【ブラジル全国選手権2023】第11節(2/2)

投稿者: | 2023年6月20日

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全国選手権第11節 対戦組合せ


以下の5試合はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2023】第11節(1/2)
・2023/06/21 サンパウロ(SAO) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)
・2023/06/21 クルゼイロ(CRU) x フォルタレーザ(FOR)
・2023/06/21 サントス(SAN) x コリンチャンス(COR)
・2023/06/21 フルミネンセ(FLU) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
・2023/06/21 バイーア(BAH) x パウメイラス(PAL)
以下の5試合はこの記事で。
・2023/06/22 グレミオ(GRE) x アメリカ・ミネイロ(AME)
2023/06/22 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x ゴイアス(GOI)
2023/06/22 コリチバ(CFC) x インテルナシオナウ(INT)
2023/06/22 クイアバ(CUI) x ボタフォゴ(BOT)
2023/06/22 RBブラガンチーノ(RBB) x フラメンゴ(FLA)

全国選手権第11節 試合概要

グレミオ(GRE) 3-1 アメリカ・ミネイロ(AME)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=TJwptQZM7v8
(AME) : 25' #22 ダニーロ・アヴェラール(Danilo Avelar, 1989)[#5 マルチネス(Martínez, 1994)]
(GRE) : 40' #39 ビテロ(Bitello, 1999)[# オウンゴール(Gol Contra)]
(GRE) : 61' #20 ビジャサンチ(Villasanti, 1997)[#22 ヘイナウド(Reinaldo, 1989)]
(GRE) : 69' #9 ルイス・スアレス(Luis Suárez, 1987)[#22 ヘイナウド(Reinaldo, 1989)]

見どころ

   グレミオは全国選手権5勝2分3敗勝点17の6位。
   前節フラメンゴ戦は得点では0-3の完敗だったが、スリーバックで中盤を厚くした戦術は攻守に選手間の距離を適切に保ち、決定的な場面の数は相手を上回るなど、内容的には見劣りするものではなかった。しかし、シュートの精度が低く、一瞬の油断を突かれるなど課題も少なからず見受けられた。
   約10日間の試合間隔があいたが、この期間のトレーニングで戦術理解度をさらに深め、気持ちを切り替えて今節に臨みたい。
   アメリカ・ミネイロは全国選手権2勝2分6敗勝点の18位。
   前節アトレチコ・パラナエンセ戦は、0-2の劣勢を後半31分、試合終了間際のゴールで引き分けに持ち込み勝ち点1を勝ち取った。負けが続いていた時期も保ち続けた「攻める気持ち」を前面に出し、シュート数は19本(うち枠内12本)と相手を大きく上回る。一方で、失点は前後半ともに開始10分までの時間帯。今季は前半の早い時間帯の失点が多く劣勢を覆すことが出来ない試合が多いので、特に集中して初めの15分を戦いたい。

得点シーン

(AME)前半25分 :
右からCK。ゴールエリアの外、二列目に位置するSBダニーロ・アヴェラールがマークを振り切り、MFマルチネス(Martínez, 1994)が蹴るボールにゴール前でフリーで頭を合わせゴールネットを揺らす。アメリカ・ミネイロが先制。
   前節終了間際の同点ゴールに続き、MFマルチネスのアシストとSBダニーロ・アヴェラールのヘディングシュートによる得点。MFマルチネスは精度の高いクロスボールで全国選手権3アシスト目を記録。SBダニーロ・アヴェラールは全国選手権3試合連続得点。
(GRE)前半40分 :
ペナルティエリア内右で仕掛けたMFビテロが中央へライナー性のクロスを送ると、GKが防ぎにいった腕に当たりゴールイン。グレミオが試合を振り出しに戻す。
   MFビテロはセグンドボランチとしてこの試合は攻守に活躍。
(GRE)後半16分 :
   ペナルティエリア内左からSBヘイナウドがゴール前に柔らかいクロスを送ると、後方から走り込んだVOLビジャサンチが打点の高いヘディングシュートを放ちグレミオが逆転。
   VOLビジャサンチはパラグアイ代表として6月18日ニカラグア戦に90分出場しチームの勝利に貢献。グレミオではケガ明けの5月10日全国選手権第5節から公式戦9試合連続でフル出場、その期間に3得点を記録しグレミオのコパ・ド・ブラジル、全国選手権の躍進にも貢献。
(GRE)後半24分 :
2点目と同じようなシチュエーションでSBヘイナウドが縦に走り込むFWルイス・スアレスの前方にボールを送る。角度のない位置からFWルイス・スアレスがボールをゴールに流し込み、グレミオが追加点。
   元ウルグアイ代表で137試合68得点を記録するFWルイス・スアレスはいつの間にかフリーになっているポジショニングやゴール前でのパス技術やシュート技術が健在。全国選手権は9試合3得点2アシスト、今季は27試合15得点8アシストを記録。しかし、最近の報道によると、膝をはじめとして複数のケガを抱え引退を示唆しているとのこと。。自身の体調が第一だが、今季最後までグレミオでのプレーを見ていたい。

