【ブラジル全国選手権2023】第15節(2/2)

投稿者: | 2023年7月15日

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全国選手権第15節 対戦組合せ


以下の4試合の概要はこちらで。(更新中)→ 【ブラジル全国選手権2023】第15節(1/2)
・2023/07/15 ボタフォゴ(BOT) x RBブラガンチーノ(RBB)
・2023/07/16 クルゼイロ(CRU) x コリチバ(CFC)
・2023/07/16 フルミネンセ(FLU) x フラメンゴ(FLA)
・2023/07/16 サンパウロ(SAO) x サントス(SAN)
以下の4試合の概要はこの記事で。(更新中)
・2023/07/16 フォルタレーザ(FOR) x クイアバ(CUI)
・2023/07/16 インテルナシオナウ(INT) x パウメイラス(PAL)
2023/07/16 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x バイーア(BAH)
2023/07/17 ゴイアス(GOI) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
以下の2試合は順延。
   順延  コリンチャンス(COR) x グレミオ(GRE)
   順延  アメリカ・ミネイロ(AME) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)

全国選手権第15節 試合概要

フォルタレーザ(FOR) 0-1 クイアバ(CUI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=F5VWycfkjyo
(CUI) : 19' #16 デイヴェルソン(Deyverson, 1991)[]
(FOR) : N/A

見どころ(試合前の順位)

   フォルタレーザは全国選手権6勝5分3敗勝点23の7位。
   クイアバは全国選手権4勝4分6敗勝点16の14位。

得点シーン

(CUI)前半19分 :
フォルタレーザGKのフィードミスでボールがFWデイヴェルソンに渡る。FWデイヴェルソンは躊躇なくシュート。これがゴールネットを揺らしクイアバが先制。
   FWデイヴェルソンは最近の出場8試合で6得点を記録。全国選手権得点ランキングも3位まで浮上。

試合概要

ボール保持率: 前半: 64% 36% ⇒ 前後半: 63% 37%
シュート(枠内):  前半: 7‐5(2-1) ⇒ 前後半: 20-8(6-1)
パス成功率:  前半: 85% 75% ⇒ 前後半: 84% 75%
   試合開始直後からホームのフォルタレーザがボールを保持。しかし、クイアバは高い位置でボールの出し手にプレスに行き、フォルタレーザは効果的に攻めることができない。フォルタレーザのシュートはいずれも決定的なものでなく、クイアバGKヴァウテル(Walter, 1987)を脅かすことができない。
   すると、前半19分、フォルタレーザはGKがバックパスからのフィードをミス。クイアバに先制を許す。スコアが動いた後は、クイアバは自陣での守備に移行するが、中盤のマークは厳しく、フォルタレーザは創造性に欠いた単調にクロスを送るプレーが多く、前半は1-0のクイアバのリードで終える。
   後半に入り、フォルタレーザは攻撃を修正。クロスを主体とした攻撃に変化はないが、サイドにボールを送る前のプレーで一工夫を加え、ゴール前には2列目の選手が上りクロスのターゲットになるなど攻撃のバラエティが増える。すると、クイアバの守備はゴール前に縛り付けられカウンターのチャンスも少なくなる。
   フォルタレーザは攻め続けるもクイアバGKヴァウテルの好セーブもありゴールを奪えない。後半アディショナルタイムには右サイドでの攻撃からペナルティエリア内左でボールを受けたFWギリェルミ(Guilherme, 1995)がドリブルを仕掛けシュート。これがゴールポストに弾かれると、さらにこぼれ球をMFルーカス・クリスピン(Lucas Crispim, 1994)がペナルティエリア入口からダイレクトにシュートを放つが、これもクロスバーに跳ね返される不運。
   試合はこのまま1-0でクイアバが勝利。フォルタレーザは全国選手権ホームでの初黒星を喫した。

所感 etc.

   フォルタレーザは前半のミスによる失点が重くのしかかりホーム初黒星。ゴール前に複数の選手が並んだところにクロスボールを供給し、そこに後方から選手が駆け上がるなど、ディフェンダーに的を絞らせない攻撃を繰り返すが、最後までゴールを奪えず。
   しかし、中盤でMFゼ・ウェリソン(Zé Welison, 1995)が試合を組み立て、移籍加入したばかりのFWマリーニョ(Marinho, 1990)がサイドを崩し、一時は中盤で試合を作っていたシュート力のあるFWチアゴ・ガリャルド(Thiago Galhardo, 1989)が前線でプレー。ゴールこそ奪えなかったものの、5月頃に披露していた攻撃の厚みが戻りつつあり、全国選手権後半戦に向け面白い存在になりそうだ。
   次戦は7月22日、全国選手権第16節アウェイでのパウメイラス戦。

