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全国選手権第12節 対戦組合せ
以下の5試合はこの記事で。
・2023/06/24 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x コリンチャンス(COR)
・2023/06/24 フルミネンセ(FLU) x バイーア(BAH)
・2023/06/24 フォルタレーザ(FOR) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
・2023/06/24 クルゼイロ(CRU) x サンパウロ(SAO)
・2023/06/25 パウメイラス(PAL) x ボタフォゴ(BOT)
以下の5試合はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2023】第12節(2/2)
・2023/06/25 グレミオ(GRE) x コリチバ(CFC)
・2023/06/25 サントス(SAN) x フラメンゴ(FLA)
・2023/06/25 RBブラガンチーノ(RBB) x ゴイアス(GOI)
・2023/06/25 アメリカ・ミネイロ(AME) x インテルナシオナウ(INT)
・2023/06/26 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x クイアバ(CUI)
全国選手権第12節 試合概要
アトレチコ・パラナエンセ(CAP) 1-0 コリンチャンス(COR)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=qxNulbdWAvg
(CAP) : 36' #9 ヴィトル・ホッキ(Vitor Roque, 2005)[#2 ケウヴィン(Khellven, 2001)]
(COR) : N/A
見どころ(試合前の順位)
アトレチコ・パラナエンセは全国選手権5勝1分5敗勝点16の11位。
コリンチャンスは全国選手権3勝3分5敗勝点12の15位。
得点シーン
(CAP)前半36分 :
ペナルティエリア手前左でのパス交換から一列戻しペナルティエリア内右サイドへボールを送る。ボールに対する態勢でディフェンダーの優位に立ったSBケウヴィンが頭でゴール前にボールを折り返す。相手GKの手前に走り込んだFWヴィトル・ホッキが頭を合わせゴール。アトレチコ・パラナエンセが先制。
FWヴィトル・ホッキは、全国選手権5試合連続で得点に関与(4得点1アシスト)し、通算12試合6得点1アシスト、得点ランキングで単独2位に浮上。
試合概要
アトレチコ・パラナエンセは相手陣でプレス、そこを搔い潜られると、しっかりと自陣でブロックを作り、中盤の速い寄せでコリンチャンスの攻撃の芽を潰していく。ケガから復帰明けのVOLフェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)、VOLエリキ(Erick, 1997)を中心に自陣でボールを奪うと守備ライン裏を狙うスピード豊かなFWヴィトル・ホッキへボールを送り、右サイドFWカノービオ(Canobbio, 1998)、左サイドMFクリスチャン(Christian, 2000)、中央をMFヴィトル・ブエノ(Vitor Bueno, 1994)がフォローに上がり、右サイドでは久しぶりに先発に起用されたSBケウヴィンが積極的に攻撃参加、攻撃に厚みをつける。
前半を通して上記の展開が続き、アトレチコ・パラナエンセがたびたびシュートまで持ち込む。コリンチャンスGKカシオ(Cássio, 1987)の再三の好セーブやゴールポストに嫌われるなど惜しい場面が続くが、前半36分にFWヴィトル・ホッキがゴールをこじ開ける。
後半に入り、コリンチャンスは攻撃的な左SBファビオ・サントス(Fábio Santos, 1985)、MFジウリアーノ(Giuliano. 1990)を投入。一方のアトレチコ・パラナエンセは、相手陣でのプレスを控え、自陣でより堅固なブロックを形成。中盤の選手を入れ替え中盤での厳しいマークを継続し、コリンチャンスの効果的な攻撃を阻止。コリンチャンスは個人で打開しようとする場面が増え始め、アトレチコは守備が容易になる。
後半もアトレチコ・パラナエンセがカウンターでコリンチャンスゴールに迫り大きなチャンスを複数迎えたのに対し、コリンチャンスははっきりとした得点機を迎えることなくタイムアップ。アトレチコ・パラナエンセが1-0で勝利を収めた。
所感 etc.
