【ブラジル全国選手権2023】第12節(2/2)

投稿者: | 2023年6月25日

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全国選手権第12節 対戦組合せ


以下の5試合はこの記事で。以下の5試合はこちらで。→ 
・2023/06/24 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x コリンチャンス(COR)
・2023/06/24 フルミネンセ(FLU) x バイーア(BAH)
・2023/06/24 フォルタレーザ(FOR) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
・2023/06/24 クルゼイロ(CRU) x サンパウロ(SAO)
・2023/06/25 パウメイラス(PAL) x ボタフォゴ(BOT)
以下の5試合はこの記事で。以下の5試合はこちらで。→ 
・2023/06/25 グレミオ(GRE) x コリチバ(CFC)
2023/06/25 サントス(SAN) x フラメンゴ(FLA)
2023/06/25 RBブラガンチーノ(RBB) x ゴイアス(GOI)
2023/06/25 アメリカ・ミネイロ(AME) x インテルナシオナウ(INT)
2023/06/26 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x クイアバ(CUI)

全国選手権第12節 試合概要

グレミオ(GRE) 5-1 コリチバ(CFC)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=754NaPM6xxc
(GRE) : 34' #19 クリスタウド(Cristaldo, 1996)[PK]
(CFC) : 41' #11 アレフ・マンガ(Alef Manga, 1994)[#10 マルセリーノ・モレノ(Marcelino Moreno, 1994)]
(GRE) : 48' #20 ビジャサンチ(Villasanti, 1997)[#9 ルイス・スアレス(Luis Suárez, 1987)]
(GRE) : 54' #39 ビテロ(Bitello, 2000)[#18 ジョアン・ペドロ(João Pedro, 1996)]
(GRE) : 66' #9 ルイス・スアレス(Luis Suárez, 1987)[#22 ヘイナウド(Reinaldo, 1989)]
(GRE) : 84' #77 アンドレ(André, 2001)[#7 ナタン(Nathan, 1996)]

見どころ(試合前の順位)

