【ブラジル全国選手権2023】第10節(1/2)

投稿者: | 2023年6月10日

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全国選手権第10節 対戦組合せ


以下の5試合はこの記事で。
・2023/06/10 コリチバ(CFC) x サントス(SAN)
・2023/06/10 コリンチャンス(COR) x クイアバ(CUI)
・2023/06/10 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x RBブラガンチーノ(RBB)
・2023/06/10 バイーア(BAH) x クルゼイロ(CRU)
・2023/06/10 ボタフォゴ(BOT) x フォルタレーザ(FOR)
以下の5試合はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2023】第10節(2/2)
・2023/06/11 アメリカ・ミネイロ(AME) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)
2023/06/11 サンパウロ(SAO) x パウメイラス(PAL)
2023/06/11 インテルナシオナウ(INT) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
2023/06/11 フラメンゴ(FLA) x グレミオ(GRE)
2023/06/11 ゴイアス(GOI) x フルミネンセ(FLU)

全国選手権第10節 試合概要

コリチバ(CFC) 0-0 サントス(SAN)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=_MB-SCfSGbs
(CFC) : N/A
(SAN) : N/A

見どころ

   コリチバは全国選手権0勝3分6敗勝点3の20位。
   2月23日のコパ・ド・ブラジル1回戦の勝利以来3か月以上勝ち星から遠ざかっている。前節パウメイラス戦はスコア、内容ともに完敗だったが、チーム得点王のFWアレフ・マンガ(Alef Manga, 1994)が戦列に復帰し早速得点を記録、下部組織出身でデビュー2試合目のFWフアン・アシス(Ruan Assis, 2004)もアシストを記録するという明るい材料も。
   今節は3バックのCBブルーノ・ヴィアーナ(Bruno Viana)、CBクスチェヴィッチ(Kuscevic, 1996)が警告累積で出場停止のため守備ラインが懸念される。一方で、U-20W杯、U-20南米ユース選手権での活躍が記憶に新しいCBジアン・ペドローゾ(Jean Pedroso, 2004)のトップチームデビュー、5月11日第5節ヴァスコ戦でデビューを飾った下部組織出身のチアゴ・ドンブロスキ(Thiago Dombroski, 2002)の先発が予想されており、このチャンスを機にトップチームに定着したい。
   サントスは全国選手権3勝3分3敗勝点12の12位。
   週中のコパ・スウアメリカーナに敗れたサントスは一試合を残してグループラウンド敗退が決定した。さらに公式戦は5月14日全国選手権第6節ヴァスコ・ダ・ガマ戦での勝利以来7試合勝ち星から遠ざかっている。
   U-20W杯で5得点1アシストを記録したマルコス・レオナルド(Marcos Leonardo, 2003)は、復帰戦のコパ・スウアメリカーナでPKながら早速1得点を記録。この試合にも先発が予想される。コパ・スウアメリカーナに欠場した守備の要CBジョアキン(Joaquim, 1998)も出場が見込まれ、現状のベストメンバーで試合に臨める見込み。

得点シーン

N/A

試合概要

   コリチバは代表経験もあり経験豊かなCBエンヒキ(Henrique, 1986)を中央に配し、デビュー戦となる右CBジアン・ペドローゾ、デビュー2戦目の左CBチアゴ・ドンブロスキの3バックで試合に臨む。
   試合はコリチバがボールを保持し、MFマルセリーノ・モレーノ(Marcelino Moreno, 1994)を軸に攻撃を展開。前半4分、VOLリジエロ(Liziero, 1998)が相手選手との接触し負傷、そのまま前半8分に交代を余儀なくされるアクシデントに見舞われるが、クリチバは引き続きボール、試合を支配。しばしばサントスゴールに迫るがGKジョアン・パウロ(João Paulo, 1995)の好守もありゴールを奪えない。
   一方のサントスは、前半13分に右サイドからのクロスにFWソテウドがフリーで頭を合わせるがGKガブリエウ(Gabriel, 1992)の好守にゴールを阻まれる。以降は攻守のつなぎ役を担うMFルーカス・リマ(Lucas Lima, 1990)、FWソテウド(Soteldo, 1997)が守備のため自陣深くまで戻る時間が長くなりFWマルコス・レオナルドが孤立する。
   シュート数(うち枠内)はコリチバ8本(4本)に対しサントス3本(2本)。ホームのクリチバが優勢に試合を展開するが、スコアの動く気配がないまま前半が終了。
   後半開始と同時にサントスは右SBとVOLに攻撃的な選手に交代し、FWソテウドとFWメンドーサ(Mendoza, 1992)のポジションを入れ替えるとサントスはボール保持率が上がり、続けてゴイアスゴールに迫りシュートまで持ち込む。しかし、シュートは枠を捉えない。
   後半20分に劣勢に回っていたコリチバも3選手を交代。3バックから4バックにシステムを変更し、より攻撃的な布陣にシフトする。すると試合は少しオープンな展開に。後半25分にコリチバがミドルシュートを放ちGKジョアン・パウロがCKに逃れると、後半30分にサントスがFWメンドーサがカウンターからボールを運びFWソテウドにパスを送るがFWソテウドのシュートは惜しくも枠外へ。後半36分にはコリチバFWホビソン(Robson, 1991)がフリーでシュートを放つが再びGKジョアン・パウロの好守にゴールを阻まれる。
   後半45+1分にサントスから退場者が出てコリチバの攻勢は増すがゴールを奪うことは出来ずスコアレスドローで試合終了。