アトレチコ・パラナエンセは、VOLフェルナンジーニョが試合中のケガで退場した5月20日全国選手権第7節以来の出場で中盤の底で存在感を見せつける。ボール奪取、スペース管理、FWヴィトル・ホッキとディフェンダーの位置を瞬時に把握し送り出すパスなど、特筆すべきプレーを次々と繰り出す活躍。アトレチコは5月20日の試合から前節まで2勝1分5敗と負けが大きく先行したが、重要なピースが帰ってきた。
次戦は週中のリベルタドーレス。すでに決勝ラウンド進出を決めており、週末のパウメイラス戦、さらに中2日で迎えるコパ・ド・ブラジル準々決勝1stレグに向け戦力の温存が見込まれる。
コリンチャンスは、前半は中盤が機能せず、前線までボールを運ぶことが出来ず、見せ場さえ作ることができない。後半に入り、アトレチコが少し引いたこともあり、ボール保持率は上がるが、やはり中盤でのアトレチコのマークに攻撃の芽を潰され、完敗に近い内容での敗戦。
攻撃の要MFヘナト・アウグスト(Renato Augusto, 1988)の再発したケガは予想以上の重傷で復帰の見通しが立っておらず、今後も攻撃の組み立てに苦しむことになりそうだ。
次戦は週中にリベルタドーレス。すでに決勝ラウンド進出の望みは絶たれており、コパ・スウアメリカーナのプレイオフ進出に向けグループ3位を争う。週末にはホームにRBブラガンチーノを迎える。RBブラガンチーノはアトレチコ・パラナエンセとタイプは異なるが、中盤のマークが厳しく、高い位置でボールを奪いにくるチーム。中盤でのボールの奪い合いで上回ることが喫緊の課題となる。
フルミネンセ(FLU) 2-1 バイーア(BAH)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=vH0q9g5CA8g
(BAH) : 28' #21 ヴィニシウス・ミンゴッチ(Vinicius Mingotti, 2000)[#37 カイキ(Kayky, 2003)]
(FLU) : 49' #99 レレー(Lelê, 1997)[]
(FLU) : 51' #20 ガブリエウ・ピラーニ(Gabriel Pirani, 2002)[#11 ケーノ(Keno, 1989)]
見どころ(試合前の順位)
フルミネンセは全国選手権5勝3分3敗勝点18の7位。
バイーアは全国選手権3勝3分5敗勝点12の14位。
得点シーン
(BAH)前半28分 :
フルミネンセがペナルティエリアに上げたボールをディフェンダーがクリアすると、VOLタシアーノ(Thaciano, 1995)がボールを拾い左サイドのFWカイキへボールを繋ぐ。FWカイキはスピードのあるドリブルでボールを運び、ゴール前にクロス。FWヴィニシウス・ミンゴッチがこのボールに飛び込み右足を合わせゴール。バイーアが先制。
FWヴィニシウス・ミンゴッチは2023年4月20日にアトレチコ・パラナエンセからの期限付き移籍でバイーアに加入。いくつかの試合で後半の僅かな時間の出場が続いていたが、前節に続き2試合連続で先発起用。その期待に応えるゴールを決める。
FWカイキはフルミネンセ下部組織出身でフルミネンセからデビュー。2021年4月にマンチェスターシティ/ENGに移籍するが、期限付き移籍で8月までフルミネンセでプレー。その後英国に渡りマンチェスターシティ育成チームを中心に活動し、2022年8月にパッソス・デ・フェヘイラ/PORを経て、2023年1月にバイーアに期限付き移籍加入。加入当初は先発起用も多かったが、3月以降は次第に出場機会を減らしていた。しかし、6月10日全国選手権第10節クルゼイロ戦で先発に抜擢され2月17日以来のゴールを決めると3試合連続の先発起用。この試合ではスピードと左足からの精度の高いクロスでアシストを記録。
(FLU)後半4分 :
敵陣右サイドで細かくパスを繋ぎ、中央にボールを運ぶがパスがずれる。バイーアディフェンダーがそのボールをクリアミス、ボールは自陣ゴールに向かう。そのボールをFWレレーがGKと競り合いながらも頭に合わせボールはゴールネットに吸い込まれる。
FWレレーはリオデジャネイロ州選手権5部イタボライ・プロフッチに籍を置き、2023年初めにヴォウタ・ヘドンダに期限付き移籍でプレーし、リオデジャネイロ州選手権1部でヘルマン・カーノに次ぐ13得点を記録。その活躍を受け、州選手権終了後にフルミネンセに期限付き移籍。途中交代出場が続くが、最近の3試合でスタメンに起用され、この試合では開幕節以来となる得点を記録。身長189㎝体重83㎏の恵まれた体格をいかした力強いプレーで、不振のヘルマン・カーノに代わりチームを牽引したい。
(FLU)後半6分:
左サイドでボールを受けたMFガブリエウ・ピラーニがゴールに向かいドリブルを仕掛け、FWケーノにボールを預け、そのまま守備ラインに抜け出しを図る。FWケーノからの戻りのボールをオフサイドぎりぎりで受けるとGKの位置を冷静に確認し右足で巻き込むシュート。フルミネンセが僅か2分で逆転。
MFガブリエウ・ピラーニは2023年2月28日にサントスから獲得。足元の技術と戦略眼からMFガンソの後釜として期待される。MFガンソの壁は厚いものの、厳しい日程の中、途中交代や先発起用で全国選手権はこの試合で8試合333分の出場、全国選手権での初ゴールを記録した。
試合概要、 所感 etc.