   グレミオは全国選手権6勝2分3敗勝点20の3位。
   コリチバは全国選手権0勝4分7敗勝点4の20位。

得点シーン

(GRE)前半34分 :
右サイド深くからのクロスはディフェンダーのクリアが浅くなり、ペナルティエリア左角からSBヘイナウドがダイレクトにシュート。ボールは枠を外れるが、VARによる検証でコリチバディフェンダーのハンドが認められグレミオにPKが与えられる。これをクリスタウドがゴール右に決めグレミオが先制。
   MFクリスタウドは2023年シーズン前にウラカン/ARGからグレミオに加入したアルゼンチン国籍選手。中盤の攻撃なポジションに定着。州選手権の終盤からPKを任され、今季はこれで27試合6得点8アシスト、全国選手権は3得点(すべてPK)1アシスト。
(CFC)前半41分 :
FWアレフ・マンガが相手陣左サイドで中央のMFマルセリーノ・モレノにボールを預け、ペナルティエリア入口中央に向け斜めに駆け上がり、ディフェンスラインの手前で戻りのボールを受ける。ディフェンダーが寄せに来るのを待たず、右足を振り抜くとボールは弧を描きゴール右に突き刺さる。
   FWアレフ・マンガは2022年1月にコリチバに期限付き移籍で入団。同年はチーム最多試合出場、チーム得点ランキング2位の16得点(6アシスト)を記録したことを受け、コリチバは保有権の50%を取得、契約期間を2024年末まで延長。2023年はこの試合の終了時点で23試合11得点4アシスト、全国選手権は8試合2得点2アシスト。
(GRE)後半3分 :
ペナルティエリアの内側に前線の選手が5人並ぶ中、FWルイス・スアレスが守備ライン裏に抜け出しゴールライン際でMFヴィナ(Vina, 1991)からのスルーパスを受ける。FWルイス・スアレスはすかさずゴール前にクロス。VOLビジャサンチが頭で合わせグレミオがリード。
   VOLビジャサンチは代表戦30試合に出場する現役のパラグアイ代表。グレミオには2021年8月に加入し、すぐにプリメイロボランチとしてスタメンに定着。今季は攻撃参加も多く、二列目からのミドルシュートや前線を追い抜くプレーを見せ、24試合の出場ですでに5得点1アシストを記録(過去2年間は61試合3得点2アシスト)。好調のグレミオを中盤で攻守に支える活躍を見せている。
(GRE)後半9分 :
右CKからペナルティエリア右角、ペナルティアーク外中央とボールを戻し、MFビテロ(Bitello, 2000)がダイレクトにシュート。ボールはGKの脇の下を抜けゴールイン。
   MFビテロはグレミオ下部組織出身。2021年にトップチームデビュー。2022年の州選手権でボランチとしてレギュラーの座を掴むと、全国選手権2部後半にはよりゴールに近い位置でプレー。視野の広さが活かされ全国選手権2部では8得点3アシストを記録。今季はこの試合までチーム34試合中31試合に出場8得点4アシストを記録。
2023年6月26日の報道によると、モナコ/FRAが正式に獲得オファー。条件は不明だが、ヘナト・ガウーショ監督は、中心選手だけに現場としては厳しいがクラブ、選手にとって魅力的な条件であり、7月の移籍を受け入れざるをえない、といった主旨のコメントを発している。
(GRE)後半21分 :
ハーフライン付近からのFKをFWルイス・スアレスのライン裏への動きを感知したSBヘイナウドが素早くリスタート。FWルイス・スアレスはマークとボールの間に体を入れバウンドに合わせたシュートを見舞う。ボールはゴールネットを揺らしグレミオが追加点。
   FWルイス・スアレスは2試合連続ゴールとこの試合では1アシストをマーク。全国選手権は10試合4得点3アシスト、今季は28試合16得点9アシストを記録。最近の報道では、膝をはじめとして複数のケガを抱え引退を示唆しているとのこと。自身の体調が第一だが、得点の嗅覚は健在であり、今季最後までグレミオでのプレーを見ていたい。
(GRE)後半39分 :
コリチバ陣の広く空いた左サイドのスペースにボールが送られると、FWアンドレがボールを確保し、ゴール前に駆け上がるMFヴィナへクロスボールを供給。MFヴィナがこのボールをスルーするとボールはゴールに吸い込まれ、グレミオが5点目のゴール。
   FWアンドレのグレミオでの初ゴール。FWアンドレは、2023年サンタカタリーナ州選手権での活躍を受け、2023年4月4日に全国選手権4部エルシリオ・ルースからグレミオに買取オプション付きの期限付き移籍で加入。センターフォワードが本職だが、エルシリオ・ルースではセカンドトップや中盤でもプレーしており、足元の技術や戦術眼も高いレベルにある。グレミオではこれまで後半途中からの僅かな出場が続いているが、少ないチャンスをものにしたゴール。FWルイス・スアレスの去就が取り沙汰される中、スアレスの技術を盗み、スアレスの控えから後釜へと成長したい。

試合概要、 所感 etc.

   グレミオはコリチバの攻撃的な姿勢に受け身に回り、前半は押し込まれる時間帯が多くなる。ラッキーな形で先制点を奪うが、中盤のマークが甘くなり、前半のうちに同点に追いつかれる。
   ハーフタイムに修正をかけると後半開始と同時に人数をかけた攻撃で相手を押し込み、3分、9分と立て続けにゴールを奪い、一気に試合の趨勢を決める。その後も攻撃の手を緩めず、結局は5点を奪う快勝。
   この勝利で勝ち点を23に伸ばし2位に浮上。
   次戦は7月1日の全国選手権第13節アウェイでのバイーア戦。中2日でコパ・ド・ブラジル準々決勝1stレグとしてバイーアと再戦すると、7月9日には首位ボタフォゴとの対戦が控える。

   コリチバは、今節も勝ち星をあげることが出来ず、2月23日の州選手権での勝利以来、4か月勝ち星から遠ざかる。
   前々節は無失点、前節は1失点と守備が安定したかに思われたが、この試合は5失点を喫し、全国選手権12試合中、6試合に3失点以上を喫することとなった。3失点の試合は、一瞬の隙や、GKや守備陣の簡単なミスを突かれることが多く、短い時間で失点を重ねるなど、集中力が途切れる時間が見受けられる。
   この試合は、一方で、前半は中盤でのマークが機能し、試合を優位に運ぶことができた。12試合を終え勝ち点は僅かに4。諦めるのは少し早いかもしれないが、前半の戦い方をチーム戦術の基盤とし、シーズン後半や来季を見据えた選手起用や試合展開を模索することにチーム方針を切り替える必要があるのかもしれない。