補足情報、 所感 etc.

   コリチバは守備ラインが懸念されたが中盤の守備も貢献し前半13分のピンチ以外は後半のオープンになった時間帯も含めサントスの攻撃をシャットアウト。13試合ぶりの無失点試合を記録した。
   攻めては相手を上回る17本のシュート、6本の枠内シュートを放つもサントスGKジョアン・パウロの好守もありゴールを奪うことはかなわなかった。
   次戦は6月22日全国選手権第11節ホームでのインテルナシオナウ戦。10試合を終えて僅かに勝ち点4と状況は厳しいが、まずは一勝をあげ残留争いに加わりたい。
   サントスはアウェイながら最下位に低迷する相手に試合の主導権を握られる厳しい試合。前半は全国選手権開幕当初の攻守が分断する試合展開となり、後半に選手交代から一時的に流れを掴むも得点を奪えない。試合がオープンな展開になると相手にスペースを使われる場面が多くなり、何とか勝ち点1を獲得した低調な内容。
   この引き分けで5月14日全国選手権第6節での勝利から1か月勝ち星から遠ざかることとなった。
   次戦は6月21日全国選手権第11戦ホームでコリンチャンスとのクラシコ。

コリンチャンス(COR) 1-1 クイアバ(CUI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=jEsc2ySCPV0
(CUI) : 55' #16 デイヴェルソン(Deyverson, 1991)[#20 ヒケウミ(Rikelme, 2003)]
(COR) : 81' #33 フアン(Ruan, 2000)[]

見どころ

   コリンチャンスは全国選手権2勝2分5敗勝点8の16位。
   週中のリベルタドーレスは、ケガから復帰したMFヘナト・アウグスト(Renato Augusto, 1988)を先発に起用。アトレチコ・ミネイロに勝ったコパ・ド・ブラジルの布陣で試合に臨んだが、いいところが全くなく0-3の完敗。一試合を残し決勝ラウンド進出が絶たれた。
   今節もこの布陣で試合に臨むのか、改めて4バックに戻すのか。ヴァンデルレイ・ルシェンブルゴ(Vanderlei Luxemburgo)監督の模索は続く。
   クイアバは全国選手権3勝2分4敗勝点11の14位。
   アントニオ・オリヴェイラ(António Oliveira)監督は就任後3試合で2勝1分3得点1失点と守備の再構築に成功した。しかし、今節は守備の要CBマルロン(Marllon, 1992)とVOLハニエリ(Raniele, 1996)が警告累積のため、チャンスメーカーのFWジョナタン・カフー(Jonathan Cafú, 1991)はコリンチャンスからの期限付き移籍のため、試合に出場できない。チームの好調を牽引してきた3選手を欠く中、どのような選手起用で、どのような戦いを見せるか、アントニオ・オリヴェイラ監督の手腕が試される。

