【ブラジル全国選手権2023】第17節(1/2)

投稿者: | 2023年7月29日

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全国選手権第17節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこの記事で。
・2023/07/29 フルミネンセ(FLU) x サントス(SAN)
・2023/07/29 インテルナシオナウ(INT) x クイアバ(CUI)
・2023/07/29 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x クルゼイロ(CRU)
・2023/07/29 コリンチャンス(COR) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
・2023/07/29 フォルタレーザ(FOR) x RBブラガンチーノ(RBB)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2023】第17節(2/2)
・2023/07/29 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x フラメンゴ(FLA)
2023/07/30 サンパウロ(SAO) x バイーア(BAH)
2023/07/30 ボタフォゴ(BOT) x コリチバ(CFC)
2023/07/30 アメリカ・ミネイロ(AME) x パウメイラス(PAL)
2023/07/30 ゴイアス(GOI) x グレミオ(GRE)

全国選手権第17節 試合概要

フルミネンセ(FLU) 1-0 サントス(SAN)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=pfABJ30vQw8
(FLU) : 77' #14 ヘルマン・カーノ(Germán Cano, 1988)[#21 ジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)]

見どころ(試合前の順位)

   フルミネンセは全国選手権7勝4分5敗勝点25の7位。
   サントスは全国選手権4勝5分7敗勝点17の14位。

得点シーン

(FLU)後半32分 :
自陣ゴール前からボールを繋ぎ、右サイドからFWジョン・アリアスが一瞬のスピードでディフェンダーの裏に出て相手GK目掛けクロス。ディフェンダーの間から抜け出したFWヘルマン・カーノが足を合わせゴール。
   FWヘルマン・カーノは、2022年全国選手権の得点王(26得点)。2023年は全国選手権に入り不振に陥っていたが、最近の公式戦は5試合で3得点。全国選手権はこれが5点目。巧みなポジショニングからワンタッチで奪う彼らしいゴールが生まれ、リベルタドーレス、全国選手権後半戦に向け、復活となるだろうか。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:65% 35% ⇒ 前後半:65% 35%
シュート(枠内): 前半:5‐3 (2-0) ⇒ 前後半:14-4(8-0)
パス成功率: 前半:90% 79% ⇒ 前後半:89% 80%
   フルミネンセは、週中に開催されるリベルタドーレス決勝ラウンド1回戦1stレグを控え、7月のウィンドウで獲得した4選手を先発に起用し、実戦での連係を図る。
   試合は前半20分までに両CB、VOLがイエローカードを貰い自ら試合を難しくする。前半27分にはMFジョン・アリアスがペナルティエリア内で倒されPKを獲得するがこれを決めきることができない。ボールは支配するものの決定的なシーンを作り出すことができない嫌な展開が続く。
   スコアレスのまま後半に入ると、VOLアンドレを最終ラインに下げ中盤に攻撃的な選手を投入。後半14分までに新加入選手の3選手をベンチに下げると、攻守に連係が改善。後半20分には相手陣で2本の縦のダイレクトパスからシュートに持ち込むと、後半32分には自陣からボールを繋ぎ、昨年から多くのゴールを生み出したMFジョン・アリアスのパスからFWヘルマン・カーノのゴールという流れで先制。
   後半36分にはFKからCBニノ(Nino, 1997)のヘディングシュートがゴールライン上でクリアされ、試合終了間際にも惜しいチャンスを迎えるなど、後半は試合を支配。1-0で勝利を収めた。
   新加入選手は、この試合が2試合目となる左SBジオゴ・バルボーザ(Diogo Barbosa, 1992)が唯一90分間のフル出場。守備面のみならず、攻撃面でも積極的にボールに絡み、チーム戦術への適応をアピール。2016年以来のフルミネンセ復帰戦となる下部組織出身のCBマルロン(Marlon, 1995)もチーム戦術を理由に前半でベンチに退いたものの堅実なプレーを披露。MFレオナルド・フェルナンデス(Leonardo Fernández, 1998)、FWジョニー・ゴンサーレス(Yony González, 1994)もそれぞれプレー時間を伸ばしており、一日も早いチームへのフィットが期待される。
   この勝利で勝ち点を28に伸ばし、暫定ながら4位に浮上。
   次戦は、8月1日のコパ・リベルタドーレス決勝ラウンド一回戦1stレグ、アウェイでのアルヘンティーノス・ジュニオルス/ARG戦。全国選手権は8月5日に第18節、ホームにパウメイラスを迎える。

