2023年U-20W杯 準々決勝 イスラエル x ブラジル

投稿者: | 2023年6月3日

イスラエル 3-2 ブラジル

BRA:    56' ... #9 マルコス・レオナルド(Marcos Leonardo)
ISR: 60' ... #7 MFカライリ(Khalaili)
BRA:    91' ... #19 マテウス・ナシメント(Matheus Nascimento)
ISR: 93' ... #11 シブリ(Shibli)
ISR: 105+3' ... #9 タージマン(Turgeman)

ダイジェスト動画URL

https://www.youtube.com/watch?v=VJ-Uwb-uMO0

ブラジルU-20代表メンバー表

「背番号」欄の"〇"はフル出場。"△"はin、"▽"はout。"X"はベンチ外
背番号ポジション名前所属得点、カード、
交代等
〇 12GK /
Goleiro
カイーキ
Kaíque
パウメイラス
Palmeiras 
21GK /
Goleiro
カウアン・サントス
Kauã Santos
フラメンゴ
Flamengo
1GK /
Goleiro
ミカエウ
Mycael
アトレチコ・パラナエンセ
Athletico Paranaense
✕2SB /
Lateral
アルトゥール
Arthur
アメリカ・ミネイロ
América -MG
6SB /
Lateral
カイキ・ブルーノ
Kaiki Bruno
クルゼイロ
Cruzeiro
▽ 13SB /
Lateral
アンドレ・ドミニーキ
André Dhominique
バイーア
Bahia
↓96′
〇 3CB /
Zagueiro
ジアン・ペドローゾ
Jean Pedroso
コリチバ
Coritiba
Y120+6′
✕4CB /
Zagueiro
ホベルチ・ヘナン
Robert Renan
ゼニト/RUS
Zenit
〇 14CB /
Zagueiro
ドウグラス・メンデス
Douglas Mendes
リーフェリング/AUT
Liefering
〇 5MF /
Meio campista
アンドレイ・サントス
Andrey Santos
ヴァスコダガマ
Vasco da Gama
A91′
〇 8MF /
Meio campista
マルロン・ゴメス
Marlon Gomes
ヴァスコダガマ
Vasco da Gama
▽ 10MF /
Meio campista
マテウス・マルティンス
Matheus Martins
ワトフォード/ENG
Watford
A56′
↓73′
△ 15MF /
Meio campista
ホナウジ
Ronald
グレミオ
Grêmio
↑46′
▽ 11SB /
Lateral
ギリェルミ・ビロ
Guilherme Biro
コリンチャンス
Corinthians
Y45+3′
↓46′
△ 7FW /
Atacante
ジオヴァーニ・エンヒキ
Giovani Henrique
パウメイラス
Palmeiras
↑73′
△ 18FW /
Atacante
ケヴィン
Kevin
パウメイラス
Palmeiras
↑96′
▽ 9FW /
Atacante
マルコス・レオナルド
Marcos Leonardo
サントス
Santos
G56′
↓77′
▽ 20MF /
Meio campista
サーヴィオ
Savio
PSV/HOL
PSV
↓73′
〇 16FW /
Atacante
マルキーニョス
Maquinhos
ノーウィッチシティ/ENG
Norwich City
△ 19FW /
Atacante
マテウス・ナシメント
Matheus Nascimento
ボタフォゴ
Botafogo
↑77′
G91′, Y120+3′
△ 17FW /
Atacante
ジオヴァーニ
Giovane
コリンチャンス
Corinthians
↑73′
監督: ハモン・メネゼス(Ramon Menezes)

