【ブラジル全国選手権2023】第19節(1/2)

投稿者: | 2023年8月12日

投稿内の選手名のリンクは、当ブログ選手紹介記事にリンクしています。
投稿内の「動画URL」はブラジルスポーツサイト「ge」YouTube公式チャンネルのダイジェスト動画にリンクしています。

全国選手権第19節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこの記事で。
・2023/08/12 ボタフォゴ(BOT) x インテルナシオナウ(INT)
・2023/08/13 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x バイーア(BAH)
・2023/08/13 コリンチャンス(COR) x コリチバ(CFC)
・2023/08/13 グレミオ(GRE) x フルミネンセ(FLU)
・2023/08/13 アメリカ・ミネイロ(AME) x ゴイアス(GOI)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2023】第19節(2/2)
・2023/08/13 フラメンゴ(FLA) x サンパウロ(SAO)
2023/08/13 フォルタレーザ(FOR) x サントス(SAN)
2023/08/14 パウメイラス(PAL) x クルゼイロ(CRU)
2023/08/14 RBブラガンチーノ(RBB) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
2023/08/15 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x クイアバ(CUI)

全国選手権第19節 試合概要

ボタフォゴ(BOT) 3-1 インテルナシオナウ(INT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=9IVLwIucagc
(INT) : 18' #27 マウリシオ(Maurício, 2001)[]
(BOT) : 55' #7 ヴィクトル・サー(Victor Sá, 1994)[#11 ルイス・エンヒキ(Luis Henrique, 2001)]
(BOT) : 58' #xx オウンゴール(Gol Contra)[]
(BOT) : 73' #11 ルイス・エンヒキ(Luis Henrique, 2001)[#33 エドゥアルド(Eduardo, 1989)]

見どころ(試合前の順位)