   サントスは、CBメシアス(Messias, 1994)に代わり、前十字靭帯損傷から復帰し3試合目となる左足利きのCBアレックス・ナシメント(Alex Nascimento, 1999)を先発に起用。他は前節ボタフォゴ戦と同じ先発メンバーで試合に臨む。
   試合は前節同様、自陣に引いて中盤のマークを厳しく、中を閉ざした守備からカウンターを狙う。前半27分にPKを献上するものの、GKジョアン・パウロ(João Paulo, 1995)がシュートストップ。このPK献上以外は守備は機能し、相手にボールを持たせながらもシュートまで持ち込ませない。
   一方の攻撃面は、ボールを奪うとファールで潰される場面が多く、効果的にカウンターを仕掛けることができない。
   後半に入り、フルミネンセが選手交代からパス回しの精度を上げると、中盤のマークを掻い潜られゴール前に押し込まれるようになる。すると、FWが前線で孤立し、カウンターを発動することも叶わなくなる。サントスも選手交代で中盤の劣勢を挽回しようとするが、最後まで試合の流れを変えることができず、後半は完全に試合を支配される。
   試合は0-1の敗戦。前節同様、選手交代を経て試合内容は悪化。
   パウロ・トゥーハ(Paulo Turra)監督就任後の全国選手権は、これで5試合で1勝1分3敗となり、他試合の結果次第で降格圏に突入する危機に陥っている。
   次戦は8月5日に全国選手権第18節、パウロ・トゥーハ監督が6月まで指揮を執ったアトレチコ・パラナエンセとの一戦。日程的な優位を生かし、勝ち点3を獲得したい。

インテルナシオナウ(INT) 1-2 クイアバ(CUI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=EsU0LVwN9rQ
(INT) : 16' #16 ブストス(Bustos, 1996)[]
(CUI) : 44' #14 ハニエリ(Raniele, 1996)[#10 セペリーニ(Ceppelini, 1991)]
(CUI) : 88' #16 デイヴェルソン(Deyverson, 1991)[#27 デニウソン(Denilson, 2001)]

見どころ(試合前の順位)

   インテルナシオナウは全国選手権6勝5分5敗勝点23の10位。
   クイアバは全国選手権6勝4分6敗勝点22の12位。

得点シーン

(INT)前半16分 :
左サイドからのクロスはディフェンダーにクリアされるが、そのボールをペナルティエリア右角で受けたSBブストスが右足のアウトサイドでのシュート。緩やかに右に流れるシュートはゴール左サイドネットに突き刺さるゴラッソ。
   SBブストスはインデペンディエンテ/ARG下部組織出身で2016年12月に20歳でプロデビュー。2013年南米U-17選手権アルゼンチン代表。2018年にはアルゼンチン代表で国際親善試合の4試合に出場(すべて先発出場)。2022年2月にインテルナシオナウに加入。2023年は29試合(うち23試合に先発)に出場し、このゴールが今季初ゴール。
(CUI)前半44分 :
ペナルティエリアすぐ右からのFK。MFセペリーニが2列目逆サイドにボールを送ると、ペナルティエリア入口左から縦に上がりディフェンダーの背後から現れたVOLハニエリが頭をあわせゴールネットを揺らす。クイアバが前半のうちに同点に追いつく。
   MFセペリーニは、2011年U-20南米ユース選手権、U-20W杯のウルグアイ代表。イタリア、ルーマニア、スロバキア、コロンビア、メキシコと国外でのプレー歴が長く、クイアバには2022年12月に加入。攻撃の要としてボールを左右に散らし、決定的なボールも供給、今季はこれで34試合4得点12アシスト(全国選手権は15試合3アシスト)を記録。
   VOLハニエリは、全国選手権開幕直前の2023年3月31日に全国選手権2部のアヴァイーからクイアバに加入。全国選手権は累積警告による出場停止を除く全16試合に出場(うち15試合先発)。全国選手権開幕節でのヘディングによる得点以来の2点目を記録。高さがありCBもこなすボランチ。
(CUI)後半44分 :
自陣からのボールをハーフウェイライン付近でFWデイヴェルソンが受けると中央を駆け上がるVOLデニウソンへボールを送り、ニ対二のカウンターに持ち込む。VOLデニウソンはドリブルでやや強引に右に進路を変えディフェンダーを引き連れると空いたスペースにボールを流す。そこにFWデイヴェルソンが走り込み左足でシュート。ボールはゴールネットを揺らしクイアバが逆転。
   VOLデニウソンは、2022年6月に全国選手権外のバングーから期限付き移籍でクイアバに加入、全国選手権終盤の11試合に出場し2023年1月に完全移籍を果たす。2023年もコンスタントに試合に出場し、27試合2得点2アシスト(全国選手権14試合1得点1アシスト)を記録。セグンドボランチとして高い位置でのマークやセカンドボールの回収に奔走。この試合では後半38分からの出場でFWデイヴェルソンとのカウンターでアシストを記録。
   FWデイヴェルソンは、最近の出場した10試合で7ゴールを奪い、その間チームも6勝3分1敗と好調な成績を収める。全国選手権での得点ランキングも3位に浮上。自身の成績とともにチームを上位へ導きたい。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:75% 25% ⇒ 前後半:67% 33%
シュート(枠内): 前半:9‐3 (3-2) ⇒ 前後半:16-12(4-6)
パス成功率: 前半:91% 64% ⇒ 前後半:89% 69%
   インテルナシオナウは、出場停止明けのCBヴィトン(Vitão, 2000)以外は前節と同じ陣容。週中にリベルタドーレスを控えるが、指揮を執り2試合目となるエドゥアルド・クーデ(Eduardo Coudet)監督は実戦での連係強化を優先する。
   試合は立ち上がりから、ボールを支配しクイアバに圧力をかけ続ける。すると、前半16分に早くも先制。その後も多くの時間をクイアバ陣で費やし、たびたびゴール前に襲い掛かるが、前半26分、前半38分、前半41分の好機をふいにすると、前半44分にセットプレーから同点に追いつかれる。
   後半3分のCBヴィトンのヘディングシュートはクロスバーに阻まれ、後半5分のFWヴァンデルソン(Wanderson, 1994)がペナルティエリア入口正面から放った強烈なシュートはクイアバGKヴァウテル(Walter, 1987)の好守に阻まれる。
   多くのチャンスを逸すると、後半21分、クイアバの鋭いカウンターをCBメルカド(Mercado, 1987)がファールで止め、この試合2枚目のイエローカードを提示され退場。数的不利となったインテルナシオナウはしっかりとしたツーラインを敷き、カウンター狙いに戦術を変更する。
   クイアバの攻撃を凌ぎ続けるが、後半44分、カウンターで攻めあがるも、逆にカウンターを受け失点。反撃を試みるも及ばず1-2の逆転負けを喫した。
   エドゥアルド・クーデ監督は攻撃的なサッカーを展開。攻撃面では、左右に相手を揺さぶり多くのチャンスを作り出すものの、最終局面のアイディアとシュートの精度に欠き、1得点にとどまる。守備面では、高い位置で相手のボールの出し手と受け手にマークがつき、ボールを奪取しては守→攻の移行がスムースに行われた。一方で、セットプレーから1失点、自陣に広がるスペースを適切に管理できず1失点の計2失点を喫した。
   従来の守備的なものから攻撃的なものへと戦術の大きな転換を図っており、攻守に戦術の理解不足や連係不足といった課題を残したものの、退場者を出すまではボールも試合も支配。6月に辞任したアトレチコ・ミネイロで、持ち駒を上手く組合せ、紆余曲折がありながらも、ボールを支配し先制点を奪い、固い守備からカウンターで追加点を奪うスタイルを数か月で構築した手腕は、インテルナシオナウでも発揮される予兆が感じられた。
   次戦は週中の8月1日にリベルタドーレス決勝ラウンド一回戦、アウェイでのリバープレート/ARGとの1stレグが控える。全国選手権第17節は8月5日にホームでコリンチャンスを迎える。

