最新更新日 : 2024/08/22
更新履歴 : 2024/06/10, 2023/12/26, 04/13
ルイス・ギリェルミ・リラ・ドス・サントス
Luis Guilherme Lira dos Santos
ポジション:ミッドフィルダー/メイア・オフェンシーヴォ
利き足:左
2006年2月5日生まれ
<幼少期>
ブラジル北東部のセルジペ州の州都アラカジュに生まれる。
地元のサッカースクールで活躍が知れ渡るようになるとビッグクラブが注目。いくつかのオファーからパウメイラスを選択。
<クラブ経歴>
≪パウメイラス≫
2017年にパウメイラスの下部組織に入団。
パウメイラスのメンバーとして何度か日本の大会に出場しており、以下の大会で優勝している。 2017年4月「コパ・プーマ・トレーロス2017 U-11」 2017年6月「2017 COPA BELLMARE U-11」 2018年4月「コパ・プーマ・トレーロス2018 U-12」 2018年8月「水戸ホーリーホックカップU-13」
2019年には13歳でU-15チームに、2020年には14歳でU-17チームに昇格する。
2021年(15歳)にはU-20チームで試合出場を果たし、トップチームの練習に参加する機会を得る。
2022年には誕生日を迎える前の15歳で出場したU-20全国大会カップ戦でアシストを記録。この年は主にU-17チームでプレーし、U-17全国選手権、U-17コパ・ド・ブラジル、U-17州選手権、上記のU-20全国大会カップ戦の4タイトルを獲得。 ジャンパー膝(ジャンプ動作などの繰り返しにより発生する膝蓋靭帯炎および大腿四頭筋腱付着部炎)のため約90日間戦列から遠ざかったが、復帰後はU-17の14試合で13ゴールを記録、この年最後の試合となるU-17全国選手権決勝では勝ち越しゴールをマーク。
2022年6月にパウメイラスとプロ契約。6000万ユーロの違約金が設定されている。
– 2023 –
2023年1月に開催されるU-20全国大会カップ戦(通称コピーニャ)に16歳にして登録。1月3日の試合に出場し1アシストを記録。 試合後にU-20南米ユース選手権に追加招集を受けU-20チームを離れる。
U-20南米ユース選手権から帰国後は、トップチームのトレーニングに参加。 2023年4月12日、コパ・ド・ブラジル3回戦トンベンセ戦1stレグ、2-1で迎えた後半31分、途中交代出場を果たし、トップチームでの初出場を飾る。試合終了間際にGKと一対一になる場面を迎えたがシュートはゴール枠を超える。しかし、アベウ・フェヘイラ監督もホームスタジアム アリアンツ・パルキに詰めかけたサポーターも満足するプレーを披露した。
2023年4月15日全国選手権開幕節ゴイアス戦で後半37分に交代出場を果たし全国選手権デビュー。その後も、試合終了間際の交代出場が続くがプレー時間は少しずつ長くなる。 6月4日全国選手権第9節コリチバ戦でプロ初スタメンに抜擢。特段目を引くプレーはなかったものの、得意のドリブルやFW陣をサポートするプレーで出場停止のMFハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)に穴をしっかりと埋め、後半30分にピッチを後にした。
その後も途中交代での出場が続くが、7月2日第13節アトレチコ・パラナエンセ戦、8月5日第18節フルミネンセ戦、10月1日第25節RBブラガンチーノ戦はスタメン出場。同じ年のFWエンドリッキ(Endrick, 2006)とピッチ上で共演する場面も見られた。
16歳で迎えた2023年シーズンは、U-20南米ユース選手権優勝で始まり、プロデビューを果たし、トップチームで27試合に出場。そして、チームの全国選手権優勝で幕を閉じた。
– 2024 –
2024年1月24日州選手権第2節にて先発に起用されシーズン初試合を迎えるが、ベンチ入りするものの、あまり多くの出場機会は訪れない。しかし、州選手権決勝サントス戦2ndレグでは、2試合合計1-1で迎えた後半20分にピッチに送り出され、チームはその直後にゴールを奪い、州選手権優勝のタイムアップをピッチ上で迎える。