   ボタフォゴは全国選手権14勝2分2敗勝点44の首位。
   インテルナシオナウは全国選手権6勝6分6敗勝点24の12位。

得点シーン

(INT)前半18分 :
相手陣左サイドライン際をトリアングラソンで厳しい寄せを掻い潜りMFマウリシオが抜け出そうとする。ディフェンダーに付かれたMFマウリシオは強引にシュートに持ち込むと、GKルーカス・ペリがキャッチング時にファンブル、ボールを見失った隙にMFマウリシオが詰め、ボールをゴールに押し込む。
   MFマウリシオは、2019年7月に18歳でクルゼイロからデビュー。2020年11月に2016年全国選手権得点王のウィリアン・ポチケル(William Pottker, 1993)とのトレードの形でインテルナシオナウに入団。入団当初は多くの出場機会を得ることは出来なかったが、次第に出場機会は増えていき、2022年にはレギュラーの座を獲得。多くのゴールに絡み、チームの全国選手権2位に貢献。2023年は6月、7月と2度に渡るケガのため、合わせて約2か月近く戦列を離脱。全国選手権でのゴールは4月23日第2節フラメンゴ戦での2ゴール以来となった。サイドバックからウィングまで幅広いポジションでのプレー経歴を持ちポリヴァレント性が高い。
(BOT)後半10分 :
後半開始時にピッチに立ったFWジャンデルソンが相手陣半ばで後方からの縦の楔のボールを受けると前を向き前方へスルーパス。このボールをペナルティエリア内ゴールライン際からFWルイス・エンヒキがマイナスのクロス。FWヴィクトル・サーがダイレクトにシュートを放つとボールはゴールネットに突き刺さる。
   FWヴィクトル・サーは、2022年のルイス・カストロ(Luís Castro)監督政権下でボタフォゴに加入した今季のチームを支える選手の一人。2023年は、先発、ベンチスタートから多くの試合に出場。ブルーノ・ラージェ(Bruno Lage)監督就任後は、7月30日の第17節コリチバ戦での2アシストに続き今節は1得点を記録。スピード豊かで守備での貢献も高い。
(BOT)後半13分 :
同点に追いついた勢いのまま相手陣で攻撃の圧力を強めると、左サイドライン際でボールを失いそうになりながらも、左SBウーゴがサポートの動きからボールを確保し、ゴールライン際までボールを持ち上がり中央へクロス。ニアに駆け上がるFWヴィクトル・サーの後方で待機したFWジャンデルソンがこのクロスボールに足を伸ばすと、このプレーが相手オウンゴールを誘いボタフォゴが逆転。
   FWジャンデルソンは、全国選手権4部のバイーア・デ・フェイラから2022年8月に半年契約でボタフォゴに入団。2023年に2025年末まで契約を更新すると4月20日のコパ・スウアメリカーナでクラブデビューを果たす。FWチキーニョ・ソアレスの存在もあり、あまり出場機会に恵まれないものの、自身7試合目の出場となる7月21日のコパ・スウアメリカーナプレーオフで先発に抜擢されると1得点1アシストの活躍。この試合では途中出場から試合の流れを一気にチームに引き寄せる活躍。189㎝の長身に加え、周りを生かすことのできるプレースタイルで、存在感を発揮しつつある。
(BOT)後半28分 :
自陣でのボール奪取からカウンターを発動。SBジ・プラシド(Di Plácido, 1994)がスピードのあるドリブルで右サイドから斜めにゴールに向かうと、中央からFWジャンデルソンが右サイドへのコース取りで守備ライン裏への抜け出しを図る。その動きを尻目にSBジ・プラシドは中央を駆け上がるMFエドゥアルドへボールを送る。MFエドゥアルドはさらに左へボールを流すとFWルイス・エンヒキがフリーの形でシュート。ボタフォゴが貴重な追加点。
   FWルイス・エンヒキは、リオグランデドスル州の下位リーグに所属するトレス・パッソス下部組織出身。2018年にボタフォゴU-20チームに期限付き移籍。2019年12月に17歳でボタフォゴからプロデビューを果たす。2020年9月にマルセイユ/FRAに移籍を果たし、約2年間で49試合1得点6アシストを記録。2022年7月、800万ユーロの買取オプション付きの期限付き移籍でボタフォゴに復帰。2023年はこの試合を終了時点でチーム全50試合中40試合に出場。うち24試合が交代出場ながら5得点3アシストを記録。この試合では後半開始時の交代出場から1得点1アシストの活躍。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:53% 47%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:15-9(9-4)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:82% 82%
   ボタフォゴは、前節で負傷交代を余儀なくされた全国選手権得点王のFWチキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)が、検査の結果、復帰まで5週間要するとの診断。
   FWチキーニョ・ソアレス不在の週中のコパ・スウアメリカーナは0-0の引き分け。準々決勝進出を決めたものの、FWチキーニョ・ソアレス不在の攻撃が課題として残った。
   今節前半は、ゼロトップと思しき陣容で、攻撃時にはMFエドゥアルドが前線中央にポジションを取り、従来のMFエドゥアルドの役割をMFルイス・フェルナンデスが担う。
   前半立ち上がりは、インテルナシオナウの厳しいチェックにボールを失う場面も多く、攻撃の糸口が掴めない。
   一方のボタフォゴも、自陣に入るボールには素早くマークがつきく、インテルの攻撃を分断。ハーフウェイラインを中心に30m幅の地域で激しいボールの奪い合いが続く。
   しかし、前半17分、守備ライン裏に抜け出しを図るエネル・バレンシア(Enner Valencia, 1989)にゴールをわずかにそれるシュートを放たれると、1分後の前半18分には右サイドをボールを繋がれ失点を喫する。
   その後は、インテルナシオナウが前線でのプレスを控えたこともあり、ボールを保持し攻撃の糸口を探るが、インテルナシオナウの中盤の寄せも早く、なかなかゴール前に迫ることができない。何度かシュートに持ち込むもインテルGKロチェがゴール前に立ちはだかり、0-1で前半を終える。
   後半に入り、センターFWジャンデルソン(Janderson, 1999)とFWルイス・エンヒキを投入し、MFエドゥアルドが従来のポジションにつく。さらに、前半は下がり気味だったVOLチェチェー(Tchê Tchê, 1992)が積極的に前にあがるようになり、相手ゴール前で分厚い攻撃を展開。
   すると、後半10分にFWヴィトル・サーのゴールで同点、3分後の後半13分にはゴール前に飛び込むFWジャンデルソンをマークしたディフェンダーのオウンゴールを誘い逆転。
   逆転後は、攻撃の圧力を弱め守備的になるもののカウンターのチャンスをうかがい続け、後半28分には自陣でのボール奪取からカウンターでダメ押しとなる3点目。終盤は何度か大きなピンチを迎えるものの、GKルーカス・ペリ(Lucas Perri, 1997)のスーパーセーブや、CBアドリエウソン(Adryelson, 1998)を中心とした守備陣の奮闘もあり、試合は3-1でタイムアップ。
   全国選手権前半戦19試合を終えた時点で、現行の大会形式となった2006年以降で最大、2017年のコリンチャンスと並ぶ勝点47。前半戦での15勝は最多記録となった。
   次戦は、一週間後の8月19日に全国選手権第20節アウェイでのサンパウロ戦。その後は、コパ・スウアメリカーナ準々決勝が控える。