得点シーン

(CUI)後半10分 :
VOLデニウソン(Denilson, 2001)が自陣からディフェンダーをかわしVOLフェルナンド・ソブラウとのタベーラから左サイドライン際奥の広大なスペースにボールを送る。そこに走り込んだ左SBヒケウミがダイレクトにゴール前にクロス。CBの間に入ったCBデイヴェルソンが頭にボールを合わせゴールネットを揺らす。
   CBデイヴェルソンは全国選手権は第7節に初得点をあげると4試合で3得点。すべて異なる選手、異なる形でのアシストを受けている。デイヴェルソンがゴールを決めた試合はチームもこれで2勝1分と無敗を継続。この勢いで自身の得点とともにチームを中位から上位へと引き上げたい。
   左SBヒケウミは本職はFWだが、4月に左SBとしてU-20代表招集されて以降SBとして試合に起用されている。全国選手権では初のアシスト。次は初ゴールを決めたい。
(COR)後半36分 :
ペナルティエリア左外でボールを受けたFWウェズレイ(Wesley, 2005)が中央後方へ下がりながらゴール前へクロス。空中戦でのこぼれ球をMFフアンがゴールへ蹴り込みコリンチャンスが同点に追いつく。
   MFフアンは、2018年18歳で当時サンタカタリーナ州選手権1部のメトロポリターノからデビュー。2019年初めに期限付き移籍でコリンチャンスU-20チームに加入。コロナ感染症による自粛期間が明けた2020年7月にトップチームに昇格し全国選手権第2節から第4節に途中出場。2020年8月26日の第5節フォルタレーザ戦で初先発に抜擢。しかし、この試合を最後に度重なるケガにより試合出場は途切れる。トレーニングでのプレーをルシェンブルゴ監督に見出され2023年6月7日のリベルタドーレスでベンチ入り。今節もベンチメンバーに選ばれると、後半28分に約1000日ぶりとなる試合出場を果たす。後半32分、得点に結びつかなかったものの、ペナルティエリア外から思い切りのいいミドルシュートを放ち、そのブロックされたこぼれ球からコリンチャンスは大きなチャンスを迎える。そして、後半36分にコリンチャンスでの初ゴールを記録。現在の契約は2023年6月末までだが、満了時に買取オプションが付された現行の契約を半年延長する意思がコリンチャンスにあることを報道で伝えられている。

試合概要

   コリンチャンスはCBブルーノ・メンデス(Bruno Méndez, 1999)を右SBに配した4バックを採用。3トップは左からギリェルミ・ビロ(Guilherme Biro, 2004)、ホージェル・ゲデス(Róger Guedes, 1996)、ペドロ・エンヒキ(Pedro Henrique, 2006)を並べ、FWユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)はベンチスタート。MFヘナト・アウグスト(Renato Augusto)が攻撃の指揮を執る。
   クイアバは、3トップの一角に開幕当初のレギュラーの座を失っていたFWエメルソン・ハーモス(Emerson Ramon, 2000)、VOLには5月10日以来の出場となるフィリピ・アウグスト(Filipe Augusto, 1993)、CBには4月6日に加入した経験豊かなアリソン(Allyson, 1990)を抜擢。
   試合はホームコリンチャンスがボールを保持し攻撃の糸口を探る。しかし、初シュートはアウェイのクイアバ。前半3分、左スローインからの流れでペナルティエリア入口でボールを受けた右SBマテウス・アレシャンドレ(Matheus Alexandre, 1999)が思い切りよくシュートを放つがディフェンダーに当たったボールは僅かにゴールポスト左に外れる。
   コリンチャンスは攻撃の要MFヘナト・アウグストが前半19分、太ももへの筋肉系のケガが再発しピッチをあとにするアクシデントに見舞われると、その後両チームは一進一退を繰り返し、お互いにペナルティエリア外からのシュートまで持ち込むが決定的なシーンを作ることが出来ず前半を終える。
   後半に入りコリンチャンスは右SBに攻撃的なファギネル(Fagner, 1989)を投入。しかし、中盤の想像力に欠けボールを持てど攻めきれずにいると、後半10分にアウェイのクイアバが先制。コリンチャンスはFWユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)やFWウェズレイ、MFフアンを次々に投入し点を奪いに行くが、やはり中盤で試合を作ることが出来ず、FWホージェル・ゲデスが下がってボールを受ける悪いパターンが散見されるようになる。しかし、攻撃の圧力をかけ続けると後半36分に同点に追いつく。さらにその後もクイアバゴールに迫るが最後の精度に欠けゴールを奪うことができず、1-1のまま試合終了。勝ち点を1を分け合う結果となった。

補足情報、 所感 etc.