   クイアバは、この勝利で最近の5試合に4勝1分。勝ち点を25に伸ばし9位に浮上。リベルタドーレス出場圏内の6位までの勝点差は3。
   最近の試合では、相手にボールを支配されながらも、下がり過ぎずコンパクトに保った守備網と中盤での厳しいマークで比較的高い位置ボールを奪うことが可能となり、相手ゴールに近い位置でカウンターを発動、攻撃時に人数をかけることもできるようになり、第12節終了時点でリーグ最少の9得点だったチームが、この5試合で9得点をマーク。
   この試合でも、よく練られたセットプレーと、最近の10試合で7得点と好調のFWヴァンデルソンのゴールで2得点。レギュラーのメンツは固まりつつあるが、途中交代のVOLデニウソンがアシストを記録するなど、控え選手も限られた出場時間でしっかりとアピールする好循環が生まれており、この勢いは簡単には衰えそうにもない。
   次戦は8月6日に全国選手権第18節、ホームにフラメンゴを迎える。

アトレチコ・パラナエンセ(CAP) 3-3 クルゼイロ(CRU)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=3vDMkYk8M7Y
(CRU) : 8' #19 アルトゥール・ゴメス(Arthur Gomes, 1998)[#27 ネリス(Neris, 1992)]
(CRU) : 37' #19 アルトゥール・ゴメス(Arthur Gomes, 1998)[#11 ウェズレイ(Wesley, 1999)]
(CAP) : 41' #22 マジソン(Madson, 1992)[]
(CAP) : 78' #92 パブロ(Pablo, 1992)[#22 マジソン(Madson, 1992)]
(CRU) : 82' #11 ウェズレイ(Wesley, 1999)[#16 ルーカス・シウヴァ(Lucas Silva, 1993)]
(CAP) : 87' #5 フェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)[PK]

見どころ(試合前の順位)