   インテルナシオナウは、週中のリベルタドーレスで2-1の勝利。PK戦までもつれ込んだものの、それを制し準々決勝進出を決めた。試合はこれまでとは見違える内容。1stレグを0-1で終え、追いかける展開だったこともあるが、試合を通じてリーブルプレートを圧倒。試合終了目前に失点を喫しPK戦に持ち込まれたことは課題として残ったが、今後に希望を抱かせる試合内容だった。
   そのリーベルプレート戦の戦いぶりをこの試合でも展開。前半は高い位置で素早い寄せを仕掛け続け、前半18分に先制。
   先制後は少し守備ラインを下げるも、中盤の速い寄せは継続し、ボタフォゴに効果的な攻撃を許さない。何度かシュートに持ち込まれるも、ウルグアイ代表GKロチェが好守でゴールを守り切る。
   しかし、後半に入ると、ボタフォゴの前への圧力に圧倒され、ゴール前に貼り付けられるようになる。すると、後半10分、13分と相次いで失点。その後は、引いてカウンターを狙うボタフォゴを相手にボールを保持するものの、前半のゴールを奪うまでのようなコンパクトな陣形の攻撃を見せることができず、後半28分にカウンターから追加点を許す。
   2点差を追いかける形となり攻撃的な選手を次々と投入、後半44分にゴールネットを揺らすがオフサイドでゴールを取り消されるなど後半は得点を奪うことができず1-3の敗戦を喫した。
   後半は力負けと言える内容だったものの、前半はボタフォゴを上回る内容。長らく不振に喘いでいたFWペドロ・エンヒキが、途中出場からオンザボール、オフザボールで復活を感じさせるプレーを続けるなど明るい材料が見られた。一方で、試合のペース配分を誤り、後半に運動量が落ち、相手の圧力を凌ぐことができなかったことが課題として残った。
   エドゥアルド・クーデ監督就任後の6試合は、1勝2分3敗とまだ数字上の結果が伴っていないが、試合内容は確実に改善されている。トレーニングを通じて連係を高め、戦術理解が深まれば、上位進出が見込める内容の試合が続いている。今後の試合ぶりに注目していきたい。
   次戦は、一週間後の8月19日に全国選手権第20節、フォルタレーザをホームに迎える。

アトレチコ・ミネイロ(CAM) 1-0 バイーア(BAH)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=ririyaOGla0
(CAM) : 49' #9 パウリーニョ(Paulinho, 2000)[#7 フッキ(Hulk, 1986]

見どころ(試合前の順位)

   アトレチコ・ミネイロは全国選手権6勝6分6敗勝点24の10位。
   バイーアは全国選手権4勝6分8敗勝点18の16位。

得点シーン

(CAM)後半4分 :
相手陣左サイドライン際のSBギリェルミ・アラーナ(Guilherme Arana, 1997)を起点に、ボールは一列内のFWパウリーニョ、さらに内のMFイゴル・ゴメス(Igor Gomes, 1999)、FWフッキ(Hulk, 1986)と繋がる。FWパウリーニョはボールを離すとボールの後をたどるようなコースをとりペナルティエリアに侵入、FWフッキからの戻りのボールを受けると、間合いを詰めるGKに対し軽くボールを浮かしたシュート。ボールはゴールに吸い込まれ、アトレチコ・ミネイロが先制。
   FWパウリーニョは、週中に開催されたリベルタドーレス、1stレグでの0-1の結果を受けたパウメイラスとの2ndレグの後半30分、MFエデニウソン(Edenilson, 1989)の絶妙のスルーパスに反応し最終ライン裏に抜け出すもシュートは枠を捉えず絶好のチャンスを逃した。試合は0-0の引き分けに終わりリベルタドーレス敗退。悔しさのあまり涙ながらに試合後のインタビューに対応する姿が印象に残った。しかし、この試合ではその悔しさをバネに決勝ゴールをマーク。22歳の若さながら、欧州移籍前の大ケガやバイエル・レバークーゼン/GERでの不振など悔しい思いを重ねてきたが、それらを糧にして一回りも二回りも成長した姿と活躍を期待したい。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:43% 57%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:10-13(4-5)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:82% 83%
   アトレチコ・ミネイロは、週中のリベルタドーレスでパウメイラスと引き分け。1stレグを0-1で落としており、リベルタドーレスは敗退。3年連続でパウメイラスの壁を越えることができずリベルタドーレスを後にした。
   今節は、出場停止やケガ、戦術な理由で3選手がパウメイラス戦と入れ替わった先発で試合に臨む。
   試合はパウメイラス戦同様、高い位置でプレス。ボールを奪うと相手陣でボールを繋ぐが、効果的な攻撃を組み立てることができない。すると、11時キックオフの炎天下のもとでの試合で、次第にボールロストなどからリズムを崩し、試合の主導権をバイーアに握られていく。
   後半に入り、再び高い位置でプレスを仕掛け、後半4分、距離間のいいパスワークと、FWパウリーニョのフリーランニングと巧みなシュートでバイーアゴールをこじ開ける。
   先制後の後半9分にはバイーアの速い攻撃にピンチを迎えるが、GKエヴェルソン(Éverson, 1990)の好セーブとバイーアの詰めの甘さに助けられ難を逃れる。その後は全体的に自陣に下がり堅固な守備網を構築、FWフッキを中心としたスピードのあるカウンターを狙う。目論見通り何度かカウンターからチャンスを迎えるも追加点が奪えない。一方で、守備は綻びを見せず、ピンチらしいピンチを迎えることなくタイムアップ。1-0の勝利を収めた。
   これで公式戦3試合連続無失点。長く勝てない試合が続いたが、守備面を強化し一定の成果を見せ始めている。しかし、カウンターの精度は以前の水準に無く、カウンターから数多くのチャンスを作りながらも悉くふいにしている。
   この勝利で全国選手権は二連勝、勝ち点を27に伸ばしリベルタドーレス出場圏の争いに踏みとどまった。
   次戦は、8月20日に全国選手権第20節アウェイでのヴァスコ・ダ・ガマ戦。今節に続き午前11時開始の暑さの中での試合が見込まれる。