   クイアバは先制点を守り切れず勝ち点2を失う結果に。守備的な2選手の欠場を組織的な守備で補完していたが、リードを守り切る戦術に切り替えた後半33分の4選手の交代で守備のバランスが崩れ失点。その後も立て直すことができず次々と枠内にシュートを浴びる。
   しかし、アウェイで最低限の勝ち点1を獲得。最近の4試合では複数失点を許さず、下部組織出身の期待のSBヒケウミが戦力として定着、FWデイヴェルソンがゴールに絡み始めるなど、中位から上位へ進出する足掛かりもできつつある。国際Aマッチデーによる小休止後はいきなり首位ボタフォゴとの対戦だが、最近の流れを継続しロースコアの展開に持ち込みホームで勝ち点3、最低でも勝ち点1を積み上げたい。
   コリンチャンスは再びMFヘナト・アウグストがケガを再発。この試合は何とか同点に追いついたものの今後に不安を残す。一方でルシェンブルゴ監督は今季を将来への投資と割り切ったか、積極的に多くの若手選手を起用。この試合ではMFギリェルミ・ビロが惜しいシュートを2本放ち、苦労人のMFフアンが同点弾を放つなど少しずつ結果が現れつつある。あとはチームとして白星を重ね、選手が自信を積み重ねることができれば、この投資はコパ・ド・ブラジルやシーズン終盤、翌季にむけて花開く可能性もある。
   次戦は6月21日にアウェイでのクラシコ、サントス戦。相手は引いて中を固めた守備を敷くことが考えられるが、10日間の猶予を活かし、その守備網を崩す攻撃を構築したい。

アトレチコ・ミネイロ(CAM) 1-1 RBブラガンチーノ(RBB)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=fAAzPi0YESE
(CAM) : 17' #10 パウリーニョ(Paulinho, 2000)[#17 イゴール・ゴメス(Igor Gomes, 1999)]
(RBB) : 35' #19 エドゥアルド・サーシャ(Eduardo Sasha, 1992)[#8 ルーカス・エヴァンジェリスタ(Lucas Evangelista, 1995)]

見どころ

   アトレチコ・ミネイロは全国選手権5勝2分2敗勝点17の3位。
   多彩なバリエーションを誇る攻撃と固く中央を閉じた守備からカウンターを狙うしたたかさで、週中のリベルタドーレスで勝利を収めグループ2位に浮上、全国選手権も最近5試合を4勝1分とし3位に浮上してきたアトレチコ・ミネイロ。
   リベルタドーレスでは2022W杯代表の有力候補ながら膝の大ケガで9か月間戦列を離れた左SBギリェルミ・アラーナ(GUilherme Arana, 1997)が復帰、CBブルーノ・フッキス(Bruno Fuchs, 1997)が右SBとして機能。ほぼすべてのポジションに高いレベルでタイプの異なる選手を擁する選手層がさらに深みを増し、戦術的な多様性も増した。
   今節はFWフッキ(Hulk, 1986)とMFヨハン(Hyoran, 1993)を警告累積で欠くが、厚い選手層で穴を埋められるはず。勝点差4で追う首位ボタフォゴを射程圏内にとどめたい。
   RBブラガンチーノは全国選手権3勝4分2敗勝点13の11位。
   週中のコパ・スウアメリカーナは後半半ばに退場者を出しながら、アウェイでの上位対決を引き分けにしのぎグループ首位を守った。CBを初めケガ人を多く抱える中、最近の公式戦5試合を3勝1分1敗、うち全国選手権を2勝1敗で着実に勝ち点を積み上げており、今節も勝ち点を積み上げ中位から上位へと順位を上げていきたいところだ。