フルミネンセは週中に決勝進出が最終節までもつれ込んだリベルタドーレスを控え、主軸を温存したスターティングイレブン。
一方のバイーアはフルミネンセから期限付き移籍加入中のGKマルコス・フェリピ(Marcos Felipe, 1996)を除き、勝利を収めた前節パウメイラス戦と同じ選手を先発に起用する。
立ち上がりからバイーアはパスミスを連発。GKからのボールを奪われ、前半1分には早くもピンチを招く。前半5分、フルミネンセは左サイドからのクロスにFWレレーが守備ライン裏に飛び出しを頭を合わせ、前半10分にはSBマルセロ(Marcelo, 1988)が強烈なシュートを放つが、いずれもバイーアGKダニーロ・フェルナンデス(Danilo Fernandes, 1988)が好セーブでしのぐ。その後もフルミネンセが次々とバイーアゴールに迫る展開が続く。
ところが、先制点を奪ったのはバイーア。前半28分にカウンターからFWヴィニシウス・ミンゴッチがゴール。
1点を追うフルミネンセだが、前半37分、CBニノが一発退場、数的不利に立たされる。その後もホームで勝ち星が欲しいフルミネンセがボールを握り続けるが、バイーアゴールをこじ開けることが出来ず前半を終える。
後半に入っても状況は変わらず。フルミネンセが相手陣でボールを回し、バイーアはカウンターを狙う。
後半4分、フルミネンセが敵陣で細かくボールを繋ぎ、相手のミスも重なり同点に追いつくと、その2分後にMFガブリエウ・ピラーニとFWケーノの連係で逆転。
フルミネンセは逆転に成功すると自陣ゴール前で堅固なブロックを敷き、前線にFWレレーを置きカウンターを狙う。バイーアはボールを握るようになるが、ブロックの外でのパス回しが続き、なかなか決定的なチャンスを作れない。後半33分にはカウンターからピンチを招くが途中交代のGKマテウス・クラウス(Mateus Claus, 1994)の好セーブとクロスバーに助けられる。
バイーアは後半38分に守備ライン裏への抜け出しから絶好機を迎えたがGKファビオが立ちはだかり、後半45+2分にもゴール前での混戦から最後はFWヴィニシウス・ミンゴッチがシュートに持ち込むも、再びGKファビオが立ちはだかる。
試合は2-1でフルミネンセが何とか勝ち点3を獲得した。
補足情報、 所感 etc.
フルミネンセはこの勝利で勝ち点を21に伸ばし5位に浮上。
次戦は週中のリベルタドーレス。引き分け以上で決勝ラウンド進出が決まる。全国選手権第13節は7月1日アウェイでのサンパウロ戦。
バイーアは先制後のカウンター狙いの戦術が裏目に出て、逆転を許し、数的有利な状況を生かせず敗戦。細かくパスを繋ぎ背後に広大なスペースを空けるフルミネンセに対し、リードした状況でもカウンターを狙う戦術は合理的だが、ボールの奪いどころが定まらず、効果的なカウンターを発動する前に相次ぐ失点。数的不利で1点を守り切ることに専念したフルミネンセ守備を崩すだけ攻撃のレパートリーをバイーアは用意できていなかった。
次戦は週末7月1日に全国選手権第13節、グレミオをホームに迎える。
フォルタレーザ(FOR) 2-1 アトレチコ・ミネイロ(CAM)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=h9HlsKo1vRo
(FOR) : 54' #7 ポチェチーノ(Pochettino, 1996)[]
(FOR) : 62' #2 チンガ(Tinga, 1993)[#4 チチ(Titi, 1988)]
(CAM) : 87' #14 アラン・カルデッキ(Alan Kardec, 1989)[#8 エデニウソン(Edenílson, 1989)]
見どころ(試合前の順位)
フォルタレーザは全国選手権4勝5分2敗勝点17の10位。
アトレチコ・ミネイロは全国選手権5勝4分2敗勝点19の5位。
得点シーン
(FOR)後半9分 :
ビルドアップで最終ラインが相手陣に入り右サイドへボールを展開し、ペナルティエリア右角からゴール前にグラウンダーのクロス。ディフェンダーがクリアを試みるがボールは弧を描きゴール前左へ。MFポチェチーノがディフェンダーに競り勝ち頭を合わせゴールネットを揺らす。
MFポチェチーノはフォルタレーザが2023年1月6日にオースチンFC/USAから完全移籍で獲得したアルゼンチン国籍選手。ボカ・ジュニオルスでプロデビューを果たし、2022年には期限付き移籍でリーベルプレートでプレー。デフェンサ・イ・フスティシアではボイボダ(Vojvoda)監督の下でプレーし、信任は厚い。チーム44試合中38試合に出場、5得点6アシストを記録している。