   バイーアは、前節で公式戦9試合ぶりの勝利。今節は同じスターティングイレブンでアトレチコ・ミネイロ戦に臨む。
   前半は立ち上がりこそ、アトレチコ・ミネイロの速い寄せに後手に回り自陣に押し込まれるが、次第に対応していき、両サイドの前方に素早くボールを運びチャンスを作り出していく。しかし、最後の局面でシュートが枠を捉えずゴールを奪うことができない。
   後半始めに失点を喫すると、自陣に引きこもるアトレチコに対しボール保持率を高めるが、攻撃の糸口を見つけることができない。すると、ミスをつけ込まれ相次いでカウンターからピンチを招く。後半30分、40分と2人ずつ選手交代を行うが、遅きに失した感もあり、最後までアトレチコゴールを割ることができず無得点での敗戦。第3節、4節以来の連勝は叶わなかった。
   ほとんど良いところなく敗れたものの、ケガのために長期に渡り戦列を離脱していたFWジャカレー(Jacaré, 1999)、VOLヤゴ・フェリピ(Yago Felipe, 1995)が前節に続き途中交代出場を果たし、FWビエウ(Biel, 2001)がベンチ入り。前節でゴールに関与した新加入のSBカミーロ・カンジドとFWハファエウ・ハトンは今節もサイド攻撃を組み立て、着実に選手層は厚くなりつつある。他の下位チームと比べ好材料は多く、後半戦に向け、ヘナト・パイヴァ(Renato Paiva)監督の手腕が試される。
   この試合に敗れたものの、他の残留争いに巻き込まれているチームも勝ち点を積み上げておらず、降格圏外の16位をキープ。
   次戦は、8月20日に全国選手権第20節、ホームにRBブラガンチーノを迎える。

コリンチャンス(COR) 3ー1 コリチバ(CFC)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=tkg-tDMu3A0
(CFC) : 28' #xx オウンゴール(Gol Contra)[]
(COR) : 51' #4 ジウ(Gil, 1987)[]
(COR) : 54' #9 ユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)[#33 フアン(Ruan, 2000)]
(COR) : 67' #36 ウェズレイ(Wealey, 2005)[#28 アジソン(Adson, 2000)]

見どころ(試合前の順位)