試合概要、 所感 etc.

   グレミオは初めの15分こそアメリカ・ミネイロの高い位置でのチェックにボールを繋ぐことができず、右サイドから攻撃を受ける展開が続くが、次第に対応していき試合は拮抗する。ところが、前半25分にCKからディフェンスのマークが甘くなり失点。しかし、失点後も慌てることなく、ゴール前での細かいパスワークやペナルティエリア入口での左右にパスを振り同点機をうかがう。すると、前半35分にアメリカ・ミネイロから退場者が出て数的有利に立ち、相手をゴール前に張り付ける。そして、前半40分に同点。
   後半も相手をゴール前に張り付けると左右にボールを振り、ペナルティエリア入口左のSBヘイナウドが度々チャンスを作り出す。そして、後半16分にVOLビジャサンチ、後半24分FWルイス・スアレスがSBヘイナウドのアシストでゴールを奪う。
   その後は完全に試合を支配しタイムアップ。3-1の逆転勝ちで勝ち点3を加算し勝ち点20。試合終了時点で全国選手権は3位に浮上した。
   次戦は週末6月25日全国選手権第12節ホームに最下位のコリチバを迎える。
   アメリカ・ミネイロは立ち上がりから高い位置でマークにいき、掻い潜られると素早く帰陣、しっかりとブロックを作って守る。ボールを奪っては左サイドにボールを展開し、中央に2~3人の選手があがりグレミオゴールに迫る。しかし、前半15分を過ぎるころになると、左サイドを対応され、次第に攻撃が行き詰まり、グレミオに自陣でボールを回される時間が増えていく。
   しかし、前半25分、左CKから先制。その後もボールを支配されながらも、カウンターをうかがいながらしっかりと守っていく。ところが、前半35分、ケガのため5月14日全国選手権第6節以来の出場となるCBエデル(Éder, 1995)が不用意なファールで2枚目の警告を受け退場。この退場を機に防戦一方になると、後半40分に被弾。
   後半に入り自陣ゴール前で守備を固める。しかし、後半16分に失点。失点後は高い位置でボールを奪いに行くが後半24分に再び失点。
   以降はグレミオに試合を支配されいいところなくタイムアップ。前日の試合で降格圏のすぐ上に位置するチームが勝ち点3を積み上げる中、勝ち点を積み上げることができず降格圏脱出まで勝ち点差が4と広がった。

ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) 0-1 ゴイアス(GOI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=JqBorEKVev8
(GOI) : 73' #40 モレリ(Morelli, 1997)[#19 ブルーノ・メロ(Bruno Melo, 1992)]
(VAS) : N/A

