうだが、最低でも勝ち点1は積み上げたい。
   インテルナシオナウは全国選手権3勝1分4敗勝点10の13位。
   公式戦5連敗ののち3連勝。その5連敗中は僅かに1得点と長いトンネルに入っていたが、リベルタドーレス、全国選手権、コパ・ド・ブラジルと複数得点をあげることができた。しかし、コパ・ド・ブラジルでは3得点はいずれもセットプレーからで流れからは得点を奪えず、試合終盤は守備を固めるも1点差を守り切ることができずPK戦の末敗退。ケガで欠場のFWルイス・アドリアーノ(Luiz Adriano, 1987)に替わるFWルーカ(Lucca, 2003)がPKを誘発し、PKながらFWペドロ・エンヒキ(Pedro Henrique, 1990)が19試合ぶりの得点をマークしたことが数少ない明るい材料か。
   高さと一対一の強さを誇るサントス両CBを相手に、上向きになりつつ攻撃陣がゴールを奪うことができるだろうか。

得点シーン

(INT)前半3分 :
右CKのキッカーはFWヴァンデルソン(Wanderson, 1994)。深く蹴ったボールはクリアされるが、VOLジョニーが背中越しに前にボールを送ると、タイミングよく抜け出したFWルイス・アドリアーノが絶妙のトラップでボールを納めシュート。これがゴールネットに突き刺さり早くもインテルナシオナウが先制。
   FWルイス・アドリアーノはしばらくゴールから遠ざかったが、5月25日のリベルタドーレスで15試合ぶりのゴールを決めると、再び2試合ぶりにゴール。オン、オフザボールの動き出しだけでなくゴールも量産体制に入ったか。
   FWヴァンデルソンは、父がプレーしたアヤックス/HOLの下部組織に8歳で入団。その後ベールスホットAC/BELに移り2012/13シーズンに18歳で同クラブからデビュー。ベルギー、スペイン、オーストリア、ロシアでプレーした後、2022年3月11日にインテルナシオナウに加入。27歳にして初めてブラジルクラブに入団した。スピードがあり守備の貢献度や戦術理解も高く、加入後間もなくレギュラーに定着。マノ・メネゼス(Mano Menezes)監督の欠かせないピースとなっている。
(SAN)前半12分 :
ペナルティアークで獲得したFK。右足のMFソテウド(Soteldo, 1997)と左足のMFルーカス・リマが並ぶ。MFルーカス・リマが蹴ったボールは壁の脇を通りゴールサイドネットを揺らす。
   MFルーカス・リマはサントス在籍時の2015年9月から2017年1月にかけてブラジル代表に招集。2018W杯南米予選、2016コパ・アメリカ、親善試合など14試合に出場し2得点を記録。2018年にパウメイラスに移籍しキャリアのピークを迎えるが、アベウ・フェヘイラ監督の就任を機にポジションを失い2021年にフォルタレーザへ期限付き移籍。2022年末にパウメイラスとの契約が終了すると、古巣のサントスと州選手権終了時までの契約を結ぶ。州選手権での活躍が認められ全国選手権終了まで契約を更新。高騰した月俸や戦術が制限されるプレースタイルがネックとなり、プレーするクラブの確保に苦しんでいる。

試合概要

   立ち上がりはインテルナシオナウが相手陣でのプレスから次々とボールを奪い試合を優位に進めると、前半3分に早くも先制。その後も攻撃の手綱を緩めず攻め続け、追加点も間もなくかと思われた。しかし、前半12分にペナルティエリアすぐ外で相手の不用意なファールからFKのチャンスを獲得するとMFルーカス・リマが直接ゴールを決め同点。
   前半20分に差し掛かるとサントスは守備を修正。左右に広く開いたインテルの両翼へのボールの供給元に前後から挟み込むようにプレスをかけ、攻撃を無力化することに成功。試合は拮抗した展開となる。
   後半に入り、センターフォワードにFWデイヴィジ・ワシントン(Deivid Washington, 2005)とタイプの異なるFWメゼンガ(Mezenga, 1988)を投入。サントスは右サイドを起点に次々と相手ゴールに迫る。インテルも選手交代を通して攻守に修正を図るが監督の意図するようには機能しない。サントスが後半は支配し、流れやセットプレーからインテルゴールに迫るが、最後の局面の精度に欠け勝ち越すことが出来ない。
   試合はこのまま1-1でタイムアップ。中位同士の試合はどちらも上位進出のきっかけとなる勝ち点3を奪えず勝ち点1を分け合った。

補足情報、 所感 etc.

   サントスは、これで6試合勝ち星がなく、その間の得点は僅かに3。高い位置でのボール奪取や中盤のマークが厳しくはなっているものの、攻撃に人数をかける場面は少なく、得点を量産できないでいる。それだけに、この試合での唯一の得点となったFKやCKの精度を高め少ないチャンスをものにする試合を増やしたい。
   次戦は中2日でのコパ・スウアメリカーナ。グループ3位につけるが勝点差3で追う2位チームとは直接対決は済んでいるだけに試合の位置づけが難しい。一週間後には全国選手権第10節コリチバ戦が控える。
   インテルナシオナウは公式戦3連勝でストップ。中盤でボールを保持できないなか、最初の選手交代で前線で待つタイプのFWを投入するなど、意図の理解しかねる采配。ピッチサイドからマノ・メネゼス監督が大声で指示を出し続けるなど、選手も監督の意図ができていなかったのではなかろうか。結局試合の立ち上がり以外は試合の流れを掴むことが出来ず、1-1の引き分け。アウェイで勝ち点1を積み上げることが御の字と言える試合だった。
   次戦はグループ首位のリベルタドーレス。勝ち点1差の相手を叩いて決勝ラウンドに進出を一気に決めたい。一週間後には全国選手権第10節で降格圏に低迷するヴァスコ・ダ・ガマとの対戦が控えている。

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