(FOR)後半17分 :
左サイドからのFK。逆サイドへ長めのクロスを上げ、開いたCBチチが頭で空いたスペースにボールを落とし、そのスペースに入ったSBチンガがボールを蹴り込む、デザイン通りのプレーでフォルタレーザがリードを広げる。
SBチンガはフォルタレーザに2018年の加入。加入当初からレギュラーを務め、全国選手権1部への再昇格、過去最高順位の4位などクラブの成長を共に歩んでいる。2023年4月にはクルゼイロからのオファーを断りフォルタレーザと2026年末まで契約を延長。クラブとともに頂点を極めたい。
(CAM)後半42分 :
左CK。GKがパンチングでクリアしたボールをVOLエデニウソンが拾いシュート。FWアラン・カルデッキがコースを変えボールはゴールネットを揺らす。
FWアラン・カルデッキは2009年U-20W杯、U-20南米ユース選手権代表、両大会で15試合6得点を記録。約6年間の中国リーグでのプレーの後、2022年7月にアトレチコ・ミネイロに加入。腰椎椎間板ヘルニアに苦しみ、この試合が約7か月ぶりの試合出場となったが、自らのゴールで復帰を祝った。
試合概要
フォルタレーザは、ホームゲームにも関わらず守備を重視した戦術を採用。前半はアトレチコ・ミネイロもリスクを犯さずボールを回したため、効果的なカウンターを発動することもなく、落ち着いた展開で終了。
後半に入り、9分、17分と相次いでフォルタレーザが得点。アトレチコ・ミネイロも攻撃の圧力を強めるが、フォルタレーザの堅固な守備をなかなかこじ開けることが出来ず、後半42分に1点差に詰め寄るものの試合はそのまま終了。
フォルタレーザが2-1で勝利を収めた。
補足情報、 所感 etc.
フォルタレーザは全国選手権2連勝。勝ち点を20に伸ばし8位に浮上。
次戦は週中のコパ・スウアメリカーナ。すでにグループ首位を決めており、主力選手を温存し新しい選手の発掘を進めたい。全国選手権は7月1日に第13節アウェイでのフラメンゴ戦。
アトレチコ・ミネイロは、国際Aマッチデーによる小休止後の2試合に1分1敗。一時は3位まで順位を上げたが足踏みが続いている。
次戦は週中のリベルタドーレス、引き分け以上で決勝ラウンド進出が決まる。全国選手権は7月2日に第13節アメリカ・ミネイロとのクラシコが控えている。
クルゼイロ(CRU) 1-0 サンパウロ(SAO)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=ql__UfFI0jU
(CRU) : 3' #xx オウンゴール(Gol Contra)[]
(SAO) : N/A
見どころ(試合前の順位)
クルゼイロは全国選手権4勝2分5敗勝点14の12位。
サンパウロは全国選手権5勝3分3敗勝点18の6位。
得点シーン
(CRU)前半3分 :
自陣から相手のプレスを掻い潜り右サイドライン際を持ち上がる。そこから左サイドへ大きくサイドチェンジ。左サイドでボールを受けたFWブルーノ・ホドリゲス(Bruno Rodrigues, 1997)がドリブルで中央へ向かい、再び右サイドにボールを送る。ボールを受けたSBウィリアン(William, 1995)がワントラップからゴール前にクロス。ニアサイドでの競り合いを越えたボールはサンパウロディフェンダーのクリアミスを誘いゴールイン。クルゼイロが先制。
試合概要
クルゼイロは、両ウィングがサイドライン際にポジションを取り、左右にボールを揺さぶり、サンパウロ守備陣をかく乱。その攻撃が功を奏し早くも前半3分に先制点を奪う。
その後も、大きく開いたFW陣の間をMF陣が縦に走り込みチャンスを作っていく。
しかし、前半25分を過ぎるころになると、サンパウロが押し込む時間が多くなる。前半38分にはサンパウロはクロスボールにFWカレリが頭を合わせ、GKハファエウ・カブラウ(Rafael Cabral, 1990)が好セーブ。さらにこぼれ球にMFホドリゴ・ネストール(Rodrigo Nestor, 2000)が詰めるがGKハファエウ・カブラウがゴールを守り切る。
後半に入っても試合の展開は変わらず、サンパウロがボールを握り、クルゼイロが守りを固める。しかし、サンパウロは選手交代で次々にフレッシュな選手をピッチに投入するが、想像力に欠け、なかなかゴールに迫れない。クルゼイロも中盤の攻撃的な選手に代え守備的な選手、前線の選手を代え中盤でのマークを強め、守備を固めていく。
試合はこのまま1-0でクルゼイロが逃げ切りタイムアップ。クルゼイロは公式戦8試合ぶりの勝利を収めた
補足情報、 所感 etc.