見どころ

   ヴァスコ・ダ・ガマは全国選手権1勝3分6敗6勝点の19位。バルビエリ(Barbieri)監督は、今節ゴイアス戦と次節クイアバ戦の結果次第でその去就が決まる。
   最近の2試合は前半20分までに2失点、その前の2試合は後半40分以降に2失点でリードを奪われる精神的に厳しい試合内容が続く。
   前節は、南米U-17選手権得点王のFWハイアン(Rayan, 2006)をスタメンに抜擢、FWハイアンは積極的にゴールを狙い、プロ初ゴールをマーク。U-20W杯から帰国したVOLマルロン・ゴメス(Marlon Gomes, 2003)を高い位置に配置すると期待通りの働きをし、明るい材料をもたらした。
   先発発表から背水の陣のバルビエリ監督の采配に注目が集まる。
   ゴイアスは全国選手権2勝2分6敗勝点8の17位。
   前節終了後の6月12日にアルマンド・エヴァンジェリスタ(Armando Evangelista)監督の就任を発表。直近3年間はFCアロウカ/PORを指揮、2部リーグ優勝、15位、そして直近2022/23シーズンをポルトガルリーグ5位で終えた。
   また、出場は7月以降になるが、2022/23シーズンをRWDモレンベーク/BELでレギュラーとして2部リーグ優勝、1部昇格に大きく貢献した日系人(日本国籍保有)のMFルイス・オヤマ(Luís Oyama, 1997)をボタフォゴから期限付き移籍で獲得。7月の移籍ウィンドウ解禁に向け補強も進捗している。
   前節は2度リードを許すも同点に追いつく粘りをみせた。今節は降格圏に低迷するチーム同士の試合となるが、ヴァスコのバルビエリ監督に引導を渡し、降格圏を抜け出したい。

得点シーン

(GOI)後半28分 :
相手陣でゆっくりとボールをまわし、CBブルーノ・メロがペナルティエリア左手前のVOLモレリにボールを送る。ボールを受けたVOLモレリは内に切れ込みシュート。当たりは良くなかったがボールはGKの脇を抜けゴールネットを揺らす。
   VOLモレリは、マリンガでのサンタカタリーナ州選手権の活躍を受け、2023年4月3日に買取オプション付きの期限付き移籍でゴイアスに加入。守備を得意とするも攻撃的センスもあり入団後間もなくセグンドボランチとしてレギュラーの座を獲得。4月20日のコパ・スウアメリカーナでの先制点以来、公式戦2得点目。5月に約1か月ケガのため戦列を離れたが復帰後3試合目で全国選手権での初ゴール。

試合概要

   前半はどうしても勝ちたいヴァスコ・ダ・ガマが終始ボールを支配。前半3分には相手陣ペナルティエリアすぐ外でのFK、前半19分には左サイドからのクロスにFWハイアンがシュートしFWアレックス・テイシェイラがコースを変えるが、いずれもボールは枠の外へ。
   前半23分、敵陣左サイドの浅い位置からのSBプーマ・ロドリゲス(Puma Rodríguez, 1997)のFKにCBレオ(Léo, 1996)が頭に合わせる。ボールはクロスバーを直撃するが跳ね返りのボールをVOLアンドレイ・サントス(Andrey Santos, 2004)が頭で押し込む。しかし、VARの長いチェックの結果、VOLアンドレイ・サントスの位置が僅かにオフサイドと判定されゴールは取り消される。
   前半33分には左CKからの相手クリアボールのこぼれ球にVOLマルロン・ゴメスが反応、ペナルティエリア入口からシュートを放つがボールはゴールポストを直撃し跳ね返される。さらに前半36分、相手陣に15mほど入った位置からCB間でボールを交換しゴール前にフィード、こぼれたボールをFWハイアンが鋭いクロスを送るがGKタデウ(Tadeu, 1992)が壁となる。さらにさらに前半41分、左サイドからのSBルーカス・ピトン(Lucas Piton, 2000)のクロスに逆サイドからVOLマテウス・カルヴァーリョ(Mateus Carvalho, 2002)が右足を合わせるが、GKの脇を抜けたボールをディフェンダーがクリア。ヴァスコ・ダ・ガマが攻め続けるがゴールを奪えない。
   前半44分、ゴイアス左サイドからのFK。ゴール前に上げられたボールをディフェンダーがクリアするがそのボールがゴイアスの選手を直撃しゴールイン。しかし、これもVARによるチェックでオフサイドが判明しゴールは認められない。
   後半に入ってもヴァスコの優勢が続く中、後半15分にVOLマルロン・ゴメスに代えFWペドロ・ハウーウ(Pedro Raul, 1996)を投入し前線を厚くする。しかし、この交代が裏目に出る。ヴァスコの中盤の人数が減り、ゴイアスがボールを握る時間が増えていく。
   そして、後半28分、ヴァスコ陣でボールを回すゴイアスがVOLモレリのゴールで均衡を破る。
   1点リードしたゴイアスは、自陣に引き守備を固め中のスペースを消す。ヴァスコは守備網の外でしかボールを回すことができず、攻撃の糸口が掴めない。後半45+3分にゴール正面でFKを得るが、直接狙ったシュートは壁の間を抜けるがGKの正面を突く。
   試合はこのまま1-0でゴイアスが勝利。ヴァスコサポーターがピッチ内に乱入し混沌とする中、両チームイレブンは警護に囲まれピッチを後にした。