サントス(SAN) 2-3 フラメンゴ(FLA)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=5FXvX2mPjP0
(FLA) : 22' #11 エヴェルトン・セボリーニャ(Everton Cebolinha, 1996)[#20 ジェルソン(Gerson, 1997)]
(SAN) : 40' #20 メンドーサ(Mendoza, 1992)[#10 ソテウド(Soteldo, 1997)]
(FLA) : 50' #7 エヴェルトン・ヒベイロ(Éverton Ribeiro, 1989)[#20 ジェルソン(Gerson, 1997)]
(SAN) : 52' #14 ロドリゴ・フェルナンデス(Rodrigo Fernández, 1996)[]
(FLA) : 57' #5 エリキ・プルガール(Erick Pulgar, 1994)[#20 ジェルソン(Gerson, 1997)]

見どころ(試合前の順位)

   サントスは全国選手権3勝4分4敗勝点13の13位。
   フラメンゴは全国選手権6勝1分4敗勝点19の4位。

得点シーン

(FLA)前半22分 :
相手陣右サイドからゴール前にクロスボールを供給。サントスディフェンダーがクリアするがボールは真上に上がる。このボールの競り合いからこぼれたボールをFWエヴェルトン・セボリーニャがシュート。ボールはゴールネットに突き刺さりフラメンゴが先制。
   FWエヴェルトン・セボリーニャは、コパ・アメリカ2019、2021などブラジル代表で25試合3得点。2022年7月にベンフィカ/PORからフラメンゴに加入。左サイドを主戦場とし、スピードとシュート技術があり、FW、中盤でプレー。サンパオリ監督が采配する全18試合に出場し、監督からの信頼は厚い。全国選手権では、このゴールは第10節に続く2点目、他に3アシストを記録。
(SAN)前半40分:
自陣サイドライン際で相手を挟み込みFWメンドーサがボールを奪うと素早くFWマルコス・レオナルド(Marcos Leonardo, 2003)に送る。FWマルコス・レオナルドはワンタッチで左サイドを駆け上がるMFソテウドへパスを送る。MFソテウドはドリブルで持ち上がりゴール前にクロス。この一連のプレーの起点となったFWメンドーサが駆け上がり、フリーでクロスボールに足を合わせサントスが同点に追いつく。
   FWメンドーサは、アミアンSC/FRA所属時の2019年11月にコロンビア代表として2試合の親善試合に出場。サントスには2022年12月に2025年末の契約でセアラーから移籍。ケガや戦術的な理由でベンチ外となった試合もあるが、6月に入り先発メンバーに定着。このゴールで全国選手権7試合3得点2アシスト、今季25試合7得点2アシストを記録。
(FLA)後半5分 :
敵陣右サイドでMFエヴェルトン・ヒベイロを中心に細かくボールを繋ぎ、左サイドへ展開。VOLジェルソンがゴール前にクロスを送ると、MFエヴェルトン・ヒベイロが相手ディフェンダーの背後から現れボールを頭で合わせフラメンゴが再びリード。
   MFエヴェルトン・ヒベイロは、2013年、2014年のクルゼイロの全国選手権連覇に貢献し、2年連続で全国選手権最優秀選手に選出されたクラッキ。その後アル・アハリ/KSAで3年間プレーし4つのタイトル獲得に貢献。2017年6月フラメンゴに加入すると8つのタイトル、ベストイレブンの個人賞も獲得。2022W杯などブラジル代表としても22試合3ゴールを記録している。サンパオリ監督就任後、出場機会が減少傾向にあり、今季末で契約が終了することから来季に向けた去就が注目されている。
(SAN)後半7分 :
相手陣右サイドの浅い位置からのFK。MFルーカス・リマ(Lucas Lima, 1990)がゴール前に上げたボールにCBメシアス(Messias, 1994)が高い打点のヘディングシュート。GKマテウス・クーニャ(Matheus Cunha, 2001)が両手で防ぐが、こぼれ球にVOLロドリゴ・フェルナンデスが詰めゴールネットを揺らす。サントスが2-2の同点に追いつく。
   VOLロドリゴ・フェルナンデスは、2022年3月末にグアラニー/PRYから期限付き移籍でサントスに加入したウルグアイ国籍選手。サントスは2022年終了後に買取オプションを行使、2025年末までの契約を結ぶ。中盤の底で精力的に動き、ボール奪取を得意とする。2023年はVOLドッジ(Dodi, 1996)とダブルボランチを組むことが多く、守備的なチーム戦術の中で中心的な役割を果たしている。
(FLA)後半12分 :
敵陣深く左サイドライン際でMFエヴェルトン・セボリーニャがディフェンダー2人を引き寄せ、ペナルティエリア左角手前のVOLジェルソンにボールを送る。ディフェンダーがジェルソンのマークに上がったスペースにVOLエリキ・プルガールがポジションをとり、VOLジェルソンからのパスを受ける。VOLエリキ・プルガールはワントラップから振り向きざまにシュート。これがゴールネットを揺らし、三たびフラメンゴがリードする。
   VOLエリキ・プルガールは、ボローニャ/ITAやフィオレンティーナ/ITAで計7シーズンプレー。チリ代表として3度のコパ・アメリカに出場するなど、43試合4得点を記録。2022年7月末に2025年末までの契約でフラメンゴ入り。ケガや戦術的な理由で出場機会に恵まれていなかったが、サンパオリ監督が就任し、ケガから回復すると、レギュラーの座を獲得。このゴールは全国選手権第9節以来の2点目のゴールとなった。
   VOLジェルソンは、この試合すべてのゴールに絡む3アシストを記録。2021/22シーズンはマルセイユ/FRAでサンパオリ監督の下でプレー。2022/23シーズンに起用法を巡り監督と衝突しフラメンゴに移籍。2019‐21年以来の復帰を果たした。ブラジル代表として2022W杯南米予選の4試合に出場するが、本大会は残念ながら選外となった。この試合を終えた時点で全国選手権8試合2得点6アシストなど29試合3得点9アシストを記録。