クルゼイロは、5月14日全国選手権第6節アメリカ・ミネイロ戦以来の勝ち星。翌第7節に勝てば2位という状況から2分3敗と勝ち点を積み重ねることが出来ず12位まで順位を落としていた。
しかし、勝てない間もボール保持率やシュート数で相手を上回る試合が多く、チームの不振から抜け出すのに時間を要したが、この試合では皮肉にも試合開始間もなくの得点を守り切る内容で勝利。久しぶりの勝利に一息つくことができたものの、今後も攻撃的なスタイルを貫くのか、守備的に勝ち点を拾っていくのか、意思決定の難しい分岐点に立った。
この試合の勝利で勝ち点を17に伸ばしたが順位は12位のまま変わらず。しかし、リベルタドーレス出場圏の6位チームとの勝点差を3に詰めた。
次戦は週末7月1日に全国選手権第13節アウェイでのインテルナシオナウ戦。週中に試合が控える相手に対し日程的な有利があり連勝を飾りたい。
サンパウロは全国選手権で3連敗。監督交代以来中盤での厳しいマークに行き、守→攻への切り替えを早め結果を残したが、攻撃的なチームへの移行を目指し、第10節グレミオ戦での突然のスリーバックの採用など、新しい戦術を試すが結果が伴ってこない。
攻撃的なポジションには若手から中堅までいろいろなスタイルのタレントが揃い、ビルドアップの軸としてCBルーカス・ベラウド(Lucas Beraldo, 2003)が成長しているが、相手陣でボールを展開する中からのゴールがなかなか生まれない。チーム力を上げるためにも、結果を求めて安易に以前のスタイルに戻らず、試行錯誤を続け、昨年フラメンゴで築き上げたような試合を支配し相手守備を崩すようなチームをドリヴァウ・ジュニオール監督には構築してもらいたい。
次戦は週中のコパ・スウアメリカーナ。4点差以内の敗戦以上でグループ首位で決勝ラウンドに進出する。全国選手権第13節は7月1日にホームでフルミネンセを迎える。
パウメイラス(PAL) 0-1 ボタフォゴ(BOT)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=rxnFFj8pxXU
(BOT) : 28' #9 チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)[]
(PAL) : N/A
見どころ(試合前の順位)
パウメイラスは全国選手権6勝4分1敗勝点22の2位。
ボタフォゴは全国選手権9勝0分2敗勝点27の首位。
得点シーン
(BOT)前半28分 :
相手陣右サイド浅い位置からのFK。ディフェンダーのクリアが短くなったところをFWチキーニョ・ソアレスがペナルティエリア内左でボールを持つ。切り返しでディフェンダーをかわし左足でグラウンダーのシュート。これがゴールネットを揺らす。ボタフォゴが先制。
FWチキーニョ・ソアレスは、2022年8月にボタフォゴに入団。FCポルト/PORでのプレーを知るルイス・カストロ監督の要望で獲得に至った。この試合では巧妙なポジショニングでクリアボールを拾いゴール。このゴールで全国選手権第12節終了時点で11試合に出場、得点王ランキングで2位に4得点差をつける10ゴール目(3アシスト)。
試合概要
パウメイラスは、前半から左サイドFWドゥドゥ(Dudu, 1992)、右サイドMFアルトゥール(Artur, 1998)がゴールライン際まで攻め上がり、ゴール前にクロスを送りチャンスを作り出す。また、ゴールライン際まで上がることでボタフォゴのサイドバック、ボランチを低い位置まで引き連れ、ボタフォゴが得意とする速い攻撃を未然に防ぐ。