補足情報、 所感 etc.

   ヴァスコ・ダ・ガマはこの敗戦を受けバルビエリ監督を解任。新監督の人事が決まるまでU-20チーム監督のウィリアン・バチスタ(William Batista)氏が監督代行を務める。
   ヴァスコ・ダ・ガマは2日前にウルグアイ代表として90分のフル出場を果たしたSBプーマ・ロドリゲスを先発に起用。4-4-2の布陣で中盤から前は若手を多く起用し運動量で中盤を支配、前半は試合全体を支配する。しかし、1点を取りに行くため上記の通り選手交代を通じ4-3-3に布陣を変更すると、中盤の優位が薄れ試合は拮抗。そして、失点を喫し、相手ゴールをこじ開けることができず0-1の敗戦。
   次戦は6月26日全国選手権第12節ホームでのクイアバ戦。
   なお、6月30日にチェルシー/ENGからの期限付き移籍の期限を迎えるVOLアンドレイ・サントスは、この試合で通算3枚目のイエローカードを受けたため次節は出場停止。この試合がヴァスコ・ダ・ガマでの最後の試合となった。

   クイアバは最後のワンプレーを除き、ほとんど何もできずに前半が終了。しかし、後半はヴァスコが中盤の人数を減らすのに対して、運動量で攻守に走るベテランSBアポジ(Apodi, 1986)を投入。中盤での劣勢を覆すとその勢いで先制。残りの10分強を堅固な守備で虎の子の1点を守り抜いた。
   この勝利で勝ち点3を積み上げ通算勝ち点11。他の下位チームも勝ち点を積みあげているチームが多く、降格圏を抜け出せずにいるが、下位同士の試合だっただけに貴重な勝ち点3を勝ち取った。
   次戦は6月25日全国選手権第12節、アウェイでのRBブラガンチーノとの一戦が控えている。

コリチバ(CFC) 0-1 インテルナシオナウ(INT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=qj9AN1PEiG4
(INT) : 66' #28 ペドロ・エンヒキ(Pedro Henrique, 1990)[PK]
(CFC) : N/A

見どころ

   コリチバは全国選手権0勝4分6敗勝点4の20位。20チーム中唯一全国選手権で勝ち星がない。
   前節は今季全国選手権で初めて無失点に抑えることに成功。シュート数や枠内シュートは相手を大きく上回り、初勝利まであと一歩のところまで迫った。選手層が豊かでないだけに、出場停止などによる欠場は戦力の大幅ダウンを招くが、今節は現状のベストイレブンで試合に臨める見込み。ホームで初勝利をあげ悪い流れに終止符を打ちたい。
   インテルナシオナウは全国選手権4勝2分4敗勝点14の10位。
   5月上旬に公式戦5連敗を喫したが、その後は4勝2分無敗と数字的には復調。しかし、内容的には、低調な展開が続く時間帯も多く、決して手放しで喜べる状況ではない。
   出場は7月以降になるが、エクアドル代表FWエネル・バレンシア(Enner Valencia, 1989)を獲得。一方で、FWアレモン(Alemão, 1998)の退団が噂されており、補強ポイントに疑問が残る。