   コリンチャンスは全国選手権5勝5分7敗勝点20の14位。
   コリチバは全国選手権3勝5分10敗勝点14の18位。

得点シーン

(CFC)前半28分 :
MFマルセリーノ・モレノ(Marcelino Moreno, 1994)が蹴る左CK。ゴール前にゴールエリア内に上げたボールは、ニアサイドを抜け、コリンチャンスディフェンダーに当たりゴールに吸い込まれる。オウンゴールでコリチバが先制。
   MFマルセリーノ・モレノは、ラヌース/ARG育成出身のアルゼンチン国籍選手。2023年はアトランタユナイテッド/USAからの期限付き移籍でコリチバに加入。足元の技術が確かでコリチバ攻撃陣の指揮を執りながらも、高い位置での寄せからボールを奪い取る技術も高い。前監督時代は試合出場については浮き沈みが多かったものの、チアゴ・コズロスキ(Thiago Kosloski)監督代行が指揮を執り始めると全試合に先発出場。コンパクトな陣形でボールを奪いに行き、ボール支配率を高めるサッカーを進めるにあたり信任を集めている。
(COR)後半6分 :
右サイドからフアンのCK。ファーサイドに蹴られたボールにCBムリーロが頭で落としFWユーリ・アウベルトがシュート。これはGKに弾かれるものの、ディフェンダーのクリアボールがCBジウに当たりゴールイン。
   CBジウは、2016コパ・アメリカ3試合などブラジル代表として11試合に出場。2004年17歳で全国選手権3部アメリカーノからプロデビュー。コリンチャンスには2013‐2015年、2019年7月‐現在と2度目の在籍、2015年の全国選手権に貢献。2014年、2015年はベストイレブンを受賞。今季はチーム48試合のうち40試合に出場。多くの若手選手に慕われる兄貴的な存在。
(COR)後半9分 :
左サイドペナルティエリア手前からMFヘナト・アウグストがゴールエリア右角で柔らかいクロスを上げると、フアンが頭で中央へ折り返し。中央でFWユーリ・アウベルトが頭で押し込みコリンチャンスが逆転。
   FWユーリ・アウベルトは、2023年はなかなか得点を奪えず一時はサポーターからの批判が集中したが、最近にチームの好調(8勝3分)期は9試合で4得点1アシスト。FWユーリの復活がチームの好調を牽引。
(COR)後半22分 :
コリチバの攻撃を凌ぎ、自陣ゴール前からMFアジソンがボールを運び、左サイドライン際を抜け出しを図るFWウェズレイの前方へパスを送る。FWウェズレイはボールを受けそのままゴールに向かう。逆サイドからFWユーリ・アウベルトが駆け上がる中、ディフェンダーをかわし自らシュート。これがゴールネットに突き刺さり、コリンチャンスが貴重な追加点。
   FWウェズレイはコリンチャンス育成出身で2022年4月のコパ・ド・ブラジルで17歳でのプロデビュー。2023年は1月15日の州選手権に出場以来長らく出番がなかったが、ルシェンブルゴ(Luxemburgo)監督就任以降、少しずつ出場機会を得ている。2023年8月1日のコパ・スウアメリカーナで今季初ゴールが逆転のゴール。今節のゴールはそれ以来の2得点目、全国選手権では初得点となった。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:58% 42% ⇒ 前後半:58% 42%
シュート(枠内): 前半:4‐3(2-1) ⇒ 前後半:16-10(9-4)
パス成功率: 前半:90% 80% ⇒ 前後半:88% 81%
   コリンチャンスは、週中のコパ・スウアメリカーナでアウェイの試合を0-0の引き分け。1stレグを2-1で勝っており準々決勝に駒を進めた。そのコパ・スウアメリカーナと大幅に先発メンバーを入れ替え、陣形も2トップから1トップに変更して、今節コリチバ戦に臨む。
   前半は、ボールを保持するコリチバに対し、受けて構える試合展開。ダブルボランチが守備ライン前に並び、守備から攻撃の移行がスムーズに行われない。両サイドバックの裏のスペースに上手くボールを繋がれ押し込まれていく。攻撃面ではワントップのFWユーリ・アウベルトがしばしば左サイドライン際に流れ、ロングフィードを受けるが、中の人数が足りず攻撃の形が作れない。
   前半28分にオウンゴールで先制を許すと、前半終了間際にも右サイドを崩され決定的なシーンを迎えるがGKカシオ(Cássio, 1987)が好守で追加点を阻む。
   0-1で迎えた後半開始時に、一気に3選手を交代。両サイドバックと、VOLモスカルド(Moscardo, 2005)に代えFWウェズレイを投入。FWユーリ・アウベルトはサイドに流れず中央に位置取り、MFフアン(Ruan, 2000)が左サイドから右サイドにポジションチェンジ、左サイドにFWウェズレイが入る。
   するとチームは一変。前半たびたび狙われた右サイドが安定。VOLが一枚になったものの、攻撃の厚さが増し、コリチバをゴール前に押し込む。後半6分にCKから同点に追いつくと、後半9分に逆転。その後も相次いでコリチバゴールに襲い掛かる。
   後半20分には、コリチバに左サイドを繋がれ中央に上げられたクロスからフリーでシュートを放たれるが、再びGKカシオが好セーブでピンチを切り抜けると、後半22分に追加点。
   後半27分に、またもやGKカシオがチームを救うと、その後は試合をコントロールしタイムアップ。3-1で逆転勝利を収めた。
   この勝利で公式戦を3引分けを挟み8連勝。一時は降格圏に沈んでいたが、勝ち点を23に伸ばし中位争いに加わってきた。
   次戦は、中2日の8月16日にコパ・ド・ブラジル準決勝サンパウロとの2ndレグ。1stレグは2-1で勝利、1点のアドヴァンテージをもって試合に臨む。
   全国選手権第20節は、さらに中2日の8月19日にアウェイでのクルゼイロ戦が予定されている。

   クイアバは、チアゴ・コズロスキ監督代行が指揮を執り始め、前節終了後時点で3勝1分2敗。全国選手権でのチーム初勝利をもたらし、1引き分けを挟み3連勝を飾ったが、ボタフォゴ、RBブラガンチーノと好調の2チームに連敗。今節は前節から先発選手を4人入れ替えて試合に臨む
   試合は、攻守にコンパクトな陣形を保ち、積極的にボール保持を図る。細かくボールを繋いで相手陣にボールを運び、相手サイドバック裏、特に左サイドを中心に攻撃の足掛かりとする。前半20分過ぎにMFマルセリーノ・モレノが相手SBのイエローカードを誘うファールを受け、そのFKはCKに逃れられるも、そのCKから先制点を奪う。
   その後も試合をコントロール、前半終了間際には追加点のチャンスを迎えるが、GKカシオの好守に阻まれる。
   後半はコリンチャンスのポジション変更に対応できず、立ち上がりからゴール前に押し込まれる。すると、後半6分、9分と相次いで失点。逆転を許すと守備的になる相手に対しボールを保持し、後半20分にはフリーでクロスボールを受けたFWホビソン(Robson, 1991)のシュートはGKの好守に阻まれる。すると、後半22分に前がかりとなったところをカウンターを受け失点。後半27分には相手ペナルティエリア内で混戦となり、相次いでシュートを放つが、またもやコリンチャンスGKカシオが立ちはだかる。試合はこのまま1-3で敗戦を喫した。
   前々節のボタフォゴ戦に続き、短い時間で複数失点、リードを許した局面でカウンターから失点を喫した。カウンターは相手陣でボールを奪われた際の寄せが甘く、複数のディフェンダーが素早く帰陣するもののボール保持者へのマークが甘くなりゴールを奪われる。
   前節RBブラガンチーノ戦では修正できていたが、今節は再び同様の内容で失点を喫した。
   次戦は、8月20日全国選手権第20節、ホームにフラメンゴを迎える。三連敗中で一時の勢いを失っているだけに、ホームで勝ち点3を勝ち取りたい。