見どころ

   ブラジルは、CBホベルチ・ヘナンが退場処分により、右SBアルトゥールが警告累積により出場停止。代わりにCBドウグラス・メンデス、右SBアンドレ・ドミニーキが先発入り。
   左SBカイキ・ブルーノは、予選ラウンドのドミニカ共和国戦で受けた右足首のケガが十分に回復せず、チュニジア戦には出場したものの、準々決勝は大事を取って欠場が濃厚。MFギリェルミ・ビロが左SBに入り、中盤にマテウス・マルティンスが起用される見込み。
   GKミカエウもケガが回復せず、チュニジア戦に引き続きGKカイーキがゴールを守ることが予想されている。
   ブラジルは、これまで開幕節イタリア戦に敗れたものの、続くナイジェリア戦、ドミニカ共和国戦に連勝し、グループDを首位で通過。決勝ラウンド1回戦はチュニジアを相手に前半に2点をリードするが、前半終了間際に退場者を出し、後半は苦しい展開に。しかし、中を閉じた守備でチュニジアの猛攻に耐えるとアディショナルタイムに2点を追加。チュニジアの反撃を1点に抑え準々決勝進出を果たした。
   初戦イタリア戦は、センターバックの控えがおらず、VOLアンドレイ・サントスが早い時間帯にイエローカードを受けたことなども影響し、U-20南米ユース選手権とは異なる戦いぶりで敗戦。この試合もCBホベルチ・ヘナンが出場停止となるが、どのような試合運びを見せるだろうか。
   準々決勝の対戦相手イスラエルは、UEFA U-19欧州選手権2位で今大会の出場圏を獲得。コロンビア、日本、セネガルと同組のグループCを1勝1分1敗の2位で決勝ラウンドに進出。決勝ラウンド1回戦では、AFC U20アジアカップ優勝のウズベキスタンを相手に後半45+7分、FKからの劇的なゴールで準々決勝に駒を進めた。
   サイドからの攻撃を得意とするイスラエルに対し、ブラジルはこれまでスタメンに名を連ねた両サイドバックが欠場。しかし、左SBに起用見込みのMFギリェルミ・ビロはチュニジア戦の後半の多くの時間を左SBでプレー、しっかりと守り切った。また、右SBに起用見込みのアンドレ・ドミニーキはアルトゥールに比べ守備的な選手。上手く対応できるだろう。
   攻撃面では中央でマルコス・レオナルドの近くでプレーしていたマルキーニョスが左サイドにまわり、中央にマテウス・マルティンスが入ると思われる。
   ビルドアップにはVOLアンドレイ・サントスが参加し、スピード豊かな両サイド奥へのロングパス、中央をマルコス・レオナルドやマテウス・マルティンスが下りてきての展開。左右のSBの敵陣深くへのオーバーラップなど攻撃のバラエティーは多い。
   チュニジア戦で苦戦に陥れた不用意な軽いプレーには注意したい。
   キックオフは現地時間 2023/06/03 14:30。(日本時間 2023/06/04 02:30)

前半

   立ち上がりはブラジルが相手陣でのプレスからボールを奪いセットプレーからゴールに迫る。しかし、前半7分にブラジルのCKからのプレーでCBドウグラス・メンデスが負傷。鼻からの出血でピッチを離れるとブラジルは自陣に引いた守備を敷く。イスラエルはサイド、特に右サイドを中心に攻撃を仕掛ける。ブラジルはCBドウグラス・メンデスがピッチに戻ってもボールを奪うことが出来ず、自陣での守備が続く。セカンドボールも多くをイスラエルが確保し、ブラジルはボールを拾えない。拾ってもパスミスが多く、前線にボールを送ってもイスラエルに確保される。
   前半32分に左サイドライン際からVOLマルロン・ゴメスがサイドチェンジ。FWサーヴィオがドリブルで仕掛け、ペナルティエリア角から逆サイドへクロスボールを供給。FWマルキーニョスが角度のない位置で足を合わせるがイスラエルGKが辛うじてボールを掻き出す。
   イスラエルはサイドからのクロスやCKからゴールに迫るがシュートは枠を捉えず。守っては中盤の寄せが速く、ブラジル攻撃陣に前を向いてプレーをさせない。前半の得点機は両チームほぼ同数だったが、内容は大きくイスラエルが上回った。

