【ブラジル全国選手権2023】第13節(1/2)

投稿者: | 2023年6月30日

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全国選手権第13節 対戦組合せ


以下の5試合はこの記事で。
・2023/07/01 サンパウロ(SAO) x フルミネンセ(FLU)
・2023/07/01 フラメンゴ(FLA) x フォルタレーザ(FOR)
・2023/07/01 バイーア(BAH) x グレミオ(GRE)
・2023/07/01 インテルナシオナウ(INT) x クルゼイロ(CRU)
・2023/07/02 コリンチャンス(COR) x RBブラガンチーノ(RBB)
以下の5試合はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2023】第13節(2/2)
・2023/07/02 ボタフォゴ(BOT) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
2023/07/02 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x アメリカ・ミネイロ(AME)
2023/07/02 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x パウメイラス(PAL)
2023/07/02 クイアバ(CUI) x サントス(SAN)
2023/07/03 ゴイアス(GOI) x コリチバ(CFC)

全国選手権第13節 試合概要

サンパウロ(SAO) 1-0 フルミネンセ(FLU)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=OtJbR5NLgJ4
(SAO) : 87' #10 ルシアーノ(Luciano, 1993)[#22 デイヴィジ(David, 1995)]
(FLU) : N/A

見どころ(試合前の順位)

   サンパウロは全国選手権5勝3分4敗勝点18の11位。
   フルミネンセは全国選手権6勝3分3敗勝点21の5位。

得点シーン

(SAO)後半42分 :
相手陣の浅い位置からSBハフィーニャ(Rafinha, 1985)がペナルティエリア内へロングフィード。FWデイヴィジが中央に折り返し、FWルシアーノがワントラップからシュート。ボールはディフェンダーに当たるもゴールに吸い込まれ、サンパウロが終盤に貴重な得点。
   FWルシアーノは2022年チーム内得点ランキング2位。今季もチーム36試合中35試合に出場、このゴールでチーム最多タイの8得点、6アシストを記録。
   FWデイヴィジは、スピード豊かなサイドアタッカー。2023年1月19日にインテルナシオナウからサンパウロに期限付き移籍で加入。シーズン当初の州選手権では先発起用が続くものの、相次ぐケガのために出場機会は減少。全国選手権はわずかに6試合83分の出場にとどまるが、このアシストで1得点1アシストを記録。今後先発の座を奪い返すことができるだろうか。

試合概要

   前半は、お互いに相手の長所を消しに行く展開。中盤でのボールの奪い合いも激しくなるが、お互いに相手ゴールに迫る機会も少なく、サンパウロのシュート数は3本、フルミネンセは1本のシュートもなく、やや物足りない内容で45分を終える。
   後半に入り、サンパウロが相手のパスミスを拾い、素早く前にボールを運び、次々とシュートに持ち込むが、シュートは枠を捉えない。前半12分には相手陣深くでボールを奪い、クロスボールに2人が飛び込むがボールに届かない。後半22分にFWフアン(Juan, 2002)がライン裏に抜け出し、後半35分にはVOLパブロ・マイア(Pablo Maia, 2002)がミドルシュートを放つが、いずれもGKファビオ(Fábio, 1980)が堅実なプレーでゴールを許さない。
   一方のフルミネンセは、後半27分にCKからCBチアゴ・サントス(Thiago Santos, 1989)が強烈なヘディングシュートを放つが、GKハファエウ(Rafael, 1989)が両手で弾き出す。
   試合はこのままタイムアップかと思われたが、後半42分にサンパウロが勝ち越しのゴール。サンパウロのホームスタジアム、モルンビ競技場は歓喜に包まれタイムアップを迎えた。

所感 etc.

   サンパウロは、中3日で迎えるコパ・ド・ブラジル準々決勝1stレグに向け、この試合は一部の主力選手を温存、これまで途中交代出場から存在感を見せていたMFホドリギーニョ(Rodriguinho, 2004)、U-20南米ユース選手権、U-20W杯代表のSBパトリッキ(Patryck, 2003)が先発に起用された。しかし、MFホドリギーニョは前半のみで交代、SBパトリッキも後半開始時にシュートを放つも全体としてはチームの溶け込むことができない印象で90分を終えた。
   試合は、前半は攻撃面で低調なパフォーマンスが続いたものの、中盤での組織的な守備はチーム内に浸透しており、安定した試合展開。後半に入り、中盤でのボール奪取から素早く前線にボールを送り攻撃を活性化、後半だけで15本のシュートを放ち、試合終了間際のゴールで勝ち点3を勝ち取った。
   前節終了時点で勝ち点17~23に11チームが密集する中、勝ち点を21まで積み上げた。
   次戦は週中にコパ・ド・ブラジル準々決勝1stレグ、ホームでのパウメイラス戦。翌週末7月9日には全国選手権第14節アウェイでのRBブラガンチーノ戦が控えている。