グレミオ(GRE) 2-1 フルミネンセ(FLU)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=prqFVF1G8qg
(FLU) : 19' #14 ヘルマン・カーノ(Germán Cano, 1988)[#11 ケーノ(Keno, 1989)]
(GRE) : 25' #39 ビテロ(Bitello, 2000)[#9 ルイス・スアレス(Luis Suárez, 1987)]
(GRE) : 45+1' #11 フェヘイラ(Ferreira, 1997)[#2 ファビオ(Fábio, 1990)]

見どころ(試合前の順位)

   グレミオは全国選手権9勝3分5敗勝点30の6位。
   フルミネンセは全国選手権9勝4分5敗勝点31の3位。

得点シーン

(FLU)前半19分 :
敵陣手前からCBマルロン・サントス(Marlon Santos, 1995)、VOLアンドレ(André, 2001)、VOLダニエウ(Daniel, 1996)と縦に細かくパスを繋ぎ、VOLダニエウからボールを受けたケーノがゴールライン際まで持ち上がる。そこからグラウンダーのマイナスのボーを送ると、FWヘルマン・カーノがディフェンダーの背後から現れワンタッチのシュート。フルミネンセが先制。
   CBマルロン・サントスは、フルミネンセ育成出身で2014年5月21日全国選手権第6節サンパウロ戦で18歳のデビュー、そして、後半戦にはレギュラーの座を獲得。2015年にはU-20南米ユース選手権、U-20W杯の代表に選出され各6試合に出場。2016年7月にバルセロナ/ESPへ期限付き移籍。一年後に買取オプションが行使され完全移籍を果たす。しかし、バルセロナではBチームでの出場が多く、トップチームではラ・リーガでの2試合の先発出場など計3試合のみの出場。翌2017/18年以降は、ニース/FRA、サスオーロ/ITA、シャクタルドネツク/UKRでプレー。モンツァ/ITAでプレー後の2023年7月にシャクタルドネツクから一年間の期限付き移籍でフルミネンセに復帰。27歳ながら世代別代表や国際経験が豊かで、プレーではカバーリングの広さとビルドアップが一番の特長。
(GRE)前半25分 :
相手陣右サイドライン手前からMFビテロが真横にVOLビジャサンチ(Villasanti, 1997)にボールを預け自らは縦に走り出す。VOLビジャサンチが縦にボールを送ると、FWルイス・スアレスがワントラップから守備ライン裏へスルーパス。ここにMFビテロが抜け出し、ダイレクトにシュート。これがゴールサイドネットを揺らす。
   MFビテロは、10~30mの距離や瞬間的なスピードが持ち味。戦術眼があり、足元の技術も高く、相手ペナルティエリア内でもテンポよくワンタッチでパスを繋ぐグレミオサッカーの象徴となる選手の一人。2023年はチーム43試合中40試合に出場9得点4アシストを記録している。今欧州移籍ウィンドウで複数の欧州クラブから調査が進められているが、グレミオは全国選手権終了までの移籍に応じない姿勢。モナコ/FRAは移籍ウィンドウ初期に関心を示すがその後の進展はなし。アーセナル/ENGは2024年初めの移籍条件を容認。FCポルト/PORは現移籍ウィンドウでの移籍を要望していると報道されている。
(GRE)前半45+1分 :
相手陣右サイドをFWフェヘイラがドリブルで持ち上がり、ペナルティエリア手前から縦に駆け上がるSBファビオへスルーパス。SBファビオは守備ラインを下げ、クロスではなく、FWフェヘイラへの戻しを選択。FWフェヘイラは自身の左からの寄せに対し右にボールを置き右足を振り抜く。グラウンダーのシュートはゴール左サイドネットを揺らす。
   FWフェヘイラはグレミオ育成出身で2018年1月の州選手権で期限付き移籍先のトレドから20歳のデビュー。その後、複数の期限付き移籍を経て、2020年にはグレミオで41試合(うち先発12試合)に出場。翌2021年にはレギュラーの座を獲得し52試合(うち先発45試合)14得点13アシストを記録。しかし、2022年は相次ぐケガのため、8月21日の試合を最後に戦列を離脱。2023年は年初に復帰を果たすが、4月にケガが再発し3か月の離脱。7月の復帰後は途中交代出場を繰り返し、9試合で3アシストを記録しているが、このゴールは復帰後の初ゴール。
   SBファビオは、2007年南米U-17選手権、同年U-17W杯(4試合3得点)代表。フルミネンセ育成出身でブラジルでデビューを迎えず、マンチェスターユナイテッド/ENGへ移籍。5シーズンで56試合に出場。2023シーズン前にナント/FRAからグレミオに加入。6月4日全国選手権第9節サンパウロ戦でケガを負い、この試合が復帰後2試合目となったが、4月30日以来のアシストを記録。自身が不在の間にレギュラーの座を掴んだSBジョアン・ペドロ(João Pedro, 1996)とのポジション争いが面白くなりそう。