試合概要、 所感 etc.

   サントスは前節でのクラシコ、コリンチャンス戦での敗戦を受け、オダイール(Odair)監督を解任。後任にアトレチコ・パラナエンセを解任されたパウロ・トゥーハ(Paulo Turra)の就任が決まるが、今節は監督代行が指揮を執る。
   サントスは、自陣で中を閉ざした守備網を敷き、フラメンゴにボールを回させながら、FWマルコス・レオナルドを軸に左ソテウド、右メンドーサのスピードをいかしたカウンターを狙う。
   前半に先制を許すが戦術に変化はなくカウンターを狙い続けると、前半40分にプラン通りの攻撃で同点に追いつき前半を折り返す。
   後半5分に失点、後半7分に追いつき、後半12分に再び失点。目まぐるしい展開となるが、戦術はブレることなく守備を固めカウンターを狙う。後半23分に一気に3選手を交代し、フレッシュな選手を投入し、何度かカウンターのチャンスを作るがゴールをこじ開けることができる試合終了。全国選手権は2連敗、10試合勝ち星から遠ざかる結果となった。
   次戦は週中のコパ・スウアメリカーナ。グループ3位が確定しており、動機づけの難しい試合。週末の7月2日に全国選手権第13節アウェイでのクイアバ戦が予定されている。

   フラメンゴは、ボールを保持するもサントスの堅守を崩すことができず時間が経過するが、前半22分にクロスボールの競り合いでの混戦から先制。しかし、前半のうちに相手の鋭いカウンターに対応できず失点を喫し、前半を折り返す。
   後半に入り、MFエヴェルトン・ヒベイロの珍しい頭でのゴール。左サイドを崩したゴールで勝ち越し。サントスのカウンターにも対応し、3-2で勝ち切ることに成功。
   この勝利で勝ち点を22に伸ばし3位に浮上。
   次戦は週中のリベルタドーレス。3位チームとの勝点差が3、得失点差の差が5優位となっており、ほぼ決勝ラウンド進出を手中に収めている。全国選手権第13節は7月1日にフォルタレーザとホームでの対戦が控えている。