得点シーン

(INT)後半21分 :
FWルイス・アドリアーノ(Luiz Adriano, 1987)からの縦パスを受けたFWペドロ・エンヒキ(Pedro Henrique, 1990)がドリブルで前にボールを運ぶ。ドリブルが大きくなったところをコリチバディフェンダーがスライディングに行くが、ボールに届かず足を引く。しかし、不運にも場所はペナルティエリアの中、ペドロ・エンヒキの足に引いた足が当たりPKを献上。このPKをファールをもらったFWペドロ・エンヒキ自身が決め、インテルナシオナウが先制点。
   FWペドロ・エンヒキはリオグランデドスル州選手権ではグレミオFWルイス・スアレス(Luis Suárez, 1987)を抑え得点王に輝くも、その後、公式戦16試合にノーゴール。5月31日のコパ・ド・ブラジルで16試合ぶりのゴールを決め、この試合で全国選手権初ゴールを記録。自身のノーゴールがチームの不振に繋がっていた一面もあるだけに、このゴールを機に自身のゴールの量産とともにチームの上位進出に貢献したい。

試合概要

   コリチバが前半から試合の主導権を握り、インテル陣でボールを回し、たびたびインテルナシオナウゴールに迫る。しかし、流れの中からのシュートも、セットプレーからのシュートもことごとく枠を捉えない。前半アディショナルタイムにFWアレフ・マンガ(Alef Manga, 1994)が守備ライン裏に抜け出し、必死に戻るディフェンダーをかわしシュートを放つが、ゴールエリアを出て間合いを詰めたGKジョン・ヴィクトル(John Victor, 1996)のセーブにゴールを阻まれる。
   インテルナシオナウにシュートを許さず前半を終える。
   後半に入りインテルは中盤を修正、試合は拮抗するが、後半最初のシュートは後半15分のコリチバ。二列目からMFマルセリーノ・モレノ(Marcelino Moreno, 1994)が守備ライン裏に駆け上がるFWホビソン(Robson, 1991)へ軽く浮かしたパス。FWホビソンは胸トラップから右足でゴールに流し込もうとするがGKジョン・ヴィクトルが立ちはだかる。
   すると、インテルナシオナウはFWペドロ・エンヒキがペナルティエリア内でファールを受けPKを獲得。これをFWペドロ・エンヒキ自身が決め先制。
   その後は、インテルナシオナウが引いて守り、コリチバが攻める。インテルナシオナウはボールを奪いカウンターを仕掛けるもコリチバGKガブリエウ(Gabriel, 1992)がゴールを許さない。コリチバもインテルナシオナウの守備を掻い潜りシュートまで持ち込むがゴールは枠を捉えない。
   試合はこのまま1-0でインテルナシオナウが勝利を収めた。   

補足情報、 所感 etc.

   コリチバは、ホームの声援を後押しに、守ってはショートまで持ち込ませず、攻めては敵陣でボールを回しながら相手の守備を崩す、シュートシーンまでは理想的な展開のサッカーを披露。しかし、最後のシュートに精度を欠き、得点を奪うことができず、もう一つ黒星を積み重ねる結果に。
   試合内容は相手を勝っていただけに、早く初白星をあげ自信を取り戻したいところ。
   インテルナシオナウは、全国選手権では今季これまで勝ち星がなく最下位に低迷するコリチバを相手に、試合の主導権を握られ前半はシュートゼロ、唯一の得点もPKによるもので、得点力不足がいつまでも解決しない。
   エクアドル代表のセンターフォワード、エネル・バレンシアの獲得が決まったが、ルイス・アドリアーノとの共存を目指し4-4-2の布陣を組むのか、ルイス・アドリアーノを控えに回し4-2-3-1を継続するのか。その起用法で中盤の布陣や戦術も変わってくるだけに、全国選手権開幕前からの課題を解消できずにいるマノ・メネゼス監督の起用法に興味がそそられる。

クイアバ(CUI) 0-1 ボタフォゴ(BOT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=mB2lDn43xRs
(BOT) : 60' #9 チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)[PK]
(CUI) : N/A