得点シーン

(CAM)前半17分 :
CBマウリシオ・レーモス(Mauricio Lemos, 1995)が自陣からドリブルで持ち上がり、FWパウリーニョに縦パスを送る。FWパウリーニョはボールを受けると、MFイゴール・ゴメスとの前後のタベーラで守備ライン裏に抜け出し、ボールを受けるとGKの位置を見極めシュート。アトレチコ・ミネイロが先制。
   CBマウリシオ・レーモスは一週間後の国際親善試合に向けウルグアイ代表に招集。2017年11月の親善試合ポーランド戦に90分、2018年11月の親善試合ブラジル戦に9分出場。約5年ぶりの代表戦出場を目指す。
   MFイゴール・ゴメスは出場停止のMFヨハンに代わり出場。このゴール以外にもFWパウリーニョへ決定的なパスを送っており、MFヨハン、MFパトリッキ(Patrick, 1992)とのポジション争いが面白くなりそうだ。
(RBB)前半35分 :
自陣からボールを縦に繋ぎ、最後はMFルーカス・エヴァンジェリスタがFWエドゥアルド・サーシャへスルーパス。これをFWエドゥアルド・サーシャがゴールへしっかりと決めRBブラガンチーノが同点。
   FWエドゥアルド・サーシャは2023年3月末にアトレチコ・ミネイロからRBブラガンチーノへ移籍。アトレチコ・ミネイロでは2020年8月以来138試合26得点8アシストを記録していたが、2023年にポジションを失い、Jリーグのガンバ大阪も獲得に動く中、RBブラガンチーノに加入した。RBブラガンチーノではこれまで全国選手権、コパ・スウアメリカーナの全15試合に出場し6得点5アシストを記録し、監督、サポーターの期待に十分に応えている。

試合概要

   アトレチコ・ミネイロは左サイドを中心に次々と相手ゴールに迫り、早くも前半17分に先制。その後も左サイドからチャンスを迎えるがRBブラガンチーノGKクレイトン(Cleiton, 1997)の好セーブもあり追加点が奪えない。
   RBブラガンチーノはアトレチコ・ミネイロの中盤での素早いチェックになかなかチャンスを作ることが出来なかったが、前半35分、自陣からマークを掻い潜ってパスを繋ぐと最後は3月までアトレチコ・ミネイロでプレーしたFWエドゥアルド・サーシャのゴールで同点に追いつく。
   同点後は、両チームとも中盤のマークが少し弱まりボールを繋げるようになるが、最終ラインの守備は固く拮抗したまま前半を終える。
   後半に入り、RBブラガンチーノがボールを持つ時間が長くなる。しかし、アトレチコ・ミネイロも虎視眈々とカウンターを狙い、後半9分には自陣ペナルティエリア付近でボールを確保するとMFサラーチョ(Zaracho, 1998)がプレスをかわし相手陣に抜け出しを図るFWパウリーニョへロングパス。FWパウリーニョはボールを受けそのままペナルティエリアに侵入するが、ブラガンチーノCBエドゥアルド・サントス(Eduardo Santos, 1997)の必死に戻りにシュートはGK正面を突き勝ち越すことが出来ない。
   後半29分にはアトレチコ・ミネイロMFパトリッキがペナルティエリア内で個人技から相手CBの間を割りシュートまで持ち込むもボールは枠外へ。後半38分、相手パスミスを拾ったRBブラガンチーノが素早くボールを前に運び、最後はFWチアゴ・ボルバス(Thiago Borbas, 2002)がシュートを放つもGKエヴェルソン(Éverson, 1990)が片手で阻止。
   後半42分、アトレチコは相手ゴール前からのFKにFWパウリーニョが再びゴールネットを揺らすが、一連のプレーの中でオフサイドポジションの選手がプレーに関与しておりゴールは認められない。
   試合は1-1でタイムアップ。両チーム勝ち点1を分け合った。

補足情報、 所感 etc.

   アトレチコ・ミネイロは試合を優勢に進めながらも、相手GKの好守や微妙な判定のオフサイドがあり、勝ち越すことができずホームで勝ち点2を失う結果に。これまで攻撃を牽引してきた左MFヨハンに替わり先発に起用されたMFイゴール・ゴメス、交代出場のMFパトリッキはそれぞれアピールに成功したが、FWフッキに替わり出場したFWバルガス(Vargas, 1989)は消える時間も多く監督やサポーターの期待に沿うことが出来なかった。
   次戦は6月21日アウェイでのフルミネンセ戦。上位対決となるが今節の結果首位ボタフォゴとの勝点差は6に広がっており、これ以上離されないためにも勝ち点3がほしい。
   RBブラガンチーノは、前半は相手のマークの厳しさにボールを繋ぐことができず、後半はボールを繋げるようになったものの相手のカウンターの脅威にさらされ再三ピンチを招く。しかし、GKクレイトンの好守もありアウェイでの上位との対戦で勝ち点1を積み上げることに成功。暫定ながらリベルタドーレス出場圏となる6位チームとの勝点差は3、上位争いに踏みとどまった。
   次戦は6月22日ホームでのフラメンゴ戦が控えている。