試合概要

ボール保持率: 前半:32% 68% ⇒ 前後半:34% 66%
シュート(枠内): 前半:5‐8(4-6) ⇒ 前後半:11-18(5-7)
パス成功率: 前半:76% 91% ⇒ 前後半:77% 89%
   グレミオは、前節最下位のヴァスコ・ダ・ガマにまさかの敗戦。今節は、新加入のFWジョアン・ペドロ・ガウヴォン(João Pedro Galvão, 1992)とCBホドリゴ・エリー(Rodrigo Ely, 1993)を初出場初スタメンで起用。VOLに守備的なホナウジ(Roanld, 2003)を起用し、フルミネンセのパスワークの分断を狙う。
   フルミネンセは、週中のコパ・リベルタドーレスをホームで2-1の勝利を収め準々決勝へ進出。最近好調のFWジョン・ケネジー(John Kennedy, 2002)が警告累積で出場停止など、今節はリベルタドーレスから3選手を入れ替えたスタメンで臨む。
   試合は、グレミオが狙い通り、厚い中盤でフルミネンセの細かいパスワークによる縦の攻撃を寸断するものの、前線へのロングパスも頻繁に挟まれ、マークが徹底できない。すると、前半19分、フルミネンセが左サイドを縦にボールを繋ぎ先制。しかし、その7分後には、グレミオも縦に速いパスを繋ぎ同点に追いつく。
   その後は、グレミオもフルミネンセのボール回しに対応、試合は均衡状態となる。そのまま前半を終えるかと思われたが、グレミオは前半終了間際に再び右サイドからフルミネンセを崩し、逆転のゴールを奪う。
   後半もお互いに中盤がタイトなマークで、自由にボールを動かすことができない。その中でも、両チームとも相手のマークを掻い潜り、一度ずつゴールネットを揺らす。しかし、いずれもVARによる検証の結果ゴールを取り消される。
   最後まで中盤での攻防が激しくなった試合は、リードを奪われたフルミネンセがやや有利に試合を展開するも、両チームともゴールを陥れることができずタイムアップ。
   グレミオが2-1で勝利を収めた。

所感 etc.

   グレミオは、ボールを支配することができなかったものの、縦への速い展開で2得点。試合の展開次第で、相手ゴール前で前後左右に細かく相手を揺さぶるパス繋ぎと、縦に速くボールを繋ぐ展開、この二つを使い分ける柔軟性がチーム内に浸透しつつある。
   今節で終えた全国選手権前半戦は、下位チームには圧倒するものの、上位チームにはあっさりと敗れる印象があったが、後半戦では今まで以上のパフォーマンスを期待したい。
   新加入のFWジョアン・ペドロ・ガウヴォンはFWルイス・スアレスの近くでプレーするが、消える時間も多く、少しチーム戦術にフィットするまで時間を要するかも。CBホドリゴ・エリーは2か月半ぶりの試合で立ち上がりは少しリズムに乗れない時間もあったが、後半には攻撃の起点として試合を作る。守備は試合を通して安定。CBカネマン(Kannemann, 1991)の移籍の可能性が高い中、初出場で及第点の内容。
   次戦は、8月16日にコパ・ド・ブラジル準決勝フラメンゴとの2ndレグ。1stレグはホームで0-2の敗戦。全国選手権もアウェイで0-3で敗れており、状況としては厳しいが、2点差を巻き返したい。
   全国選手権第20節は8月20日にアウェイでのサントス戦。

   フルミネンセは、”らしい”展開で立ち上がりから相手ゴールに迫り、先制点を奪ったものの、前半の間に試合をひっくり返され敗戦。一時は不振に喘いだFWヘルマン・カーノが”らしい”ポジショニングで得点を奪ったものの、最近好調のFWジョン・ケネジーが不在、攻撃面でVOLアンドレが持ち味を出せず、MFガンソ(Ganso, 1989)の消える時間も長く、2失点ともに左サイドを崩されるなど、選手間の好不調が噛み合わない。
   選手層の薄いCBの補強として加入したCBマルロン・サントス、先制点の起点となったものの、守備面で周りと連係が上手く取れず、自身のサイドから2失点を喫した。能力は高いだけに、早くチームの戦術に溶け込み、本来の実力を発揮してもらいたい。
   次戦は、8月19日の全国選手権第20節、ホームにアメリカ・ミネイロを迎える。

アメリカ・ミネイロ(AME) 0-1 ゴイアス(GOI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=yuqSzNDzJgI
(GOI) : 34' #3 ルーカス・アウテル(Lucas Alter, 2000)[#60 ギリェルミ・マルケス(Guilherme Marques, 1991)]

見どころ(試合前の順位)