見どころ

   クイアバは全国選手権3勝3分4敗勝点12の14位。
   アントニオ・オリヴェイラ(António Oliveira)が指揮を執り3試合で1勝2分。前監督の頃から組織的な戦いぶりだったが、攻撃面では、FWデイヴェルソン(Deyverson, 1991)があまり左右に開かず中央にポジションを取ることでクロスのターゲットとして明確になったように思われる。
   そのFWデイヴェルソンが最近の4試合で3得点をあげ、チームは2勝2分。全国選手権第6節で18位だった順位が14位まで浮上している。
   今節はそのFWデイヴェルソンが警告累積で出場停止。代わりに起用される見込みのFWイシドロ・ピタ(Isidro Pitta, 1999)はスピードとパワーが持ち味で、FWデイヴェルソンとスタイルが異なるセンターフォワード。ボタフォゴは両翼が攻撃参加をする場面も多く、FWイシドロ・ピタのスピードで最終ラインをかき回しクイアバが得意とするサイド攻撃が嵌る可能性も高い。アントニオ・オリヴェイラ監督がどのような采配を見せるか興味が惹かれる。
   ボタフォゴは全国選手権8勝0分2敗勝点24の首位。
   前節終了後、ルイス・カストロ(Luís Castro)監督の引き抜きをクリスチャーノ・ロナウド擁するアル・ナスル/KSAが画策しているとの報道が流れた。現行の4倍の月俸が提示されており、しばらくはルイス・カストロ監督の去就が注目されることになった。
   前節はフォルタレーザを相手に、前半はなかなかゴールが奪えないものの終了間際に先制。後半18分に追加点を奪い、危なげのない試合運びで完勝。
   今節の対戦相手のクイアバは、第6節に苦杯を舐めたゴイアス同様、組織的な守備をベースに両サイドを有効に使い、決定力のあるセンターフォワードを擁するチーム。同じ轍は踏みたくない。

得点シーン

(BOT)後半15分 :
MFセゴビア(Segovia, 2003)が敵陣右サイドの浅い位置から守備ライン裏ペナルティエリア内に抜け出しを図るFWルイス・エンヒキ(Luis Henrique, 2001)へボールを送る。GKヴァウテル(Walter, 1987)が飛び出すがボールに触れることが出来ずFWルイス・エンヒキを倒してしまいボタフォゴにPKが与えられる。このPKをFWチキーニョ・ソアレスが落ち着いて決めボタフォゴが先制。
   FWチキーニョ・ソアレスはこのゴールで全国選手権得点王ランキングで2位に4得点差をつける9ゴール目(3アシスト)。

試合概要

   立ち上がりこそボタフォゴがボールを支配し、クイアバ陣でボールを動かしゴールへの糸口を探る。クイアバは自陣で我慢を強いられる展開となるが、執拗なマークで次第にペースを掴み始めると、徐々に最終ラインが高い位置へあがりボールを奪う位置も高くなっていく。ボールを奪うと、前線は両サイドに大きく開き、その間を中盤の選手やサイドバックがボタフォゴのお株を奪うようにスプリントで駆け上がり、ボールを前後だけでなく左右に大きく、そして、速く動かしチャンスを作り出していく。
   ボタフォゴはボールを握ってもクイアバの速い寄せに思うようにボールを繋げず、自陣でのパスミスも頻発し、クイアバにシュートまで持ち込まれる。また、プレスを掻い潜り、両サイドのFWヴィトル・サー(Victor Sá, 1994)やFWジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)にボールを送ろうとするが、チャンスを作り出すまでには至らない。   
   ボタフォゴは後半開始時に、FWヴィトル・サーとFWジュニオール・サントスに代え、MFセゴビアとFWルイス・エンヒキを投入。試合展開は大きくは変わらないものの、この2人の連係でPKを獲得しボタフォゴが先制点を奪う。
   試合はその後もクイアバが試合を優勢に進め多くのシュートを放つが、GKペリ(Perri, 1997)が再三の好守でゴールを守り、ボタフォゴが何とか1点も守り切り試合は終了。
   苦しみながらもボタフォゴは勝ち点3を拾い、首位ボタフォゴを圧倒したクイアバは悔しい敗戦を喫した。

補足情報、 所感 etc.