   アトレチコ・パラナエンセは全国選手権8勝2分6敗勝点26の5位。
   クルゼイロは全国選手権6勝4分6敗勝点22の11位。

得点シーン

(CRU)前半8分 :
VOLルーカス・シウヴァが蹴る右CK。CBネリスがディフェンダーが並ぶ一歩手前で頭を合わせゴールをすらすと、フリーで抜け出したFWアルトゥール・ゴメスが頭を合わせゴール。
   CBネリスは2023年にクルゼイロに加入。なかなか出場機会に恵まれない中、6月24日全国選手権第12,13節で途中出場を果たすと、第14,15節ではスタメン起用。前第16節は警告累積による出場停止となるが今節は再びスタメンに復帰。このアシストが今季初アシスト。全国選手権はこれで7試合目の出場となるが、出場試合は3勝3分1敗の好成績を残している。
(CRU)前半37分 :
FWウェズレイが右サイドの深い位置でボールを奪い、ゴールライン際までボールを運び角度の浅いマイナスのクロス。このクロスは誰にも触れず左サイドまで流れるが、そこに待ち構えたFWアルトゥール・ゴメスが冷静にボールをゴールネットに突き刺しクルゼイロが追加点。
   FWアルトゥール・ゴメスは、2023年7月15日にエスポルティング/PORからの加入が発表されたばかりのウインガー。サントス下部組織出身で2015年U-17W杯に出場(5試合1得点)。2016年11月に18歳でプロデビューを果たすと、2021/22年はエストリルプライア/PORでプレー。2022/23はエスポルティングで38試合4得点3アシストを記録。得点力不足に悩むクルゼイロの期待に十分に応えるデビュー戦での2得点。
(CAP)前半41分 :
右サイドライン際からのFK。MFヴィトル・ブエノが蹴るボールは、空中戦でSBマジソンの足元にこぼれると、SBマジソンは素早く反応しゴールに流し込む。アトレチコ・パラナエンセが前半のうちに1点差に追い上げる。
   SBマジソンは2023年1月にサントスからアトレチコ・パラナエンセに移籍。攻撃的なSBとして、守備的なケウヴィン(Khellven, 2001)と右SBのポジションを争いを繰り広げている。最近の試合では途中出場が続いたが、ケウヴィンが出場停止となったこの試合では1得点1アシストを記録。高いレベルでのポジション争いが続く。
(CAP)後半33分 :
相手ゴール前での猛攻が続き、ペナルティエリア手前中央からFWカノービオ(Canobbio, 1998)が相手守備ライン裏に抜け出しを図るSBマジソンに柔らかな浮き球を送ると、SBマジソンはダイレクトに中央に折り返しの山なりのクロス。逆サイドでFWパブロが頭を合わせアトレチコ・パラナエンセが同点に追いつく。
   FWパブロは、アトレチコ・パラナエンセ下部組織出身で、2011年8月に19歳でプロデビュー。2014年にレアルマドリード/ESPのBチームのカスティーリャ、2015年のセレッソ大阪/JPNで40試合8得点、2019~2021年のサンパウロなどを経て2022年からアトレチコ・パラナエンセでプレー。2023年は州選手権で16試合9得点を記録し得点王となるが、他の大会では交代出場がメインとなる。高さがありつつも前後左右にポジションを変え味方のスペースを作り出すプレーを得意とし、多くの監督の下で重用される。
(CRU)後半37分 :
自陣右サイドのSBウィリアン(William, 1995)から中央のMFニカォン(Nikão, 1992)、VOLルーカス・シウヴァとボールは繋がり、縦に駆け上がるFWウェズレイに渡る。FWウェズレイが左足を振り抜くとボールは右サイドネットに突き刺さる。高い位置に敷かれた守備ラインを綺麗に崩したゴラッソコレチーボ。クルゼイロが勝ち越す。
   アシストを記録したVOLルーカス・シウヴァは、クルゼイロ下部組織出身で2012年3月の州選手権で19歳のプロデビュー。2015年1月にレアルマドリード/ESPへ1300万ユーロで移籍し9試合に出場、U-23代表でもプレー。2016年はマルセイユ/FRAでプレー(32試合)。2017~2019年はクルゼイロ、2020年~2023年6月はグレミオでプレー。2023年7月にクルゼイロに復帰し、初出場でアシストを記録。
   FWウェズレイはパウメイラス下部組織出身で2019年6月にレンタル先のヴィトーリアで20歳でのプロデビュー。2022年12月にクルゼイロに加入すると、右サイドのウィングとしてレギュラーの座を獲得。この試合を終えた時点でチーム31試合中28試合に出場、4得点2アシストを記録。
(CAP)後半42分 :
自陣ゴール前から、CBチアゴ・エレーノ(Thiago Heleno, 1988)が左奥へロングフィード。FWカノービオがボールを受けペナルティエリアに侵入するがGKに倒されPKを獲得。これをVOLフェルナンジーニョが左上に決め同点。
   CBチアゴ・エレーノはクルゼイロ下部組織出身で2006年4月の全国選手権で17歳にしてプロデビューを飾る。2005年南米U-17選手権、2007年U-20南米ユース選手権(6試合に出場、ブラジル代表は優勝)に出場。アトレチコ・パラナエンセには2016年に加入。カバーリングの的確さが印象に強く残るが、高さと一対一の強さも誇る。