後半

   ブラジルは左SBギリェルミ・ビロに替えVOLホナウジを投入。FWマルキーニョスが左SBに入り、VOLはアンドレイ・サントスが比較的高い位置を取り、ホナウジがビルドアップを担う。
   後半11分、マルコス・レオナルドのゴラッソ。シュート技術の高さを見せつけるシュート。ブラジルが相手陣でボールを奪い、中央やや左をマテウス・マルティンスがドリブルで上がる。マテウス・マルティンスは左右にパスコースがあるが右を選択。ディフェンダーに間からマルコス・レオナルドがダイレクトにシュートを放ちゴールネットを揺らす。ブラジルが先制。
   後半15分、イスラエルが左サイドの浅い位置から逆サイドへクロス。急造のSBマルキーニョスは空中戦を争うことが出来ず、イスラエル#7MFカライリ(Khalaili)が高い打点のヘディングシュートでボールをゴールネットに突き刺しイスラエルが同点。
   後半35分、イスラエルは自陣右サイドでのボール奪取からペナルティエリア左へボールを送る。ディフェンスのマークが甘く中央への切り返しからのシュートはGKカイーキが好セーブ。

延長 前後半

延長前半1分、ブラジルが右サイドからVOLマルロン・ゴメスとVOLアンドレイ・サントスがパス交換でペナルティエリアに侵入。VOLマルロン・ゴメスがVOLアンドレイ・サントスがヒールで流したボールをFWマテウス・ナシメントがゴールにボールを流し込みブラジルが勝ち越し。
延長前半3分、イスラエルは右サイドライン際のボールの奪い合いからボールを勝ち取ると浅い位置からのクロス。ボールはニアサイドに合わず逆サイドへ流れるが#11MFシブリ(Shibli)が詰めゴール。イスラエルが再び同点に追いつく。
延長前半15+3分、イスラエルはゴール前に引いたブラジル守備陣の前を右サイドにボールを運び、ペナルティエリア入口からシュート。これはディフェンダーがブロックするがこぼれ球をFWタージマンが拾い、細かいドリブルでディフェンダー2人をかわしシュート。これがゴールネットを揺らし、イスラエルがリード。
延長後半9分、イスラエル右からのCKでVARの介入によりブラジルのハンドが認定される。このPKはブラジルGKカイーキが止めるがこぼれ球を確保しに行ったところを相手を倒したと判定され再びPKがイスラエルに与えられる。しかし、このPKは枠外へ。

所感

   イスラエルが攻守に組織的な試合を展開。リードを許してはすぐに追いつく粘りも見せ、延長戦の末3-2の勝利。準決勝に駒を進めた。
   ブラジルは、初戦のイタリア戦に続き、センターバックの控えがおらず、自陣に引いた守備。相手の厳しいマークや単純なミスでパスを繋ぐことが出来ず攻撃の形を作れない。少ないチャンスで2度リードするがすぐに追いつかれ、最後まで試合の流れを掴めず、延長後半に足が止まったところで被弾し逆転負けを喫する。
   チュニジア戦の後半を10人で戦い、ビルドアップで攻撃の起点となるCBホベルチ・ヘナンが出場停止。左右のSBが出場停止とケガで出場できず、後半からは急増で左SBにマルキーニョスが入るが、3失点のいずれもブラジル左サイドから。チュニジア戦前半最後の軽率なプレーがこの試合にまで大きな影響を及ぼすことになってしまった。

   2003年生まれを中心とした世代別代表は、この大会でひとまず終了。
   2024年パリ五輪は出場資格が2001年生まれ以降となり、アマレリーニャ(ブラジル代表の黄色いユニフォームの通称)を着る競争も激しさを増す。
   すべの選手がすでにプロとして活動しているが、今後はクラブで引退まで続くポジション争いが待ち受けている。世代の代表する21名に選出されU-20W杯に出場し、国を代表してプレーしたことを誇りとして、今後の長く続いてほしいサッカー人生を歩んでもらいたい。
   そして、いつの日か再びアマレリーニャを着て世界を相手に戦ってもらいたい。

グループD 順位表

順位国名勝点試合
勝数引分敗数得点失点得失
点差
1ブラジル (BRA)
Brasil
632011037
2イタリア (ITA)
Itália
63201642
3ナイジェリア (NGA)
Nigéria
63201431
4ドミニカ共和国 (DOM)
República Dominicana
03003111-10

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