   フルミネンセは、多くのけが人を抱える中、この試合ではCBニノ(Nino, 1997)が出場停止、VOLアンドレ(André, 2001)が足に違和感を覚え大事を取って遠征に帯同せず、MFガンソ(Ganso, 1989)もベンチ入りするものの体調が整わず、攻守に不安を抱えて試合に臨む。
   試合は、サンパウロの前線からのプレスにパス回しを封じられ、前半11分には早くもCBフェリピ・メロ(Felipe, 1983)がイエローカードをもらい、守備の強度が削がれる展開となり、主導権をサンパウロに握られる。
   前半はサンパウロの遅攻に助けられしっかりとブロックを敷いて守り切るが、後半に入るとサンパウロのライン裏を狙う攻撃に後手に回り、次々とピンチを招く。GKファビオが攻守でゴールを守るが、後半42分にライン裏を狙われついに失点。
   攻撃面ではパスミスが多発し、個人で強引に行く場面も散見され、なかなかシュートに持ち込めない。後半に入り中盤、前線の選手交代から打開を図るも、最後まで効果的なパス回しを行えず、放ったシュートは僅かに4本。最後までいいところがなく0-1の敗戦を喫した。
   次戦は7月9日、全国選手権第14節ホームでのインテルナシオナウ戦。

フラメンゴ(FLA) 2-0 フォルタレーザ(FOR)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=rxUzegPiKYM
(FLA) : 14' #10 ガブリエウ・バルボーザ(Gabriel Barbosa, 1996)[#14 デ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)]
(FLA) : 64' #14 デ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)[]
(FOR) : N/A

見どころ(試合前の順位)

   フラメンゴは全国選手権7勝1分4敗勝点22の3位。
   フォルタレーザは全国選手権5勝5分2敗勝点20の8位。

得点シーン

(FLA)前半14分 :
相手陣右サイドの浅い位置からMFデ・アラスカエッタがドリブルを仕掛け、ディフェンダーの背後からライン裏に抜け出そうとするFWガブリエウ・バルボーザへ右足からトリヴェーラ(Trivela, アウトサイドキック)のパス。FWガブリエウ・バルボーザがダイレクトに右足を合わせフラメンゴが先制。
   FWガブリエウ・バルボーザは、2016リオ五輪金メダル、フル代表でもコパ・アメリカ2016、2021など18試合5得点。サントス下部組織出身で16歳の時にプロデビュー。19歳でインテルミラノ/ITAに移籍を果たすが、ベンフィカ/PORを経て、約1年半でブラジルに復帰。2019年にフラメンゴに加入し、フラメンゴではこれまで245試合150得点。中東からのオファーも噂されており去就に注目が集まる。
(FLA)後半19分 :
SBアイルトン・ルーカス(Ayrton Lucas, 1997)がペナルティエリアの淵をゴールライン際までドリブルで上がり中央へクロス。ディフェンダーのクリアボールがこぼれたところをMFデ・アラスカエッタがゴールに蹴り込みフラメンゴが追加点。
   MFデ・アラスカエッタは2022年全国選手権ベストイレブン。ウルグアイ代表としては2022W杯カタール大会出場など42試合10得点。今季はあまり出場機会に恵まれていないが、今節終了時点で全国選手権では8試合560分1得点3アシストを記録。この試合では1得点アシスト。

試合概要、所感 etc.