   クイアバは、試合開始直後から、高い位置でプレスを仕掛け、ボールを奪うとショートカウンターで相手ゴールに迫る。先制点は高い位置でのプレスで相手GKのミスを誘ったもの。
   先制後も中盤で厳しいマークでフォルタレーザに効果的な攻撃を許さない。後半に入り、フォルタレーザの修正に中盤でのマークが効果を見せなくなると、ゴール前に堅固な2ラインを敷き、虎の子の一点を守り抜き、アウェイで勝ち点3を勝ち取った。
   この勝利で最近の3試合に黒星がなく勝ち点は19。第6節終了時点では降格圏の18位に低迷していたが、暫定17位のチームとの勝点差は7、コパ・スウアメリカーナ出場圏の12位のチームとは勝点差2、リベルタドーレス出場圏の6位チームとは勝点差6と上位を狙える位置に浮上してきた。
   クイアバは、サッカーの強豪を輩出してこなかった内陸のマットグロッソ州に2001年に創立された新興クラブ。決して財政規模も大きくない中、育成を大事にし、足元の結果を求めた短期契約や期限付き移籍に大きく頼ることなく、着実に成長を果たしてきている。2021年の全国選手権1部昇格後は2021年の15位が最高位だが、現在の勢いを継続し、今季は過去最高位の更新とコパ・スウアメリカーナ、あわよくばリベルタドーレス出場圏を狙いたい。
   次戦は7月22日の全国選手権第16節、ホームにサンパウロを迎える。

インテルナシオナウ(INT) 0-0 パウメイラス(PAL)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=_9jlaY7gRfc
(INT) : N/A
(PAL) : N/A

見どころ(試合前の順位)

   インテルナシオナウは全国選手権6勝3分5敗勝点21の10位。
   パウメイラスは全国選手権6勝6分2敗勝点24の5位。

得点シーン

N/A

試合概要、所感 etc.

   インテルナシオナウは、加入後2試合目となるFWエネル・バレンシア(Enner Valencia, 1989)をワントップに起用し、前節でツートップを組んだFWルイス・アドリアーノ(Luiz Adriano, 1987)が控えに回る。また、前節後半出場で中盤の厚みをもたらしたVOLアランギス(Aránguiz, 1989)を先発起用、前節出場停止のMFアラン・パトリッキ(Alan Patrick, 1991)がピッチに戻る。
   前半は、厚くした中盤に加え、FWエネル・バレンシアが下がって攻撃の組み立てに参加、空いたスペースにVOLホームロ(Rômulo, 2000)やVOLデ・ペーニャ(De Peña, 1992)が顔を出すなど、中盤が流動的に動きチャンスを生み出していく。しかし、シュートはいずれもペナルティエリア入口付近の相手守備ラインの手前からのもので、コースが限定され、パウメイラスGKウェヴェルトン(Weverton, 1987)を脅かすまでは至らない。
   前半33分に右CKからCBヴィトン(Vitão, 2000)が打点の高い強烈なヘディングシュートを放つが、これはGKウェヴェルトンが辛うじてCKに逃れる。前半は試合を優位に展開するものの、決定的な場面はこのシュートだけにとどまる。
   後半は、CBメルカド(Mercado, 1987)とVOLアランギスが足に不安を覚え大事をとって交代。ところが、この交代とパウメイラスの的確な修正に後半は中盤の優位を失い、試合の主導権をパウメイラスに渡してしまう。しかし、インテルナシオナウも両SBがパウメイラスが得意とするサイド攻撃を事前に防ぎ、GKジョン・ヴィクトル(John Victor, 1996)の再三の好セーブでゴールを守り失点を許さない。
   一方で攻撃面では、中盤の優位を失った中、FW陣の選手交代は効果を見せず、大きなチャンスを迎えることなくタイムアップ。
   3試合連続で無得点に終えたインテルナシオナウは、試合翌日の7月17日、マノ・メネゼス(Mano Menezes)監督を解任。
   7月19日に新監督エドゥアルド・クーデ(Eduardo Coudet)氏の就任が発表された。
   同日には時間をおいて、VOLブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1989)のアル・イテハド/KSAからの獲得を発表。同選手はパウメイラス所属の2018年に全国選手権ベストイレブン選出経歴を有する。
   次戦は7月23日に全国選手権第16節、アウェイでのRBブラガンチーノが控えている。