バイーア(BAH) 2-2 クルゼイロ(CRU)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=sDZ9Nf2O6t4
(BAH) : 18' #37 カイキ(Kayky, 2003)[#66 ヒアン(Ryan, 2002)]
(CRU) : 30' #9 ブルーノ・ホドリゲス(Bruno Rodrigues, 1997)[#21 ジウベルト(Gilberto, 1989)]
(CRU) : 45+1' #11 ウェズレイ(Wesley, 1999)[]
(BAH) : 66' #14 アルトゥール・サーレス(Arthur Sales, 2002)[]

見どころ

   バイーアは全国選手権2勝2分5敗勝点8の15位。
   公式戦7試合に勝ち星のないバイーアは、FWビエウ(Biel, 2001)、右SBジャカレー(Jakaré, 1999)を初め7選手がケガのため戦列を離脱。今節はVOLアセベド(Acevedo, 1999)が警告累積で出場停止。期限付き移籍で加入している若手選手が多く、計算できる選手が少ない中、ヘナト・パイヴァ(Renato Paiva)監督の手腕が試される。
   クルゼイロは全国選手権4勝1分4敗勝点13の10位。
   全国選手権では一時は2位浮上の可能性もあったが、最近の3試合を1分2敗と勝ち点を積み上げることができず、10位まで順位を落としている。攻守に組織的で、いずれの試合でもボール保持率やシュート数では相手を上回るもののゴールを奪うことができず(最近の5試合で2得点)、数少ないチャンスをものにされ失点。内容で上回っている時間が多いだけにこの嫌な流れを断ち切り再び上昇気流に乗りたい。

得点シーン

(BAH)18分 :
VOLタシアーノ(Thaciano, 1995)が敵陣やや右の位置からディフェンスのマークを掻い潜り、左サイドライン際に開いたMFヒアンへボールを送る。MFヒアンはペナルティエリアに侵入したFWカイキへパス。FWカイキはフェイントでディフェンダーをかわし角度のない位置からトゥーキックでシュート。これがクロスバーに当たりゴールイン。バイーアが先制。
   FWカイキは2021年にフルミネンセからデビュー。シーズン終了後に18歳でマンチェスターシティ/ENGへ移籍。マンチェスターシティでは2試合に出場するもパッソス・デ・フェヘイラ/PORへの期限付き移籍を経て、2023年1月13日に期限付き移籍でバイーアに加入。全国選手権はこれまで4試合42分の出場に過ぎなかったが、この試合は先発に抜擢。その期待に応えるように今季の全国選手権初得点を記録。
(CRU)前半30分 :
自陣から右奥へのロングフィードに右SBウィリアン(William, 1995)が頭でペナルティエリア入口にボールを流す。そこに走り込んだFWジウベルトが踵でさらに左へ。ボールを受けたFWブルーノ・ホドリゲスがシュートフェイントでディフェンダーをかわしボールをゴールに蹴り込む。
   FWブルーノ・ホドリゲスは5月17日のコパ・ド・ブラジル以来5試合ぶりのゴール。全国選手権では第3節以来となるゴール。全国選手権は9試合3得点2アシストを記録。
(CRU)前半45+1分 :
自陣深くから相手陣へ蹴りだしたボールを相手ディフェンダーが処理ミス、そのボールを奪ったFWウェズレイがボールをゴール流し込む。
   FWウェズレイは2022年末にクルゼイロが保有権の50%を1600万レアル(約4億円)で取得し獲得。前所属パウメイラスの下部組織出身で2019年にレンタル先のヴィトーリアでデビュー。パウメイラスへのレンタルバック後は試合出場数は多いものの途中出場が多く、新天地に活路を求めた。クルゼイロ加入後は右サイドでポジションを獲得。この試合を終えた時点で全国選手権は8試合3得点1アシストを記録している。
(BAH)後半21分 :
右CKからのボールに逆サイドのCBカヌー(Kanu, 1997)がフリーで頭に合わす。これはGKハファエウ・カブラウ(Rafael Cabral, 1990)が両手で弾き出すがこぼれ球をアルトゥール・サーレスがゴールに押し込む。
   アルトゥール・サーレスはシティフットボールグループ傘下のロンメルSKからの期限付き移籍でバイーアに加入。最近の3試合はベンチを温めたが、久しぶりの起用で結果を残した。これを機に出場機会を増やしレギュラー争いに加わりたい。

補足情報、 所感 etc.