試合概要、所感 etc

ボール保持率: 前半:52% 48% ⇒ 前後半:50% 50%
シュート(枠内): 前半:5‐6 (1-3) ⇒ 前後半:13-10(6-5)
パス成功率: 前半:81% 74% ⇒ 前後半:83% 78%
   アトレチコ・パラナエンセは、週中にコパ・リベルタドーレス決勝ラウンド一回戦1stレグを控え、一部の選手をベンチに温存。
   しかし、クルゼイロの鋭い出足に劣勢に回り、前半8分に早くも失点。その後もクルゼイロに主導権を握られ前半37分に追加点を許す。前半終了間際にセットプレーから1点を返すが、流れの中では好機を作り出すことができず前半を終える。
   後半開始時に一気に3選手、中盤のVOLフェルナンジーニョとVOLエリキ(Erick, 1997)、クルゼイロの中盤のプレスを回避するために前線に高さのあるFWパブロを投入すると、中盤の底が安定、ロングボールで前線にボールを運び試合の主導権を奪う。後半3分にFWパブロがゴールポストに嫌われるシュートを放ち、後半12分にFWカノービオがGKハファエウ・カブラウ(Rafael Cabral, 1990)の好守にゴールを阻まれるシュートを放つ。後半21分にも中盤からのフィードにFWカノービオが左サイドを抜け出しシュートに持ち込むがGKの正面を突く。
   好機を迎えながらも決めきれないもどかしい展開が続くが、後半33分、FWパブロのゴールで遂に同点。直後に再びリードを許すが、後半42分に、再度FWカノービオが左サイドを抜け出しPKを獲得し同点。
   後半の選手交代と中盤を省略する戦術変更で引き分けに持ち込んだものの、ベテランVOLフェルナンジーニョに依存するチーム状況が露呈。アトレチコは使われる選手が多いため、視野が広くボールを配給する選手の育成、獲得が喫緊の課題か。
   今節は勝ち点を1しか積み上げることができず、順位は2つ下げ7位。リベルタドーレスとの両睨みとなるが、全国選手権も上位を維持したい。
   次戦は週中の8月1日にコパ・リベルタドーレス決勝ラウンド一回戦、ボリバル/BOLとのアウェイでの1stレグ。全国選手権第18節は8月5日にアウェイでのサントス戦。

   クルゼイロは、移籍ウィンドウで獲得したFWアルトゥール・ゴメスをスタメンに抜擢。中盤が素早い出足で優位を獲得すると、FWアルトゥール・ゴメスが早くも前半8分にセットプレーからゴール。前半33分にも絶妙なポジショニングで自身2点目をマーク。得点不足に悩むクルゼイロにとってFWアルトゥール・ゴメスは救世主となるだろうか。
   後半は、アトレチコ・パラナエンセの中盤を省略する攻撃に、中盤の出足が無効化され、後半開始直後の3分のプレーを引き金に次々とゴールに迫られる。後半33分に同点に追いつかれると、一度は勝ち越したものの、後半42分にPKを献上。後半のピンチはいずれもアトレチコ・パラナエンセFWカノービオが絡んでおり、右SBを交代するも最後までFWカノービオを抑えることができず、勝ち点2を失う結果となった。
   攻守は表裏一体となっており、今節は攻撃面の改善が進むものの守備面の課題が現れることになった。とは言え、前半の中盤の出足の速い守備は機能。中盤が省略された際に、ボールの出どころへのチェックを早めるのか、ボランチを含めボールの出しどころへの対応を強めるのか、次戦までの一週間のトレーニングで後半45分を通じて修正できなかったロングボールに対応する守備を改善したい。
   次戦は8月6日の全国選手権第18節、ホームに首位ボタフォゴを迎える。

コリンチャンス(COR) 3-1 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=iReFc_gwOi4
(COR) : 19' #7 マイコン(Maycon, 1997)[#8 ヘナト・アウグスト(Renato Augusto, 1988)]
(COR) : 61' #9 ユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)[#10 ホージェル・ゲデス(Róger Guedes, 1996)]
(VAS) : 70' #11 ガブリエウ・ペッキ(Gabriel Pec, 2001)[#14 オレジャーノ(Orellano, 2000)]
(COR) : 73' #10 ホージェル・ゲデス(Róger Guedes, 1996)[PK]

見どころ(試合前の順位)