RBブラガンチーノ(RBB) 2-0 ゴイアス(GOI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=9faykKm-NNo
(RBB) : 7' #19 エドゥアルド・サーシャ(Eduardo Sasha, 1992)[#7 エリキ・ハミーレス(Eric Ramires, 2000)]
(RBB) : 45+2' #27 ソヒーゾ(Sorriso, 2001)[#28 ヴィチーニョ(Vitinho, 1999)]
(GOI) : N/A

見どころ(試合前の順位)

   RBブラガンチーノは全国選手権4勝5分2敗勝点17の9位。
   ゴイアスは全国選手権3勝2分6敗勝点11の17位。

得点シーン

(RBB)前半7分 :
相手センターバックからのフィードをカットしたボールがペナルティエリア手前に流れる。VOLエリキ・ハミーレスがボールを確保しペナルティエリア左角のFWエドゥアルド・サーシャに預けると、FWエドゥアルド・サーシャは右足から巻き込むシュートを放ちボールはサイドネットに突き刺さる。
   FWエドゥアルド・サーシャは2010年9月12日にインテルナシオナウから18歳でプロデビュー。ゴイアス、サントス、アトレチコ・ミネイロなど全国選手権1部で450以上の試合に出場。2023年3月末にアトレチコ・ミネイロからRBブラガンチーノへ移籍。若手の多い選手層で自身の豊かな経験をいかし移籍後の全17試合に出場7得点5アシスト(全国選手権は12試合5得点2アシスト)を記録している。
   VOLエリキ・ハミーレスはバイーア下部組織出身で2018年9月に18歳でデビュー。2019年U-20南米ユース選手権で4試合に出場。同年バーゼル/CHEに期限付き移籍を果たすが11試合200分強の出場に終わり一年でバイーアに復帰。バイーアではポジションを獲得できず、2020年11月にRBブラガンチーノへ期限付き移籍。徐々に試合経験を積み重ね、2021年以定位置を獲得し、2022年に完全移籍を果たす。不用意なイエローカードやレッドカードが多かったが、2023年は16試合で僅かにイエローカード一枚、ケガがちで出遅れたものの5月13日全国選手権第6節パウメイラス戦以降コンスタントに試合に出場し、チーム成績同様、自身のパフォーマンスも上向いている。
(RBB)前半45+2分 :
ペナルティエリア左角からのFWヴィチーニョのグラウンダーのクロス。ニアサイドでFWエドゥアルド・サーシャが飛び込むが届かず、ファーサイドでFWソヒーゾが飛び込みゴールネットを揺らす。
   FWソヒーゾはジュヴェントゥージ下部組織出身で2021年3月に20歳でデビュー。デビュー年から50試合に出場し、特に全国選手権では36試合に出場、チームの1部残留に貢献する。その活躍を受け翌2022年にRBブラガンチーノが獲得。浮き沈みはあったもののチャンスメーカーとして46試合に出場。2023年はチーム内の競争が激しく全国選手権に入り出場機会は減少傾向にあるが、5月2日のコパ・スウアメリカーナ以来の先発起用に応え今季の4得点目を記録した。

試合概要

   RBブラガンチーノがハーフラインまで守備ラインが上がり相手陣でボールを展開。ボールを奪われても素早く奪い返し、前半2分にFWエドゥアルド・サーシャが枠内へのファーストシュート。そして、続く前半7分にFWエドゥアルド・サーシャが早くもゴイアスゴールをこじ開ける。
   先制後もRBブラガンチーノは高い位置でプレスをかけゴイアスは攻撃の糸口を掴めない。前半20分を過ぎRBブラガンチーノはプレスを控え自陣に下がり、ゴイアスもボールを回せるようになる。しかし、なかなかブラガンチーノゴールに迫れない。
   すると前半45+2分、RBブラガンチーノが追加点を奪う。
   後半開始時にゴイアスは中盤の選手を入れ替え、ボールを持つ時間が増える。しかし、時間帯によって、しっかりとしたブロックからカウンターを狙い、あるいはゴイアスのボールの出どころにプレスをかけるなど、試合はRBブラガンチーノが支配。ゴイアスも攻撃的な選手を次々と投入し打開を図るが、効果的にボールを運びシュートに持ち込むことが出来ない。
   試合は結局、RBブラガンチーノがゴイアスのシュートを僅か3本に抑え2-0の勝利。完勝を収めた。

補足情報、 所感 etc.