   フラメンゴは、ワントップにFWガブリエウ・バルボーザを置いた4-5-1の布陣。後半開始時に選手交代を通じ2トップに変更。試合ごとや試合中での変更など、フォーメーションが固まらない。
   試合は立ち上がりから中盤を厚くしたことでボールを持つ時間が長くなる。ところが、一瞬の隙を突かれ前半11分にPKを献上。しかし、GKマテウス・クーニャ(Matheus Cunha, 2001)がPKを阻止。逆に3分後にはMFデ・アラスカエッタのゴールで先制する。前半32分にCBレオ・ペレイラ(Léo Pereira, 1996)が負傷し交代を余儀なくされるアクシデントが発生するも、フラメンゴが試合の主導権を握り続け前半を終える。
   後半19分に追加点を奪うと守備に重点を置き逃げ切りを図る。フォルタレーザにボールを持たせ中をしっかりと固めチャンスらしいチャンスを与えない。試合をこのまま締め2-0の勝利。公式戦3連勝、全国選手権2連勝を果たし、3位の座を保った。
   次戦は中3日でコパ・ド・ブラジル準々決勝1stアトレチコ・パラナエンセ戦。さらに中2日で全国選手権第14節アウェイでのパウメイラス戦が控える。

   フォルタレーザは前半11分のPKのチャンスを逸すると、中盤の攻防で後手を踏み前線が孤立。FWチアゴ・ガリャルド(Thiago Galhardo, 1989)はPKを獲得したものの、その後はボールに触る機会が少なくなる。
   後半に入り、ボールを持つ時間が長くなるが、フラメンゴの堅守を崩すことができず、ミドルシュートを狙う機会が増えるが枠を捉えない。結局最後まで見せ場らしい見せ場を作ることができないままタイムアップ。公式戦の連勝は3、全国選手権の連勝は2でストップ。
   次戦は7月9日に全国選手権第14節、ホームにアトレチコ・パラナエンセを迎える。

バイーア(BAH) 1-2 グレミオ(GRE)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=aNusHZp-F7s
(GRE) : 9' #19 クリスタウド(Cristaldo, 1996)[#20 ビジャサンチ(Villasanti, 1997)]
(BAH) : 20' #37 カイキ(Kayky, 2003)[]
(GRE) : 90+5' #53 グスタヴォ・マルチンス(Gustavo Martins, 2002)[#10 フェヘイラ(Ferreira, 1997)]

見どころ(試合前の順位)

   バイーアは全国選手権3勝3分6敗勝点12の14位。
   グレミオは全国選手権7勝2分3敗勝点23の2位。

得点シーン

(GRE)9分 :
敵陣の高い位置でCBカネマン(Kannemann, 1991)がボール奪取。こぼれ球を拾ったMFクリスタウドが素早く左にボールを散らし、VOLカルバージョ(Carballo, 1996)ゴール前にクロス。VOLビジャサンチが胸で落としたボールにMFクリスタウドが右足を振り抜きグレミオが先制。
   CBカネマンはアルゼンチン代表として2018‐19にかけ6試合、VOLカルバージョはウルグアイ代表として直近の4試合、VOLビジャサンチは2019年10月以降、2021コパ・アメリカや2022W杯南米予選、直近の親善試合までパラグアイ代表として30試合に出場。
   MFクリスタウドは2023年シーズン前にグレミオに加入したアルゼンチン国籍選手。今のところ代表歴はない。今季はこれで28試合7得点8アシスト、全国選手権での得点はこれまですべてPKによるもので流れの中からは初ゴール、その他1アシストを記録。
(BAH)20分 :
自陣で相手のパスミスを拾ったVOLタシアーノ(Thaciano, 1995)が素早く守備ライン裏にボールを送る。ボールを受けたFWヴィニシウス・ミンゴッチ(Vinicius Mingotti, 2000)がさらにドリブルでボールを運び、間合いを詰めるGKの頭を越すシュートを放つ。ゴールライン上で必死に戻ったディフェンダーがクリアを図るがFWカイキが詰めボールをゴールに押し込む。バイーアが同点に追いつく。
   FWヴィニシウス・ミンゴッチは2023年4月20日にアトレチコ・パラナエンセからの期限付き移籍でバイーアに加入。いくつかの試合で後半の僅かな時間の出場が続いていたが、3試合連続で先発起用。その期待に応え前節のゴールに続き今節もゴールに関与。
   FWカイキは2023年1月にマンチェスターシティからバイーアに期限付き移籍加入。久しぶりに先発に抜擢された6月10日全国選手権第10節クルゼイロ戦で2月17日以来のゴールを決めると4試合連続の先発起用。前節のアシストに続き、この試合ではゴールをマーク。
(GRE)後半45+5分 :
敵陣左サイドからFWフェヘイラがMFビテロ(Bitello, 2000)との前後のタベーラで守備ライン裏に抜け出しゴール前にクロス。ファーサイドでCBグスタヴォ・マルチンス(Gustavo Martins, 2002)がボールをゴールに押し込みグレミオが勝ち越し。
    CBグスタヴォ・マルチンスはグレミオ下部組織出身。2021年3月に期限付き移籍先のカシアスで18歳にしてプロデビュー。同年にグレミオに復帰するもU-20チームでのプレーが続き、2023年1月29日の州選手権第3節サンジョゼ-RS戦でグレミオでのデビューを果たす。少しずつ出場機会を与えられ、この試合が12試合(うち先発6試合)目の出場。セットプレーからの流れでもない中、CBがサイドアタッカーのようにゴール前に詰め、プロ初ゴールを記録した。