2024年4月24日リベルタドーレス第3節インデペンディエンテ・デル・バジェ戦、1-2のビハインドで迎えた後半20分に交代出場、チームは後半36分にFWラザロ(Lázaro, 2002)のゴールで同点に追いついたものの、そのままタイムアップを迎えるかと思われた後半45+5分、ペナルティエリア右手前10mの位置でボールを受けると、思い切りよく左足を振り抜き、ファーサイドのゴールネットを揺らすゴラッソ。プロ初ゴールをこの試合の決勝点として飾った。
5月5日全国選手権第5節クイアバ戦では、先発に起用され、前半45+1分に、FWラザロの先制点をペナルティエリア右からのクロスでアシスト。この頃から途中交代や先発として連戦に起用されていく。
5月21日、2025U-20南米ユース選手権を照準とした6月3~11日に開催されるU-20代表合宿への23人の代表メンバーとして招集が発表される。
6月10日、ウェストハム/ENGとパウメイラスの間で、ルイス・ギリェルミの移籍が合意。U-20代表合宿を離脱し、メディカルチェックおよび移籍手続きのため渡英。
≪ウェストハム≫
– 2024/25 –
2024年6月13日ウェストハムがルイス・ギリェルミの獲得を公式発表。
関連記事 : 【公式発表】ウェストハム、MFルイス・ギリェルミ選手獲得
2024年7月27日ウルヴァーハンプトン戦にて後半45分間プレーするなど、プレシーズンマッチは3試合計74分間のプレー。
8月17日プレミアリーグ開幕節アストンヴィラ戦を迎えるが、ベンチ入りすることはなく、2024年8月22日現在、ウェストハムでの公式戦デビューは訪れていない。
≪シーズン別クラブ出場記録≫
シーズン | 所属 | 大会 | 試合 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2023年(17歳) | パウメイラス | リベルタドーレス | 3 | 27 | 0 | 0 |
全国選手権 | 19 | 567 | 0 | 0 | ||
コパ・ド・ブラジル | 5 | 72 | 0 | 0 | ||
合計 | 27 | 666 | 0 | 0 | ||
2024年(18歳) | パウメイラス | リベルタドーレス | 5 | 219 | 1 | 0 |
全国選手権 | 5 | 182 | 0 | 1 | ||
スーペルコパ・ド・ブラジル | 1 | 3 | 0 | 0 | ||
コパ・ド・ブラジル | 1 | 27 | 0 | 0 | ||
州選手権 | 6 | 248 | 0 | 0 | ||
合計 | 18 | 679 | 1 | 1 | ||
2024/25年(19歳) | ウェストハム/ENG | |||||
合計 |
イタリック斜体は、2024年8月22日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。
<代表経歴(世代別含む)>
– 2022 –
2022年4月に開催されたU-17モンテギュー国際大会に出場。初めて代表のアマレリーニャのユニフォームを着て出場する国際大会。全4試合に出場、3得点を記録。
第3戦のイングランド戦では、ペドロ・エンヒキ(Pedro Henrique)のCKをゴールライン際の角度のない位置から右足で合わせ得点。後半にはCBからのロビングボールをペドロ・エンヒキが空中戦で競り勝ち、それを拾ったエンドリッキ(Endrick)からのパスを思い切りよくダイレクトに左足を振り抜いて、この日の自身2点目をあげる。
最終戦となる決勝アルゼンチン戦、前半はチームが前からプレスをかけアグレッシブな戦いをみせる。前半4分にはルイス・ギリェルミが相手VOLへのプレスでボールを奪い決定的な場面を迎えるが得点を奪えない。1-1で迎えた前半39分にはルイス・ギリェルミがPKを決め2-1とリード。後半は押し込まれる時間が増え、ルイス・ギリェルミも自陣に戻りディフェンスに奔走。試合はこのまま2-1でアルゼンチンに勝利。大会を優勝で終えた。