   RBブラガンチーノは、全国選手権2連勝。公式戦は最近の10試合を5勝4分1敗、うち5試合は無失点。高い位置でのプレスが効果を発揮、相手ボールホルダーへのアプローチが改善しカウンターに持ち込まれるシーンが減ってきている。自陣に引いた局面もしっかりと中を閉じ、容易にシュートに持ち込ませず、2試合連続で被シュートは5本前後に封じ込めている。
   この勝利で、勝ち点を20に伸ばし2位までの勝点差が3の7位に浮上。
   次戦は週中にコパ・スウアメリカーナ。同勝点でのグループ首位だが得失点差は3点リードしており、勝てば高い確率で決勝ラウンドに進出が決まる。全国選手権は7月2日に第13節アウェイでのコリンチャンス戦。

   ゴイアスは、立ち上がり早々から相手の勢いに飲み込まれ、早い時間帯に失点。劣勢を巻き返すことができないまま追加点を許す。後半に入りボール保持率は高まったものの、ボールを持たされるような形で効果的な攻撃を披露することが出来ず完敗を喫する。
   采配2戦目となったアルマンド・エヴァンジェリスタ(Armando Evangelista)監督は前節の勝利と今節の敗北をどのように分析するか。厳しい日程の中、トレーニングを通した修正の時間が限られるが、全国選手権はこれから2試合下位に低迷するチームとの対戦が続くだけにしっかりとした戦術を落とし込み、降格圏奪取に向け勝ち点を失いたくない。
   次戦は週中にコパ・スウアメリカーナ。混戦のグループラウンドは引き分け以上で決勝ラウンドに進出。中2日でアウェイでの試合だがしっかりと結果を残したい。全国選手権は7月3日にホームでのコリチバ戦。降格圏内に低迷するチーム同士の対戦で勝ち点3が是が非でも欲しい。

アメリカ・ミネイロ(AME) 1-2 インテルナシオナウ(INT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=jusoT-jenSQ
(AME) : 19' #8 ジュニーニョ(Juninho, 1987)[#37 エヴェラウド(Everaldo, 1994)]
(INT) : 63' #38 ジアン・ジアス(Jean Dias, 1990)[]
(INT) : 85' #35 アレモン(Alemão, 1998)[#11 ヴァンデルソン(Wanderson, 1994)]

見どころ(試合前の順位)

   アメリカ・ミネイロは全国選手権2勝2分7敗勝点8の18位。
   インテルナシオナウは全国選手権5勝2分4敗勝点17の8位。

得点シーン

(AME)前半19分 :
ゴール正面約25mの位置からのFK。FWアロイージオ(Aloísio, 1988)のシュートは壁に当たり壁の後方にこぼれる。そのボールをFWエヴェラウドが相手ディフェンダーともつれながらVOLジュニーニョに送り、VOLジュニーニョがシュート。これがゴールネットに突き刺さりアメリカ・ミネイロが先制。
   今年アメリカ・ミネイロで8年目を迎える35歳のMFジュニーニョはチーム35試合中34試合に出場する鉄人ぶりを発揮。このゴールが今季の全国選手権初得点。
(INT)後半18分 :
左ゴールライン手前からFWヴァンデルソン(Wanderson, 1994)がファーサイドへクロス。VOLジョニー(Johnny, 2001)が胸トラップからグラウンダーで中央へ折り返し。FWジアン・ジアスがかかとでゴールに流し込みインテルナシオナウが同点。
   FWジアン・ジアスはリオグランデドスル州選手権で準優勝に輝いた全国選手権4部のカシアスから4月10日に移籍加入した1990年生まれの32歳。過去に全国選手権1部はおろか2部での出場記録もない晩成型の選手。全国選手権第2節で後半39分での出場から決勝点のアシストを記録するも、出場機会にあまり恵まれず、この試合がインテルナシオナウでの初先発試合、そして、洒落たヒールでクラブ初ゴール。エリートがひしめく全国選手権1部で長年の下積みを重ねたFWジアン・ジアスの活躍を今後も注視したい。
(INT)後半40分 :
自陣ゴールキックからのフィードに前線から下がったFWアレモンが頭でFWヴァンデルソンにボールを繋ぐ。FWヴァンデルソンを追い抜き戻りのボールを受けたFWアレモンがドリブルで強引にペナルティエリアに侵入し左足でシュート。これがサイドネットに突き刺さり、インテルナシオナウが逆転に成功。
   センターフォワードのアレモンは、2022年3月18日、州選手権での予選ラウンド敗退を受け、チーム再建への補強の一環としてインテルナシオナウが獲得。アレモンはその期待に応え、全国選手権34試合出場8得点5アシストの記録を残し、チームの2位への躍進に貢献。しかし、2023年に入りクラブは同ポジションにブラジル代表4試合のFWルイス・アドリアーノ(Luiz Adriano, 1987)を獲得。さらに2023年7月の移籍ウィンドウ解禁を前にエクアドル現役代表79試合40得点のエネル・バレンシア(Enner Valencia, 1989)と契約。アレモン自身の去就が注目される中で意地のゴールを決めた。なお、2018年に19歳で京都サンガにアヴァイーから期限付き移籍で加入。しかし、試合出場機会はなく、半年で契約が解除されアヴァイーに復帰している。

