最新更新日 : 2024/08/09
更新履歴 : 2023/08/12
ナタン・ベルナルド・デ・ソウザ
Natan Bernardo de Souza
ポジション:センターバック/ザゲイロ
利き足:左
2001年2月6日生まれ
<幼少期>
ブラジル連邦共和国サンパウロ州サンパウロ市近郊のイタペセリカ・ダ・セーハに4人兄弟の末っ子として生まれる。 1歳の時に家族でエスピリトサント州に転居。幼少期はサッカーもさることながら、教会での即興演劇にも好んで参加した。
<クラブ経歴>
≪育成時代≫
地元サッカースクールでチームスポーツとしてのサッカーを始めると、エスピリトサント州都ヴィトーリアに本拠を置き日本での地域リーグに相当する、ヒオブランコ-ES、ポルトヴィトーリアの下部組織でプレー。
2015年14歳の時に、サンパウロ州カンピーナスに本拠を置く当時全国選手権1部のポンチプレッタ下部組織に入団。左サイドバックとしてプレーするが、翌2016年には上位カテゴリーに昇格できず、退団を余儀なくされる。
2017年(15-16歳)、フラメンゴ下部組織に入団すると、U-17カテゴリーでプレー。間もなくセンターバックにコンバートすると素質が開花。 2018年(16-17歳)には、キャプテンとしてU-17コパ・ド・ブラジルのタイトルを獲得。 2019年(17-18歳)は、U-20カテゴリー1年目でレギュラーの座を獲得。U-20カテゴリーの全国選手権、スーペルコパ・ド・ブラジル、リオデジャネイロ州選手権の優勝に貢献する。
≪フラメンゴ≫
– 2020 –
2020年、新型コロナ感染症拡大による自粛期間が明け、U-20州選手権の3試合に出場すると、トップチームの十数名の選手がコロナ感染症検査で陽性を示し、急遽トップチームへ招集がかかる。 2020年9月22日リベルタドーレス予選ラウンド、アウェイでの試合でベンチ入りを果たす(出場機会なし)。
帰国後の9月27日全国選手権第12節パウメイラス戦にスターティングイレブンに抜擢されトップチームデビューを果たすと、ドメネク・トレント(Domènec Torrent)監督の信任を得て、チームはカップ戦2大会を並行して戦う中、全国選手権を中心に翌第13節以降スタメンとして試合に起用される。
2023年10月18日全国選手権第17節コリンチャンス戦において、後半13分、MFエヴェルトン・ヒベイロ(Éverton Ribeiro, 1989, 2020年W杯ブラジル代表)の右CKを頭に合わせプロ初ゴールを記録。
しかし、11月8日の試合後にドメネク・トレント監督が解任されると、しばらくはスタメンを維持するものの、2021年1月6日の全国選手権第28節フルミネンセ戦の出場を最後に最終節での途中交代出場まで出場機会を失う。
– 2021 –
2021年シーズンに入り、3月に開幕した州選手権3試合に出場。
≪レッドブル・ブラガンチーノ≫
– 2021 –
2021年3月16日、RBブラガンチーノへの期限付き移籍が同クラブより発表。契約期間は2022年2月末、一年間のレンタル料は500万レアル(約1億円)、20試合以上の試合出場を条件に契約期間満了時に2200万レアル(約4億4000万)の買取行使義務が発生する内容だった。
2021年は、ファブリシオ・ブルーノ(Fabrício Bruno, 1996, 後の2022年にフラメンゴに移籍し、レギュラーとしてコパ・リベルタドーレス、コパ・ド・ブラジルの二冠に貢献)、レオ・オルティス(Léo Ortiz, 1996, 試合出場は叶わなかったものの2022W杯南米予選に頻繁に招集される)に続く3番手のCBとして、加入後のチーム年間64試合の半数を越える34試合に出場。
– 2022 –
2022年は2月のファブリシオ・ブルーノの退団以降、レギュラーの座を獲得。年間でチーム4番目(フィールドプレーヤーで3番目)、全国選手権はチーム2番目(フィールドプレーヤーで最多)の出場時間を記録。さらには、チーム最多のCBI(クリア、ブロック、インターセプト)を記録する。
2022年3月6日サンパウロ州選手権予選ラウンドのボタフォゴ-SP戦において、前半41分、FWアルトゥール(Artur, 1998, 2023年3月にパウメイラスへ移籍)のCKを頭に合わせクラブ初ゴールを記録。 4月17日全国選手権第2節アトレチコ・ゴイアニエンセ戦ではCKから、6月15日同第12節コリチバ戦ではFKから、いずれも高い打点のヘディングで得点を記録。
– 2023 –
2023年も1月15日開幕の州選手権からレギュラーとして試合に出場。
5月13日の全国選手権第6節パウメイラス戦で左ひざにケガを負い戦列を離脱。
7月9日全国選手権第14節サンパウロ戦の後半25分に復帰を飾ると、翌節以降、スタメン出場を果たしている。
≪ナポリ≫
– 2023/24 –
2023年8月7日、ナポリは、HPにてナタン選手獲得を発表。契約期間は5年(~2028年6月末)、契約金は1000万ユーロ。
2023年8月19日セリエA開幕節からベンチ入りが続き、9月20日チャンピオンズリーグでのSCブラガ/POR戦の後半44分にピッチに送り出されクラブデビュー。
9月24日第5節にてスタメンに起用されると、そのままポジションに定着する。
しかし、チーム成績は芳しくなく、2023年12月23日の試合を最後に約1か月間、右肩のケガのためチームを離脱。
2024年2月4日にてベンチ入りを果たすが、思うように出場機会は訪れず、残りのシーズンは僅か3試合(うち先発1試合)118分間の出場に止まった。