   クイアバは、上述のとおり、執拗なマークからボールを奪っては前後左右にボールを散らし、選手が次々に上がり、浅い位置からのクロス、深い位置からのクロス、ミドルシュートなど織り交ぜながらボタフォゴの守備をかく乱。左右の揺さぶりでボタフォゴ両CBの一対一や正面からのボールへの強さを消し、中盤、サイドバックが次々に上がることで相手のボランチやサイドバックを自陣深くまで押し戻し、前線を孤立させることに成功。これまでボタフォゴは全国選手権では最少の被シュート数だったが、この日はクイアバは23本ものシュートを放ち、一方、被シュートは僅か5本に抑えた。
   FWデイヴェルソンが出場停止となり、ゴール前での高さが不足したが、FWイシドロ・ピタは左右に動きディフェンダーを引き連れ味方のスペースを作り出すなど、デイヴェルソンと異なるプレースタイルで多くのチャンスを創出。今後の攻撃のヴァリエーションが増える結果となった。
   次節は、6月26日全国選手権第12節アウェイでのヴァスコ・ダ・ガマ戦。

   ボタフォゴは詳細は異なるものの、大枠において自分たちのサッカーを相手に演じられ苦戦、試合の主導権を握ることができないまま試合を終えた。しかし、後半開始時に投入した若手選手2人の連係でPKを獲得し、その得点を守り切り勝ち点3を獲得。2位から5位につけていたチームが引き分け以下に終わったため、2位集団との差を広げることに成功した。
   次戦は6月25日全国選手権第12節、2位パウメイラスとの直接対決。パウメイラスはスリートップにスピードがあり、サイドバックは攻撃参加が得意で両サイドを広く使う。ボランチの守備力も高く、今節のクイアバや、第6節で苦杯を舐めたゴイアスと似たスタイルを持つチーム。ルイス・カストロ監督の采配が今から楽しみに思われる。

RBブラガンチーノ(RBB) 4-0 フラメンゴ(FLA)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=2S-m_HySl04
(RBB) : 40' #26 エドゥアルド・サントス(Eduardo Santos, 1997)[#8 ルーカス・エヴァンジェリスタ(Lucas Evangelista, 1995)]
(RBB) : 49' #16 モスケーラ(Mosquera, 2001)[#35 マテウス・フェルナンデス(Matheus Fernandes, 1998)]
(RBB) : 76' #9 アレハンドロ(Alerrandro, 2000)[]
(RBB) : 81' #16 モスケーラ(Mosquera, 2001)[]
(FLA) : N/A

見どころ

   RBブラガンチーノは全国選手権3勝5分2敗勝点14の12位。
   5月13日第6節パウメイラス戦での引き分けを機に、それまでの大味な試合ぶりが安定したように感じられる。前節アトレチコ・ミネイロ戦は中盤での激しいボールの奪い合いに前半は後手を踏み先制を許すが、前半のうちにタイトな中盤を掻い潜り同点に追いつき、アウェイで勝ち点を1を獲得した。
   今節の対戦相手フラメンゴは調子を上げてきているが、相手に関係なく、自分たちのスタイルのサッカーで白星を勝ち取りたい。
   フラメンゴは全国選手権6勝1分3敗勝点19の3位。
   最近の公式戦10試合を7勝3分、第4節での17位から3位まで浮上してきた。代表帰りの左SBアイルトン・ルーカス(Ayrton Lucas, 1997)、FWペドロ(Pedro, 1997)がスタメンに名を連ねるか不明だが、選手層の厚さを考えるとこの2人が控えに回っても大きな戦力ダウンは考えられない。
   首位ボタフォゴまでの勝点差は5、2位パウメイラスまでは3。今節もしっかりと勝ち点3を収め上位2チームを追いかけたい。