   バイーアはケガ人が続出し厳しいチーム状況の中、守備的な布陣でカウンターを狙う。その中心となったのがVOLタシアーノ。守っては中盤の底でフィルター役となり、攻めては相手ペナルティエリア内に顔を出すなど献身的にプレー。バイーアの先制点はタシアーノの中盤での個人技から始まった。
   その先制ゴールは期限付き移籍中のFWカイキ(2003)がマークし、バイーア下部組織出身で今季デビューのFWヒアン(2002)絡む。同点ゴールは期限付き移籍中のFWアルトゥール・サーレス(2002)が決めるなど若手選手が得点に絡み、今後に向けて明るい材料となった。
   この試合の結果をうけ、勝点9、順位は暫定15位を維持。降格圏までの勝点差は1と低迷している。
   次戦は6月21日ホームでのパウメイラス戦。さらにフルミネンセ、グレミオを上位との対戦が続く。
   クルゼイロはこの試合も勝ち切ることができず、6試合続けて勝ち星から見放される結果となった。全国選手権でのシュート数はパウメイラスに次ぐ2位を記録し、強引なシュートが多いわけでもないが、決め切ることが出来ない。ゴールの確率を上げるために出す最後のパスが、逆に相手ディフェンダーの戻りやGKのポジションを修正する時間を与えてしまっているのではないだろうか。
   また、左右に広く開いたバイーアの陣形が影響したのかもしれないが、この試合では好調時に比べ選手間の距離が少し遠くなっていた。それによって4人目、5人目の関与が少なくなり、攻撃の厚みが少なくなっている。さらに被パスカットが増え、ルーズボールの獲得率も下がっているように感じられた。
   次戦は6月21日ホームでのフォルタレーザ戦。リベルタドーレス出場圏(6位)内まで勝点差2、同勝点、同得失点差の両チームによる対戦は、上位争いに向け勝たなければならない試合となる。

ボタフォゴ(BOT) 2-0 フォルタレーザ(FOR)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=lmwEnRh7FEs
(BOT) : 45+3' #9 チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)[]
(BOT) : 63' #9 チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)[]
(FOR) : N/A

見どころ

   ボタフォゴは全国選手権7勝0分2敗勝点21の首位。
   前節はアトレチコ・パラナエンセの堅固な守備を崩すことが出来ず、全国選手権2敗目を喫す。ワンタッチのパス回しやボール保持者を次々と追い抜く分厚い攻撃が影を潜めた。週中のコパ・スウアメリカーナはグループ首位を争う直接対決だったが、標高3000m近いピッチでの試合に運動量が少なく分厚い攻撃を見せることができず0-0の引き分け。グループ首位は守ったものの、中3日での今節に向けて疲労の蓄積が懸念される。さらには、全国選手権得点王FWチキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)がケガのため欠場見込み、戦力ダウンは否めないが、首位を守るためにも連敗は許されない。
   フォルタレーザは全国選手権3勝5分1敗勝点14の9位。
   週中のコパ・スウアメリカーナは0-1で敗れたもののグループ首位が決定。しかし、公式戦2試合連続無得点。好調時の攻撃陣を牽引したFWモイゼス(Moisés, 1996)がクルスアスール/MEXへ移籍、FWギリェルミ(Guilherme, 1995)、FWホマリーニョ(Romarinho, 1994)がケガで戦列を離脱するなど、FW陣の層が薄くなり得点力が下がっている。
   アウェイで首位ボタフォゴとの対戦で苦しい戦いが予想されるが、少ないチャンスをゴールに繋げたい。