   アメリカ・ミネイロは全国選手権2勝4分11敗勝点10の20位。
   ゴイアスは全国選手権5勝4分9敗勝点19の15位。

得点シーン

(GOI)前半34分 :
MFギリェルミ・マルケスが蹴る右CK。GKの手前からCBルーカス・アウテルが後方に下がりながらマークを外してボールを頭に合わせゴール。
   CBルーカス・アウテルはアトレチコ・パラナエンセ育成出身で2017年南米U-17選手権に8試合出場で1得点、2017年U-17W杯7試合出場の経歴を持つ。2019年1月の州選手権に18歳でプロデビュー。2019年、2020年は州選手権では出場機会を得るものの全国選手権での出場は限られ、2021年は州選手権でアキレス腱に重傷を負い、8か月間戦列を離脱。2022年復帰後は出場機会も僅かとなり7月にゴイアスへ期限付き移籍。2023年はゴイアスでレギュラーに定着し、今節終了時点で40試合5得点を記録。高さがあり、足元の技術も高く、ロングフィードの精度も高い。守備面では前に出てボールを奪うことを得意とし、厳しいマークで相手FWに簡単に前を向かせない。一方で積極的に前に出る守備は相手に背後のスペースを与えることになり監督によって好みの分かれるタイプかもしれない。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:66% 34% ⇒ 前後半:64% 36%
シュート(枠内): 前半:7‐3(1-1) ⇒ 前後半:13-9(3-3)
パス成功率: 前半:90% 77% ⇒ 前後半:87% 77%
   アメリカ・ミネイロは、前節終了後、ヴァギネル・マンチーニ(Vágner Mancini)監督を解任。間もなくファビアン・ブストス(Fabián Bustos)氏の監督就任を発表した。
   週中のコパ・スウアメリカーナはRBブラガンチーノとの2ndレグ。1stレグでの1-1を受けての試合。ファビアン・ブストス新監督の初采配となったが、前半5分の失点以降、常に追いつき追いかける展開となったが、後半45+10分のPKで同点に追いつきPK戦に突入。そのPK戦を4-3で勝ち抜き準々決勝進出を決めた。
   今節はコパ・スウアメリカーナから先発を5人変更。
   前監督の攻撃的なスタイルを踏襲し、前半10分に守備から攻撃への移行で中央を縦にパスを3本繋ぎFWマストリアーニ(Mastriani, 1993)がシュートに持ち込もうととするが、ディフェンダーにボールを掻き出される。
   その後もボール保持率を高め、相手陣でボールを回すが、ゴイアスの堅固な4-4のツーラインの外でのパス回しに終始。効果的な攻撃を展開することができない。すると、前半34分、CKから失点。
   後半開始時に、攻撃の起点の精度を上げるためCBマイダーナ(Maidana, 1996)と、中盤に代えFWエヴェラウド(Everaldo, 1994)を投入。前線の人数が増え幅ができ、サイドからのチャンスを作り出していく。
   後半34分、右サイド深い位置からFWエヴェラウドがクロス、誰にも触れずゴールに向かったボールをゴイアスGKタデウ(Tadeu, 1992)が掻き出すが、逆サイドからゴール前に詰めをFWペドリーニョ(Pedrinho, 1999)の元に。このボールをFWペドリーニョはダイレクトにボレー。ゴール前でこのシュートに詰めたFWウェリントン・パウリスタ(Wellington Paulista, 1983)がゴールに押し込むが、FWウェリントン・パウリスタの位置がオフサイド。同点機を逸する。
   このまま試合はタイムアップ。ボールを支配したアメリカ・ミネイロだったが、試合はゴイアスにコントロールされ、全国選手権は3引き分けを挟み6連敗。前半戦19試合を勝ち点10で折り返すこととなった
   次戦は、8月19日に全国選手権第20節アウェイでのフルミネンセ戦。その後中4日でコパ・スウアメリカーナ準々決勝フォルタレーザとの1stレグが控える。

   ゴイアスは、週中のコパ・スウアメリカーナは0-2、2試合合計0-5で敗退。その試合では中盤に攻撃的な選手を多く起用したが、今節は守備的な選手に代え試合に臨む。
   試合は、ボールを支配するアメリカ・ミネイロに対し、守備を固めカウンターを狙う。目論見通りカウンターからたびたびチャンスを作り出すと、前半34分にCKから先制。
   後半15分には、足元のあるMFギリェルミ・マルケス(Guilherme Marques, 1991)とポストタイプのFWジョアン・マギノ(João Magno, 1997)を下げ、新加入で初出場となるMFハファエウ・グッツォ(Raphael Guzzo, 1995)と高さがありながらもチェーシングを怠らないFWマテウス・バビ(Matheus Babi, 1997)に交代。逃げ切りの姿勢を明確に打ち出す。
   後半34分にゴールネットを揺らされるが、オフサイドの判定に救われる一方で、カウンターから何度か相手ゴールに迫り、試合終了間際には直接FKがポストに嫌われる場面を作り出すなど、ボールを持たせつつ多くの時間で試合をコントロール。
   結局、試合は1-0で逃げ切り。全国選手権は2引き分けを挟み3連勝。アルマンド・エヴァンジェリスタ(Armando Evangelista)監督の戦績は4勝2分3敗となり指揮を執り始めて初めて勝ち星が先行。降格圏まで勝点差を4に広げることに成功した。
   次戦は、全国選手権第20節、8月21日にホームにアトレチコ・パラナエンセを迎える。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です