– 2023 –
2023年U-20南米ユース選手権
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-20代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日 | 節 | 対戦 相手 | 試合 結果 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2023/01/19 | 予選R第1節 | ペルー | 3 – 0 | 29 | 0 | 1 |
2023/01/23 | 予選R第3節 | アルゼンチン | 3 – 1 | 1 | 0 | 0 |
2023/01/25 | 予選R第4節 | コロンビア | 1 – 1 | – | – | – |
2023/01/27 | 予選R第5節 | パラグアイ | 2 – 1 | 82 | 0 | 0 |
2023/01/31 | 決勝R第1節 | エクアドル | 3 – 1 | – | – | – |
2023/02/03 | 決勝R第2節 | ベネズエラ | 3 – 0 | – | – | – |
2023/02/06 | 決勝R第3節 | パラグアイ | 2 – 0 | – | – | – |
2023/02/09 | 決勝R第4節 | コロンビア | 0 – 0 | 4 | 0 | 0 |
2023/02/12 | 決勝R第5節 | ウルグアイ | 2 – 0 | 81 | 0 | 0 |
19 – 4 | 197 | 0 | 1 |
2023U-20南米ユース選手権は、エンドリッキ(Endrick, 2006)などFWだけで5選手がチーム事情により辞退したことにより、16歳ながら同じ歳のペドロ・エンヒキ(Pedro Henrique, 2006)などと共に追加招集。
開幕節ペルー戦、0-0で迎えた後半16分、エステーニオとの交代で試合に出場。4-3-3から4-4-2へのシステム変更を伴い右サイドハーフの位置に入る。 後半23分、マルロン・ゴメスからのふわりとしたクロスボールに対し空中戦で競り勝ち、ヴィトル・ホッキがゴール。開幕節のなかなか得点が奪えない展開で、貴重な先制点のアシストを記録。 後半31分には、ゴール前でアンドレイ・サントスのヘディングに詰め、ボールに触れることはなかったが相手GKの判断ミスを誘い、追加点に関与。 僅か15分間で2得点に関与する。
予選R第5節パラグアイ戦では、スターティングイレブンに抜擢。 前半7分、左サイドから抜け出し、相手ディフェンダーのスライディングタックルをかわしゴールライン際からペドロ・エンヒキへマイナスのパスを送る。シュートに持ち込むがボールは枠を超える。 前半11分、右サイドからのFKを直接狙うが、GKがパンチングのクリア。得点には繋がらないが立ち上がりから続けてチャンスを演出する。
決勝R第5節ウルグアイ戦。優勝を賭けた試合でスターティングイレブンに抜擢。 前半は、チーム全体に相手の速いチェックにパスを効果的に繋ぐことができず攻撃の形が作れない。徐々に押し込まれ自陣で守る時間が多くなる。 後半7分、ルイス・ギリェルミがセンターサークル付近からドリブルで攻め上がりシュートまで持ち込む。1分後にも自陣でボールを受けドリブルで30mほど持ち上がり、ヴィトル・ホッキへスルーパス。このシュートは相手GKの好守に阻まれるが、ルイス・ギリェルミがドリブルで持ち上がることで相手ディフェンスのマークをずらすことになり、チームは前半とは打って変わってチャンスを創出するようになる。 ルイス・ギリェルミは後半36分に交代でベンチに退くが、その後ブラジルはアンドレイ・サントスのゴールで先制。試合終了間際にも追加点を奪い、大会優勝を果たすことになる。
– 2024 –