   コリンチャンスは全国選手権4勝4分7敗勝点16の15位。
   ヴァスコ・ダ・ガマは全国選手権2勝3分10敗勝点9の20位。

得点シーン

(COR)前半19分 :
MFヘナト・アウグストが左サイドライン際でディフェンダーを引き付けマークをかわし、一気に右サイドへボールを展開。ボールを受けたMFアジソン(Adson, 2000)がペナルティエリアに侵入し、ペナルティエリア入口中央へボールを送ると、ポジションを変えたMFヘナト・アウグストが足裏で後方にボールを流し、VOLマイコンがシュート。これがゴールネットに突き刺さり早くもコリンチャンスが先制点を奪う。
   MFアジソンはコリンチャンス下部組織出身で2021年3月の州選手権でプロデビュー。層の厚い攻撃的な中盤で、スピードと細かいタッチのドリブル、オフザボールでのディフェンダーを引き連れる動きや守備への貢献で多くの出場機会を得る。デビュー以来この試合までの2年半で通算109試合13得点6アシスト、2023年は36試合5得点1アシスト(全国選手権は13試合)を記録している。
   VOLマイコンはコリンチャンス下部組織出身で2016年2月の州選手権に18歳でプロデビュー。2018/19年に660万ユーロでシャクタルドネツク/UKRへ移籍。2017年U-20南米ユース選手権では7試合1得点を記録。ロシアのウクライナ侵攻による措置で2022年4月にコリンチャンスに期限付き移籍で復帰。2023年はルシェンブルゴ(Luxemburgo)監督の就任以来、ボランチとして多くの試合に出場。このゴールが今季の全国選手権初ゴールとなった。
(COR)後半16分 :
自陣ペナルティエリア近辺から、VOLマイコンがMFアジソンにボールを渡し、そこからMFフアン(Ruan, 2000)へ縦にボールを送り一気に攻撃のギアを上げると、MFフアンはドリブルで持ち上がり左サイドのFWホージェル・ゲデスへパス。FWホージェル・ゲデスは縦に走り抜けるMFフアンへの戻りのパスではなく、ペナルティエリア入口正面のFWユーリ・アウベルトへのパスを選択。FWユーリ・アウベルトはディフェンダー2人をかわしシュート。これがゴールネットを揺らし、コリンチャンスが追加点。
   FWユーリ・アウベルトは、不振のチームにあって前線で孤立する場面が多く、なかなかゴールを奪えず今季はサポーターの批判の対象となっている。このゴールは公式戦3試合ぶり、全国選手権では6月21日第11節以来の3ゴール目。シュート力やポジションニングには定評があり、チームが攻撃的になればゴールを量産する可能性も秘めている。
(VAS)後半25分 :
MFオレジャーノがピッチの真ん中を個人技でディフェンダーをかわし、ドリブルを一気に加速させゴールに向かう。左サイドから斜めにFWガブリエウ・ペッキがペナルティエリアに侵入する動きを見逃さず、縦へスルーパスを送ると、FWガブリエウ・ペッキは飛び出すGKの手前でボールに触り、流れたボールをゴールに蹴り込む。ヴァスコ・ダ・ガマが1点差に迫る。
   MFオレジャーノはベレス・サルスフィエルド/ARG下部組織出身で2018年11月に18歳でプロデビュー。2023年1月にヴァスコ・ダ・ガマに加入。左足利きで中盤の攻撃なポジションを左右に流れ、広い視野で決定的なパスを供給。この試合ではスピードのあるドリブルからのスルーパスを披露。2023年は途中交代出場が続き、出場機会は決して多くなかったが、この試合で潜在能力の一端が現れた。ラモン・ディアス(Ramón Diaz)監督の下、一気に素質を開花させたい。
   FWガブリエウ・ペッキは、州選手権での11試合6得点1アシストの勢いを、そのまま全国選手権に持ち込み開幕2試合で2得点1アシストを記録したものの、その後はチーム成績に合わせ、個人成績も低迷。このゴールは4月23日全国選手権第2節以来のゴールとなった。不振のチームが守備的になると守備に奔走する時間が長くなり、本来のチャンスメーカーとして、今季初めのストライカーとしてのプレーから長らく遠ざかった。このゴールを機に個人、チームの悪い流れを払拭したい。
(COR)後半28分 :
相手陣深くで相手のパスミスを拾い、ペナルティエリア内左へ素早くボールを送る。ゴールライン際までボールを運んだFWユーリ・アウベルトがクロスを上げるが、ディフェンダーの広げた手にボールが当たりPKをコリンチャンスが獲得。これをFWホージェル・ゲデスがゴール左に決める。
   FWホージェル・ゲデスは今季チーム44試合中41試合に出場、21得点2アシスト(全国選手権は15試合7得点1アシスト)を記録。全国選手権得点ランキングは3位に浮上。豊富な運動量と決定力、視野の広さで攻撃面でチームを牽引する。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:60% 40% ⇒ 前後半:54% 46%
シュート(枠内): 前半:7‐7 (4-2) ⇒ 前後半:12-21(6-5)
パス成功率: 前半:91% 88% ⇒ 前後半:90% 88%
   コリンチャンスは、右SBにCBブルーノ・メンデス(Bruno Méndez, 1999)を起用し、VOLマイコンのワンボランチ。ヴァスコ・ダ・ガマの両翼のスピードを警戒し、攻撃は左サイドをメーンにする布陣で試合に臨む。
   立ち上がりからボールを支配し左サイドを中心に相手陣に攻め込むと、前半19分に左サイドライン際から攻撃の要MFヘナト・アウグストを起点に右、中央と相手を揺さぶりVOLマイコンのゴールで先制。
   先制後もボールを握り、攻撃のリズムを落としつつも相手の高い位置でのマークを掻い潜り、相手ゴールに迫る。しかし、決定的な好機は訪れない。逆に決定的なピンチが二度訪れる。
   後半開始時に2選手(CB→SB、MF→VOL)を交代するが、相手も3選手を交代し、選手交代の効果が発揮されず劣勢に回る。しかし、劣勢を凌ぐと後半16分に追加点。後半25分に1点差に追い上げられるが、3分後の後半28分に突き放し、3-1のスコアで試合を終えた。
   勝ち点3を積み上げ通算勝ち点は19。1試合消化数が少ない中、14位に浮上し、降格圏との勝点差も4に広がり、危機は一先ず回避される。
   次戦は8月5日に全国選手権第18節アウェイでのインテルナシオナウ戦。