パウメイラスのクロスに対しては、ボタフォゴGKペリ(Perri, 1997)、CBアドリエウソン(Adryelson, 1998)、CBビトル・クエスタ(Víctor Cuesta, 1988)が我慢強く跳ね返していき、パウメイラスはシュートまで持ち込むことが出来ない。しかし、セカンドボールを拾い、両サイドからの攻撃を繰り返していく。
前半28分、ここまでシュートに持ち込むことさえできなかったボタフォゴが相手陣でFKを獲得すると、FWチキーニョ・ソアレスのゴールで先制。
前半40分、FKからの流れで前線に残ったCBグスタボ・ゴメス(Gustavo Gómez, 1993)がクロスボールに頭を合わせゴールネットを揺らすが、VARによる確認でオフサイドが検出されゴールは取り消される。
後半に入りボタフォゴはMFセゴビア(Segovia, 2003)を投入。クロスボールを上げられる展開は変わらないものの、クリアボールの預け先が明確になり、セカンドボールもMFセゴビアが拾い、ボタフォゴのボール保持率が改善する。後半15分にはMFセゴビアがカウンターからボールを運び、FWヴィトル・サー(Victor Sá, 1994)に決定的なスルーパスを送るが、FWヴィトル・サーのシュートは僅かにゴール右に外れる。
パウメイラスはカウンターのリスクを背負いながらも、前半同様に左右のサイドからボールをゴール前に送り、ゴールを狙い続ける。そして、後半35分、FWフラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)がペナルティエリア内で背後から押し倒されPKを獲得。しかし、このPKはゴール左に外れ同点に追いつくことが出来ない。
首位と2位との直接対決はこのまま1-0で首位ボタフォゴに軍配が上がり、ボタフォゴはパウメイラスとの勝点差を8に広げ、首位を固めた。
補足情報、 所感 etc.
パウメイラスは痛い敗戦。まだ第12節とはいえ、今後もリベルタドーレス、コパ・ド・ブラジルと厳しい日程が続く中、首位ボタフォゴとの勝点差が8に広がった。
いつもの通りのスタイルで試合に臨んだもの、VOLガブリエウ・ミニーノ(Gabriel Menino, 2000)を出場停止で欠いたため、中央でのパスワークが少なく、攻撃がサイドからのクロスに少し偏りすぎたように感じる。また、クロスやクロスの折り返し、CKは高さのあるボタフォゴ守備陣に跳ね返され、シュートはいつもの精度を欠き、最後までゴールを奪うことができなかった。
次戦は週中のリベルタドーレス。すでに決勝ラウンド進出を決めており主力選手の温存が見込まれる。そして、週末7月2日に全国選手権第13節アウェイでのアトレチコ・パラナエンセ戦。さらに中2日でコパ・ド・ブラジル準々決勝1stレグ、サンパウロ戦が控える。
ボタフォゴは、前節に続き、相手のテンポのいいパス交換とサイド攻撃に後手に回る。しかし、少ないチャンスをゴールに結びつけ、粘り強い守備で無失点に切り抜け、虎の子の1点を守り抜き勝ち点3を獲得。パウメイラスを3位に引きずり落とし、2位グレミオとの勝点差を7とし首位を固めた。
サイドからのクロスを妥協しゴール前でセンターバックとボランチで跳ね返す戦術を選択したのかもしれない。しかし、最終ラインとGKの間へのクロスから危険な場面を作られ、クロスへの対応でPKを与えるなど、少しクロスを上げられすぎたように感じる。
対戦相手の研究も進み、2試合続けて苦しい試合展開。そこを勝ち切るところに今季のボタフォゴの強さを感じるが、この2試合の苦戦を糧にもう一段高いレベルへ進化を期待したい。
次戦は週中のコパ・スウアメリカーナ。グループ首位ではあるが2位とは同勝点。勝ってプレーオフを回避し決勝ラウンドに駒を進めたい。週末7月2日には全国選手権第13節、降格圏に沈むヴァスコ・ダ・ガマとのホームでのクラシコが控えている。