2024年5月17日、世代別代表合宿への代表23選手の一人として招集を受ける。この合宿は2025年1月に開幕されるU-20南米ユース選手権に向けた第1回目の代表合宿として位置づけられている。
関連記事 : [2024.05.17発表]<ブラジルU-20代表招集>
2024年8月17日、CBFよりU-20代表合宿招集メンバーが発表され、代表23選手の一人として招集を受けた。この代表合宿は。2025年1月にペルーにて開催が予定されているU-20南米ユース選手権に照準とした2度目の合宿。合宿期間は9月2日~10日、5日と8日にメキシコU-20代表との国際親善試合が予定されている。
関連記事 : [2024.08.17発表]<ブラジルU-20代表招集>
<インタビュー>
ルイス・ギリェルミの持ち味は、爆発的な瞬発力、スプリントのスピード、長い左足から繰り出されるミドルシュート。これらの持ち味を発揮したU-17モンテギュー国際大会がヨーロッパクラブからの注目を浴びるきっかけとなった。
U-17モンテギュー国際大会閉幕後、スペイン紙「マルカ」のインタビューを受けたギリェルミは自身のプレースタイルを重ね合わせ、「利き足の違いはあるがフランス代表のエムバペ選手が目標」と話した。 さらに、将来に関して、「プレミアリーグやラ・リーガといった高いレベルのリーグでプレーするのが夢。そして、クリスチャーノ・ロナウド選手のように、どのスタイルのリーグでも高いレベルで活躍し、自分に期待されるプレーをどこでも発揮できるように準備していけるようになりたい。 そして、ヴィニシウス・ジュニオール(Vinícius Júnior)選手やホドリゴ・ゴエス(Rodrygo Goes)選手のように世界最高峰のクラブの一つで若くしてレギュラーを掴み、周りの期待に応える選手になりたい」と話した。
<雑感 etc.>
2020年、コロナ感染症拡大の影響で全体練習がままならず各自が自宅で映像を見ながら練習を行っている時期に、U-17チームに昇格する連絡が届いたという。まだ14歳、3歳上の選手たちとの試合や練習が始まる。全体練習では強度もスピードもインテンシティも今までプレーしていたものとはまったく異なり当初は困惑した。しかし、やがてその違いに慣れていった。
2021年にはU-20に昇格。U-20チームでの試合や練習では、激しい接触を避ける余裕がない。もっと早くプレーを選択しなければいけない、もっとインテンシティを強めなければならない。課題が多く見つかる。しかし、時間が経つにつれまた慣れていった。
14歳の時から、常に自分の年齢よりも上のカテゴリーで練習を積んできた。昇格当初はその違いに戸惑うがすぐに適応する。2023年は年初のU-20全国大会カップ戦(サンパウロコピーニャ)でU-20のサッカーに慣れ、やがてはトップチームに昇格するのだろう。そして、その環境にもすぐに慣れてプレミアリーグやラ・リーガへと旅立つときがやってくるのだろう。
日本に何度も訪れた少年が、世界最高峰のリーグ、世界最高峰のクラブで、世界最高峰の選手として活躍する日はいつ訪れるのだろう。
<アベウ・フェヘイラ監督の評価>
パウメイラストップチームのアベウ・フェヘイラ(Abel Ferreira)監督は、2022年12月に故郷のポルトガルで行われたイベントで、パウメイラスの下部組織(出身)の有望な選手たちについて次のように話している。
「近頃はエンドリッキ(Endrick, FW/ATA, 2006年生まれ)のことがよく話題になっているね。そして、その次がガブリエウ・ヴェロン(Gabriel Veron, FW/ATA, 2002年生まれ, 現FCポルト/ポルトガル, 2019U-17W杯優勝メンバー)とダニーロ(Danilo, VOL, 2001年生まれ, 2020年中盤から不動のレギュラー。アーセナル/イングランドが2022/23ウィンドーに2600万ポンドでオファーを準備と報道)かな。」
「でもね、これからはルイス・ギリェルミとエステヴォン(Estêvão, FW/ATA, 2007年生まれ)、この二人の名前をよく耳にすることになるよ」