試合概要

   両チームとも、ボール奪取からの素早い攻撃やワンタッチのパス回し、前後左右の揺さぶり、ミドルシュートなどの多彩な攻撃と、ディフェンダーの粘り強い守備と最後の砦としてGKがしっかりとゴールマウスを塞ぐ、見ごたえのある試合。
   前半はホームのバイーアがやや優勢に試合を運ぶものの、グレミオが高い位置でボールを奪い、ワンタッチ、ツータッチでボールを繋ぎ先制点を奪う。対して、バイーアもグレミオのパスミスから鋭いカウンターで同点に追いつく。
   後半はグレミオが試合を優勢にすすめるものの、お互いにチャンスを迎えるが、GKの好守に均衡が破れない。引き分けに終えると思われた試合終了間際、グレミオはセンターバックのグスタヴォ・マルチンスが相手ゴール前のクロスに飛び込みゴールを奪い勝ち点3を獲得。

所感 etc.

   バイーアは前半の多くの好機に1点しか奪えず2連敗。下位集団を抜け出すことが出来ず、他チームの結果次第で降格圏に沈む可能性も。
   次戦は3日後にコパ・ド・ブラジル準々決勝1stとして再びホームでグレミオと再戦。今節の雪辱を果たしたい。全国選手権第14節は7月8日にアウェイでクイアバ戦が控える。

   グレミオは、相手陣での少ないタッチ数でのパス回しが機能し、多くのチャンスを創出。試合終了間際のゴールで勝ち点3を積み上げ2位をキープ。暫定ながら首位ボタフォゴとの勝ち点差を4に詰めた。
   次戦は3日後にコパ・ド・ブラジル準々決勝1st、再びアウェイでバイーアとの一戦。7月9日の全国選手権第14節はホームで首位ボタフォゴとの直接対決。勝利を収め一気に勝ち点差を縮めたい。

インテルナシオナウ(INT) 0-0 クルゼイロ(CRU)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=lsbwNZGBNJs
(INT) : N/A
(CRU) : N/A

見どころ(試合前の順位)

   インテルナシオナウは全国選手権6勝2分4敗勝点20の6位。
   クルゼイロは全国選手権5勝2分5敗勝点17の12位。

得点シーン

N/A

試合概要

   前半は立ち上がりから中盤の攻防が激しく、落ち着かない展開となるが、次第にクルゼイロが選手間の距離を適切に取り、試合の主導権を握り始める。
   クルゼイロは、右サイドのFWウェズレイ(Wesley, 1999)と左サイドのFWエステーニオ(Stênio, 2003)が起点となり、前半9分に相手のミスから、前半12分には自陣からのカウンターから、前半13分、20分にはペナルティエリアの手前でパスを繋ぎ、それぞれシュートに持ち込むがゴールを割ることが出来ない。一方のインテルナシオナウは前半17分に攻撃の要MFアラン・パトリッキ(Alan Patrick, 1991)がケガで交代を余儀なくされるアクシデント。しかし、この交代を機に守備に軸足を移し、試合を均衡状態に持ち込むと、前半45+7分に左サイドからのクロスにFWルイス・アドリアーノ(Luiz Adriano, 1987)が飛び込み頭を合わせる。しかし、これはゴール左に外れる。
   後半に入り、選手交代を交えながらインテルナシオナウはボール保持率を高め、クルゼイロ陣でボールを回し始める。すると、後半24分、クルゼイロCBルーカス・オリヴェイラ(Lucas Oliveira, 1996)がこの試合二枚目のイエローカードを提示され退場。試合の流れが一気にインテルナシオナウに傾く。
   後半39分にFWアレモン(Alemão, 1998)の強烈なシュート、後半40分のMFアランギス(Aránguiz, 1989)の裏抜けからの浮かしたシュートはいずれも枠を捉えない。その後も波状攻撃が続き、FWルーカ(Lucca, 2003)による後半43分のヘディングシュート、後半45分の強烈な右足のシュートはいずれもGKハファエウ・カブラウ(Rafael Cabral, 1990)が阻止。
   試合は両チームともゴールをこじ開けることができずスコアレスドローで幕を閉じた。

所感 etc.