得点シーン

(RBB)前半40分 :
右CKからVOLルーカス・エヴァンジェリスタ(Lucas Evangelista, 1995)が高く上げたボールを送る。中央から弧を描いてファーサイドに移動したCBエドゥアルド・サントスが助走をつけたジャンプで空中戦を制し、ゴール左隅にヘディングシュートを決める。
   CBエドゥアルド・サントスはブラジル国内でのデビューを迎えず、フルミネンセ下部から2017年にポルトガル2部に期限付き移籍。2019年半ばに期限付き移籍でブラジル全国選手権2部サンベントで4試合に出場し、2019年末にチェコ2部に完全移籍を果たす。2022年初にチェコの強豪プルゼニに期限付き移籍で加入しプレーオフを含めたシーズン最後の10試合でレギュラーを務めリーグ優勝に貢献。翌2022/23シーズンはプルゼニのライバル、スラヴィア・プラハに完全移籍を果たす。2023年4月上旬、CBにケガ人の相次いだRBブラガンチーノが期限付き移籍で獲得。身長195㎝の高さに加え、スピードもあるセンターバック。RBブラガンチーノ加入後はチーム戦術に素早く適応し、最終ラインからチームを支える。
(RBB)後半4分 :
センターライン付近敵陣でカウンターに向かおうとする相手のパスをVOLマテウス・フェルナンデスがカット。こぼれ球を拾ったFWモスケーラがドリブルでボールを運び、ペナルティエリア手前左からディフェンダーをかわしシュート。これがゴール右サイドネットに突き刺さりRBブラガンチーノが追加点。
   VOLマテウス・フェルナンデスはバルセロナ/ESPで1試合だけだが出場経歴を持つ。ボタフォゴで2017年18歳のプロデビュー。若くしてバルセロナへの移籍も果たしたが、約1年半でパウメイラスに移籍。2022年はアトレチコ・パラナエンセ、2023年はRBブラガンチーノへ期限付き移籍。RBブラガンチーノではボランチとして吉備いマークとボール奪取、攻撃センスを生かした前線へのボールのつなぎ役として活躍している。
(RBB)後半31分 :
敵陣左サイドでのパス交換からSBジュニーニョ・カピシャバ(Juninho Capixaba, 1997)がゴール前にクロス。ニアサイドでVOLルーカス・ピトンが頭に合わせたボールはゴールポストに阻まれるが、跳ね返りのボールをFWアレハンドロが押し込む。
   FWアレハンドロはアトレチコ・ミネイロ下部組織出身で、2017年南米U-17選手権代表として3試合1得点を記録。2018年1月にプロデビューを果たす。2020年、300万ユーロ相当の移籍金でRBブラガンチーノに移籍。スタメンに定着しかねずにいるが、RBブラガンチーノ加入後の3年間はいずれも30前後の試合に出場。2023年は全国選手権で出場機会を失いつつあるが、このゴールを機に出場機会を増やしたい。
(RBB)後半36分 :
敵陣左サイド深くでディフェンダーが足を滑らせボールを処理を誤ると、FWモスケーラがボールを奪いサイドからペナルティエリアに侵入。そのまま右足を一閃するとボールはサイドネットに突き刺さる。
   FWモスケーラは州選手権敗退後の2023年3月末にRBブラガンチーノに加入したコロンビア国籍選手。開幕節でゴールに絡み、第7節でアシストを記録。そして、この試合での1ゴール目がブラジルでの初ゴール。途中交代出場が続いていたが、最近の3試合ではスタメンに抜擢、この試合では見事に期待に応える2得点の活躍。

試合概要、 所感 etc.

   RBブラガンチーノの快勝。前半から高い位置でプレスをかけ相手のボールの出どころを抑え、ミスを誘い、ボールを保持しては前後左右にテンポよくボールを動かし、選手もピッチを広く動き回り、次々とシュートに持ち込んでいく。
   試合全体でシュート数は30本を数え、枠内シュートは12本。フラメンゴGKの再三の好守がなければさらに点差は開いたであろう展開となった。
   この勝利で勝ち点を17に伸ばし9位に浮上。リベルタドーレス出場圏の6位までの勝点差はわずかに1。
   次戦は6月25日全国選手権第12節、ホームにゴイアスを迎える

   フラメンゴは、相手のプレスにミスが相次ぎ、守備でのマークも甘く、今季最低の出来で0-4の完敗。
   前節も得点上は3-0での完勝ながら、被シュートは25本近く数え、寄せの甘さが感じられたものの、この試合でその点の修正が行われておらず30本ものシュートを浴び4失点。GKマテウス・クーニャ(Matheus Cunha, 2001)が唯一の見せ場を作った試合だった。
   次戦は6月25日全国選手権第12節、アウェイでサントスとの一戦が控える。

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