– 2024/25 –
2024年6月下旬に、ボタフォゴがナタンへの興味を示し、期限付き移籍での加入を模索、というニュースが報道されたが、2024年8月9日現在、当件の進展は見られない。
≪クラブ試合記録≫
シーズン | 所属 | 大会 | 試合 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2020年(19歳) | フラメンゴ | リベルタドーレス | 1 | 90 | 0 | 0 |
全国選手権 | 14 | 1132 | 1 | 0 | ||
合計 | 15 | 1222 | 1 | 0 | ||
2021年(20歳) | フラメンゴ | 州選手権 | 3 | 270 | 0 | 0 |
合計 | 3 | 270 | 0 | 0 | ||
RBブラガンチーノ | コパ・スウアメリカーナ | 4 | 126 | 0 | 1 | |
全国選手権 | 24 | 1711 | 0 | 0 | ||
コパ・ド・ブラジル | 1 | 90 | 0 | 0 | ||
州選手権 | 5 | 450 | 0 | 0 | ||
合計 | 34 | 2377 | 0 | 1 | ||
2022年(21歳) | RBブラガンチーノ | リベルタドーレス | 3 | 258 | 0 | 0 |
全国選手権 | 32 | 2880 | 2 | 1 | ||
コパ・ド・ブラジル | 2 | 156 | 0 | 0 | ||
州選手権 | 7 | 630 | 1 | 0 | ||
合計 | 44 | 3924 | 3 | 1 | ||
2023年(22歳) | コパ・スウアメリカーナ | 4 | 352 | 0 | 0 | |
全国選手権 | 10 | 835 | 0 | 0 | ||
コパ・ド・ブラジル | 2 | 180 | 0 | 0 | ||
州選手権 | 10 | 848 | 0 | 0 | ||
合計 | 26 | 2215 | 0 | 0 | ||
2023/24年(23歳) | ナポリ/ITA | チャンピオンズリーグ | 6 | 451 | 0 | 1 |
イタリアセリエA | 14 | 955 | 0 | 0 | ||
コッパ・イタリア | 1 | 90 | 0 | 0 | ||
合計 | 21 | 1496 | 0 | 1 | ||
2024/25年(24歳) | ナポリ/ITA | |||||
合計 |
イタリック斜体は、2024年8月9日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。
<代表経歴>
2020年12月12日から18日にかけて開催されたボリビア、ペルー、チリとのU-20国際親善試合に向けて、自身初となる世代別代表の招集を受ける。しかし、フラメンゴでレギュラーの一角を占めていたことからクラブが代表招集を固辞。
この親善試合および代表招集は、2021年に開催が予定されていた2001年生まれを主体とするU-20南米ユース選手権、U-20W杯を照準としていたが、両大会は2021年に入り中止が決定。
2001年生まれを主体とする大会は、2026年パリ五輪の南米予選が次の機会となる。
<プレースタイル、雑感 etc.>
利き足は左。ポジションは左センターバック。 サッカーサイト「oGol」によると、身長188㎝、体重不明。(2023年8月4日現在)
視野が広く、俯瞰的な視野も持つ。 足元の技術が高く、長短に高いパス成功率を誇る。 的確なポジショニングから、クリア、ブロック、インターセプトで高い数値を叩き出す。
RBブラガンチーノでは、自陣からのビルドアップや、相手陣での攻撃の起点としてプレー、縦の鋭いパスやサイド深くへのフィードを得意とする。 攻→守の局面では、味方の位置を的確に把握し、相手選手との間合いを詰めたボールカットと半身での対峙から攻撃スピードを落とさせるプレーを、瞬時の判断で適切に使い分ける。 高さを活かした空中戦も得意とするが、得点力はあまり高くない。 フラメンゴ下部組織や、コロナ感染者が相次いだ若手主体のチームでは、キャプテンとしてチームを牽引するキャプテンシーを併せ持つ。
多くのブラジルの若手選手がそうであるように、ナタンもまた、プロサッカー選手となり、国内タイトルの獲得、リベルタドーレスの制覇、ヨーロッパビッグクラブへの移籍、アマレリーニャ(ブラジル代表の黄色いユニフォームの俗称)を着て国を代表することを、幼い頃から夢見た。
2020年12月には、チーム事情により、U-20世代別代表としてアマレリーニャを着るチャンスを逃し、2022年には、ローマ/ITA、ヴェローナ/ITAからオファーを受けたもののクラブが拒否。ヴェローナ/ITAは約1000万ユーロの移籍金を提示したもののRBブラガンチーノは首を縦に振らなかった。
2023年8月7日、ナポリへの移籍加入が発表。 ナタンは、これでまた一つ、ヨーロッパビッグクラブへの移籍という夢を果たした。 ナポリは、チャンピオンズリーグの参戦やセリエA二連覇を目指す中で、ナタンのプレースタイルを確認したうえで、即戦力として獲得したものと考えられる。ナタンには、いち早くチームにフィットし、レギュラーとしての活躍を期待したい。 そうすれば、2026年パリ五輪代表、そして、フル代表としてアマレリーニャに袖を通す日も訪れるはず。その道をこれからの活躍で自らの手で勝ち取ってもらいたい。