得点シーン

(BOT)前半45+3分 :
相手ペナルティエリア内でボールをキープするFWジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)がペナルティエリア右角に上がったVOLマルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)へボールを戻す。VOLマルロン・フレイタスがダイレクトにゴール前にクロスを上げると相手ディフェンダーがクリア。しかし、ボールはゴールエリア左手前のFWチキーニョ・ソアレスの足元にこぼれる。FWチキーニョ・ソアレスは冷静にボールをサイドネットに突き刺す。
   VOLマルロン・フレイタスはフルミネンセ下部組織出身。2015年20歳で期限付き移籍先のFLストライカーズ/USAでプロデビュー。フルミネンセでは多くの出場機会に恵まれず、スロバキアや全国選手権2部でプレーが続く。2020年アトレチコ・ゴイアニエンセに移籍するとレギュラーの座を獲得、3年間で163試合15得点14アシストを記録。2022年7月にボタフォゴと事前契約を結び2023年1月6日に正式契約。ボタフォゴではVOLとしてプレーし、持ち前の攻撃センスだけでなく、高さをいかした空中戦や戦術眼をいかしたポジショニングで、ルイス・カストロ(Luis Castro)監督率いるボタフォゴの替えの効かないピースとして重用されている。
(BOT)後半18分 :
ペナルティエリア左外からのクロスがディフェンダーの腕に当たりPKを獲得。FWチキーニョ・ソアレスが蹴ったボールはGKジョアン・ヒカルド(João Ricardo, 1988)が止めるが、こぼれ球をディフェンダーがクリアしきれず、FWチキーニョ・ソアレスがゴールに蹴り込む。
   FWチキーニョ・ソアレスはケガによる欠場が見込まれていたが、スターティングイレブンに名を連ねると2得点の活躍。全国選手権は今節を終えた時点で9試合に出場、8得点で2位に3得点差をつけ得点ランキング首位。3アシストも記録しており好調ボタフォゴを牽引している。

試合概要

  全国選手権でホーム5戦5勝、10得点1失点と無類の強さを発揮するボタフォゴがこの試合も支配。守備ラインを高い位置に敷き、中盤をコンパクトに保ち、ボールを奪っては素早くボールを前に運んでいく。CBアドリエウソン(Adryelson, 1998)の縦パスやスピード豊かなサイドからの攻撃や、攻撃のスピードに翻弄された相手のファールから得たセットプレーで次々と相手ゴールに迫る。
  フォルタレーザもGKジョアン・ヒカルドを中心にボタフォゴの厚い攻撃を跳ね返すが、前半終了間際の45+3分、ボタフォゴが先制点を奪う。
   後半に入り、フォルタレーザはFWチアゴ・ガリャルド(Thiago Galhardo, 1989)が前後左右にポジションを変え、ボールを引き出すプレーや自らがシュートに持ち込むなど奮闘するが、組織的に攻撃の形を作ることが出来ない。
   すると後半18分、ボタフォゴはPKから追加点。その後もボタフォゴは相手にボールを持たせながらもカウンターから3点目を奪いに行く。試合はボタフォゴが最後まで支配。2-0で勝利を収め、全国選手権でのホームでの連勝を6に伸ばし、首位を守った。

補足情報、 所感 etc.

   ボタフォゴは、前節の敗戦を引きずらず、ほぼ理想的といえる内容で勝利を収め首位を守る。スプリントで前の選手を追い抜くことで相手を敵陣深くに押し込み、相手の攻撃の起点を自陣ゴールから遠ざけ、高いラインを引き中盤をコンパクトに保ち素早いマークで攻撃を遅らせる。守備では今節も相手を無失点に抑えリーグ最少の7失点。「良い守備から良い攻撃に」とよく言われるが、ボタフォゴは「良い攻撃から良い守備」に繋げている印象がある。
   次戦は6月22日に全国選手権第11節アウェイでのクイアバ戦。さらに中2日で2位につけるパウメイラスとの直接対決が控えている。
   フォルタレーザはほとんど何もできずに敗戦。後半の初めにFWチアゴ・ガリャルドが起点となりいくつかの好機を作り出したが、特に前半はボタフォゴの強さの引き立て役となるような試合内容だった。
   FWのケガ人が多く、中盤も相手の素早いプレスに思うようにプレーできず、点取り屋のFWチアゴ・ガリャルドが攻撃を組み立てなければならない状況に陥っている。7月の移籍解禁までまだ数試合消化しなければならないが、モイゼスを放出した移籍金で攻撃陣の補強を早く進めたい。
   次戦は6月21日の全国選手権第11節アウェイでのクルゼイロ戦。勝点が並ぶ相手に最低でも勝ち点1は拾いたい。

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