試合概要

   アメリカ・ミネイロは、立ち上がりから相手陣でボールを展開。奪われても素早くプレスをかけ奪い返し、人数をかけてインテルナシオナウゴールに迫る。前半13分には左サイドからFWフェリピ・アゼヴェード(Felipe Azevedo, 1987)ゴール右隅を狙ったコントロールショット。GKが両手で防いだこぼれ球にFWアロイージオが詰め押し込もうとするがGKがしっかりとキャッチ。
   その後も攻勢を緩めず、前半19分に相手ゴール正面でファールを受けFKを獲得。先制点を奪う。
   リードを奪うとアメリカ・ミネイロはプレスを弱め、自陣での堅固なブロックを敷いた布陣に変更。インテルナシオナウはボールを持てるようになるが、ブロックの周囲でボールを繋ぐにとどまり、なかなかゴールに迫ることができず、前半を終える。
   後半に入りインテルナシオナウはFWルイス・アドリアーノ(Luiz Adriano, 1987)を下げMFカンパニャーロ(Campanharo, 1992)を投入。横に人数をかける相手守備に対し、中盤を厚くし2列目からライン裏への飛び出しを図る。
   アメリカ・ミネイロの守備もしっかりと対応するが、後半18分、ボールへの寄せが少しずつ遅れ、失点。
   同点になると再びアメリカ・ミネイロが高い位置での守備から相手陣での攻撃を展開するが、前半と異なり中盤での優位性が低下しており、単調なゴール前へのクロスに終始する。
   すると、後半40分、相手ボールキックからのプレーにボールホルダーへのマークが甘くなり逆転を許す。
   試合は、インテルナシオナウが2-1の逆転勝ち。アメリカ・ミネイロは堅固な守備のわずかな綻びから2失点、貢献圏脱出に向けたホームゲームで痛い敗戦を喫した。

補足情報、 所感 etc.

   アメリカ・ミネイロは、1-1の局面まではほぼプラン通りの試合運びが出来たと思われるが、後半40分の失点で敗戦。
   攻撃の局面と守備の局面でチーム内の意思統一が図られ、前半は試合をコントロールすることに成功。しかし、後半は攻撃面ではアイディア不足の単調な攻めが続き、守備面ではいずれもディフェンダーの一歩遅れた対応や寄せの甘さが起因して2失点。前節に続き先制点を守り切ることが出来ず2連敗。再び19位に順位を下げ、降格圏脱出への勝点差が4と広がった。
   次戦は週中にプレーオフ進出の可能性が僅かに残されているコパ・スウアメリカーナ。週末の7月2日には全国選手権第13節クラシコ、アトレチコ・ミネイロ戦が控えている。

   インテルナシオナウは、週中のリベルタドーレスに向け一部の主力選手を温存。前半は厳しい展開となったが、後半に相手守備陣のわずかな油断をつき逆転に成功。
   この勝ち星で公式戦最近の8試合に6勝2分。そのうち全国選手権は3勝1分と勝ち点10を積み重ね、リベルタドーレス出場圏の6位に浮上。全国選手権の4試合はいずれも二桁順位と下位に低迷するチームとの対戦で、内容的にも手放しで喜べるものではなかったが、今後の上位との対戦でも好ゲームを期待したい。
   次戦は週中のリベルタドーレス。勝点差1で追うグループ首位との直接対決。勝って決勝ラウンドに進出したい。翌週末は7月1日に全国選手権第13節ホームでのクルゼイロ戦。

ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) 1-0 クイアバ(CUI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=qkwZ9LlhqII
(VAS) : 77' #8 ジャイール(Jair, 1994)[PK]
(CUI) : N/A

見どころ(試合前の順位)

   ヴァスコ・ダ・ガマは全国選手権1勝3分7敗勝点6の19位。
   クイアバは全国選手権3勝3分5敗勝点12の16位。

得点シーン

(VAS)後半32分 :
MFフィゲイレード(Figueiredo, 2001)がペナルティエリア左角で相手ディフェンダーと接触し転倒。主審は流すがVARの介入が入り、オンフィールドレヴューの結果、ヴァスコ・ダ・ガマにPKが与えられる。このPKをVOLジャイールがゴール左上に決めヴァスコ・ダ・ガマが先制点を奪う。
   VOLジャイールは2021年にアトレチコ・ミネイロで主力選手として全国選手権とコパ・ド・ブラジルの優勝に貢献。自身もベストイレブンを受賞。2022年末に1部再昇格の補強の目玉としてヴァスコ・ダ・ガマに加入。チームとして結果のでない日々が続いたが、大事なPKを担い成功。チームに開幕節以来の勝利をもたらした。

試合概要

   前節のサポーターによる乱闘騒ぎで今節は無観客試合。
   下位に低迷する両チームは守備に重点を置き、試合は静かな立ち上がり。前半20分頃まではヴァスコ・ダ・ガマが左サイドのVOLマルロン・ゴメス(Marlon Gomes, 2003)、SBルーカス・ピトン(Lucas Piton, 2000)を中心に攻めあがり、残りの25分はクイアバが右ハニエリ(Raniele, 1996)、左SBヒケウミ(Rikelme)の両サイドバックが攻撃に参加しチャンスを作る。前半終了間際にヴァスコ・ダ・ガマはFWハイアン(Rayan, 2006)からのグラウンダーのパスにFWガブリエウ・ペッキ(Gabriel Pec, 2001)が足を合わせるがディフェンダーが僅かにボールに触れボールは枠外へ。このシーン以外に大きな見せ場はなく、試合は前半を終える。
   後半に入るとヴァスコ・ダ・ガマのボールを握る時間が増える。後半5分の右サイドからFWガブリエウ・ペッキ(Gabriel Pec, 2001)のクロスはFWアレックス・テイシェイラ(Alex Teixeira, 1990)に僅かに合わない。
   後半もまた20分を過ぎるころになりクイアバがボールを握るようになるが、後半32分にクイアバは自陣でのパス回しのミスからPKを献上し、ヴァスコ・ダ・ガマが先制。
   同点に追いつきたいクイアバはさらに攻撃の勢いをつけようとするが、ヴァスコ・ダ・ガマも中盤から前線の選手がボールホルダーに素早く詰め寄りゴール前にボールを運ばせない。
   試合はヴァスコ・ダ・ガマが逃げ切り1-0の勝利を収めた。

補足情報、 所感 etc.

   ヴァスコ・ダ・ガマが2023年4月25日の開幕戦以来の勝利で2勝目、勝ち点を9とし18位と1つ順位をあげた。
   前後半ともに立ち上がりに相手陣に攻めあがるも、想像力に欠け、なかなかシュートに持ち込むことができず、やがて主導権を相手に譲っていく展開。内容的には満足のいくものではなかったが、是が非でも欲しかった勝ち星を手に入れた。若い選手が多いだけに、この勝利で勢いにのりたいところ。
   次戦は7月2日に全国選手権第13節アウェイで首位ボタフォゴとのクラシコ。今節の勢いで世間をあっと驚かしたい。

   クイアバは、ボールを持つ時間は比較的多かったものの、足元へのパスが多くパス回しのテンポが悪く、サイドを大きく使った展開が見られず、また、ゴールライン際までボールを運ぶ機会もほとんどなく、攻撃面では迫力に欠ける。守備面でもサイドの攻防に劣勢に回る機会が多く、前節ボタフォゴ戦とは別チームのような試合内容。
   次戦は7月2日に全国選手権第13節ホームにサントスを迎える。

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