   パウメイラスは、スピード豊かなFWホニ(Rony, 1995)、FWドゥドゥ(Dudu, 1992)が遠征に帯同せず、高さのあるFWフラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)、司令塔タイプのMFジョン・ジョン(Jhon Jhon, 2002)を先発に起用。
   前半は、中盤をインテルナシオナウに支配され、ボールを奪ってもいつものようにスピードのある前線に素早くボールを送り局面を打開することができない。
   前半唯一の見せ場は前半20分、VOLガブリエウ・メニーノ(Gabriel Menino, 2000)のペナルティエリア入口からの強烈なシュートをインテルナシオナウGKジョン・ヴィクトルが辛うじてセーブ。こぼれ球にMFハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)が詰めるが、近距離からのシュートは枠を大きく越えていく。
   後半に入り、左SBピケレス(Piquerez, 1998)が高い位置を取り、VOLガブリエウ・メニーノが積極的に前線に顔を出すなど、中盤での主導権を握り始める。
   後半14分、後方から駆け上がるVOLガブリエウ・メニーノに対しMFジョン・ジョンが柔らかく浮かしたボールを守備ライン裏に送るが、間合いを詰めたGKジョン・ヴィクトルがVOLガブリエウ・メニーノのシュートを阻止。後半32分にはFKからCBムリーロ(Murilo, 1997)がドンピシャのタイミングで頭を合わせるが、再びGKジョン・ヴィクトルが体を投げ出し阻止。後半45分、右サイド深くに駆け上がったMFアルトゥール(Artur, 1998)のクロスにFWブレーノ・ロペス(Breno Lopes, 1996)が右足を振り抜くが、GKジョン・ヴィクトルがしっかりとキャッチ。
   パウメイラスは、ハーフタイムの修正で後半は試合の主導権を握るものの、インテルナシオナウGKジョン・ヴィクトルの再三の好守にゴールをこじ開けることができず、スコアレスドローで勝ち点の積み上げは1のみ、首位ボタフォゴとの勝点差は14に広がった。
   次戦は7月22日全国選手権第16節ホームにフォルタレーザを迎える。

アトレチコ・パラナエンセ(CAP) 2-0 バイーア(BAH)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=DYsEAkrAm68
(CAP) : 24' #9 ヴィトル・ホッキ(Vitor Roque, 2005)[#2 ケウヴィン(Khellven, 2001)]
(CAP) : 35' #6 エリキ(Erick, 1997)[#2 ケウヴィン(Khellven, 2001)]
(BAH) : N/A

見どころ(試合前の順位)

   アトレチコ・パラナエンセは全国選手権6勝2分6敗勝点20の11位。
   バイーアは全国選手権3勝4分7敗勝点13の16位。

得点シーン

(CAP)前半24分 :
相手陣深く右サイドライン際からSBケウヴィンが右足でのクロスのフェイントを挟み、切り返して左足でゴール前にクロスを上げる。FWヴィトル・ホッキがゴール前に飛び出しフリーで左足を合わせゴール。副審がオフサイドフラッグを上げるがVARの検証を経てゴールが認められる。アトレチコ・パラナエンセが先制。
   FWヴィトル・ホッキのこのゴールは全国選手権5試合連続となる8得点目のゴール。得点ランキングで首位に2ゴール差に迫る。
(CAP)前半35分 :
ペナルティエリア右角でをボールをキープするMFヴィトル・ブエノ(Vitor Bueno, 1994)がサイドライン際にポジションをとるSBケウヴィンへボールを送る。ボールを受けたSBケウヴィンは右足でゴール前にクロス。ゴール前に上がったVOLエリキがディフェンダーとの競り合いに勝りヘディングシュート。これがゴールネットを揺らしアトレチコ・パラナエンセが追加点。
   VOLエリキは、2018年の全国選手権3部、パラナ州選手権2部優勝のオペラ―リオ・フェホヴィアーリオでの活躍を受け、2019年にアトレチコ・パラナエンセに加入。加入年こそ全国選手権での出場は限られたものの、2020年以降は相次ぐ監督交代の中でも試合出場数を伸ばしていき、主力選手の一角に成長。ボランチながら得点感覚も高く、右サイドバックを務めるなど高いポリヴァレント性がある。
   この試合2アシストの右SBケウヴィンは、グアラニー-SC下部組織出身でレンタル先のアトレチコ・パラナエンセ下部組織を経て、18歳を迎えたばかりの2019年3月に州選手権にてアトレチコ・パラナエンセからプロデビュー。その後は浮き沈みがあるものの多くの試合に出場し、2022年にはルイス・フェリピ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督の下レギュラーの座を獲得。チームのリベルタドーレス準優勝に貢献。2023年は5月に出場機会を失うも6月24日の復帰以降、7試合で4アシストを記録している。

試合概要、所感 etc.