   インテルナシオナウは、バイエル・レバークーゼン/GERから獲得したコパ・アメリカ連覇や2014年W杯出場など元チリ代表として98試合7得点を誇るMFアランギスがベンチ入り。
   試合の前半は、クルゼイロの広く開いた両翼に引っ張られ、中盤でのスペースを与え試合を支配される。しかし、MFアラン・パトリッキのケガによる交代を機に布陣を変更、後半頭にMFカルロス・デ・ペーニャ(Carlos de Peña, 1992)を投入し中盤での主導権を奪い始めると、MFアランギス、FWアレモン、FWルーカと次々にピッチに送り出される選手が期待に応えるプレーを見せ、相手の退場もあり、完全に試合を支配する。試合終了間際には波状攻撃を展開するが、得点を奪うことができず、ホームでドロー。
   連続無敗記録は10試合に更新するも、連勝は4で途絶え、全国選手権の順位は一旦足踏み。
   次戦は7月9日の全国選手権第14節アウェイでのフルミネンセ戦。

   クルゼイロは、左サイドに南米ユース選手権代表のFWエステーニオを初めてスターティングイレブンに抜擢。最近の5試合で僅か3得点の得点力不足の打開を図る。
   FWウェズレイ、初スタメンのFWエステーニオが両サイドで多くのチャンスを作る出すが、GKへのパックパスに相手GKが足を滑らせボールを奪うもシュートに持ち込めず、カウンターのチャンスにボールを持ちすぎシュートのタイミングを逃すなど、シュートを決めることができない。この2人に限らず、FWエステーニオがペナルティエリア入口への丁寧なマイナスのボールを送るが2度にわたりMFのシュートが枠をこえるなどチーム全体に最後の局面の精度が上がらず今節も無得点。
   前半は選手間の距離も良く、パス回しがスムーズに運び、イーブンボールも多く獲得するが、一度試合の主導権を渡すと取り戻すことができない。後半に退場者を出すと完全に自陣に引きこもり、引き分け狙いへ。
   試合終了間際には波状攻撃を受けるがそれをしっかりとしのいで何とかアウェイで勝ち点1を獲得できたのは結果オーライか。
   次戦は全国選手権第14節7月8日にヴァスコ・ダ・ガマとアウェイでの一戦。

コリンチャンス(COR) 0-1 RBブラガンチーノ(RBB)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=2mvyQ2ozRTA
(RBB) : 17' #19 エドゥアルド・サーシャ(Eduardo Sasha, 1992)[#7 エリキ・ハミーレス(Eric Ramires, 2000)]
(COR) : N/A

見どころ(試合前の順位)

   コリンチャンスは全国選手権3勝3分6敗勝点12の15位。
   RBブラガンチーノは全国選手権5勝5分2敗勝点20の7位。

得点シーン

(RBB)前半17分 :
左SBジュニーニョ・カピシャバ(Juninho Capixaba, 1997)が相手陣で縦に浮かしたボールを守備ライン裏に上げる。FWチアゴ・ボルバス(Thiago Borbas, 2002)が胸でボールを落とすと、VOLエリキ・ハミーレスがダイレクトにシュート性のクロス。FWエドゥアルド・サーシャがこのボールに足を合わせゴールネットに突き刺す。
   SBジュニーニョ・カピシャバはバイーア下部組織出身で2016年7月にプロデビュー。2018年にコリンチャンスに移籍するもポジション争い加われず9試合に出場しただけでグレミオへ期限付き移籍。2019年いはグレミオで31試合に出場するが、翌2020年、2021年にはバイーアへ、2022年はフォルタレーザへ期限付き移籍。グレミオとの契約が2022年末に満了すると、RBブラガンチーノと2026年末までの契約を締結。RBブラガンチーノでは不動のレギュラーとしてチーム35試合中32試合に出場。
   FWチアゴ・ボルバスは2023年シーズン前にリーベルプレート/URUからRBブラガンチーノに加入。RBブラガンチーノでは途中交代出場が続いたが、約900分の出場時間で8得点1アシストを記録中。この活躍を受け、2023年6月にウルグアイ代表に初招集を受け、2試合に出場(1試合は先発出場)。
   FWエドゥアルド・サーシャとVOLエリキ・ハミーレスは、前節に続きこのコンビで得点を演出。FWエドゥアルド・サーシャは加入後の全19試合に出場11得点5アシスト(うち全国選手権は13試合6得点2アシスト)。VOLエリキ・ハミーレスは18試合に出場1得点4アシスト(うち全国選手権は10試合2アシスト)。