   ヴァスコ・ダ・ガマは3-5-2の布陣。ツーボランチで守備を安定させ中盤で優位にたち、両ウィングバックの攻め上がりに期待する構成。しかし、立ち上がりからコリンチャンスにボールを支配され、前半19分に早くも失点。前半25分に高い位置でボールを奪取しミドルシュートに持ち込むがシュートはGK正面。前半36分には、自陣からボールを相手陣に運び、ゴールライン手前からFWフィゲイレード(Figueiredo, 2001)がマイナスのクロス。巧みにフリーとなったMFプラシェデス(Praxedes, 2002)がダイレクトにシュートを放つがボールは枠を捉えない。
   後半開始時に一気に3選手を交代。高い位置でのマークから、後半6分にFK、12分にCKを獲得。しかし、そこから放たれるシュートはいずれも枠を越えていく。好機を続けて逃がすと、後半16分にプレスを搔い潜られ失点。
   2点のリードを許しても積極的なサッカーを継続。後半19分、自陣から素早くボールを運び、後半20分には相手陣深くでのボール奪取から続けてチャンスを迎えると、後半25分、MFオレジャーノの突破からFWガブリエウ・ペッキがゴール。流れがヴァスコ・ダ・ガマに傾いたと思われた。
   しかし、3分後の後半28分、PKを献上し失点。反撃の余力はなく試合終了を迎えた。
   ラモン・ディアス(Ramón Díaz)監督の2試合目の采配。高い位置でのプレスはある程度の成果を見せているが、ボールを奪ってからは攻め急ぎ、シュートは精度を欠いた。
   7月の移籍ウィンドウでは、チリ代表VOLメデル(Medel, 1987)やCBマイコン(Maicon, 1988)の守備的なポジションに経験豊かなベテランを補強。しかし、攻撃的なポジションには全国選手権開幕前に退団したMFネネー(Nenê, 1981)のようなチームを落ち着かせることのできる選手はまだ獲得できていない。
   また、FWペドロ・ハウーウ(Pedro Raul, 1996)に代わるセンターフォワードセバスチャン・フェレイラ(Sebastián Ferreira, 1998)の獲得など、血の入れ替えを進めているが、その効果が表れるにはしばらく時間がかかりそうだ。
   次戦、全国選手権第18節は8月6日、ホームにグレミオを迎える。

フォルタレーザ(FOR) 0-3 RBブラガンチーノ(RBB)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=G6IMDUbjw0M
(RBB) : 23' #36 ルアン・カンジド(Luan Cândido, 2001)[#8 ルーカス・エヴァンジェリスタ(Lucas Evangelista, 1995)]
(RBB) : 69' #17 ブルニーニョ(Bruninho, 2003)[#18 チアゴ・ボルバス(Thiago Borbas, 2002)]
(RBB) : 90+2' #18 チアゴ・ボルバス(Thiago Borbas, 2002)[]
(FOR) : N/A

見どころ(試合前の順位)

   フォルタレーザは全国選手権6勝5分5敗勝点23の9位。
   RBブラガンチーノは全国選手権6勝7分3敗勝点25の8位。

得点シーン

(RBB)前半23分 :
相手陣右サイド浅い位置からVOLルーカス・エヴァンジェリスタ(Lucas Evangelista, 1995)が蹴るFKに、WBルアン・カンジドが左サイドで頭を合わしブラガンチーノが先制。
   SBルアン・カンジドは身長184㎝体重76㎏の恵まれた体格とスピードをいかした攻撃的な左サイドバック。パウメイラス下部組織出身で、2017年U-17W杯代表(3試合)、2019年U-20南米ユース選手権代表(5試合1得点)。2018年10月発行の英ガーディアン紙「(2001年生まれ対象)ネクスト・ジェネレーション」に掲載され注目を浴びる(日本からは久保建英選手が掲載)。2019年3月、18歳でブラジル国内でのプロデビューを迎えずRBライプツィヒ/GERに移籍するが、翌2020年1月にRBブラガンチーノへ期限付き移籍加入し、2020年3月の州選手権でプロデビュー。2021年には完全移籍を果たし、2022年はフィールドプレーヤーの最多試合、最多時間出場。さらにはチーム最多の13得点(全国選手権11得点)を記録。2023年は3月の州選手権で手術を要するケガを膝に負い、7月2日全国選手権第13節コリンチャンス戦で復帰。今節が今季の全国選手権自身3試合目にして初先発。そして、初得点を記録した。
(RBB)後半24分 :
自陣入口からのFKをSBジュニーニョ・カピシャバ(Juninho Capixaba, 1997)がペナルティエリア手前にフィード。VOLルーカス・エヴァンジェリスタが走り込みながら胸トラップからボールをコントロールし前方に軽く浮かしたボールを送る。このボールをFWチアゴ・ボルバスが守備ライン裏に抜け出しを図るFWブルニーニョへ頭で流すと、FWブルニーニョは左足を振り抜きゴールネットを揺らす。
   FWブルニーニョはRBブラガンチーノ下部組織出身、2021年8月全国選手権で18歳のプロデビュー。2019年にモンテギュー国際大会に向けたU-16代表に招集。2023年は今節終了時点26試合(うち22試合先発)7得点3アシスト、全国選手権は10試合(うち7試合先発)2得点1アシストを記録。
(RBB)後半45+2分 :
右サイドライン際からペナルティエリア内のFWブルニーニョ、VOLルーカス・エヴァンジェリスタを経て、ゴールエリア左角からFWソヒーゾ(Sorriso, 2001)がシュート、GKが至近距離のシュートを弾き返すが、FWチアゴ・ボルバスがこぼれ球を押し込む。
   FWチアゴ・ボルバスは、ブラガンチーノでの活躍を受け、2023年6月の国際親善試合でウルグアイ代表として初招集、2試合に出場する。クラブでは途中出場が続くものの、全国選手権は480分の出場で5点目。今節は全国選手権で2試合目となる先発に抜擢されたが、1得点1アシストの活躍。今後もクラブ、代表での活躍が期待される。