   アトレチコ・パラナエンセは最近の公式戦3連敗。コパ・ド・ブラジル準々決勝フラメンゴ戦、1stレグでは前半に先制点を奪い極端に守備的な陣形を敷いたものの逆転を許し、2ndレグでは守備的な布陣でカウンターを狙うが0-2と完敗。ウェズレイ・カルヴァーリョ(Wesley Carvalho)監督代行は3バックで攻守に3ラインをコンパクトに保つ戦術を採用したが、上手く落とし込まれていない印象があった。
   しかし、この試合では4-4-2を採用。3バック時と同様に攻守に3ラインはコンパクトに保つが、連敗中ということもあり、相手にボールを持たせ守備的に試合に入る。
   時間が淡々と経過する中、前半23分、この試合初めての大きなチャンスを逃さず先制点を奪うと、前半35分に追加点。理想的な展開で前半を終えると、後半は積極的にボールを保持し3点目を奪いに行く。しかし、単純なミスやバイーアGKの好守の前に追加点を奪えず時間は経過。7月14日に獲得を発表したVOLアルトゥーロ・ビダウ(Arturo Vidal, 1987)を投入するも、最後は試合のペースを落とし、2-0のスコアのまま試合終了。
   この勝利で勝ち点を23に伸ばし8位に浮上。リベルタドーレス出場圏の6位までの勝点差は2、暫定2位までの勝点差は4と上位争いに食い込んでいる。次戦7月23日全国選手権第16節ではアウェイで下位に低迷するヴァスコ・ダ・ガマと対戦。しっかりと勝ち点3を勝ち取り上位進出を果たしたい。

   バイーアは、引いたアトレチコ・パラナエンセの前にボールを保持し攻撃の糸口を探る。しかし、前半13分、最近の試合で攻撃陣を牽引してきたFWカイキ(Kayky, 2003)が相手選手と接触し負傷退場。以降は、守備ラインでのパス交換を繰り返し、効果的にボールを前に運ぶことができない。
   すると、前半23分、前半35分に相次いで失点。
   前半アディショナルタイムにFWルーカス・ムギニ(Lucas Mugni, 1992)がペナルティエリア入口から縦回転の落ちるシュートを放つが、アトレチコ・パラナエンセGKの好守の前に得点を奪うことができない。
   後半に入ると追加点を奪いに来るアトレチコ・パラナエンセの攻撃に後手に回るが、相手のミスやGKマルコス・フェリピ(Marcos Felipe, 1996)の好守で失点を回避。バイーアもカウンターやFK、サイド攻撃でゴールを奪いに行くが、アトレチコ・パラナエンセGKベント(Bento, 1999)が立ちはだかる。
   試合は0-2の敗戦。これで6試合勝ち星から見放され、最近の公式戦は19試合で僅かに1勝という結果に。
   負傷退場のFWカイキは後日、検査の結果、左膝関節を痛め手術を要すると診断され、復帰見込みは公表されていない。
   バイーアは、FWビエウ(Biel, 2001)、SBジャカレー(Jacaré, 1999)に続き、チームを牽引する主力選手が大ケガにより戦列離脱、先行きが見えない状況が続く。
   次戦は7月22日の全国選手権第16節、ホームにコリンチャンスを迎える。

ゴイアス(GOI) 0-0 アトレチコ・ミネイロ(CAM)

動画URL: 
(GOI) : N/A
(CAM) : N/A

見どころ(試合前の順位)