試合概要、所感 etc.

   コリンチャンスは、週中に開催されたリベルタドーレス最終節、決勝ラウンド進出の可能性が閉ざされていたことから、若手選手主体の布陣で試合に臨むと、攻守ともに相手を圧倒し3-0で勝利を収め、コパ・スウアメリカーナプレーオフ進出権を得る。
   そのリベルタドーレス最終節のスタメンから、当該試合がプロデビュー戦となったVOLガブリエウ・モスカルド(Gabriel Moscardo, 2005)が今節も先発に抜擢。
   試合は、敵陣でプレスをしかけ前半5分にVOLマイコン(Maycon, 1997)、前半7分にMFフアン(Ruan, 2000)が立て続けにシュートを枠内に放つなど、リベルタドーレスの勝利を引き継ぎ好内容の試合を展開する。しかし、前半16分にあっけなく失点。
   すると、攻撃への焦りからか、ブラガンチーノの中盤の寄せの早さのためか、パスミスなどの単純なミスが相次ぎ、試合の主導権をブラガンチーノに握られ、攻撃の糸口さえ掴めなくなる。
   後半開始時にコリンチャンスは2選手を交代。しかし、最初のチャンスもRBブラガンチーノ。コリンチャンスディフェンダーのクリアボールがクロスバーを直撃するあわやオウンゴール。後半15分にコリンチャンスはFWユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)がヘディングシュートを放つがボールは僅かに枠を越える。
   これを機にコリンチャンスは
後半22分、44分にFWフェリピ・アウグスト(Felipe Augusto, 2004)、後半45分+1分にはFWウェズレイ(Wesley, 2005)、後半45分+7分にはMFフアンがシュートに持ち込むがゴールをこじ開けることができず、RBブラガンチーノが1-0で逃げ切った。
   コリンチャンスは全国選手権2連敗。勝ち点を積み上げることができず、月曜日の試合の結果次第で降格圏に沈む。
   次戦は中2日でコパ・ド・ブラジル準々決勝1stアウェイでのアメリカ・ミネイロ戦。全国選手権第14節は7月8日にアウェイでアトレチコ・ミネイロ戦。

   RBブラガンチーノは、立ち上がりこそ相手のプレスに浮足立ちミスを重ねるも、時間の経過とともに落ち着きを取り戻し、前半17分に先制。その後は試合の主導権を握り、相手陣でのボール回しからしばしば相手ゴールに迫る。後半も基調は変わらず攻める時間が続くが、得点を奪えずにいると、試合終了間際の時間帯に相次いでシュートに持ち込まれる。しかし、守備網が崩される場面はなく、しっかりとその時間帯を凌ぎ、勝ち点3を獲得。
   後半アディショナルタイムには、2022年のチーム得点王SBルアン・カンジド(Luan Cândido, 2001)が、ケガから復帰し、2月25日州選手権以来の試合出場。
   左SBは、この試合で先発したアデルラン(Aderlan, 1990)、RBブラガンチーノでの活躍を受け2023年6月にエクアドル代表として招集を受け2試合に出場(うち1試合は先発出場)したウルタード(Hurtado, 2001)がルアン・カンジドの不在を忘れさせる活躍をみせており、今後は面白いポジション争いが繰り広げられるだろう。
   RBブラガンチーノは公式戦4連勝。全国選手権に限っては3連勝で勝ち点を23に伸ばしリベルタドーレス出場圏内の5位に浮上。
   次戦は7月9日に全国選手権第14節ホームでサンパウロ戦。そして、第15節にはアウェイでボタフォゴ戦が予定されている。

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