試合概要

ボール保持率: 前半:45% 55% ⇒ 前後半:49% 51%
シュート(枠内): 前半:7‐7 (2-3) ⇒ 前後半:11-20(2-10)
パス成功率: 前半:77% 81% ⇒ 前後半:79% 79%
   試合は立ち上がりから中盤の攻防が厳しくなる。ホームのフォルタレーザは中盤で試合を作れないことから、スピードのある両サイドのMFカレビ(Celebe, 2000)、FWマリーニョ(Marinho, 1990)にロングフィードでボールを送る。しかし、サポートが少なく、シュートを急いでしまい、大きなチャンスを迎えることができない。一方のブラガンチーノはテンポのいいパス回しで打開を図るが、フォルタレーザのマークをなかなか掻い潜ることができない。
   一進一退の攻防が続く中、前半23分にRBブラガンチーノがセットプレーから先制。前半28分、フォルタレーザはカウンターからFWマリーニョが抜け出しGKと一対一を迎えるかと思われたが、シュート寸前にVOLルーカス・エヴァンジェリスタが後方からボールを掻き出しシュートに持ち込ませない。
   前半アディショナルタイムには、両チームとも相次いで、中盤での厳しいマークからボールを奪取、素早く前線に送りシュートまで持ち込みあう白熱した展開となる。
   後半も激しい展開が続く中、後半12分、RBブラガンチーノは敵陣深くでプレスを仕掛けフォルタレーザGKのパスミスを誘う。しかし、放たれたシュートはGK正面をつき得点を奪えない。時間を経過するとともにフォルタレーザの運動量は落ちていくと徐々にRBブラガンチーノが試合の主導権を握る。そして、後半24分にRBブラガンチーノが待望の追加点。その後は試合のペースを落ち着かせながらも後半アディショナルタイムにダメ押し点を奪い、RBブラガンチーノが3-0の完勝を収めた。

所感 etc.

   フォルタレーザは全国選手権3連敗。7月の移籍ウィンドウで獲得したFWマリーニョは持ち味のスピードでチャンスを生み出すものの、シュート、ラストパスの精度を欠き、4試合の出場で未だ得点に関与できていない。FWチアゴ・ガリャルド(Thiago Galhardo, 1989)もこの試合では前半に2度のチャンスを迎えるもシュートを枠に納めることができなかった。
   豊富とは言えない限られた予算で230万ユーロの移籍金でウニオン/ARGから獲得したFWマチューカ(Machuca, 2000)を後半23分に投入したものの、RBブラガンチーノに主導権を握られる中、ボールに触る機会は少なく消える時間が多かった。
   この3連敗を含め最近の5試合は1勝4敗。順位はリベルタドーレス昇格圏手前の7位から11位に転落。6位チームとの勝点差は5に広がった。
   次戦は8月1日にコパ・リベルタドーレス決勝ラウンド一回戦リベルタ/PARとのアウェイでの1stレグ。全国選手権第18節は8月5日にアウェイでのゴイアス戦が予定されている。

   RBブラガンチーノは、この試合も自分たちのスタイルを貫き、3-0の完勝。
   年初の州選手権、全国選手権序盤は、一試合の中でも好調時と不調時の波が大きく不安定な試合が続いていたが、試合を経るにつれ戦術理解と連係が深まり、試合の中で見つかった課題もしっかりと修正。ターニングポイントとなった5月13日全国選手権第6節パウメイラス戦後は、公式戦14試合8勝4分2敗の成績を残し、コパ・スウアメリカーナは決勝ラウンドに駒を進め、全国選手権は第6節終了時点の13位から6位まで浮上。
   2022年チーム内得点王で3月に負ったケガのためしばらく戦列を離脱したSBルアン・カンジドが自身3試合目で初先発、初得点。2021コパ・アメリカや2022W杯南米予選では繰り返し代表に選出されたCBレオ・オルティス(Léo Ortiz, 1996)が、大ケガを乗り越え、今季自身2試合目で約9か月ぶりの先発として出場、77分間ピッチに立つなど、ケガ人も相次いで復帰。この両者が離脱している間に、SBウルタド(Hurtado, 2001)やCBルアン・パトリッキ(Luan Patrick, 2002)も著しい成長を見せており、選手層の厚みが増している。
   次戦は、8月3日にコパ・スウアメリカーナ決勝ラウンド一回戦、アメリカ・ミネイロとの1stレグ(アウェイ)。全国選手権第18節は8月6日にアウェイでのコリチバ戦が控えている。

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