   ゴイアスは全国選手権3勝2分9敗勝点11の17位。
   アトレチコ・ミネイロは全国選手権5勝5分4敗勝点20の12位。

得点シーン

N/A

試合概要

   ゴイアスは、全国選手権3連敗中で降格圏の17位に低迷。前節の後半、1-3とリードを許す局面で揃ってピッチに立ち、一時は同点に追いつくことに貢献した新加入選手3選手を先発に起用、一方で、前節2得点1アシストを記録したギリェルミ・マルケス(Guilherme Marques, 1991)を出場停止で欠く。
   アトレチコ・ミネイロは、6月21日のルイス・フェリピ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督就任以降、公式戦5試合に勝ち星がなく3分2敗。従来の相手陣での左右の揺さぶりから守備網を崩し、リード時にはしっかりとした守備ブロックを形成し切れ味の鋭いカウンターで追加点を奪うスタイルが失われ、FW陣が前線で孤立、カウンターもシュートまで持ち込めずにボールを失う場面が散見する。
   試合は、ホームのゴイアスがアトレチコにボールを持たせ、ボール奪取から素早く前線やサイド深くにボールを送りアトレチコゴールに迫る。前半8分には左サイド深くからのクロスに新加入FWジョアン・マギノ(João Magno, 1997)が頭を合わせ、前半13分には新加入MFルイス・オヤマ(Luís Oyama, 1997)が捌いたボールに右SBマギーニョ(Maguinho, 1992)がミドルシュート。いずれもアトレチコGKエヴェルソン(Éverson, 1990)の好守にゴールは奪えないものの、新加入選手が好機を作り出す。
   一方のアトレチコ・ミネイロはボールを保持するものの、FWフッキ(Hulk, 1986)、FWパウリーニョ(Paulinho, 2000)の強力ツートップにボールが渡らない。FWフッキが堪らずボールを捌きに下がるが、好機を作り出すに至らない。
   前半30分には、再びゴイアスが自陣からの素早い球出しに、FWジョアン・マギノがポストプレーでMFルイス・オヤマにボールを預け、MFルイス・オヤマのスルーパスに反応したVOLモレリ(Morelli, 1997)がシュート。ブロックされたボールをFWジョアン・マギノがさらにシュートを放つ。しかし、アトレチコが必死の守りでゴールを許さない。
   後半は、悪い流れを変えるアトレチコの選手交代もなく、前半同様の試合展開。ゴイアスが中盤の厳しいマークでボールを奪っては素早く前線にボールを送り、後半2分には右サイドライン際から中央へパスを繋ぎ最後はFWヴィニシウス(Vinícius, 1993)がシュート、後半20分には新加入で途中出場のMFアラーノ(Allano, 1995)が個人技でシュートに持ち込む。
   アトレチコは流れの中でなかなかシュートに持ち込むことができず、後半23分の右サイドライン際、後半37分ゴール正面やや右約35m地点のFWフッキのFKに望みを託すがゴールを奪えない。
   試合は後半アディショナルタイムにプレー外の肘打ちでアトレチコ・ミネイロが退場者を出したものの、アトレチコは残り時間をなんとか凌ぎ0-0の引き分け。両チーム痛み分けとなる勝ち点1を獲得した。

試合概要、所感 etc.

   ゴイアスは、新加入選手がチームにフィット。最後まで得点を奪えなかったものの、両サイドの奥へのフィードやセンターフォワードをターゲットにしたフィード、中央からサイド、サイドから中央への展開など、カウンターが中心とは言え多彩な攻撃を披露。前節4失点の守備でも改善が見られ、今後に期待を持たせられる内容の試合を展開した。
   とは言え、ゴイアスはこの試合で勝ち点を1しか積み上げることができず、下位の2チームが今節未消化の状況で降格圏内の暫定17位。コパ・スウアメリカーナは決勝ラウンド進出を決めており、日程的な厳しさはあるものの上手く選手を使い分け、全国選手権でも降格圏を脱出、少なくとも来季のコパ・スウアメリカーナ出場圏の12位を目指したい。
   次戦は7月23日に全国選手権第16節、アウェイでのクルゼイロ戦が控える。

   アトレチコ・ミネイロは、この一か月で2試合目の降格圏内チームとの対戦となったものの、引き分けに終わり、一か月以上勝ち星なし。全国選手権第9節終了時点で首位まで勝点差4の3位だった順位は、第15節終了時点で首位まで勝点差18の12位にまで後退。
   前任のエドゥアルド・クーデ監督の突然の辞任に白羽の矢が立ち、監督業引退を撤回したフェリピ・ルイス・スコラーリ監督だが、劣勢の中でも選手交代が遅く、しかも3選手の交代のみ。選手交代を通した戦術変更もなく時間だけが経過するように感じられた。
   強力なFW陣を抱え、実際にこれまで多くの得点を奪ってきた中、相手が引いて守備網を敷くことは十分に考えられること。中盤での優位性を築けない中、ビルドアップを得意とするセンターバックを起用するなど、リスクを犯して中盤に厚みを持たせてもらいたいのだが。。。
   次戦は7月22日に全国選手権第16節、アウェイでのグレミオ戦が控える。

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